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「マーケティングファネル」の基本と、成果を出すために必要なプロセスの理解
「マーケティングファネル」という言葉をご存知でしょうか?これは、顧客が商品やサービスを認知してから実際に購入に至るまでの流れを示したフレームワークで、営業や販促の基本中の基本とも言える考え方です。この構造を正しく理解しておくことで、あなたの会社の売上や顧客獲得に大きな違いが生まれます。
といっても難しく考える必要はありません。この記事では、具体的な中小企業の事例を交えてわかりやすく解説していきますので、安心して読み進めてください。
なぜ「見込み客」にいきなり高額商品を売ってはいけないのか?
まず最初に、多くの企業や個人事業主が無意識にやってしまっている“マーケティングの失敗例”を一つ共有します。
それは、「まだ関係性ができていない“見込み客”に対して、いきなり“高額な本命商品(バックエンド商品)”を売ろうとする」というものです。
もちろん、全く成果が出ないわけではありません。タイミングが合えば、ぽつぽつと売れることもあるでしょう。しかし、それはあくまで“ラッキー”の範囲内であり、ビジネスとして効率が悪く、継続的な収益にはつながりません。最も怖いのは、売れなかったときに「なぜ売れないのか」が見えにくくなり、改善のヒントが得られないことです。
マーケティングファネルの本質と流れ
ここで改めて、マーケティングファネルの基本的な流れを説明しましょう。
顧客は、まずはあなたの会社やサービスの存在を「認知」し、徐々に「興味・関心」を持ち、情報を集めて「比較・検討」を重ねた上で、最終的に「購入」という行動に至ります。この一連のプロセスを無視して、いきなり最後の「購入」だけを促してもうまくいくはずがないのです。
では、その一つひとつの段階をどのように設計すればよいのでしょうか。
具体例:地域密着型の工務店の場合
ここからは、中小企業経営者にとってより身近な事例として、地域密着型の工務店を例にマーケティングファネルの具体的な活用法をご紹介します。
まず、あなたの工務店が新たに「自然素材を活用した子育て世代向け住宅プラン」を打ち出したとしましょう。この商品は、施工費用が2000万円を超える本命のバックエンド商品です。
しかし、まだあなたの会社のことを知らない地域の若いファミリー層に、いきなりこの住宅プランの契約を迫っても、まず決まりません。なぜなら、その時点では「この会社は信頼できるのか」「自分たちに合った家が建てられるのか」といった判断材料がまったく足りていないからです。
そこでまず行うべきは、「認知」の獲得です。例えば、地域の情報誌やInstagram、LINE公式アカウントなどを通じて、「自然素材の家が子供の健康に与えるメリット」といった記事や短い動画を発信します。この段階で、「こんな工務店があるんだ」と存在を知ってもらうことが大切です。
次のステップとして、「見込み客リスト」の獲得を目指します。資料請求や、無料の「家づくり相談会」への申し込みページを設けて、連絡先を登録してもらいます。これによって「このテーマに関心がある人」の情報が手に入り、直接アプローチできる土壌が整います。
その後、「フロントエンド商品」として、有料の「親子向け自然素材体験イベント」(例えば、3,000円でのワークショップ)を実施します。ここでは実際に使われている木材や壁材に触れてもらい、「本当に空気が違う!」「子どもが楽しそう!」といった実感を提供します。この段階で、お客様の中に「ここの会社なら信頼できるかも」「丁寧に対応してくれるな」といった好印象が生まれます。
そしてようやく、そのイベント後のフォローアップとして、本命の「自然素材住宅プラン」の案内を丁寧に行います。ここまでのステップを経ていることで、お客様の方も「話を聞いてみようか」「ちょっと見積もりだけでも」と一歩を踏み出しやすくなります。
関係性の構築こそ、継続的な売上につながる
このように、マーケティングファネルに基づいて、ステップごとに顧客との関係性を丁寧に築いていくことは、短期的な売上よりも中長期的に信頼と収益を育てることに直結します。
逆に、いきなり本命商品を売り込もうとする営業スタイルは、短期間で一時的な成果は得られても、継続性に乏しく、長期的には顧客の信用を失うリスクも高まります。特に、地域密着型で顧客との関係が濃い業態ほど、「売り方」そのものがブランドの信用を左右するのです。
手間に見える「段階」が、最も効率的な売り方である
「お客様がすぐに買ってくれないのは、商品が悪いからではなく、“売り方”が合っていないだけかもしれない」――これは、実は多くの中小企業が抱える共通の課題です。
マーケティングファネルの考え方は、見込み客の「温度感」に合わせて、適切な商品や情報を段階的に提供していくことを意味します。これは「面倒」に思えるかもしれませんが、実は最も効率が良く、無駄が少ないアプローチなのです。
大切なのは、「見込み客」→「関係性の構築」→「信頼の獲得」→「本命商品の提案」という順序を意識し、それぞれのステップを戦略的にデザインすることです。この基本をしっかり実践すれば、売上は自然と伸びていくはずです。
中小企業の経営は、人との信頼関係で成り立っています。だからこそ、この「当たり前で地道な道のり」を正しく歩んでいくことが、経営者としての最も重要なマーケティング戦略なのです。
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