以前勤めていた病院で、救急車で来院して、
死亡 確認
した(来院時すでに亡くなっていた)
患者さんの検討をしたことがあります。
冬場
11
月~
3
月に多いのは、
風呂場での溺死でした。
ほとんどが、高齢者です。
浴槽に沈んだ状態で、家族に発見されて、
救急車を呼んだものです。
独居であれば、見つかるのが遅くなり、
病院には運ばれず、浴室での死亡確認というケースも
実は多いようです。
ここでも紹介していますが、どうもこの原因の大半は
『お風呂熱中症』
と考えられています。
このブログでも、取り上げたことがあります。
気を付けましょう、冬の熱中症
昨今、風呂場での『ヒートショック』がいわれています。
急激な温度変化が、心血管系の異常で、身体に悪影響を及ぼすことを、いいます。
ヒートショック、急激な体温変化による事故は、
実際は、
入浴中に体調悪化した高齢者の
1
割未満との報告があります。
12/25/2024 の朝の モーニングショーで、
『お風呂熱中症』
という言葉を 初めて 使って、特集してましたね(実はみていませんが)。
なぜ、入浴中に、溺死するのか、そして、冬に多いのか?
その理由として、
入浴中の熱中症
がようやくクローズアップされたということです。
夏場に多い熱中症
で、
亡くなる方の大半は、高齢者です。
おそらく簡単に言うと、
『高齢者は 暑さに鈍感 で、 寒さに敏感 』
高齢者は、暑さに鈍感で、体温調節機能も低下していて、
暑い中、気付かずにいて、重症の熱中症になりやすく、
死亡事故も多いというわけです。
一方、
冬の 入浴中の熱中症 は、どうして起こるのでしょう。
寒い日が続いています。
外に出れば、身体は芯から冷えて、簡単には温まりません。
寒く、冷えた体には、
お風呂でしっかり暖まりたいというのは、私も最近感じます。
寒さに敏感な高齢者が、
お風呂に入って
ゆっくり暖まりたいという気持ちは、
よくわかります。
ヒートショック対策とは別に、
浴室の温度は、できれば、高くしましょう。
浴室の温度が低ければ、 浴槽から、出たくありませんね。
しっかり温まるために、
結果、湯温を43℃以上にあげて、長時間湯船につかることにつながります。
湯舟では汗も出ませんし、体温調節ができません。
高齢者が温まったと感じるときは、
すでに、『お風呂熱中症』の寸前かもしれないのです。
『お風呂熱中症』になれば、
意識消失し、風呂場で溺死という結果になります。
冬の入浴中の溺死の多くは、高齢者です。
家族が見守れる場合は、入浴中に時々声をかけましょう。
独居だったり、細かく目が届かない場合は、
短時間で、湯温を上げない入浴を勧めます。
1 つの解決策として、浴室温度を上げることです。
浴室が寒ければ、浴槽から出ることが難しくなります。
温まるために、必要以上の高温そして長時間の入浴になってしまいます。
というわけで、
入浴時は、浴室の温度を上げ、湯温も~ 42 ℃とし、
短時間の入浴を心がけましょう。
夏の室内の熱中症と冬の入浴中の熱中症
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