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rhyssa05

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馬の走り方

(7)

カテゴリ：カテゴリ未分類

　夏本番．自然史ネタに事かかない季節だけど，今日もまた気分転換モードで，あまり博物館と関係ない話にします．最近多いネ，このパターン．

　本日のテーマは「馬」．

　馬の走り方には３通りあります．いち，に，いち，に，と２拍子で走るのがトロッティング．ふつうは右前足と左後足が同時に出る．次に左前足と右後足が同時に出る．こうして２拍子のリズムで走ります．乗っている人は馬のリズムに合わせて腰を浮かせると，振動をじかに受けなくてすむ．たとえば，いち，で腰を浮かせる．に，で腰をおろす．こういう乗り方を rising trot と言う．これに対し馬上でずっと腰をおろしたままの乗り方を sitting trot と言います．
　同じ側の足を同時に出すこともある．まず右前足と右後足を同時に出す．次に左前足と左後足を同時に出す．これもトロッティングです．馬に２輪の馬車をひかせて競走するハーネステッド・ホースレースという競技では，馬はもっぱらこの走り方をさせられます．馬はこういう走り方でも，ずいぶん速く走れるものらしい．「シートン動物記」に，この走り方（pacing というらしい）で悠々と逃げ去る野生馬の話がありますね．

　トロッティングに対し，キャンタリングという走り方もあります．まず左後足が地面に着く．次に左前足と右後足がほぼ同時に地面に着く．最後に右前足．こうして，ぱかぱ，ぱかぱ，というような３拍子の足音が聞こえます．すぐ想像できる通り，キャンタリングは左右非対称な走りです．つまり左後足から始まって右前足で終わる走り方に対し，それとミラーイメージの走り方，つまり右後足から始まって左前足で終わる走り方もあります．この２通りの走りを「手前」といって，コースが右回りか左回りかによって「手前」が変わります．馬にはそれぞれクセがあるので，右カーブの得意な馬と，左カーブの得意な馬が，多分あるでしょう．

　最後に，競走馬の走り方をギャロッピングといいます．これは私はうまく説明できません．ギャロッピングの足の運びをきちんと解説している本があるかどうかも知りません．キャンタリングで次第にスピードが乗ってくると，ぱかぱ，ぱかぱ，というリズムが乱れてきて，どどどどっ，というような連続音に変わる．これがギャロッピング，なのだろうと理解しています．キャンタリングのような規則性はないかもしれないけれど，ギャロッピングの走りも左右非相称で，右カーブと左カーブとで違うようです．コーナーを駆け抜けて次々と直線に躍り出てくる競走馬の前足は，どの馬も一致してみごとに左右非相称です．

　ここで話は例によってコロリと変わります．
　NHKがボルガ川を題材にした紀行番組を放映した事があります．ロシア人が馬に乗ったままで，地面に置かれたバケツ（だったか？）を，すっと拾い上げました．見ていた私は「えっ？」と驚いたというか，あっけにとられてしまいました．これぞコサックの乗馬術！
　コサックは遠い昔，ロシアに侵入した東洋系の騎馬民族から，戦争に馬を使うことを学んだと言います．

　最後はほとんどグチになってしまったところで，本日はおしまい．

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