それから数ヶ月して、彼は亡くなられた。
短命と言われる病気を抱えた彼が、25歳までの人生を楽しんで生きるお手伝いができただろうか。
私は、もらうばっかりだったかもしれない。
養護学校を卒業した彼が、この通所に入ってこられたのは平成9年。
私も同時期に非常勤としてこの職場に入った。
職員と利用者さん、立場は違うけど、私たちは『同期』だったんだね。
いわゆるターミナル時期に入ってから数ヶ月。
病気の特性上、急変することが多いだろうと思われていたのに、少しずつ
少しずつ悪くなっていった。
まるで職員全員が「いつお別れの時が来てもいいように」と心してかかわることができるように、
考えてくれていたかのように。
なくなる日直前の週末も、元気、とは言えないけれど来てくれていた。
いつものように「また月曜日ね」と声をかけた気がする。
延命処置を拒否されていたので、最後は自宅でお父様に抱かれて眠るようにしていかれた、と聞いた。
最期の時を一緒に過ごせて、親孝行、弟孝行ができたんだね。
いつも通所を盛り上げてくれたね。あなたの声が聞けなくなるのは寂しいな。
でも、Rくんに出会えて良かったよ。ありがとう。
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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