☆★☆季節の風☆Kazeのミステリ街道☆

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August 19, 2006
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カテゴリ: 本いろいろ



 毎年、7~8月が忙しく、買ったまま読まないでおいてある本があるからなんですねー。
 そのうちの一冊を、先日読み終えました。
デイヴィット・リス著・松下祥子訳の「珈琲相場師」(The Coffee Trader)です。

珈琲相場師
珈琲相場師

 買ったときは、作者もタイトルも全く知らない本でした。
 本屋で発見して、面白そうだなーと思って買っておきました。

 これは、17世紀オランダの商業都市、アムステルダムで活躍する、先物相場師ミゲル・リエンゾを主軸に展開する歴史ミステリーです。
 いま私達が普通に飲んでいるコーヒーが、豆ごと食べるものなのか、粉にしてから湯で煮出して飲むものなのか、そしてどういう効能があるのか、まだ誰もあまり知らない頃に、ミゲルは知り合いの未亡人からコーヒーの先物取引を勧められます。

 この時点で、ミゲルは砂糖の暴落で大借金を抱え、仲の悪い弟ダニエルの家に間借りし、鬱屈した日々を送っていました。いまの生活から抜け出すための賭けに出るチャンスを狙っていたのです。
 ところが、相場師であるミゲルには敵も多い。損させたお金を返せと迫ってくる昔の顧客、金貸し、仲の悪い弟ダニエル、ミゲルを目の敵にする実力者たちは、いろいろな手を尽くして再び主人公を破滅に追い込もうと躍起になります。
 肝心のコーヒーの荷が、誰かの仕業で遅れたまま、取引は始まります。いったい、本当の敵は、そして味方は誰なのかわからないまま、取引所で勝負に挑むミゲルと仲間たち。
 ほんとうにどうなるのか、はらはらしながら読みました。
 宗教的な戒律にきびしすぎる弟の妻ハナが、息苦しい生活の中で徐々に、情熱家で奔放なミゲルに惹かれていくのも面白いです。

 この話は、主人公たちがアムステルダムに移民したユダヤ系ポルトガル人であることも、物語を複雑にしています。
 ポルトガルでは、ユダヤ人に対する締め付けがきびしすぎ、自由な国際都市アムステルダムに移民してきたものの、今度は移民同士の階層差、きびしい宗教戒律、密告の横行の中、家族すら信じられず彼らは生きています。その生活の匂いが生き生きと描いてあり、興味深く読むことができます。作者のデイヴィット・リスも、アメリカに生まれたユダヤ教徒で、この時代のユダヤ教徒、オランダの商業に関する参考文献の数も膨大です。

 『珈琲相場師』が面白かったから、読んですぐに、デイヴィット・リスの前作、『紙の迷宮』を楽天ブックスに注文しました。

紙の迷宮(上) 紙の迷宮(下)
紙の迷宮(上)
紙の迷宮(下)

 株式投資のはじまりの頃を取り扱ったミステリーとのことです。
 昨日の未明に注文したら、今日着いた。楽天ブックス、在庫があるときは早い


 余談になりますが、『紙の迷宮』を楽天ブックスで検索していると、「この本を買う方は、こういう本にも興味を持っています」とかいうメッセージが出ました。
 その中に、今年前半大ヒットしたダ・ヴィンチ・コードの作者、ダン・ブラウンの著書が出てきました。『天使と悪魔』とか。読んでいないけど、ちょっと懐かしかったです。
 デイヴィッド・リスもダン・ブラウンのように、著書は3作くらいの、新しい作家です。
 『珈琲相場師』は分厚かったのに読みやすくて、株や先物をあまり知らなくても楽しめました。 映画になったら面白いだろうなーと思っちゃいました。
 だったら主人公のミゲル・リエンゾは誰が?と考えたとき、表紙のイラストがブラッド・ピッドそっくりだから、やっぱりブラピかな
と勝手な想像が頭をかけめぐります。

 今日の一枚は、前にもいちどupした花です。
 前はマツバギクの中でちょこっと咲いていました。

hana15.jpg

 月見草かな?きのうは、群れで咲いていました。 





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Last updated  August 19, 2006 04:56:22 PM
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