☆★☆季節の風☆Kazeのミステリ街道☆

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March 15, 2010
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カテゴリ: 浄土ヶ浜殺人事件


 彼女は涙を拭きながらうなずいた。
「ずっと私の味方と思っていたのに、会社が民事再生するとなったときも支えてくれると思っていたのに、奥さんと子供を連れて故郷に帰って、地域再生のNPOを作るって…私の知らないとこで着々と準備してたんです」
「なるほど」
「それを切り出されたのは、金曜の夜です。間山さんに『別れて欲しい』と頼んだ夜、あの人に電話して…相談したらその話が出て」
「……」
「私はいままで何のために頑張っていたのだろうと思うと、気が狂いそうになりました」
 幾子は、話しているうちに腹が立ってきたようだ。
「妻子ある男とずっと付き合ってきたというのもあれやけど、好きならしょうがないもんな~。でも、その人って幾子さんに協力するふりして、会社の経営状態をスパイしてたんちゃう?」

「そこまで悪くは思いたくありませんが…。結果としてそういう事だったんでしょう。あの人は、ずっと私に協力して、『スーパーしみず』の経営再建に力を貸してくれると言っていたんですから。彼は、その裏で2年以上もNPO設立の準備をしていて、うちの倒産がはっきりと現実のものになったとたんに、私にも会社にも見切りをつけたのです」
「そういうことなら、その人はいなくなってくれたほう助かるんじゃありませんか?」
 美雪は言った。
「これから民事再生というときに、リストラができたと思えばいいです。清水さんよりかなり年上で男性なら、給料も高くなっていたでしょうし…。やる気がなくなった社員は、会社になんら利益を与えず、足を引っ張るだけです。すみやかに辞めてもらった方がサッパリとしますよ」
 好きな男が裏切ってきたおかげで、悲嘆に暮れている幾子に向かって、美雪は言った。
 多少お節介と思ったものの、彼女は実質的な経営者なので、頭を切り換える必要があった。
「わぁ美雪さんも冷徹やな!」
 かおりが叫んだ。

<つづく>

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 今日は、わりと暖かい1日でした~
 大雪が続いていても、やはり3月も半ばですね。

 先週の大雪が残っていて、北側の玄関周りの雪も溶けないので、まだまだ冬という感じです。

 今夜、郵便を出しにコンビニへ行ったとき、旅行雑誌などを買ってきました。
 いまは旅行に行ける状態じゃないですが、参考までに(^^;;;
 このごろ、コンビニではほとんどノベルス版のミステリーは売っていないですね。
 コンビニでトラベルミステリーを買ってきて、息抜きに読むのが好きだったので、なんとも淋しい限りです


在庫あり!(2009年6月4日発売)【在庫あり2点セット】PSP-3000本体バリューパック+西村京太郎...
ゲーム化してるびっくり

 私が本を探している間に、母がおでんを買っていました。

24h16.jpg

 いつもタッパーを持っていく母・・・
 スープをたくさん入れてもらえるのがいいらしいです。





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Last updated  March 15, 2010 11:48:04 PM


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