定価並で購入した日記 (天空の城)

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2018年11月13日
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テーマ: ★居酒屋★(1512)
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「愛山(あいやま)」というのは、酒米(酒造好適米)の銘柄です。酒米の銘柄には、ほかには、山田錦、雄町、美山錦、美郷錦、亀の尾、酒未来、五百万石…などがあります。

目次

愛山との出会い
愛山の歴史
愛山の系統図
愛山の転換期
愛山の育成経過(参考文献)


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愛山との出会い

私が初めて「愛山」を知ったのは、高木酒造の「十四代 七垂二十貫」を飲んだ時です。
非常においしかったので、高級酒に使用されている酒米の銘柄は「山田錦」が多いなか、「愛山」という銘柄も記憶に残りました。


それは、「愛山」の歴史に由来します。





愛山の歴史

「愛山11号」は、1941年に兵庫県の酒造米試験地で「愛船117」と「「山雄67」という酒米を交配して作られました。(愛船:種子親、山雄:花粉親)
「愛山」の名称は、「愛山11号」の系統名が正式名ですが、栽培されていた地域で「愛山」として略して呼ばれたことによると考えられます。


栽培が難しいとされる「山田錦」と比べても粒が大きく、背が高いため、倒れやすく、より栽培が難しい銘柄だったのでしょう。育成試験が1951年に打ち切られたこともありました。

そのような中で、酒どころである灘五郷の剣菱酒造だけは、酒米試験地の地元である加東郡社町(現兵庫県加東市社町)で契約栽培により、「愛山」を守り育ててきました。



「愛山」は粒が大きくて心白が出やすい、そして溶けやすいという性質があります。
この特徴は、剣菱酒造が得意とする、精米歩合70%の生もと純米酒を作るには最高の性質でした。

剣菱酒造が契約栽培を続けたおかげで、栽培が難しいにもかかわらず「愛山」は現在に生き残れた銘柄といえるかもしれませんね。
※栽培の難しい銘柄の契約栽培を続けるには、非常にコストがかかります。


契約農家 剣菱に宿るもの
(剣菱酒造株式会社公式サイト)


愛山の系統図


イネ品種データベース検索システム





愛山の転換期

このため「愛山」を使用して日本酒を醸す蔵元は、当時は他になく、幻の酒米と呼ばれるようになりました。


それが、1995年に発生した阪神・淡路大震災で剣菱酒造が被災し、そののち、高木酒造が「十四代」の高級銘柄に「愛山」を使用したことで、他の蔵元でも使用される流れができたように思います。

今では、愛山で醸したお酒を見かける機会も増えてきました。



栽培が難しいからでしょうか。
同じ蔵元の同クラス(例:純米吟醸)のお酒と比べても、「愛山」を使用した銘柄は多少高額です。

そのため、気に入った蔵元の愛山でないと一升瓶では購入していません。


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(木屋政酒造 而今 純米吟醸 愛山 ほか)




兵庫県立農林水産技術総合センターの研究報告に、「愛山」の育成経過と品種特性を記した資料がありましたので、抜粋してご紹介します。


「愛山」の育成経過と品種特性
(1)育成経過
「愛山」は育成野帳によると、1941年に酒造米試験地で「愛船117」を種子親に、「山雄67」を花粉親に用いて交配された。翌1942年にF1個体が養成された。その後の育成経過は野帳などの資料が残っていないため不明である。
1949年〜1951年の福田原種圃の生産力検定試験には「愛山11号」の系統名で試験に供試されている。収量性は高いが品質がやや悪いとの理由で、1951年で試験は終了している。
(2)品種特性
表4,5,6および図6,7に「愛山11号」の形態特性、生育特性、収量および品質を示す。
「愛山11号」は出穂、成熟期が「山田錦」と同熟の晩生種である。稈長、穂葺、穂数は、「山田錦」とほぼ同じの中間型である。1穂籾数は「山田錦」とほぼ同程度である。稈の細太、剛柔程度は中である。倒伏の発生は、「山田錦」よりやや少ない。芒の発生はなく、ふ色、芒およびふ先色は白である。脱粒性は易である。粒形はやや長粒で、千粒重は30.Ogと「山田錦」より大きい。心白の発現は多く大きい。収量性は高いが品質はやや劣る。
(3)「愛山」の生産について
「愛山11号」の育成試験は1951年に打ち切られたが、酒米試験地の地元である加東郡社町では一部の農家や集落で栽培が続けられていた。「愛山」の名称は、「愛山11号」の系統名が正式名であるが、現地で「愛山」として略して呼ばれたことによると考えられる。
その後、酒米試験地では1968年に品種保存栽培に供試するため、社町山国の農家から苗を譲り受け、場内栽培を行い特性調査をしている。
そして、現地からの要望もあり純系淘汰を行い、1972年には種子を増殖して現地に提供し、現地では1973年からこの種子を用いての栽培が行われるようになった。
その後も隔年で酒米試験地から現地に種子が供給された。さらに1985年からは酒米試験地で原々種栽培が行われ、3年毎にみのり農業協同組合に有償で提供され、表8に示すように、現在も加東郡社町で30ha以上の作付けが行われている。
「愛山」は1980年に醸造用玄米の産地品種銘柄に指定されている。
「愛山」の生産地は加東郡社町のみであるが、これまでに生産集落には変動があり、当初は社町山国で栽培が行われていたが、「愛山」の品種特性である胴切れ米(地元では「ひようたん」と呼称)の発生が問題となり、現在は社町木梨と山口の2集落で栽培されている。「愛山」を使用している酒造メーカーは灘五郷の剣菱酒造の1社で規模の大きい契約栽培が長年にわたり行われている。

(引用元: 兵庫県立農林水産技術総合センター研究報告〔農業編〕第54号(2006)
 (※資料中の図表は省略)



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最終更新日  2021年03月15日 11時52分50秒
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