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タルギウユ
結婚までの準備
結婚までの準備
韓国の結婚の準備もさほど日本とかわりない。ただ、日本の友人達は1年も前から色々準備していたのだが、こっちでは長くて半年前、急な人なら2,3ヶ月の準備だ!なんともいかにも韓国らしい。
私と旦那の場合、旦那からプロポーズを受けてから約半年の準備期間であった。この期間、本当に忙しく、私達二人は結婚式までに何キロも痩せてしまい、友人や親戚達に哀れに見られたものである。
結婚を決めてから、実際に結婚するまでの過程を見てみよう!!
1.両親へのあいさつ
まずはこれが肝心である。まあ私達の場合は、結婚前に2年間の同棲生活をしているので、お互いの両親も納得はしているものの、やはり結婚となると、正式にあいさつする必要があるとのことで、まずは韓国の両親、そして日本の両親のところにあいさつに行った。韓国の両親は問題なかったものの、同棲時代から反対していた日本の両親の方が問題であった。
まず、旦那に日本語で手紙を書いてもらい、~月~日に実家に挨拶に行くと伝えた。
それから旦那は毎日会社から帰ってくると挨拶の練習をし、うちの母が物に弱いことから母へのプレゼントまで購入し、二人ともスーツを着て、日本の実家に向かった。実家に着くと、びっくりしたことに母がにこにこして迎えてくれ、家に入った。旦那は正座をして一生懸命練習したあいさつを私の両親に披露。いっつもぼーっとしている旦那なのだが、このときばかりは緊張して、声が少し震え、どもっている感じだった。
韓国人男性のほとんどが、結婚式よりも緊張する場なのだそうである。
うちの両親は日本語で書かれた手紙にえらい感動し、あんなに反対していたにも関わらず、私を韓国に嫁に出すことを許してくれたのである。
こんな感じで二人の第一関門は無事に通過することができた。
ちなみに一般の韓国人同士の結婚では、「相見礼」と言って、料亭やおしゃれなお店などを予約してお互いの両親を会わせる機会を作るそうだが、私達は国際結婚ということで、結婚式当日に紹介した。
2.韓国の結婚式の種類
《結婚式場での結婚式》
韓国で一般的な結婚式は、結婚式場での結婚式である。韓国での結婚式は新郎・新婦がたてた主礼と呼ばれる人の前で結婚を誓う。これは宗教とは関係ないため、日本で言うと「人前結婚式」のような感じだ。時間的にも20分くらいで終わってあっけない。式が終わるとすぐその場で写真撮影が開かれる。両親と、親戚一同と、新郎新婦の友人達と次々に写真を撮っていく。
結婚式場にはペペク室という部屋が準備されており、普通結婚式を終えた二人と親戚一同はそこに向かう。ペベクは韓国の伝統的な結婚行事の一部分で、ウェディングドレスを着ての西洋的な式が一般化された現在、韓国の伝統的な結婚行事の一部だけでも・・・・、という感じでペペクは行われるらしい。衣装も伝統衣装に着替え、部屋のテーブルにはペベク専用の料理がたんと並べられる。そこで二人はまず両親(旦那の)にチョルという挨拶をする。すると両親はテーブルの上に並べられた栗やなつめなどを投げるので、新郎・新婦は衣装のチマ(スカート)を使ってそれを受けとめる。たくさん受け止めれれば子沢山になると言われている。両親に挨拶が終われば、親戚など次々にチョルという挨拶をする。このときチョルをすればするほど、お祝儀がたくさん入ってくるため、新郎・新婦は面倒なチョルもつらくないのだそうだ!
また韓国では披露宴と呼ばれるものも存在するのだが、日本の披露宴を想像していると全く裏切られることになる。披露宴と言うだけで、実際はただの食事である。以前はソウルなら「カルビタン」、地方によって各料理が出されていたのだが、最近はほとんどブッフェ(バイキング)形式が多く、客が皿をとって自由に料理を選ぶことができる。
韓国では日本のように招待状を受けた人だけ来るわけではないので、それこそ、結婚する二人に全く関係ない人までもが、食事目当てに結婚式場に来る人も少なくない。そのため、招待客は式が終わってみなければ何人かは分からなく、下手をすれば、全然関係のない人の分までお金を支払わなければならないので、なんとも納得いかない話だ。
さて、結婚式場で結婚式を挙げる長所は何と言っても費用面。ホテルに比べればかなり安い。また結婚式専門のため、施設や式に伴う備品など全て揃っているので便利である。一方結婚式場での短所は何と言っても時間面である。土日にはたくさんの結婚式が行われるため、ほぼ1時間ごとに予約が入っており、大勢の人が訪れるため式場は大混雑だ。ここで式を行えばまず結婚式の余韻を楽しむということは不可能だろう。また、他の業者OKのところもあるが、普通式場中にある衣装業者やスタジオなどを利用しなければならないところも多く、ドレスなど選択幅が狭いという短所も・・・・。それと結婚式場では招待客の食事でお金を儲ける為、まず招待客100人以下は受け付けない。国際結婚の場合はどうしても少人数になるため、なかなか難しいかも・・・・。
《ホテルでの結婚式》
日本人感覚にあった結婚式を行うならホテルが一番それに近いような気がする。残念ながら私は韓国で一度もホテルでの結婚式には呼ばれたことがないため、はっきりとは言えないのだが、自分達の結婚式の準備のため、あちこちのホテルを見学したときにそのように思った。ホテルでの式の長所は何と言っても、時間的に余裕があり、招待客も結婚式を行ったその場で食事をすることができるため、雰囲気も日本の披露宴のような感じだ。料理は普通フランス料理が一般的で、値段も結婚式場よりは高くなる。ただ、ホテルも1流から3流まであるため、3流ホテルなら結婚式場とほとんど差はない。
また、ホテルは招待客が少なくてもほとんどOKである。ソウルの一流ホテルでは、日本人同士の結婚式を行った経歴があるところも多く、頼めば日本風披露宴も可能らしい。もちろん、そのプランは自分達でしなければならないのだが・・・・。
私達の場合、人数も少ないため初めはホテルで式を挙げる予定だったのだが、韓国の両親が大反対!韓国の田舎から出てくる招待客にフランス料理を食べろ!と言ってもフォーク、ナイフの使い方さえ知らないし・・・、と言われた。確かに韓国のお年を召した人達には西洋料理はあんまし喜ばれないのが現状だ。
《教会での結婚式》
韓国に来たことのある人なら誰でも思うことだろうが、韓国にはあちらこちらに教会がある。キリスト教徒の多い韓国では、教会で結婚式を挙げる人も多い。
教会での結婚式は一般の式場に比べ、かなり厳粛な雰囲気である。時間も比較的長く、式場での結婚式に比べればかなりの余裕を持てる。教会での結婚式は費用も無料のところが多く、費用面ではかなり安く抑えることができる。
ただ、教会ではあくまでも結婚式が重視されるので、披露宴(食事)面では、出張バイキングなどを利用するところが多い。以前私が出席した教会での結婚式は、予想より多くの人が訪れたため、バイキングの食事がなくなり、後から来た人は食事ができなかった!というトラブルもあった。食べ物だけでなく、水や飲料水も全て空っぽで、ちゃんとお祝儀を渡した新郎新婦の友人達が怒っていたのが印象的だった。
《伝統結婚式》
日本でも白無垢の花嫁衣裳に憧れる女性も多いだろうが、韓国でも韓国伝統衣装を着た結婚式が可能である。式場でウェディングドレスを着て式を挙げても、その後ペベクという行事があるため、韓国伝統衣装を着ることは可能であるが、伝統衣装を着るだけでなく、式自体を伝統に従って挙げたい、というカップルも少なからずいる。
伝統結婚式の長所は、なんといっても厳粛な雰囲気で式を挙げることができるということである。韓国の一般的な結婚式は、時間も短いし何ともごちゃごちゃしていて、どうも充実感に欠ける!と思う人も多い。その点、伝統結婚式は式自体も長く、厳粛な雰囲気で行われ、ましてや外国人や国際結婚をするカップルなら、韓国伝統を垣間見ることも出来、日本から来たお客さんにもいい見物対象となることは間違いないだろう。
時間的には30~40分くらいで式が終了し、業者によって異なるが、ほとんど野外で行われる。もし不運にも天候が悪化した場合は、会場にテントを張って、濡れないようにしてくれるそうだ。
韓国での伝統結婚式は2種類ある。かつての一般庶民の「伝統婚礼」とかつて宮中の王と王妃が行った「宮中婚礼」である。私自身は「宮中結婚式」を行ったのだが、幸いにもいい天気に恵まれ、旦那の方も地方から、私の方も日本からと遠くからわざわざ来てくれたお客さん達には大好評で、自分としては納得のいく式を行えたと思う。
写真:「宮中婚礼」(モデルは実は私達だったりするのよねえ・・・)
《その他の結婚式》
私は実際見たことがないのだが、ソウルにいれば漢江(ハンガン)で結婚式を挙げるのも魅力ではないかと思う。漢江を行き来する船の上での結婚式というのもある。また、ソウルに高く聳え立つ63ビルでも結婚式が可能だ。
3.トータルウェディング業者
私の場合、様々な結婚式場やホテルを巡り歩き、様々なドレスショップ、スタジオを巡り歩いたわけなのだが、韓国にはトータルウェディングショップがたくさんある。
あの苦労を思えば、トータルショップを利用する方が断然お得だ。
トータルウェディングショップは、式場、ドレス、ヘアー・メイク、スタジオなどの結婚式に関することだけでなく、不動産、新婚旅行、礼物・婚礼品といったものまで、この一つの業者で全てを一括してできるのである。
自分がどんな結婚式がしたいのか、費用や趣味などの要望を話せば、それにあったものを幾つか紹介してくれる。自分に合ったものだけを紹介してくれるので、ほんの2,3箇所を廻れば、自分のお気に入りの店が見つかるに違いない。勿論、お店の人が一緒に来てくれるし、気楽なものである。
トータルウェディングショップの利点はそれだけではない。トータルウェディングショップはいくつもの各業者と提携を結んでいるため、個人で各ショップを廻るよりも、費用も断然安くなる。実際私も個人的に廻ったドレスショップが、実はトータルウェディングショップと契約しており、後から聞いたら、同じもので何十万ウォンもの価格差があったのだ。
慣れない(?)結婚に関してだから、一括して相談に乗ってくれ、結婚準備においても「あっ!忘れた!」なんてこともなくなり、手間も省け、これを利用する手はない!!と思ったほどである。
4.野外撮影
韓国を旅行すると、観光地のあちらこちらで花嫁姿を見ることができる。
野外撮影は1990年代から出てきたもので、新郎新婦がまるでモデルのようにポーズをとりながらその名の通り、屋外やスタジオで写真を撮り、なんともでっかいアルバムとして一生の記念にするのである。普通は結婚式とは別の日に丸一日をかけて撮影する。今や韓国人で野外撮影をしない人はほとんどいないくらいの人気ぶりだ。
私の場合は、式は伝統婚礼なので、是非とも記念にドレスを着て写真を撮りたかったので、嫌がる旦那に頭を下げて野外撮影をすることにした。
私は野外撮影に関してだけトータルショップを利用し、そこで紹介してくれた所でヘアー・メイク、ドレス、スタジオを選んだ。
ポイントは、サンプルアルバムを色々見ることである。ヘアー・メイクに関しては、ドレスを着ても厚化粧に真っ赤な口紅などと、日本人から見れば想像を絶する所が多いため、特に注意が必要である。そしてスタジオ選びも要注意だ。サンプルアルバムを見ると、堂々としたキスシーンや、ひどいものはベッドの上で新郎は上半身裸で、新婦は鎖骨のところまでシーツをかぶり、二人見つめあうシーンなど、親には見せられなかったり、今はラブラブだからいいものの将来自分の子供が見たらなんと思うだろうか?といった写真を撮るところもあるのだ。そういうのを撮りたい!と思う人には問題ないが、「カメラマンに嫌です!」って言えばいいや、なんて考えていたら大間違い。なんやかんや言って撮らされるのは確実なので、サンプルアルバムを見て、そんなシーンがあれば、撮りたくない人はその業者をパスするのが賢明だろう。
価格の方だが、ピンからきりまであって、私の友人の例を挙げれば、ドレス2枚、カクテルドレス1枚着て、20ページで50万ウォン(5万円くらい)というのが安い方で、30枚だったら、大体100万ウォン(10万円)くらい、ドレスや韓服など衣装を4,5着、40枚くらいっていうのだったら、150万(15万円)~200万(20万円)ウォンくらいが一般的だ。
安いか高いかは本人次第であるが、結婚式当日の写真はどことなくごちゃごちゃしているものが多いため、このように本格的に写真を撮るというのもいい記念になることは間違いない。勿論、これらの価格はヘアー・メーク、衣装全てを含んだ価格であるため、日本じゃ、こんな価格じゃおさまらないのも事実だ。
また、撮影日当日は、ドレス、メークを直したりする「お助けアジュンマ」がついてくるため、その人へのお礼金を準備することと(普通5万ウォンくらい)、当日のお昼ごはんは新郎新婦が出すことが常識となっているので、人数分の食事代を用意することが大切だ。私達は誰も連れて行かなかったが、普通韓国人達は貴重品を持ってもらったり、色々手伝ってもらったりしてくれる友達を連れてくるようだ。
サンプルアルバムを見ていると、素人なのに自分もこんなに綺麗に撮れるだろうか?なんて心配になるものだが、この辺は心配する必要ないと思う。なんせ、カット数だけでも何十枚なので、最初は笑顔が強ばったりしても、撮影が終わる頃にはすっかりモデル並みにポーズをとれることだろう。
写真:野外撮影アルバム(これも私達だったりする・・・・)
5.家・嫁入り道具など(礼緞、礼物)
日本でも同じだと思うが、韓国でも家は男が準備し、家具や電化製品などは女の方が準備するのが一般的である。それも結婚と同時に家(多くはアパートと言われる日本でいう高級マンション!)を購入するのが圧倒的に多い。
嫁入り道具も、最高のものを準備する人が多く、電化製品から家具まで、一番高い物を買う新婚夫婦はたくさんいる。
日本では、親をあまり頼らずに、独身時代からこつこつ貯めたお金でそれらを準備する人達は結構いるが、韓国では結婚資金はほぼ全額親から出るのが普通だ。見栄っ張りが多い韓国では、このときばかりは大金を使って、家や嫁入り道具を準備するのだ。ちなみに、結婚後は借金だらけ!!なんてのもザラだが・・・。
韓国では「礼緞」と言われるものがある。 現在でも結婚するカップルの90%がこの「礼緞」をする。これは、もともと新婦が新郎の家に渡す絹織物のことを言う。昔は絹織物がとても高価な品物であったため、新婦が嫁に行く家に贈物として渡し、礼節を表した。伝統的には新郎の家から新婦の家に絹織物を贈り、新婦は新郎の両親の服を自分で縫ってそれをまた新郎の家に贈り返し、新郎の家から新婦にはお金を渡したと言う。
だが、現在では「礼緞」は、新婦が新郎の家に嫁として入るという意味でのあいさつ代わりとしての贈物を言う。時代が変わって、この「礼緞」の意味も変わり、新婦は初めて新郎の家に正式にあいさつをすることとして、何をしなければならないか、誰々までしなければならないのかと、もっとも気を使わなければならない悩みの種となったのだ。
もっとも現在は、現金で済ます人も多い。
また「礼物」は、お互いにする贈物のことを言い、新郎新婦が交換する結婚指輪や時計などがこれに当たる。しかし、「礼物」の一番は、なんといっても新郎が新婦に渡す宝石類だ。以前に比べ最近は「礼物」交換を省略したり、簡素化するカップルも多いのだが、普通は、ダイヤ・サファイヤ、純金、真珠、エメラルドなどの宝石のうち、婚礼セット(指輪、イヤリング(ピアス)、ネックレスの3点セット)を準備することが多い。
最近の若いカップルの傾向としては、ペアリングやペアウォッチで済ませる人も多い。ちなみに言うと、韓国ではキラキラ物が喜ばれるため、宝石屋さんに行っても日本人に人気のシンプルな指輪とかは見つかりにくい。もし日本の雑誌とかでお気に入りの指輪などを見つけたら、オーダーメイドしてもらうのがいいかもしれない。「これと同じもの作ってください!」と言えば、例えブランド物でもそっくりに作ってもらえるだろう。(笑)
また、自分でデザインした指輪を作るのもいいかも。値段も日本に比べればかなり安くなる。ただ技術的に難しいものは、思ってるものと違う物になってしまうかもしれないのでご用心。
私達の場合、「礼緞」は省略し、「礼物」も宝石類はパスして、結婚指輪としてペアリングを買った。親を頼りにしてあとからぺこぺこするのはごめんだったし、結婚前2年間同棲して二人で結婚資金を貯めていた為、その資金で準備した。勿論家は借家、嫁入り道具も同棲時代に使っていたものがほとんどである(笑)。
6.招待状
日本だったら、人数を絞ったり誰を招待しようか、などと色々悩むところでしょうが、韓国の場合は、とりあえず、思いついた人誰にでも送っても構わない。(笑)
ただ、韓国では自分達が結婚式の招待客を決めるわけではなく、(勿論、会社の同僚や友人達は自分達で決めるけど・・・)、親の知り合いなどの招待客がほとんど。なぜなら、今まで、自分(親)がお祝儀として払ってきたお金を取り戻さなければならないから。(笑)
したがって、私の場合、旦那側の招待客は旦那の友人や会社の同僚以外は、全て旦那の両親に招待状を渡して、「そっちで勝手にくばってね!」状態であった。
また、日本なら招待状って郵便で送るのが一般的だけど、韓国では直接手渡すのが一般的。特に友人達なら、「招待状渡したいから!」と言って、集まってもらい、夕飯や昼ごはんくらいご馳走するのが当たり前みたいだ。
ちなみに招待状を渡したからといっても、日本のように「出席」、「欠席」を知らせるわけでもないので、その人が来るかどうかも分からないし、招待状を送ったその人だけ来るとも限らない。家族がいるなら、家族みんなで来ることも多い。
だから、料理の注文は招待状を出した人数+30人くらいみておくのが普通なのだ。
招待状の作成は最近は、パソコンの普及で自分達でする人もいれば、相変わらず業者に任せる場合も多いのだが、私が頼んだ業者は最低100枚であった。200枚以下は少し料金が高くなる!というところもあるので、注文するときに確認したほうがいい。また、自分の友人達ならEメールでという方法もよく使われている。
7.函(ハム) - 結納
韓国には、函(ハム)と言われる結納儀式がある。新郎の家から新婦の家に送る礼物を入れる箱を函と言う。この箱はもともと桐の箱を用意するのだが、価格も高いことから、最近は銀杏の木や韓紙を使った箱などを利用することが多い。また簡単に旅行かばんに入れて送ることもある。
函の中には、結婚を承諾してくれてありがとうと言う意味を込めた婚書、新郎の四柱(占いに使う生年月日を書いたもの)、陰と陽を表した青色と赤色の絹織物、そして礼物が入る。婚書は女性として1人の男性に仕え生きていくという意味の表れとして、女性が死ぬときに棺に入れたと言う。最近は、青色、赤色の絹織物の代わりに韓服や洋装などを送ることも多く、ダイヤ、純金、ルビーなどの宝石セットや現金を入れることもある。
もともと函は結婚の前日に行われるものなのだが、最近は両家が互いに日を決めて、結婚式の何日か前に行うことが多い。
日本の結納などはなんとも厳粛な雰囲気で行われるのだが、韓国の函は、韓国らしくうるさく行われる。
新郎の友人達が何人かで函を担ぎながら、「函を買ってくださ~い!」と叫びながら新婦の家に向かう。函はできるだけ早く新婦の家の中に入れなければならないことから、新婦側の人達は、新郎の友人達にお酒を出したり、ご馳走を出したり、時には歌を歌ったり、踊りを踊ったりして早く家に入ってもらおうと努力をするのだが、新郎側も行事の盛り上げのために、これを焦らすのである。こうして、やっとこさっとこ家に入ってもらい、新婦側は函を運んできてくれた新郎の友人達に函のお金を支払う。このお金は最低で20万ウォン(2万円)、多いと100万ウォン(10万円)くらい支払われるときもあるが、最近では50万ウォン(5万円)くらいが一般的だそうだ。ちなみにこのお金は半分は彼らのお酒代として消え、残りはチブトゥリ(引っ越し祝い)のお祝いとして新郎新婦にプレゼントを贈るお金として使われる。
私達の場合、結納の儀式(函)はしなかった。私達だけでなく、最近は近所迷惑にもなるし、結構手間が掛かることから、この儀式を省くカップルは多い。実際私の周りの友人達も函をした友人は1人もいない。
8.新婚旅行
日本でも新婚旅行と言えば、最近は海外に行く人達が多いが、韓国でも同様だ。ほとんどのカップルが観光と言うより、バカンスを楽しむため、ハワイやグアム、バリ島などが人気である。国内では専ら済州島が人気である。期間は普通3泊4日程度だ。
ほとんどのカップルは結婚式が終わると、友達が風船やテープなどで飾った車に乗り込み、すぐに新婚旅行に旅立つ。
普通、新婚旅行と言えば、新婚夫婦二人きりで甘い一時を過ごすものだが、ここ韓国では、たまに恐ろしいことが起こる。なんと姑や旦那の友人など、新婚旅行について来る時があるのだ。新婚旅行も大勢で行ったほうが楽しい!とでも言うのだろうか。さすがに最近はあまり聞かないが、そんなんじゃ、ハネムーンに行った気もしないだろうに・・・。
私達は旦那に8日間の休みをとってもらい、中国フリーの旅をしてきた。なんとも貧乏臭い(笑)旅となったが、私達二人にはなかなかおもしろい新婚旅行だった気がする。
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