2009年07月08日
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カテゴリ: 鍼灸中医
■中医学で「爪は筋の延長」、「歯は骨の延長」、「髪は血の延長」と言う考え方がある。

 が、とある先生から“出典がわからない”とHELP要請があり、呑んで深夜に帰ってきたのに、ナゾが止まらない。


■半ば常識的に語られている「爪は筋餘」「髪は血餘」「歯は骨余」である。


■ぱっと言われて思いつくのが、「血余炭」など、漢方薬として知られる、「髪」の別名。


▼さて、手元にあった、旧字でかかれた本、

 商務印書館国際有限公司『中医大辞典/上巻』(2004北京発売)を引いてみた。




すると、
 【血餘】の項目に「3. 乱髪之別名」とありました。



 そこで、手抜きですが、ネットで【乱髮】を調べてみたのが、以下です。





さらに↑を抜き出してのが、以下です。

*********ココカラ**********

【乱髪】別録        以下担当:新倉 奈緒 2001/11/29
〔訓読〕52-2b-5より
釈名
血余、綱目。人退。

時珍曰く。頭上を髪と曰い、足の少陰、陽明に属す。耳前を鬢と曰い、手足の少陽に属す。目上を眉と曰い、手足の陽明に属す。唇上を髭と曰い、手の陽明に属す。?下を鬚と曰い、足の少陰、陽明に属す。両頬を髯と曰い、足の少陽に属す。其の経、気血盛んなれば則ち美にして長ず。気多く、血少なければ則ち美にして短し。気少なく、血多ければ則ち少にして悪し。気血倶に少なければ則ち其の処生せず。気血倶に熱すれば則ち黄にして赤し。気血倶に衰れば則ち白くして落つ。

〔現代語訳〕
乱髪という言葉の出典は、『名医別録』である。

釈名
血余は、『本草綱目』が載せた。人退。

(鬢:耳の側の毛。髭:口ひげ、鼻の下の毛。鬚:あごひげ。髯:頬ひげ)

以下担当:荒川みどり 01/11/29
〔訓読〕52-2b-9より
素問に云く。腎の華、髪に在り。

王冰注に云く。腎、髄を主どる。脳は髄の海、髪は脳の華、脳減すれば則ち髪は素す。



龍木論に之を人退と謂う。

葉世傑草木子に云く。精の栄、鬚を以てし、気の栄、眉を以てし、血の栄、髪を以てす。

〔現代語訳〕
『素問』に、腎の精華は髪として表れる、とある。

王冰の注にこうある。腎は髄を支配する。脳は髄の海であり、髪は脳の華である。だから脳が減れば、髪は衰える。

滑寿の注にこうある。水は高原に湧き出る。だから、髄の精華は髪として表れる。髪は血の余りで、血は水の類である。今の医者が髪を血余と呼ぶのは、このことに基づいている。

『龍木論』では、髪を人退と言っている。

葉世傑の『草木子』にはこうある。精の栄華は鬚に表れ、気の栄華は眉に表れ、血の栄華は髪に表れる。
(人退:髪の異名)

*************ココマデ***************:

■だった。
「今の医者」とは「当時の漢方家」のことである。
 つまり、当時の漢方家には、もう血余=髪と言うことが常識的な知識だったのだ。



▼しかし、筋餘と骨余はまったく出てこない。




■先の『中医大辞典』にも出ていない。(見つけられないだけか?・・・そんなことはないハズ)



▼こうなったら、「血餘」or「血余」あるいは「為髪」など、あらん限りのブツギリ単語で検索である。幸いに、中国語の簡体字も、「餘→余」の変化は、日本とは同じなのである。


 出てきたのが、『五行大義』。

その中に
“管子によると・・・”につづいて、
“春秋元命苞によると・・・” と言うクダリで、一文が書かれていました。

   ココ   http://www.wind.ne.jp/khari/kenkyuu/06-12-17-5gyou-6pu.html

『管子』曰、
脾生骨、腎生筋、肺生革、心生肉、肝生爪髮。

『元命苞』云、
肝生筋。
脾生骨者、脾土也、土能生木。
骨是身之本、如木立於地上、能成屋室、故脾生之。
腎生筋者、筋是骨之經絡、脉以流注、筋以相連節、竝通血氣。
腎水、故生之。
肺生革者、肺金也、金能裁斷、革亦限斷、故肺生之。
心生肉者、心火也、肉是身之土地、故心生之。
肝生爪髮者、肝木也、爪是骨之餘、髮是血之餘、皆水木之氣、故肝生之。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

と言う文なのですが、「爪が骨の余」と書かれています。
(現代では骨余は歯、爪は筋余とされる)

で、中国の全文掲載サイトを調べてみたところ、

http://chinese.dsturgeon.net/



『春秋元命苞』はありませんでした・・・。



■ただし、『元命苞』いわく・・・と言う引用のされ方は、別の書物にも散見されるので、『元命苞』と言う書物が散逸してしまったのではないでしょうか・・・。



▼また、「管子」の中では五行の色体表が現代とはやや違っています。

 このことは、以前 加納 喜光『中国医学の誕生』(東京大学出版会)の中で、読んだ記憶があります。




---------と言うわけで、

1. 隋・蕭吉が『五行大義』でマトメ上げた中で、爪→筋・髪→血 +歯→骨 とまとめられた?

2. 李時珍『本草綱目』の血余はそのまま漢方家に常識的に語られ、近代中国で「爪」と「歯」が足された??

    と言う疑問が出たあたりで、今夜は力尽きました・・・。


                         鍼灸探偵らせん堂・・・・・・・・不始末!!!





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最終更新日  2009年07月09日 03時22分42秒
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歯は  
鳥人ロック さん
「歯者骨之所終也」(霊枢・五味論)
「歯作骨之栄華」(太平聖恵方・巻34)
「歯為腎之余」(叶香岩外感温熱篇)
だそうです。原文は霊枢しか読んでませんが。
既に調査済みでしたら、あしからず。69 (2009年07月27日 19時09分45秒)

Re:歯は(07/08)  
らせん堂  さん
鳥人ロックさん

ありがとうございます ^o^ (2009年07月30日 19時04分34秒)

Re[1]:歯は(07/08)  
らせん堂  さん
あらためてこの三行を読むと、歯=骨余てな感じに読めますね。しかし、腎の余とは初耳です。
ほかの臓腑にも「余」があるのでしょうか、またまた疑問は噴出するばかりです。


そういえば…今年は西東京方面へはいらっしゃるのかしら?
最近お会いできなくて寂しいかぎりです
(2009年08月01日 06時57分53秒)

Re[2]:歯は(07/08)  
鳥人ロック さん
>らせん堂さん
とりあえずメールいただけますか?
よろしくです。69 (2009年08月06日 16時55分37秒)

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