全12件 (12件中 1-12件目)
1

お気に入りのジャズ番組「Jazz Conversation」で宮本貴奈さん、登場。アメリカのアトランタ在住だったらしく、パパも今日まで知りませんでした。番組ではご自分のお子さんの誕生を祝った、On My Way(宮本さん談:この曲の感じでゴキゲンな出産であって欲しい)と以下の2曲「Night Walk」(Dave Grusin)、「Peri's Scope 」(Bill Evans)をおなじみの代官山のジャズバー「レザール」でのライブ録音で聴く。3曲とも心に沁みる、エレガントであり、かつ情熱的な音でした。3曲が入ったアルバム「On My Way」のトリオツアーがパパの行きつけの吉祥寺「Sometime」、みなとみらい「MotionBlue」であるようなので、どちらか1日は行こうかな?今、YouTubeで連続観賞中です。 TOKU(Voc/Flugelhorn)によると、宮本貴奈さんの印象は以下の通り。 2004年12月25日、僕はひとりのピアニストと出逢う。場所はブルーノート東京。僕のことを知っていてくれていたのもあってか、すぐ近くにある老舗のジャズ・クラブ 「Body&Soul」のママの誕生日だから行くんだけど、来ない?という誘いに、二つ返事で 一緒に来てくれた。着いて早々に彼女とセッションをした僕は、すぐに彼女のピアノの プレイに惚れ込んだ!高い技術と抜群のセンスの持ち主だということは、音を聞いて一瞬でわかった。 今では僕が日本で、いや世界で最も信頼するピアニストのひとり。出会った翌年だったかな、彼女の当時の本拠地アトランタを訪れたのがきっかけでアトランタを好きになり、 アトランタで一緒に2枚のアルバムを作ることになる。そして、これを書いている時点での僕の最新アルバムも 彼女と作ったのです。今までいろんなところで一緒にプレイしてきたけど、いつでもどんな時もホントに気持ちよく、 純粋に歌わせてくれるピアニスト。 スっと心の中に入って来て、ずっと一緒にいてくれる。一度味わったら病みつきになる(笑)。。。と、そこまで僕が思う素晴らしいピアニスト、宮本貴奈。長い海外生活から日本に腰を落ち着けて最初のアルバム、もうすでに僕の愛聴盤です。このアルバムがひとりでも多くの人に聴いてもらうことを願ってやみません。ぜひライヴでも彼女のピアノの音を体感してほしいな。貴奈、ニュー・アルバムおめでとう!!TOKU
2013.06.30

たった一枚の写真から、物語が始まる。遠く山脈を見渡す斜面で、ひとりの兵士が銃弾に倒れる刹那を撮った写真。「崩れ落ちる兵士」と呼ばれるロバート・キャパ(本名、エンドレ・フリードマン)による有名な一枚であり、フォト・ジャーナリズムの最高傑作のひとつ。しかし、実はこの写真はキャパの作品のなかでも「疑惑の一枚」として議論されてきた曰く付きの写真。撃たれた兵士の斜め前から撮ったということはカメラマンの背中側から銃弾が飛んできているはずであり、そのような状況で死の「完璧な瞬間」を撮ることができるものだろうか。そもそも本当の戦場で撮られたものなのか。フェイクではないのか。 沢木耕太郎は、長年この写真に違和感を抱いてきた者のひとり。『キャパの十字架』で、沢木は「崩れ落ちる兵士」の謎に迫っていく。NHKの日曜美術館、NHKスぺシャルでもCG付きで放送された。「キャパ」という写真家はふたりいた。ひとりはフリードマン。そしてもうひとりは彼が生涯愛した女性、ゲルタ・ポホイルである。ユダヤ系ハンガリー人の若いカメラマンはまだ無名で収入も少なかった。ベルリンで生活していた彼はヒトラーの台頭を期にパリへ向かい、3歳年上のゲルタと知り合う。ふたりは次第に惹かれあい、ゲルタはフリードマンの助手をしながら撮影技術を学んでいく。 ふたりは自らを売り込むために架空の存在を創りだした。アメリカ人写真家「ロバート・キャパ」である。この目論見は大成功。「キャパ」の正体がフリードマンであることが露呈した後もロバート・キャパを名乗り続ける。時を同じくしてゲルタもゲルダ・タローという作家名を使い始めた。「タロー」はパリ時代に出会った、岡本太郎から頂いたらしい。岡本太郎ファンのパパとしては、嬉しいサイドストーリー。1936年、7月。スペイン内戦が始まる。キャパとタローは被写体を求めて戦場へと赴いた。「崩れ落ちる兵士」が撮影されたのは1936年の9月。内戦初期である。キャパはこの写真について公式に語ることはほとんどなかった。また、自身の手で注釈や解説文をつけることもなかった。事実がどうであれ「崩れ落ちる兵士」が彼を「偉大なキャパ」に変えてしまった。「秘密」を分かち合える唯一の人であったタローは、その約一年後、戦車に轢かれて死んでしまう。キャパは「十字架」を背負っていく。 沢木はキャパが定宿とした安ホテルが、自分のいたアパルトマンのすぐ近くにあったことに気付く。沢木と在りし日のキャパが、ここで交錯。このパリ訪問のとき、沢木は40歳前後。キャパはベトナムで地雷を踏んで死んだ。享年40歳。タローは26歳で死んだ。そして、キャパの心の奥底にずっと留まりつづける。「崩れ落ちる兵士」と同等かそれ以上の写真を撮らなければならない。「偉大なキャパ」の呪縛から解き放たれるために、彼は幾度も戦場に身を投じる他なかった。沢木はこう感じているのではないか。キャパもまた、「今」のなかに「完璧な瞬間」を求めていたのだ、と。『キャパの十字架』で「崩れ落ちる兵士」の謎に答えを出した沢木の目的は、キャパの「虚像」を剥ぐことではなかった。沢木は自分自身の姿をキャパに重ねていた。キャパと自分が「同類」であるのは、「視るだけの者」としての哀しみを知っているからだ。沢木はそう述懐する。「視るだけの者」は孤独であり、「伝える者」は物語を生み出す。誰も予期せぬ形で彼らに「十字架」を背負わせる。 パパにとっての戦場カメラマンと言えば、キャパではなく圧倒的に澤田教一だ。沢木の探究心、好奇心も悪くないが、何か土足で穢してはいけないものに踏み込む感じがあり疑問を感じた。ピカソのゲルニカに並ぶ、スペイン人のイコンである「崩れ落ちる兵士」を穢しても良いのか?下記の澤田の名作も疑えば何か埃が出るかもしれないが敢えて放置するのも、「視るだけの者」の見識ではないのか?
2013.06.29

仕事帰りに映画鑑賞。少しヤラセクサイ内容の懸念もあるが、『奇跡のリンゴ』を観た。 阿部サダヲ演じる、木村秋則(実在の方)の猪突猛進振りが空回りして、お金も友も家族の絆も全て失われる。これが変曲点を迎え好転するのが、弘前のねぶた祭りの日に自死を決意した森の中で見つけた、1本のリンゴの木。農薬も無く、肥料も無く、土と葉っぱによる堆肥、害虫と益虫とその虫たちを食べる鳥たちの自然のバランスの中で、そのリンゴの木は育っている。リンゴの木とその育成環境が秋則にヒラメキを与える。いちずな思いの秋則を神は決して見捨てなかった。それからの展開は全て良い方に展開。木村美栄子(菅野美穂)も雛子(畠山紬)も良かったが、やはり本作の主役は先祖伝来の土地を秋則に託す決心をした木村征治(山崎努)。秋則からの「4つのリンゴ畑を全部無農薬にしたい」という申し出を快諾し、農協で説明するシーンは鳥肌モノ。美栄子や孫の体が農薬マミレで侵されていく未来の危険、健康を慮っての直観による征治の判断だと思った。このクダリはパパにエライ昔のことを思い出させてくれた。 東京のど真ん中の高級住宅街、世田谷区。「化学肥料無し、無農薬」での野菜作りを推進した、大平博四さんの農場。大学時代参加していた「エコロジーを考える会」のご縁でに友達と後輩とパパの3人で大平さんの農場で堆肥を作った。土と葉っぱと水をかき混ぜながら、青色シートで囲いながらの堆肥作り。少しの時間なのに、かき混ぜた土と葉っぱと水がシートの中で<化合>し、かなりの温度(40℃くらいか)になってビックリ。おそらく土の素姓も大平さんならではものだったのか。秋の日曜に半日がかりで作業。大平さんに堆肥作りのご褒美で出してもらったお昼のオムライスは格別に美味しく、今でも忘れられない。その打ち上げで、大平さんの娘さんとお会いし確かビールか何かを一緒に飲んだが、風の便りで若くしてその娘さんが亡くなったとお聞きした。多分、大平さんと奥さんが息苦しくなるまで浴びた農薬が娘さんの体を蝕んだのであろうと訃報を聞いて思った。因果関係は分からないが。 征治はそのような子孫の暗お澹たる未来を回避すべく、決断したんだと思う。(専門家によると、正確には酢とワサビ製剤を使用しているので無農薬でも無いし、大豆を植えることで窒素固定しているので肥料も使っているらしいが明らかに人体へのリスクは軽減している。)征治が秋則の成功を信じて、三上幸造(伊武雅刀)と三上葺子(原田美枝子)と交わした「約束」もグッとくる。変曲点までのストーリーが四面楚歌(村八分)、子供の病気、子供の貧困、笑わない阿部サダヲとあまりに救いがない展開なので、5点満点で3.8点。
2013.06.27

「無私の日本人」の作者、磯田 道史さんは堺雅人主演の映画「武士の家計簿」の原作を書いた人。その彼が江戸時代を生きた3人の人物の評伝を書いた。仙台藩吉岡宿の困窮を救うために武士にお金を貸して利子を得る事業を実現させた穀田屋十三郎、ひたすらに書を読み、自ら掴んだ儒学の核心を説いて、庶民の心を震わせた中根東里、幕末の歌人にして、「蓮月焼」を創始した尼僧・大田垣蓮月。 磯田 道史さんがこの3人(穀田屋十三郎の編では彼を含む9人だが)の評伝を書く気になったのは自分の子供が生まれたことが契機になったという。、彼らに共通する魅力は、「濁ったものを清らかなものに浄化させる力」。3人は世俗的な名利を求めず、ただ、自ら正しいと思うことを行い、多くの人々に感銘を与えながら、それを誇ることを固く戒めて、あくまで一人の普通の人間として生きようとした人。その純な無私な姿は多くの周りの人を巻き込み、ウネリとなって一つの胎動になっていく。欧米や大陸の行動規範である「競争主義」、「弱肉強食」とは対極にある、仲間を助けるために利他的、自己犠牲を払う、「日本が誇るべき美観」があり、磯田 道史さんが子供達へ伝えるべきものとして記した。「本当に大きな人間というのは、世間的に偉くならずとも金を儲けずとも、ほんの少しでもいい、濁ったものを清らかな方に変える浄化の力を宿らせた人である。この国の歴史のなかで、わたしは、そういう大きな人間を確かに目撃した。その確信をもって、わたしは、この本を書いた。」とあとがきにあり、このことを子供たちにしっかりと伝えたかったのだ。史実ものなので読み易いとは言えないが、痛快な作品。小曽根真のコンサート前の1時間(当日券をゲットしてから始まるまで)で一気に半分読ませる力があった。
2013.06.24

今日は翔子ちゃんのエレクトーンの発表会だったのですが、昨晩のTHE PLAYERS(J-WAVE、小曽根真DJ)でゲイリー・バートンとのコンサートが 横浜みなとみらいホールであることを知ったので行き先をみなとみらいに変更。当日券狙い。当日券無い場合は、近いので諦めて帰ってくる覚悟で家を出発。丁度パパがみなとみらいに出発するタイミングでユウ君も塾から帰宅したので、パパ:「ユウ君も行く?」、ユウ君:「多分、ライブ行ってもすぐ飽きるから行かない」とのことでした。前日のサントリーホールのライブはSoldOutだったので、席無さそうな確率は50%くらいか(実際、当日券はおそらく20枚程度)。小曽根真は15年来のファンでFMのジャズ番組ASAHI BEER OZ MEETS JAZZ(今は、THE PLAYERSに名前が変わった)は結構聴いてますが、ライブは「お初」。ご実家の神戸北野坂のJAZZ LIVE SPOT「SONE」にもおそらく10年以上前ですが行ったことあり。ママからは「娘の発表会に来ないで他のライブに行くなんて」と白い目で見られてますが、「行くなら今でしょ」ということで横浜みなとみらいホールへ。小さいライブハウスは年間20-30回行っていますが、大きいホールで聴くJAZZは久々で県民ホールのKeith Jarrett以来、約5年ぶりくらいか。約2千人入るホールですが、マイクのアンプ無しの文字通りの「生」(NHK向けの録音用にマイクはありました)。 無事に当日券ゲット。A席でゲイリー・バートンの顔は見えないが、小曽根真は顔も見えるし、演奏振りが良く分かる2階席の好位置に陣取れました。パパの日頃の行いが良いせいか?小曽根真にとってゲイリー・バートンは師匠筋。30年くらい前、小曽根真が超絶の早く弾くだけのMelodyも音楽性も顧みないバークリー時代に、Chick CoreaやBill EvansのようにMelodiousに情緒あるように弾いてみたらとアドバイスをしてくれて(そのままだったらJAZZ PIANISTとしてはすぐに消えてしまうと心配して)、シゴイテくれたそうです。そういうこともあって、小曽根はゲイリー・バートンを「自分をこの世界に導いてくれた師匠」と度々語る。30年間で熟成された2人の間の信頼関係、絆は見て明らかで羨ましいほど。 1曲目のAflo BlueはJohn Coltraneでお馴染みのナンバー。キューバ出身のコンガ奏者モンゴ・サンタマリアが作曲したアフロ風ワルツ。たまたまパパの今日持参のiPod nanoに小曽根真&ゲイリー・バートンのAflo Blueが入っていました。運命ってとこですかね。5曲目のSol Aztecaはボストンにあるメキシコ料理店でゲイリー・バートンから小曽根真にツアーメンバーに入らないかとプロポーズされた(多分、Why don't you join our group, Makoto?とか言われたんでしょうか) 思い出の店の名前。バートンからの御誘いはモノ凄く嬉しかったらしく、それまで嫌いだったメキシコ料理がこの日を境に好きになったらしい。7曲目、Italparkイタルパークはアルゼンチンにある公園の名前。これは聴きながらゾクゾクするリズム。超速でなくてしっとり系の曲であったが素晴らしくメロディが美しい。9曲目はずっとBill Evansのような作曲をしたくてナカナカ出来なかった、雌伏30年物のTime Thread。Bill Evansへのトリビュート。確かにBill Evansのように情緒があり、ロマンチック。Time ThreadのモチーフはBill EvansのTime Remembered。確かにリリカルな旋律は相通ずる何かを感じました。10曲目の Suite "One Long Day in FRANCE"はフランスのリヨンから次のコンサート先への移動時のパンクや車のエンジンバースト等のトラブル続きの1日の顛末をモチーフにしたオリジナル。超絶の技も入れつつ、ロマンチックな美しい作品。曲の入り( PART I"朝のリヨン~アイ・ヒア・ア・トラブル!")は映画「恋におちて」のDave Grusinの軽やかなピアノの跳ねる感じと似ているな、と思いました。 全体的にはバラードもあるが、ラテン調の細かいリズムを積み上げた曲が多い構成のライブ。小曽根真も足でリズムを刻んでいましたが、フラメンコのような細かいタップのある踊りがピッタリな選曲がメイン。同じくMCの得意な塩谷哲をして「小曽根真のMCでのしゃべりは最高」と言わしめる、小曽根節も炸裂し大いに「笑いあり」のGroovyで心地良い時間を過ごせました。あまりに心地良くて少し寝ちゃいましたけど。小曽根さん、ゲイリーさん、どうもありがとうございました。日曜の午後のたゆたう時間をゴキゲンに過ごせました。今日、披露された曲目を以下に掲載。(1) Afro Blue (M.Santamaria)(2) I hear a Rhapsody(G.Fragos, J.Baker)(3) Remembering Tano (G.Burton)(4) Le Tombeau de Couperin(M.Ravel)(5) Sol Azteca(M.Ozone)(6) Fat Cat(M.Ozone) (7) Ital Park(M.Ozone) (8) Stompin' at B.P.C(M.Ozone)(9) Time Thread[for Bill Evans](M.Ozone)(10) Suite "One Long Day in FRANCE"(M.Ozone) 【Encore】Popcorn Explosion(M.Ozone) WEBで札幌のライブのSetListの写真があったので、参考までにノッケテおきます。 これまた参考までに最新作「タイムスレッド」の曲は以下の通り。 「ハーツ・イン・ランゲンハーゲン」は大阪のいずみホール(6/7(金)のライブでは演ったらしい。 (参考:いずみホールのブログの6/9の記事から引用。この日の記事にいずみホールでのSetList有。) 小曽根真&ゲイリー・バートン「タイム・スレッド」収録曲01. ファット・キャット02. ストンピン・アット・B.P.C.03. リーズ・パーティー04. ソル・アステカ05. イタルパーク06. ハーツ・イン・ランゲンハーゲン07. ポップコーン・イクスプロージョン08. タイム・スレッド(フォー・ビル・エヴァンス)09. PART I"朝のリヨン~アイ・ヒア・ア・トラブル!"10. PART II"コルドン・ブル"11. PART III"ドゥ・ヴォワチュール・フロンセーズ、ミニョンヌ~ザ・コンサート"12. アイ・ヒア・ア・ラプソディ
2013.06.23

どれもこれもでないかも知れないが、窪 美澄の描き出す世界は途方もなく暗く救い難い。映画になった「ふがいない僕は空を見た」は、最初の10Pで吐き気がして読むのを止めた。しかし、本作と「ふがいない僕は空を見た」の次の「晴天の迷いクジラ」は辛い話だが、何故か「人生って辛いこともあるけど、自分を支えてくれる人も必ずいるから前向きに生きてみよう」と何故か肯定的な気持ちを持たせてくれる。爽やかな読後感。世知辛い現実を描きつつも、人との関わり(本作での悪人である阪口絵莉花と岸本との関わりも含め)って素晴らしいという窪 美澄の信念めいたところが「アニバーサリー」の読ませる力。 真菜が自分の娘に絵莉花と真菜の名前から文字を合わせて「絵莉菜」と付けたのは「どうして」と思うが、真菜の自分勝手に生きる絵莉花への憧憬、友情なのか。晶子と千代子の間の生涯変わらぬ、明るい友情とは対比的な「ダークサイド」の友情なのか。絵莉花は<鵜匠>で<鵜>である真菜を弄んだ、愚劣な輩で友情の対象であり得ない。「お金はもう要らない」と口では言いながら、実際は拝金主義者の絵莉花。父と母に捨てられた真菜にとってはそんな金に汚い、蔑むべき絵莉花であっても<孤独な青春の日々で疲れた、羽根を休める宿り木>たり得たのか。肉親よりも真菜と絵莉菜を支える、晶子と千代子の血を超えた人間の連帯。<絆>という人口に膾炙する具体性の欠けた言葉でなく、3.11以降の日本人のあるべき姿を具体的に指し示している。これが爽やかな読後感の源に思えた。
2013.06.22

もうそろそろ上映終了ということで、慌てて劇場へ。第1作の「探偵はBARにいる」の出来が良かったので、期待満々で行きましたが正直やや期待外れ。駄作ではないが、期待値が高すぎた。マシャファミリーの大泉洋が出ているので、其れなりに面白いですけど「探偵はBARにいる」のストーリーに比べると捻りが無いというか、やはり小雪(沙織)と尾野真千子(河島弓子)の差というか、片や5点満点なら本作は3.5点。沙織が心の奥では「恩義と愛に報いるため霧島敏夫に付くのか、金のため快楽のため岩淵恭輔に付くのか」最後まで俺(大泉洋)に分からない展開が前作の魅力で、実際〈俺〉は沙織に一杯食わされる。白い布を掛けられ、救急車に搬送される沙織を茫然と見送る〈俺〉。泣かせるシーン。本作は「やっぱりそういう感じにしてしまう」展開なので尾野真千子のせいだけにするのは酷ですがプロットが大甘過ぎる。橡脇孝一郎(渡部篤郎)の楯である、新堂艶子(筒井真理子)に前作の〈俺〉を拉致した男(高嶋政伸)的な不気味さを持たせ、マサコちゃん(ゴリ)殺しに絡ませれば、もう少し複線的な展開になるのにと思いました。 とはいえ、大泉洋と高田 (松田龍平)の男の友情に基づく痛快なアクションの立ち回り、相田(松重豊)、桐原組組長(片桐竜次)のダンディズム、両刀使い松尾(田口トモロヲ)の的確な動きをする垂れ込み屋振り、極上女(麻美ゆま)のエロさ、一般市民の野球男(矢島健一)の古い野球選手の蘊蓄、トリックスターとしての佐山(波岡一喜)のハチャメチャ振りは魅力満載。作者(東直己)も端役で登場するお茶目さ。映像全体に差し込まれるススキノの情景は随分前に行った狸小路の飲み屋のオヤジさんに又会いに行きたい気分にさせられた。オヤジさん御手製のキンキの煮付けは最高。祇園の料亭の味に全く引けを取らない味。20年くらい前に行ったので、おそらくお店にはもう立っていないかと想像しますけどね。尾野真千子を酷評しましたが、最後に尾野真千子が奏でるバイオリンの調べはグッときて泣けました。曲名はラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」(Pavane pour une infante défunte)だそうです。亡き兄、マサコちゃんへのオマージュ。今、辻井伸行バージョンを聴きてますが、確かにこの曲。良い曲で、思いを込めたこの曲だけでも観る価値あり。尾野真千子さんこの曲を1.5カ月練習したそうです。YouTubeで生演奏観ましたが、確かに其れなりの音、形になってました。凄まじき役者魂。
2013.06.20

インフルエンザの時期に例年、翔子ちゃんの学校は合唱コンクールをクラス対抗で実施してました。学級閉鎖とかあると期末試験の日程に影響することで今年からこの時期に変更しました。ママは翔子ちゃんの朝連のため、2週間いつもより30分早起きで寝不足。パパも寝不足気味でした。それが今日で終わりで、それはとても嬉しい。 発表会はいつもの立派な講堂。父母で客席は満席。2枚入場券を申し込みましたが、パパの分は外れたが昨日担任の先生から電話があり参加出来ることに。きれいな声で良かったですが、ややインパクトに欠けました。優勝どこのクラスだったかは翔子ちゃん今、眼の前で寝ているので分かりません。帰りの途中の駅でほぼお昼だったので、結構珍しい韓国料理を食べて帰りました。辛かったですが、海鮮のスンドゥブ・チゲ鍋は特に美味しかったです。
2013.06.15

秋田慎治さんのことは最近まで全く知りませんでしたが、2週間くらい前佐藤竹善DJの湘南ビーチFM「Friday Musical Voice」で「秋田君のピアノは素晴らしい」とのお言葉と2曲程度掛けたメロディーが素晴らしく、急にファンになりました。その際にWEB検索し、MotionBlueYokohamaでライブあることを知り、仕事のケリが付けば行こうと思ってました。何とか仕事にケリが付いたので、職場を出発。ハイネケンをオーダーした直後にライブスタート。以下は、うろ覚えですがSETLIST.(1)四月に君に逢いに行く 、(2)イパネマの娘、(3)Do you know the way to san jose、(4)あの日の記憶(本人談:神戸メリケンパークの朝のイメージらしい)、(5)ブルー・オン・ユー(演り始めるまでは、沖縄の夕方のイメージ:たったひとつ許された夢、だったらしいですけど)、(6)Norah Jones - Don't Know Why。ここでひと休み。(1)と(3)はかなり怪しいです。Oscar Petersonのリリカルな弾き方にMcCoy Tynerの力ある感じを併せ持ったイメージ。さすがに両巨匠までのレベルには未だ達していませんが、期待を持ちました。休み明けは(7)ここで過ごすいつもの夏、(8)Spread to the Sky、(9)Rain makes us One( us Oneがスワンと聞こえるらしく、よく白鳥と言われるらしい)(10)消えゆく涙(最近亡くなったお友達へのオマージュ)、(11)Softly As in a Morning Sunrise(これはニューアレンジで特に良かったです)、(12)静けさ24分 (13)明後日のシール 、そしてアンコールの(14)生まれてきた訳。お薦めのジャズピアニストでまた、今度もライブがあれば行きたいなと思いました。秋田慎治オフィシャルブログ『One Moment in my life』にライブの後、Audienceと一緒の撮った写真があったのでUPしておきます。かなりイケメンでした。
2013.06.14

去年の夏から懸案であった「家事」が本日片付いたので、ママの労をネギラウ意味でママとまたまたランチに行きました。ママにはパパが出来ない分、いろんな人に会ってもらったり、付き添いで行ってもらったり、大変お疲れ様でした。ママのヘルプ無しでパパの力だけでは、このタイミングで「家事」完遂出来ませんでした。ありがとうございます。 ランチのお店として選んだのは、ママが御友達Kさんと6月頭に行こうとして「定休日」であった、S店。このお店はこれもママの御友達(結構セレブらしい)Fさんお薦めのお店。ママも1回は来たかったらしく、その「宿願」を果たす意味もあり当店を選択。「家事」が大いに長引き、S店に着いたのは予約の13:30ギリギリ。「奥様ご用達」のお店らしく、6人組、2人組みの計8人がこの時間にお店に居ました。6人組は五月蠅くて閉口モノですが、まあ致し方なし。パパは仮に「若くて綺麗でも」こういう五月蠅い輩は苦手。 さて、肝心のランチ。サラダは緑が印象的な、おそらく厳選野菜のサラダ。中付けはこれも野菜を中心の3品で美味しかったです。ここでメインイベントのサーロインステーキ。まだまだ食べたいと思わせる上質な味でした。シェフは元ヨコハマベイシェラトンホテルの鉄板焼レストランのシェフだったらしい。さすがFさんお薦めのお店。Fさんご一家(何か皇太子ご一家みたいな響き)では御祝い事や美味しいものを食べたい際に、利用されるそうです。この後、デザートとコーヒー。もっと長居したかったところですが、パパは6人組の雑音に耐えられないのでちょっと短めの豪華ランチでしたが、退散。ディナーでは給仕していただいた奥様がバイオリンを弾かれるらしい。 ユウ君の帰宅に間に合わせるという意味もありました。駐車場に入るあたりでママにユウ君から電話。ユウ君はママにいつも家に居てほしい甘えん坊。ここは全く翔子ちゃんと違います。 翔子ちゃんに言わせると、「ママは家に居なくてもいいから、外で仕事して来て(お金稼いで来て)」になっちゃうもので。
2013.06.13

梅雨の晴れ間なのでまたまた朝から良さそうなレストランを検索し、歌舞伎座にほど近い店を選び、ランチのコースを予約。毎週銀座に行くのかい、って感じですが。新橋駅からママと歩きましたが、「銀座ライオン」の角を曲がったところで、Laura Ashley銀座店が偶然閉店セールだったので少しママの服をお買い物。パパの趣味で選んだブラウスは家に帰ると翔子ちゃんから「ババ臭い」と酷評。パパ的には併せて履くパンツやスカートの色、デザインとのコンビネーション次第で十分エレガントになると思ってますが。その先少し歩いてマリオット銀座東武ホテルの前まで来たのですが「渡れない大通り」に行き当たり少し困りました。何とか渡ってお店へ。少し苦労しないと美味しいものを食べられないと言うことでしょうか。 まず、お通しのカレー風味のアミューズ。食欲をより増すような趣向で美味しかったです。次に、ママと前菜をシュアするように「人参のフランと雲丹ゼリーの菓子仕立て、トマトソースとサラダ添え」と「名古屋コーチン鶏のマリネ マスタードソース サラダ添え」をセレクト。口コミで好評だった、「名古屋コーチン鶏のマリネ」も絶妙でしたが、「人参のフランと雲丹ゼリーの菓子仕立て」も人参と雲丹が混じり合って濃厚な味が美味しかったです。白ワインも合いそうなので、パパもママも注文。昼間からほろ酔い加減になれるのも、とても贅沢な事。フランス料理の名店らしいので当たり前なのかも知れませんが、パンもとても美味しかったです。パンのことが気になったので後でWEBの口コミを確認すると、何とパンもシェフの手作りで寝る時間も注ぎ込んで焼かれているらしい。コダワリの職人さんですね。美味しかったと見えて、ママも珍しくパンをお代わりしてました。勿論、パパもパンのお代りいただきました。 次は、メインもママとシュアするようにお魚とお肉をセレクト。お肉はプラスチャージを払って「牛フィレ肉のソテー、黒胡椒のソース」にアップグレイド。どちらも野菜に彩られた美しい、美味しい仕上がりでした。カウンター席の隣のご夫婦(我が家より15歳くらい上か)はフルコースでしたが、まあカロリーを考えるとパパとママのようなシェアの方が無難か。そのご夫婦は旦那さんが良くしゃべる方で「あなた、ウルサイから少し黙って」と奥さんから言われる和気あいあい振り。微笑ましいご様子。我が家も15年後もかくありたいもの。 シェフは一見話掛けにくい雰囲気でしたが、ランチ最後のお客さんであったこともあって、少し近況をお聞きしました。話してみると実は気さくな方でパパの勘違い。料理を作られている時の雰囲気は真剣そのもので、話かけたら怒られるんじゃないかとツイツイ思い込んでしまいました。数日前まで腕を磨くためか、南仏からパリまで旅行していたそうで、パパ:「パリは今の時期、花が咲いて一番いい季節ですね」と話を向けるとシェフ:「いや、パリは今も寒くて大変でした。聞いていた雨に降り込めれることも無く、パリに着いた日は晴れで良かったんですけど」。マシャもカンヌでは寒かったらしいので、フランスの今年の春の終わりから初夏の季節は寒目のようです。是非またお店にお邪魔して美味しい料理をいただき、気軽にお話を伺いたいと思いました。 食事の後は、ママから半年くらい前?から言われている結婚指輪の新調したいとのご要望でT店とH店に行きました。H店のものは良かったですが、何せお値段が。。。 買いたかったものの品質はやはり断然H店のものが美しく光輝いていて、良かったです。
2013.06.08

梅雨の晴れ間なので、ママと銀座へランチにお出かけ。晴れで涼しいこのタイミングを利用しないと、次にいつ良いタイミングになるか分からないのでノープランですが、一期一会の気分で。朝も早よからの翔子ちゃんのお弁当作りの日頃の疲れか、ママは朝起きるのが遅かったのでBrunchという感じ。パパは朝も早くから洗濯とかしているので、ちゃんと朝ごはん食べましたけど。11時頃WEBで良さそうな店を探して、ランチ開始13:30で予約し、出発。ママのスマホなら住所があればナビしてくれそうですが、パパのケータイではそんな高機能は「無料」ではないので、大体のアタリをつけて出発。博品館劇場の横くらいらしい。 13:30には間に合わず、予約より少し過ぎてから博品館劇場に到着。遅刻はお店に悪いんで避けたいんですけど、日頃セカセカ生きているので、ロハス気分で行動してしまいました。キョロキョロしましたが、お目当てのお店を割りと直ぐに探し出せました。お値段高めのお店なので、ちょっと緊張。根が貧乏性なもので。 お店に入ると感じの良い、かなり美人な方の「お待ちしておりました」との魅惑の声に導かれてシートへ。店の佇まいはおそらく以前は高級バーだった模様。水が滝風に流れるインテリアの趣向は2000年くらいの流行。今はお金が掛かるのでこの趣向はしなさそう。床の木目調のシックな造りもお金を掛けています。接待費削減の折、店の入れ替えがあったんでしょう。個室も以前はVIP用のスペースだったんでしょう。 食前の飲み物付でパパは生ビール、ママはスパークリングワインをチョイス。ギンギンに冷えたビールグラスも嬉しいオモテナシ。少し待つと、名物塩ユッケと日替わり生肉前菜が登場。美味しいです。今日(きょうび)、ユッケが食べれるのは鮮度抜群の証。 次は、新鮮野菜を使用した日替わりサラダ。どうやら鎌倉産のお野菜らしく、彩鮮やかでこれも美味しい。次はコーンポタージュの泡状スープ。新食感でイケてます。下の写真で如何にもバターぽいのが泡状スープ。お客さんの数もちょうど良いくらいなので、コースを出してくれるペースも心地良い感じでスムーズ。 このタイミングでオプション追加した、黒毛和牛の握り2カン(生・炙り) 。ママと生牛の握りをいただいたのは三宮の某店以来で15年振りか。その際の神戸牛並みに美味しかったです。サーブしてくれる男の方もイケメンでママも大喜び。先月行った六本木のお店もそうですが、お店で給仕係の方は「男も女も美形でないと雇ってくれないということかな」とママと話してました。美形なだけでなく、顧客サービスもキビキビしていて小気味良いので見た目だけではない。お客さんが多い、パニくる状況で「お客を不機嫌にさせず、どう捌けるか」が実は接遇の腕の見せ所なので、今の混み具合では実力の有無が分かりませんが。 ここでメインの黒毛和牛サーロインステーキの有機野菜添え。見た目も美しく、味も美味しく、もう一皿「お替りしたい」という気持ちにはなります。実際にはお腹いっぱいなのでもう食べれないですけど。締めはデザートと珈琲。デザートは柚子のアイスとチーズケーキで普通の味。珈琲はメッチャアメリカンだったので、パパ的にはもっとヘビーな濃さが嬉しかった。ママとお話してゆっくりしていると、大体3時くらいになってました。スペイン人みたいに毎日このペースでランチしたいものです。 軽く銀ブラして、銀座を後にしました。銀座のPRADAは綺麗な方一杯で、オシャレしないと店にも入りにくい印象。今日みたいに爽やかな日には又ママと銀座に来たいなーと思いました。
2013.06.01
全12件 (12件中 1-12件目)
1


