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      それはそれは暑い暑い日の事でした








 み ず ふ う せ ん 







 「あっつーい。」



 ミンミンと五月蝿くセミが鳴き、このむし暑さ。



 しかも狭い教室の中に三十人近く居たもんじゃぁ、勉強に集中できない。






 とうとう授業を抜け出した。





 空には綺麗な雲がならんでいて・・教室よりとても涼しい。








  自分の汗のせいか、風が冷たく感じる。









  「涼しいー!」




  屋上に響き渡る声。








  その時―・・!













バシャッ・・!








「なっっ・・!」





  割れたふうせん、みずびたしの顔。





  みずふうせん・・?







不思議に想い、上を見上げてみる。






 「サボリはっけーん。」



 ニヤニヤと笑いながら、みずふうせんを片手に笑っている。





 あ・・・!



 この声変わりしてない声、真っ黒な髪の色・・


 「藤木!?」


 つい声が裏返ってしまった。

 「何やってんの?」

 「みずふうせん。暑いしさ。」


 といいながら見せてくれたのは、たくさんのみずふうせん。



 目を輝かせて、見ていると・・


 「藤咲もする、する?」

 と幼い言い方で言う、藤木。




 コクリコクリと、強く頷いた。





 「じゃ、決まり!」








そんな機嫌の良い藤木の声から始まった。






 バシャッ・・!






「つめたーっ!顔はなしっしょ・・!」





「そんなん、よけない藤咲が悪い~。ホラホラこいこい~。」







 「ちっくしょー・・!」







  バシャッ・・!



 「はっずれー!」




「せいっ・・!」





  バシャッ・・!

  「うっわ!」



「藤木くーん?どーしたのかなー?」



  「むっかー・・!」





  バシャッ・・!



  「へへーんだっ。」




  バシャッ・・!



  「キャッ。やったなー・・!」





  バシャッ・・!


  「うわっ・・。」



  と藤木の声がしたと想うと・・



 「うぉわわわわっ!」

  と声が大きくなった。





  そ藤木の顔にみずふうせんがあたったのだ。



  が・・藤木の顔面に直撃した。







 そのせいか、こちらへむかってくる・・!










  フラ フラ フラ フラ フラ












 「ちょっ・・・!」










            ドーン。






 「いったたたた・・。」





 二人同時にこけた。



 そう、私もまきぞいに。








 「こらー!藤木ーっ・・!」










 そういって、ポカッと頭を殴る。








 「いたたた。藤咲が顔面に当てるからだろー。」





  と幼い言い方で言う。















 「そんなん、知らん。隙ありっ・・!」







 近くにあったみずふうせんを近くに居る、藤木にかける。







 「これで許してあげようじゃないか。」






 「ははーっ、ありがたやー・・。」







 二人は顔を見合わせて・・















  大声で笑いあった。






























   暑い日は


   君と一緒にみずふうせん














   少しだけ夏の学校






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