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カテゴリ: 書評
見出し:西欧世界のキング・オブ・ネタ帳。

ローズマリ・サトクリフ著、山本史郎訳『アーサー王と円卓の騎士―サトクリフ・オリジナル (サトクリフ・オリジナル)』(原書房)

 正直言って、アーサー王伝説について、それも物語を読むということは、私にとってはダンテの『神曲』を読むようなもので、できればいつまでも手を付けず、この世のあらゆる愉しみがなくなった頃に手繰りたいテーマであった。そして、アーサー王伝説については、意外にも必然的な“読むべき時”が早く訪れてしまったというわけだ。
 そういうことで、実は私は、活劇的な意味でしかアーサー王と円卓の騎士たちの物語について何も知らなかったし、これに踏み込めば、また大きな森に彷徨うことになるという重圧感があって遠ざけていたので、サー・トマス・マロリー『アーサー王の死』に行く前に、この壮大にして複雑な物語の糸玉に手がかりを見出したいとの思いから本書を手に取った。
 しかしまぁ、サトクリフ・オリジナルと冠するのだからすごい。ツクダオリジナル並みにすごい。それだけこの著者によるシリーズが、本テーマを扱ってステイタスと読者を獲得しているということだろう。
 事実、サトクリフ・オリジナルには、古き良き英雄をテーマにした物語が日本でも7巻出ていて、どれもこの分野における名著として長く親しまれているようだ。
 まずは、かの名高き円卓の騎士について、ざっと読みたい。そういう私のニーズにも応えてくれるからこのシリーズは素晴らしい。何重にも折り重なったアーサー王とその騎士たちの物語の中で、ハイライトとなる物語やテーマをうまく整理し、短編集的に編集しながら記述して一巻の物語としたところがこのシリーズの特徴なのだ。
 文章は読みやすく、ちょっと児童書のような印象もありながら、しっかり大人の読者をも満足させてくれる(それなりに読書好きな子供たちにとっても、比較的読みやすいのではないだろうか)。
 しかし改めて、アーサー王伝説というテーマは、特に西欧世界の、あらゆるジャンル、あらゆる文化にとって、時代を超越したネタの宝庫なのだと痛感。



アーサー王と円卓の騎士

著作です: 何のために生き、死ぬの? 。推薦文に帯津良一・帯津三敬病院名誉院長。





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Last updated  2008/06/22 10:01:03 PM
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