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うっかり0303

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2009年02月22日
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カテゴリ: 読書・小説・雑誌
こんばんは。

行き着けの図書館の入り口横にある雑誌架けの下のほうに『暮しの手帖』のバックナンバーがどっさりあるのを発見して借りてきました。



『暮らしの手帖』この有名な雑誌。
マダムな雑誌なんだろうけど『ミセス』『婦人公論』あたりに漂っている奢侈と虚栄、中年女性の嫌らしさがこの雑誌にはあまりないのです。 (『STORY』とかは論外)極力、そういうのをなくそうと努力しているのかもしれないけど。 淡々としてて、今ドキでもハヤリでもおしゃれでも何でもない。 この雰囲気は「文化的」としか言いようがなくてとても浮き世離れしているようにも感じる。

読んでみると面白い。
やや退屈なところもあって、何ともNHK的な感じ。 NHKのドキュメント番組は面白いけど、たまに民放のどうしようもない馬鹿なバラエティが見たくなる、あの感覚。 文体のせいなのかなあ、この雑誌のなかだけ、時間の流れが違うような感じがします。 

内容はいろいろ。
料理の「さしすせそ」としてお料理の基本が説明してあったり、国民生活センターのことが詳しく紹介してあったり、電子辞書の選び方が載っていたり、著名人の随筆もいくつも。 平松洋子、上野千鶴子、有名どころが書いていたのでちょっとびっくり。 どれも面白かったです。 1冊900円と雑誌にしては高価なので、ほんと図書館で借りるのにぴったりです。


このコーナーに書かれているフレーズがまたいいのです。


と。誰が言いましょう、って… 綺麗な日本語ですよねえ。凛としてる。

その詩に心撃たれたので、今日はそれを書いておこうと思います。

三十の抄

牛蒡はサクサクと身をそぎ
水にひたつてあくを落とす

ほうれん草は茹でこぼされ
あさりは刃物にふれて砂を吐く

私はどうすれば良い
ひたひたと涙にぬらし
笑いにふきこぼし
戦火をくぐらせ
人の真情に焙つて三十年

万人美しく、素直に生きるを
このアクの強さ
己がみにくさを抜くすべを知らず
三十年

俗に「食えぬ」という
まことに食えぬ人間
この不味きいのちひとつ
ひとにすすむべくもなき
いのちひとつ

齢三十とあれば
くるしみも三十
悲しみも三十

しかもなおその甲斐なく
世に愚かなれば

心まずしければ
魂は身を焦がして
滅ぼさんばかりの三十。

(詩集『私の前にある鍋とお釜と燃える火と』より)



私は再来週には29になるのですけど、29も30もあまり差がない気がする、多分。
自分でもふと(もう30かー)と思う時があるし。
歳はあくまで歳であって目安にしかならないと思うのです。もちろん、その目安が何かのきっかけや起爆剤になることもあるのでしょうけど、自分の人生においてはもう結婚したし、次に大きな分岐になるのは、30という歳ではなくて、出産という出来事が現実になったらだろうなーと。

そうなんですけど、そう思っていたのですけど、それでも。
「心まずしければ 魂は身を焦がして 滅ぼさんばかりの三十」と云われたら、やはり心穏やかではいられなかった。 今の自分の迷いとか逡巡とかためらいとか、「心まずしい」から「身を焦がして」るのかなあ、と… (((´・ω・`)カックン…

久しぶりに言葉に「どーーーん!!!」てやられました。クリーンヒット。


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明日いっぱいまでです!


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Last updated  2009年02月22日 23時18分45秒
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