週番日誌@佐藤智広研究室

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さよなら、なつめ

さよなら、なつめ

2005年9月29日(木)
夜の11時を回った時、突然、なつめが一声大きく呻いた。
腰が抜けたように倒れ、下肢が痙攣、ほんの数分で脱力した。
電灯を眼に当ててもまったく反応せず、瞳孔がどんどん開いていく。
それでも、深夜の動物救急病院に行ったが、もう回復は無理だった。
病院の時刻は11時30分。死亡の確認までも20分に満たないあっけなさだった。
少し肌寒くなって出した僕の青い毛布、なつめの一番のお気に入りの毛布で
過ごす2日目の夜だった。

解剖をしないと正確にはわからない、と前置きをしながら、
先天的な内臓疾患を示唆する獣医。
心臓などの急変で死んでいく猫がいるとのこと。いわゆる突然死だ。
綺麗に整えてもらったなつめを囲んで、我が家は夜を明かした。
少しずつ硬直していくけれども、その顔は安らかで、いつでも起きそうな気配だ。

考えてみれば、元々ノラの時に親に見捨てられた猫だったわけで、
そもそも生存本能が低い猫だった。
家族が帰ってくれば迎えに来るし、ほとんどの客人にもじっと撫でられていた。
なつめに会いに来るご近所さんも沢山いた。
きわめて従順で、人間の食べ物を掠め取ることもない。
排尿もすぐに覚え、机にも乗らない。
しつけが非常に楽だったのも、もしかしたら、飼っている人間への
なつめなりの誠意だったのかもしれない。

まったく人見知りのない猫で、誰もがノラ出身を驚いた。
ある人が、本当ならば生後間もなく死んだはずの境遇で、精一杯
けなげに人間に付き合ってくれていたのかもしれない、と言ってくれた。
幸せな猫だったね、とみんな口を揃えて言ってくれる。

でも。本当に幸せだったのは、君と出会えた僕たちだったんだよ、なつめ


なつめ50924Bなつめ50924Cなつめ50924A
●2005年9月24日、なつめの最後の写真

なつめ50923A
●2005年9月23日、まさおと

なつめ50728
●2005年7月28日、我が家に来て1年

なつめ50613
●2005年6月13日、胸を撫でて寝かせたところ

なつめ50609Aなつめ50609B
●2005年6月9日

なつめ50605
●2005年6月5日、風呂場でまさおと

なつめ50510
●2005年5月10日、風呂上り

なつめ50126
●2005年1月26日、避妊手術から帰宅

なつめ41019A
●2004年10月17日

なつめ40903Bなつめ40903A
●2004年9月3日

なつめ40728
●2004年7月28日、我が家に来た日


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