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2007年12月21日
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カテゴリ: 本、マンガ
「水滸伝」(北方謙三/集英社文庫) 1-5巻


 私は中国物には格別な思い入れがあって、頑固な原書主義であります。
 そんなわけで、日本人が書いた、もしくはアレンジした中国物はなかなか読むことができませんでした。
 というのも、いちいち気になったり、引っかかったりするのです。

 そんなわけで、素晴らしいという評判や友人の薦めがありながらも、なかなか手に取ることができなかったのが、この「水滸伝」。

 小学生の時に駒田先生翻訳「水滸伝」に出会い、夢中になった身としては、やはり原書に思い入れがあったわけです。

 で、あんまり周囲が熱く語るのでそれでは、と一冊手にとってみたところ・・・一気に文庫本を全巻(発売しているものだけですが)注文しておりました。

 何が凄いって、完全に原作をバラバラに分解し、そのエッセンスを抜き出し、自家薬籠中のものとし、新たに一から構築し直したところ。そして日本人の、日本人による、日本人のための精神構造と理由付け、動機付け。

 普通に読めば、絶対に中国人ではない精神構造をしているキャラクターたちなのですが、日本人ならば納得できるんですよね。それを意識して、意図的にやっているのも凄い。

 というわけで、とりあえず五冊分からのマイベスト。



  出会いから壮絶なラストまで、楊志の人間的な魅力が書物の中からあふれ出しておりまし たよ。こんな漢なら誰でも惚れます! そして妻も健気なら、子供の楊令がまた・・・。彼 の今後については「楊令伝」もあることですし。(こちらは待てなくてハードカバーで集め てます)

(2) 武松と藩金連の純愛?

  いやもう、原作のイメージ強くて、さらに「金瓶梅」のイメージも強いので、藩金連とい ったら淫乱でしたたかな、でもちょっと憎めない部分もある悪女、というキャラがこびりつ いていました。まさかそう来るとは! いやもう、根底から崩さないとこんなストーリーや キャラは出てこないです。すごい。そして、二人の関係がまた切ない。武松の人間性にもぐ っと深みが出て、その後の彼の奥深さときたら。泣けます。

(3) 石秀

  原作にこんなヤツいたっけ、というぐらい印象の薄い人だったのが、一気にリアルになっ て飛び込んで参りました。致死軍で苦悩する彼の弱さは「ひと」としての優しさ、情愛につ ながるもの。だからこそ楊志を失った楊令を思いやることができる。彼の死も早かったな  あ。ただ、絶対に早死にキャラだという確信はありましたが(^^;) おまけで周通もお疲れ 様。



  林冲の話も、魯智深(渋くなりすぎ!!かっこいい!)も李逵(かわいい!!)もとにかくどのキャラもすごく良くて、既に脳裏から原作が消え始めております。やばい、やばすぎる。
 李富もいいキャラだしなー。あと、原作で大好きだった李俊とか阮三兄弟とかも活躍していて嬉しい。ただしやはり宋江は個人的に受け付けないままですね。

 明代にまとめられた「水滸伝」や「三国志演義」は、当時の知識人がまとめたものであって、それは明代の持つ「理想の君主像」が多分に反映されています。

 宋江しかり劉備しかり。だから、二人とも本来はもっと野蛮でバーバラスだったにも関わらず、あんなへなちょこ(失礼!)に変貌してしまったのですよね。

 宋代などの講談や地方劇などを見ていると、もっと乱暴な劉備が出てくるわけで、史実としてはそっちのほうが近いのだろうなあ、と思っています。

 何はともあれ、読まず嫌いは駄目ですね、と深く反省。






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最終更新日  2007年12月21日 13時13分00秒
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