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2024年12月07日

おくのむらさき（奥羽368号）紫黒米赤い色素はアントシアニン

テーマ：たのしいお酒飲んでますか。(12738)

カテゴリ：酒米（酒造好適米）

「おくのむらさき」は、紫黒米糯系統の「東北糯149号」を母とし、短稈、多収の粳系統「奥羽311号」 (ふくひびき) を父とする組合せから育成された紫黒米粳品種です。
葉身や籾の一部が紫色を呈し、一般品種と容易に区別のつく特徴があります。

奥羽368号（おくのむらさき）の系統図

【系統図引用元】　(c)著作権国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構次世代作物開発研究センターイネ品種データベース検索システム

新政酒造では、容易に酸化せず、長期間の保管に耐えうる新しい低精白酒を目指すプロジェクトとして、紫黒米（古代米）「おくのむらさき」に含まれる赤い色素アントシアニンというポリフェノールに着目していました。

プロジェクトのお酒は「涅槃龜改」。

残念ならがら、2024年の頒布会で提供する実験酒としては間に合いませんでしたが、来年以降に再びお目見えすることになりそうです。

古代米を原料としたお酒は、向井酒造の「伊根満開（いねまんかい）」などがありますね。

（頒布会2024 陽乃鳥スパーク解説文より引用）
『

当初、この「陽乃鳥スパーク」は本領布会にラインナップされていなかったのだが、「涅槃改」の醸造が失敗に終わったことにより、急遽投入されることになった。
ちなみにお蔵入りになった「涅槃改」とは、「おくのむらさき」という名前の紫黒米を使用した、見た目も赤っぽい酒である。
紫黒米のように古代米の系譜を持つ米は、通常のうるち米とは違って、外部にアントシアニンなどの強力な抗酸化物質を含んでいる。
つまり「涅槃絶改」とは、容易に酸化せず、長期間の保管に耐えうる新しい低精白酒を目指すプロジェクトであったのだが見事に失敗してしまった。
色素が思ったよりも抽出できず、期待したほどの抗酸化成分が得られなかったのだ。
そのため、急遽投入されたのがこの「陽乃鳥スパーク」。
正直なところ、我々にとって「陽スパーク」は造り慣れており、もはや「実験作」ではない。
この頒布会の趣旨を完全に満たす酒ではないのが、残念である。
紫黒米を用いた「涅槃改」は、数ヶ月後から再開する新しいシーズンで必ず完成させ、お披露目することを約束したい。
より個性的な、そしてより強靭な、まだ見ぬ酒を目指して、「PRIVATELAB」シリーズは、これからも進化していくだろう。
今後の展開に、ぜひともご期待ください。
』

頒布会の内容変更につきまして

7月分に収録予定だった「涅槃龜（にるがめ）改」ですが、製法上の難易度が非常に高く、完成はしたもののリリースが困難となりました…

そのため、急遽「陽乃鳥スパーク」を代わりに収録させていただくことになりました。

何卒、ご理解賜りますようお願い申し上げます
June 2, 2024