私達



 小学校1年生の通知箋にも「K(妹)のようにはっきりと自分の意見を・・・・。」
なんて書かれていた記憶がある。今そんな書き方をしたら、校長のチェックが入るだろうな・・・・。
 私と比べて活発で、はきはきと話す妹だったけれど、私はそれをうらやましいと思ったことはなかった。

 私達の母は私と妹を比べてどうこう言うことはなかった。比べていたのかもしれないけれど、口に出した記憶はない。この点は、母に感謝している。

 私と妹を比べるのは、たいてい教師や友人、親戚連中。でも私は比べられても、「仕方ないのかな・・・・。」なんてのんきな人だった。比べられることに関しては、妹のほうがピリピリしていたみたい。評価は妹のほうがよかったのにね。

 一度だけ、あからさまに比べられて、怒りを感じたことがある。

 高校1年のとき、生物のテストで、私はたまたま生物が嗜好にあっていたので点数が良かったのだが、妹は60点台だったときがあって。
 「c(私)は点数よかったのに、kどうした?」
・・・二人並べて職員室であからさまに比べられた。 これには腹が立った。

 双子だからって何もかもが一緒と言うわけではない!ひとくくりにしないで!

 私がこれまで人から比べられても、気にならなかったのは、大抵「kは**だけど、Cは@@だよね・・・」と言うパターンだったからなのかもしれない。たとえ自分の評価のほうが低くても、妹と違うと思ってくれただけで、なんだか嬉しかった。

 私と妹は違う生き物だ!元はひとつでも、違うことを見て感じて生きていく一人一人の人間だ。
 妹はどう思っているかはわからないが、私はそう思った。

 学校を終えてからは、全く別々の人生を生きていた私達。職種は同じだけど、結婚相手の選び方も互いの夫の性格も見た目も違う。それでも互いに自分は幸せだと思って暮らせることに感謝している。 
 今も妹とは仲が良く、長期の休みには、示し合わせて実家で集まる私達。

 子どもを生んでからの話。
 母が私達が1年生のときの担任に食って掛かっていたと言う話を聞いた。

 参観日で担任が、これまたあからさまに私達を比べたんだそうな(私達は6年間同じ組だった)。質問に答えられなかった私の後に妹を当てて、「CはもっとKみたいに・・・・」らしきことをほかの母親の前で言って、それにうちの母が激怒したらしく。
 自分の記憶にはないが、母親にしては複雑だったろうね。

 今私は4人の子どもを持ち、子育て真っ最中。母が今の私の年齢のとき、私は中学3年生。母は子育ても半分以上終わったようなものだったと思うが、私はこれから。

 自分が育ってきた家庭を思い返して、母のように兄弟を比べることなく子育てをしたい。


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