♪らんどくつんどく♪

しっぱいロボット

しっぱいロボット ( ママ作)
「おはなしして!」「何にする」「んーと、ろぼっと」
「はい、じゃあ、ろぼっと。。。むかしむかし、ロボットをつくる人間の、えーと、にんにんはかせがいました。
博士は、人の役に立つようにと、ロボットたろうをつくりました」
「ロボットたろう! ロボットちゃんのおともだち?」
「そうかもね。ところが、このロボットたろう。とても不器用な役立たずのロボットでした。

おかあさんのお手伝いで食器を洗おうとすると、力が強すぎて、オサラを全部わってしまいました。

そこで、にんにん博士は、力仕事をさせることにしました。
山へしば刈りにいくおじいさんについていかせました。
『最近、年をとってしまってしばが重くてこまっていたところじゃ、たすかるのお』
おじいさんは喜んでくれました。そこでロボットたろうはついていったのですが
、、、ロボットたろうはじつは弱虫だったのです。
山へ行ってちょっと動くと虫がいて、ちょっと動くと音がして、怖くて動けなくなってしまいました。
その間にじいさんはしばをかって降りてきました。
『役立たずじゃのう。もうてつだわなくていいわい』
『おじいさん、いかないで。ボク、こわくておりれない。。』
しかたなくじいさんは、ロボットたろうとてをつないでおりてくれました。

さあ、にんにん博士はこまりました。
お手伝いができないので、はくぶつかんに展示することにしました。
でも、はくぶつかんには、先輩のロボットたちがいっぱいいて、
普通は人の役にたってきたロボットが、ごくろうさんってことで展示されるのです。
ロボットたろうは役立たずなのにここへきたので、みんなからいじめられました。
そこで、博物館の人はロボットたろうの説明のところに「しっぱいロボット」とかきました。
すると、博物館にくる子どもたちがみんな、ロボットたろうをみて「しっぱいだ。しっぱいだ!」とからかうようになりました。

にんにん博士が博物館にみにきたとき、ロボット太郎は
『ボクはもうここにいるのはつらいです』といいました。
博士はかわいそうになって、ロボット太郎をつれてかえることにしました。
『ボクは人の役にたてないんだ。いてもしょうがないんだ』
『うーん。。これからどうするかなあ』ふたりがあるいていると、
『もしもし、ちょっと』どこかのおばあさんがよびとめました。
『そっちのロボットは、博物館にいたロボットじゃないのかえ』『そうですよ』
『どうしてこんなとこにいるのさ』
『あそこはボクなんかがいられないとこなんです』太郎がこたえました。
『どこへいくんだい』『行き場所がなくって困っているんです』博士はこたえました。
『じゃあ、うちにこないかね』おばあさんがいうので
『でも、ぼく・・何もできないんです。不器用で。役にたてないんです』
『いいのさ、いいのさ。いてくれるだけで。さあおいで』
ロボット太郎はおばあさんついていきました。

おばあさんはひとりでくらしていたのです。
子どもたちは結婚してどこかへいってしまったのでした。
それで、太郎がきたおかげで一緒におしゃべりしたり、お散歩したり、ご飯を食べることが出来て、とても楽しくなったのです。
『いてくれるだけで、うれしいんだよ』たろうもとってもうれしくなりました。
心配して訪ねてきた博士も安心しました。
『よかった。太郎をつくって本当によかったな』
それからは、ちょくちょくおばあさんちに遊びに来ては3人で楽しくすごしましたとさ、おしまい。

おもしろかった?」「うん。終わるの早いよ」
「えー?長かったでしょ・・・」
2002・9.30


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