有為メモ。
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…に、なりました。46歳の11月15日、母のテルミが永眠。翌月の12月31日、内縁の夫になる2歳年下の男性K(仮名)に出会う。翌々月、Kに言われて母テルミとの思い出の借家を引き払い、Kとの同棲をはじめる。3月、Kから結婚指輪を渡される。4月、就職。マシンオペレーターになる。7月、高熱を出し、会社から退職勧告を言い渡される。8月、某大手電力会社のテレフォンオペレーターに。11月、マニュアルとトークスクリプトへの書き込みをインクの無駄遣いだと言われ肩叩きの憂き目に遭う。2月、Kが精神に変調を来し、出社できなくなり、社員寮から飛ぶ。同月、飛んだ先で某大手自動車メーカーのマシンオペレーターに。3月、Kと冷却期間を置くことに。Kは仕事ができないので自分の親元に戻り、私は飛んだ先の隣県に単身で移り、ネットカフェに潜伏。本日、更に飛ぶ先が決定。東北地方に。そんな感じかな。今はフリードリンクを飲みながら、飛んだ先の担当と最終調整。タイピングは結構鈍いのだが、2分で100文字と伝えると、十分なのでいらしてください、との事。Kは冷却期間だというのに頻繁にLINEを送ってくる。いいよね、親のいる人は(笑)家で煙草も吸い放題、料理も勝手に出てくるし、布団もきちんとあるし、愛猫の世話をして、あとは仕事を探している振りをしていればいいんだから。「そんな事ないよ…くうきはおかんがどういう人間か知ってるだろ」まあね。「僕だってくうきと離れたくはなかったけど、くうきが離れた方が良いって言ったんじゃないか」そりゃ、そうだよ。私の薄給でふたりは生活できないよ。「僕が働いてた頃はひとりでなんとかなってたじゃないか」なってないよ。私、家で稼いでたからね。食費が要るとか、コスメ代が要るとか、煙草代が要るとか、携帯代が払えないとか、愛車の保険代が払えないとか、あなたにそういう話した事がないのは何故だと思ったの。「言われてみれば…」あなたは仕事に行けなくなってから、しょっちゅう金がない金がないって言ってたけど、黙ってビールと煙草とごはん出してたでしょ。「う…」結構な負担だったのよね。「くうき…だから過去形なのか」うん?「家を出る時に言ったよな、好きだったって」言った。「…今は」過去形。「もしかして、2度と会えないのか」今度の赴任先は東北地方。「遠いよ」帰ってくる気がないの。「僕を迎えに来る気が無いってことか」うん。「僕が嫌いか」そういう風に割り切れるものじゃないよね。「じゃあ」この人が好き、だから我慢して支えないと、思って頑張って、頑張りすぎて、ストレスが溜まった。「…」あなたが好きだったから、頑張った。でもあなたは私がやればやるほど要求を上げて、要求が上がったねって指摘したら声を荒げた。「ごめん」ラストチャンスが何回あったんだろうね。「本当にごめん」あなたがラストチャンスって言ったその日から、何回許しただろう。「くうき、もういいから、帰ってきて」いやだ。「は?」もう、あの日々の繰り返しはしたくない。「くうき、好きなんだよ、愛してるんだよ、くうきしか勝たんっていつも言ってるだろ」嘘。「嘘じゃない」信じない。「どうして」信じたら、帰らないといけなくなる。「帰ってきて」嫌。「お願いだよ」ごめんね、もう連絡しないで。「そんな…」冷却期間でしょ、ちょっと頭を冷やすから、しばらく接触してこないで。「このまま別れようとは思ってないよな、ブロックとかしないでくれよ」…。「するんだ」…。「されたら、僕がどうするか知ってるだろ」うん。「僕は切腹だよ」うん。「すればいいと思ってる?」うん。「酷いな」うん。「今、話しかけても堂々巡りって事?」うん。「ごめん、声が聴きたかったけど、ダメだったな」うん。「じゃあ、また落ち着いたら連絡して」うん。「愛してる」うん。「またな」うん。Kとの会話を終えると、おもむろにKのLINEアカウントをブロックした。Kと離れて飛んだ先。部屋では喫煙が許されず、LINEをしていたエントランスはまだ寒い。でも、煙草に火を点けた。Kもきっと今頃、同じ銘柄を吸っているのだろう。ブロックされた事も知らず。煙草を吸いながら、スマホの画面に指を滑らせ、電話帳を開いた。勿論、Kの電話番号を着信拒否するためだ。酷い女?なんとでも。私は、抗うつ剤も精神安定剤も睡眠導入剤も取り上げて、馬車馬のように働かせて、家事をさせて、運転をさせて、肉体的負担も精神的負担も限界まで与えてくれたKを許さない。好きだと錯覚したこともあったけれど、やっぱりKが私にしてきた事は虐待だ。離れないと冷静になれない事もある。KもKで自分で気がつかなければ、精神科の治療にはならない。Kと出会って良かった事といえば、Temuとメイクテクくらいのものだ。あの男に抱かれてから、私は自分と自分で愕然とするくらい変わってしまった。それは此処に書くのが憚られるくらいの変化で。もしかしたら、私は行く先で出会った誰かと、恋に落ちて体を許してしまうかも知れない。それくらい、私は堕ちた。口も素行も悪くなり、煙草も再び吸いはじめ、他罰的傾向も酷くなり、常にイライラするようになった。「死ねばいいのに」くらいは普通に呟くようになった。同人誌や夢小説への興味も失い、Kが教えてくれた「ぬきスト」を観るようになった。大人の玩具を使ったりするようにもなったし、すぐキレて二人称は「あなた」から「てめえ」や「貴様」に変わるようになり、リアウインドウに菊紋が光る愛車に乗っていても「四灯焚きゃいいってもんじゃねえんだよ!」「邪魔くせえな!てめえ!」と、怒鳴るようになり、ガラが悪くなった。Kの腕には刺青が入っていて、夏はKが愛車からにょきっと長い腕を出すだけで、周りの車がうちの愛車を避けて便利だった。K本人は「別に刺青はこうやって使うもんじゃねえ」とは言っていたが、私も早く刺青が入れたかった。けど、もういい。刺青を入れては、入れる温泉が限られてしまうし、就職にも影響が出る。ベッドに横になって目を閉じた。スマホに着信が入った。義理の母だ。もしもし。「くうき!着信拒否したな!」早速バレたね。「なんでそう僕の愛を試すんだ」は?「自覚ないのか」自覚?「僕の事、愛してるだろ」自意識過剰にも程がある。「声、震えてるぞ」誰があんたなんか!「涙声だな」うるさい!「くうき、愛してる」黙れ!「帰っておいで」誰があんたみたいな虐待男のところに!「治療を受ける」はあ?「カウンセリングやら精神科治療やらしないと、ずっとくうきを苦しめ続けるんだろ」受ける気もない癖に!「受ける」嘘!「だから、僕の側に居て」いやだ。「一生、僕の側に居て、一緒に年を取って、死がお互いを別つその時まで」何の話なの。「娘を説得したよ」娘さんたちは新しいママは要らないんでしょ。「最初にその話をした時はくうきがなんであんな顔をしたのかわからなかった」だから何の話?「くうきは僕と正式に結婚がしたかったんだ」…。「ごめんね、僕は再々婚でもくうきは初婚だもんね」行き遅れで悪かったね!「でも僕はくうきを可愛いと思う」はあ?「くうきはいじらしくて、やきもち焼きで、笑顔が良くて、触っても柔らかくて…」…。「僕はこんな男だけど、くうきは三度目の正直の嫁だと思ってる」…。「生理は終わったかい」まだ。「じゃあ、あと2~3日で落ち着くね」あ。「自覚なかったんだ(笑)」うーん…。「今回はどこまで飛んだんだい?」S県…。「随分遠くまで(笑)」帰るの遅くなるけど。「お金は足りるかい」うん…。「何泊かしながら帰っておいで」待たせちゃうけど。「くうきが慌てて帰ってきて、途中で事故るよりはいいさ」精神科の治療は?「受けるよ、僕のせいでこうなるのは判ったから」うん…。「くうきが帰ったら一緒に行ってもらっていい」だってあなたでは車が…。「そもそもくうきが乗ってっちゃってるじゃないか(笑)」あ。「お馬鹿さんだなあ」うー。「今日は遅いから、そこのホテルで寝なさい」うん。「おねむになるまで話すかい」うん…。目が覚めた。トイレに行っても別に生理ではない。スマホはKの電話番号を着信拒否したままになっている。私の願望か。本当は遠いところに赴任するのは不安だ。けれど、Kのところには戻れないし、戻りたくない。まだ、赴任先の会社から連絡は来ない。本当はKに治療を受けて欲しかった。けれど、虐待者に自覚を持たせる事は容易ではない。だから私は此処まで逃げてきた。後戻りはできない。私は自分で決めた安ホテルの一室で、これを書いている。少し休んで、夕食を食べて、シャワーを浴びたら、今日は早く眠ろう。明日は東北地方だ。しかも、自分の荷物を全部詰めた過積載の車で、東名高速から東北自動車道を行けなければいけない。絶望している暇はない。お金を稼いで貯める事ができたら、Kに連絡を取ってみようかな、と思う、その思考パターンが被虐待者なのだが、たまに気が緩むとKを恋しく思う事もある。最初の数か月は本当に蜜月だったから。でも、苦しい事の方が多かった。だから私はKを捨てる。
2025年03月14日
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