花の歳時記 (天南星の魅力&山野草)

花の歳時記 (天南星の魅力&山野草)

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2024.09.04
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カテゴリ: 園芸




湯船から鼻歌漏れる無月かな



     の銭湯も蒸気浴だったそうだ▼今のような湯に漬かる形に近づくの
     は江戸期以降。蒸し風呂の密室の床に浅く湯を張る「戸棚風呂」が
     あったが、蒸気、温湯両浴の折衷らしい▼江戸期には丸い風呂おけ
     に湯を入れて漬かる「据え風呂」も。今の浴槽の起源の一つといえ
     るそうだ。腰湯程度の湯量で蒸し風呂の要素も含んだとも考えられ
     る。持ち運び、どこかへ据えるとの意味から命名されたとも。持ち
     運び可能なため、京で風呂の出前があったと伝える文献もある(筒
     井功著『風呂と日本人』)▼自衛隊が持ち運び据えた浴槽での穏や
     かな時間が終わった。能登半島地震の災害派遣が終了し、最後まで
     残っていた入浴支援担当の隊員たちが2日、撤収した。手を振って
     見送る人々の表情も寂しげである▼自衛隊は能登で命を救い、道を
     修繕し、集落に物資を届け、炊き出しも行ったが、恐らく入浴支援
     は世界の部隊の中でも独特なのだろう。1月6日に奥能登で陸自が
     風呂を開設したと伝える記事の写真では、震災5日後なのに湯に漬
     かる人々が笑っていた。支援の価値の高さだろう▼被災地に限らず
     日本人は風呂に入ると「ああ、生き返った」とよくつぶやく。明日
     からもまた生きていけるとの意もあるか。能登の湯船で思い巡らせ
     た人々の労苦が早く報われることを。





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Last updated  2024.09.04 05:45:18
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