仁川空港への道のり



 10月29日水曜日。飛行機は、ユナイテッド航空の7時半の便。昼前に、家を出る。
 荷物つめの下手な私は、家を出る直前まで、荷物がバッグに入りきらなくてやきもきしていた。友人宅にステイということで、身軽。ジーンズ一本、スカート5着(スカートルックの好きな私・・)、ニット数着、ジャケット、スニーカー、おみやげ、地球の歩き方(ガイドブック)。前日慶(ぎょん、と読みます。ステイさせてくれる親友であり「姉」ともいえる人)がわざわざ電話をくれて、「持ち物言ってみて!いらないもの私が言うから!」「タオルと・・」「あ、それいらない。」「筆記用具(学校にいくので)・・」「それもあるからいらないよ。」ってな具合。本当に面倒見のいいお姉さん(笑)

 ってなわけで、最後は母の収納術に頼るのみ。やっぱり母はすごい!普段部屋の片づけをしていても、母がアイディアをくれると本当に見違えるくらい使いやすい部屋になる。今回も、あふれんばかりの荷物が、母の手にかかるとすっぽりおさまってしまった!かむさはむにだ、母。

そんなこんなでありがたくも送ってくれる彼の車に乗り込む。途中、ドライブインで休憩。私はドライブインという場所が好きだ。同じようにどこかへ向かう人たち。ここでガムをかったりうどんを食べたり、これから始まる旅にちょっと緊張していながらもほっとしたような空気のある空間。さほど遠くない場所にいくときでも、なんだか寄りたくなってしまう。
 ここでなぜか薄皮饅頭を買った。慶と、会えることになっている慶の何人かの友達、慶の両親などに、日本からのおみやげは十分用意してきたつもりなのだけど、なぜか、気づいたら買っていた。

ずいぶん早く着いたので、チケットの交換を済ませ、荷物を預けてしばし成田探検!空港は何回着ても飽きない。大好きなスターバックスもあるし、お店もたくさん。そして何より飛行機の発着が時間ごとにかいてあるボードの下がった、出発ロビーが好きだ。私ののる883便が定刻どおり出発するのを確認して、飛行機を見たりお茶をしたりしてあっという間に時間は過ぎていった。


            ***

 別れを惜しんで(たった3週間なのに・・)寂しい気持ちになりながら乗り場へ向かう。と、携帯電話が鳴る・・・・えっ。今年社会人になってから一度もあってないいとしの友人からの電話・・・・出ると「きをつけていってきてね」のやさしいメッセージ。仕事が終わって急いで電話してくれたんだろうな。
 その電話を切ると、なんだか涙があふれてきてしまって(もう!短い旅行なのに!)、荷物検査に並んでいるとき私の前にいた女性が、ぼとぼと涙を流す私にハンカチを差し出してくれた。神様のような人だわ!

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 飛行機に乗り込む。私は窓際。隣に座ったのは日本人?らしきビジネスマン。
でも特に会話することもなく、飛行機は無事出発した。
 食いしん坊な私がひそかに楽しみにしている機内食が運ばれてきた。とはいっても成田ー仁川は2時間くらいのフライトなので、軽食程度。なにやらBOXランチのようなものを渡される。わくわくしてあけてみると・・・・何だこりゃ?中身のわからない袋が数種類入ってる。一目見てわかるのは、バナナだけ。
 「あ、これチョコレートかも!」とうれしくなってあけた袋はピーナッツ。クッキーのような感触の袋は・・・なんだかしけったようなビスケット・・・
ま、しょうがないか!

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 機内食もおわり、CAが出国証明書を配り始めた。出国と、帰りに必要な紙。名前、滞在先の住所など、必要事項を書いて入国の時に出すことになっているもの。

 はてさて、どう書くのか・・・・とまどい、バッグにひそませておいた「地球の歩き方」を開く。親切に記入の仕方が書いてある。それを見ながら書き始めた私を横でじっと見つめるとなりのビジネスマン・・・・・私の紙をのぞきこんでくるではないか!
 私には、すぐ人に笑いかける癖がある。このときも、ついはにかんでしまった。すると彼は、親切にも書き方をひとつずつ丁寧に教えてくれた。日本人だと思っていたのに、韓国人だった。出張で日本にいたのだという。
 無事に記入を終えてお礼を言った後も、話がはずんだ。お互いにゆっくりと英語でコミュニケーション。見るからに誠実そうな彼は、ソウルの見所、おいしいレストランなどを楽しそうに教えてくれた。その様子を見ていた別の席の人(彼の同僚らしい)もやってきて、ここにいくといいだの、買い物はここがいいよだの、本当に親切に教えてくれた。困ったらメールください、とアドレスまで教えてくれた。

 私は、飛行機運(なんだそりゃ!)にはちょっと自信があったりする。学生時代にホームステイしたロンドンにいく飛行機の中でも、となりに座ったおばさんと8時間ほとんど、話していた。あらゆる国の文化に精通しているインテリおばさんで、ロンドンにつくころにはヨーロッパ中を旅した気分になったくらいだ。
その後家族で沖縄に行ったときも、私の横にはのりのりのアメリカ人が座っていて、ヘッドフォンでブラックミュージックをいっしょに聞きながら体でリズムをとっていたり・・・
 この日も、空港での彼との別れや友人からの電話で早くもホームシックに陥りそうになっていた私の気分は一気に晴れやかになった。

            ***

仁川到着。キムチの匂いがするというけど、このときは無事に慶姉さんに会えるかという不安ばかりで、においをかぐのを忘れていた。
 何とか出口を通過しても・・・・いない。迎えにきてくれているはずの慶・・・
ま、ここでまっていよう!!!あ~~~、きてしまった、ソウルに。

 あたりを見回してみると、目が合った。飛行機でとなりに座っていた彼!!私が迷ってると思ったのか、「迎えの友達はまだかい?」ときいてくれた。「多分もうすぐくると思うから大丈夫です!」というと、「その友人に電話してあげるよ」と。まだ両替もしてない私からは電話できないのだ。
 お言葉に甘えて電話してもらったばかりでなく、私が無事慶に会えるまでいっしょに待っていてくれた。日本での出張から帰って家では家族が待っているだろうし、一刻も早く帰りたいだろうに。本当にやさしい方だと感動した。

 少しするとものすごい勢いで走ってくる慶姉さん!!hugし合って再開を喜び合う。ビジネスマンの彼にも二人でお礼をいって、公衆電話から家に到着したという電話をかけて、いざ!!!
 空港内は、日本語表示もあって、本当にわかりやすい。「結構楽勝かも~!日本語もかいてあるもんね~!」というと、「さ~あ!?ここまでよ~日本語があるのは!ここをでたらハングルだらけよ~~~~!」とからかう慶。

 外に出ると慶のお兄さんの奥さんが、くるまで迎えにきてくれていた。約一時間車に揺られ、自宅へ。ソウルの町並みは暗くてよくわからなかったけれど、漢江(ソウルの間に流れている大きな川)とそれをとりまくあかりの輝きの美しさは、私にとっての最初のソウルの印象として今も深く焼きついている。高速道路や車や家々の、だいだい色のあたたかい光は、どこの国にもあるんだなと感じた。


 自宅到着!!!ドライブインでなぜか買った薄皮饅頭、大活躍!車で送ってくれた慶のお姉さんに、渡しました。まさかここでお礼が必要とは思っていなかったので本当によかった^^














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