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2006年01月10日
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「お申さげながんす」

先日ご紹介しました浅田次郎著「壬生義士伝」の映画をDVD鑑賞致しました。
聞くところによるとTVでも渡辺謙主演でドラマ化されたようですが、映画のほうは中井貴一主演でした。
話題的にはとうに旬を過ぎてはおりますが、なにぶん離島に暮らす身の上ですので多少のズレはお許し下さい。

「おもさげながんす」(これはこのドラマの主人公の盛岡弁?の口癖ですね・笑)

ということで私は原作本を読んでいたので、十分に楽しめる内容ではありましたが、映画だけ見た人は果たしてこのモラルというかテーマを理解できるのかなというのが率直な感想です。
映画というのはおよそ2時間の中で全てを凝縮表現するという枠がありますから、あらためて脚色物の難しさを感じました。
特に原作が良くできていると、観客の先入観みたいなものに左右されてしまったり、どの部分に焦点をあてるかという選択によっては商業的な成功、興行成績を生むかどうかも重要なファクターとなりますから、監督の腕にすべてはかかっているということになるのでしょうか。

個人的にはクライマックスでの「泣き」がちょっと物足りなかったかなぁという感じですが、中々しっかりとした作りで丁寧に撮られた作品だと思います。

テレビドラマの渡辺謙さんは見てませんが、イメージ的には中井さんの方が良いかな。

このDVDは家族全員で見るぞ!のかけ声とともに父親の強権を発動して女房子供を無理矢理テレビの前に参集させました。

「いいか、このドラマはなぁ、お父さんのお友達が感動して勧めてくれた家族のドラマなんだぞ。だから皆で見なければ申し訳ないんだ」

「え~、私、時代劇なんか見たくないよぉ~」

「これってラストサムライみたいな映画?」

「ニンジャとか出てくるの?」

「シノビっていうんだよね」

「シンセングミってNHKでやってたヤツと同じ?」

という具合に、始まりこそブツブツ言われましたがやはり映像は直接感性に訴えてきますので、親父の強引さに対する不平不満もそのうち大人しくなり一同画面に集中いたしました。

ギャラリーからは時折時代考証や歴史についての質問を受けましたが、そんな教養があるくらいだったらこんな僻地で暮らしているわきゃねぇだろ、と心の中で思いつつも、父親のメンツにかけて知ったか野郎の大雑把な指導で乗り切りました。
さあ、いよいよクライマックス。もちろん私も、どういう見せ方をするのか興味津々、心の中では「さあ、泣けよ、お前ら、たっぷり泣いてお父さんの苦労を知るのだぞ」と多少の作為も見え隠れする中、ドラマは最終章へと突入して行きました。


「可哀想じゃん。なんで助けてあげないのよぉ~、幼馴染なんでしょ」

-更に娘が
「この人なんで鉄砲隊の中へ切り込んでいっちゃったわけ?逃げれば良かったじゃん」

-再び奥方
「なんでその息子まで行くのよ」


「妹がかわいそうだよね」

策士策に溺れる。
なんと家族からはブーイングの嵐が巻き起こってしまいました。
お父さんの目論みは儚く消え失せ、ニッポン人のルーツ、サムライ魂は我家ではとうとう理解されることもなく週末の夜は過ぎていったのでした。

ということでニッポン人の「侍魂」は今や単なる中年男の郷愁となってしまったようで、この
ドラマの主人公のような生き様は、もはや男のロマンとしてデフォルメされた虚像にすぎないのかとシミジミ思ったりしました。
確かに死ぬの生きるのという追い詰められた時代ではありませんから、人と人がギリギリの境界線で触れ合うというような手触りは、もう日本人の手には届かないものとなってしまったのかもしれませんね。
そういえば以前にも「たそがれ清兵衛」という時代劇を見たときも、我家では私以外に大きな感動は得られませんでした。

あれっ?でもトム・クルーズには感動していたなぁ。なんでだろ?
生き残ったからかなぁ。
そう言えば、渡辺謙演じるサムライ勝本が死ぬときも、同じようなこと言ってましたね。
この武士道的精神の「死」は、やはり今時の子供には理解出来ないのかも知れませんね。もちろん決して褒められる行為だとは思えませんが、この精神というのはどうも時代を反映しているようで、昨今の不祥事や事件の当事者達の往生際の悪さにはもはや「武士道」のような精神を見出すことは不可能です。
こんな大人たちを見て育った子供には損得抜きで生きる「道」は見えてこないのかも知れませんね。
でも私は、日本人に限らず人間には「損を承知で何かをやる」遺伝子は必ず組み込まれていると思いますし、いずれはこの遺伝子が読み返されることを信じたいです。
そのためにも、くだらないこと、ばからしいこと、一銭にもならないことに死ぬまで血道を上げて行きたいと思います。

なんだか映画評が脱線してしまいましたが、「壬生義士伝」には私的に色々な人生のエッセンスが隠されているので、もう一度あらためて語りたいと思います。

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最終更新日  2006年01月11日 09時29分57秒
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同じでしたね・・  
テリ~ さん
我が家でも、女性陣の反応は同様でした・・w

ポイントは、ロニーの言うように「映画だと時間的制約もあり、凝縮しすぎで説明不足?」と「男性の方が立場的に感情移入しやすい?」つーことかもしれませんね。
「今会いにゆきます」なんかだと、女性が強く共感するわけですよね。

「たそがれ清兵衛」も同じ時代背景で、かなり似た設定でしたよね。ラストサムライも渡辺謙が義を貫くわけですが、個人的には壬生義士伝に他の二作は遠く及んでいないように感じました。
まぁ、原作で、こっぴどくヤラれちゃってるからでしょうねぇ~、壬生義士伝には。

つうことで、我々は前頭部だけは、サムライ状態に向かってはいますな。 (2006年01月10日 13時05分27秒)

Re:同じでしたね・・(01/10)  
RONNYジイ  さん
テリ~さん

やっぱ男のロマンってことなんでしょうかね。
ちなみに「今あいにいきます」は父親不在のままDVD鑑賞会は敢行されたようです。

「たぶんお父さん好みじゃないと思ったから」

「そーゆーことじゃなくて、これはお父さんの数少ない日本のお友達がわざわざお父さんのためにね・・」

「お父さん、たぶん30分持たないと思うよ」

「だからそーゆーことじゃなくて・・・」

「お友達が見たいって言うから貸しちゃったの、ごめんね」

おもさげながんす。
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(2006年01月10日 21時11分01秒)

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