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2006年12月13日
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カテゴリ: カテゴリ未分類

昨日に引き続き、池谷裕二著「脳はなにかと言い訳をする」の中から、ウケウリ的ノーガキをコカせていただきます。

http://item.rakuten.co.jp/book/4127043/

(以下青字は著書からの抜粋コピー)

記憶の形成を阻害する「アニソマイシン」という薬を投与すると、これが効いている間は、ものを覚えることができません。アニソマイシンという薬物は合成品ではなくて、自然界に存在するものです。「放線菌」という細菌からみつかりました。

ここでちょっとドキッとされた道楽者の皆様は・・・・・・、危ないです。(笑)

放線菌が居ると、他の菌が繁殖し難くなるので、病原菌を取り除くために、農場などでは肥料にあえて放線菌を混ぜるなどということがおこなわれます。
なぜ、他の菌が繁殖しなくなるかというと、放線菌が「毒素」を出すからです。
その毒素を持っていると、周囲の菌が死んで、自分だけが生存できるので、おそらく自然淘汰において有利なのでしょう。
このような「役に立つ」毒素を、私たちは「抗生物質」と呼んで、毒ではなく「薬」として扱います。

ほっとしましたか。(笑)
これはいわゆる抗生物質のメカニズムですね。
しかし、毒をもって毒を制すって感じの抗生物質ってのは、ケッコー危険な薬であったのですね。

脳の場合、アニソマイシンは主に「海馬」に作用しているのだと思います。実際、海馬を電気刺激するとシナプス(神経細胞と神経細胞を繋ぐ接合部)の伝達効率が高まることが知られていますが、アニソマイシンを投与すると、海馬のシナプスは増強されません。
逆に、一回、記憶が固定されて、安定化されてしまえば、アニソマイシンを投与されても、記憶は消えません。一度覚えた情報は、アニソマイシンに対して耐性を持っていて、アニソマイシンを投与してもふつうに思い出すことが出来るわけです。こうした実験結果から、記憶の「獲得」「固定」「再生」の三つのステップのうちの、「獲得」の過程だけをアニソマイシンが阻害すると結論づけられます。

専門用語「海馬」なるものが登場しましたが、最近の脳科学の話には必ず出てくる言葉ですから、気になる方はお調べ下さい。
ここで再び危険な道楽者の皆様はドキッとされたのではないでしょうか。(笑)
なるほどアニソマイシンが注入されると記憶機能に障害がでるということですね。

そこで意外な発見だったのが、「再固定化」です。アニソマイシンを投与しても、記憶は思い出せると言いましたが、確かに正常に思い出せはするのですが、アニソマイシンのある状態で思い出すと、その後もう二度とその内容を思い出すことができなくなってしまうのです。

う~ん、なんかよくあることのような気がする・・・・・。(爆

もちろんアニソマイシンが効いている間に、思い出しさえしなければ、その後も正常に思い出せます。こうした事実から「思い出すという行為」が、脳の記憶を危うくしてしまうことがわかります。
せっかく安定に貯えられていた記憶が、思い出すことで不安定になってしまうわけです。あえて喩え話を引き合いに出せば、引き出しの中のペンを取り出して使った後、きちんといつもの場所にしまわないと、次に使いたいときにどこにあるのかわからなくなってしまうことに似ています。「もし、あの時ペンを使わなければ、どこにあるのかすぐに見つかるのに」という状況です。つまり、覚えてしまえばもう安定、ということにはならず、メモリー(記憶)にアクセスすることによって、再びメモリーは不安定になるということです。

う~ん、このメカニズム、なんとなく解るような気がする。

この記憶の性質を逆に利用しようと考えている研究者がいます。たとえば、先のアニソマイシンの実験ですが、よくよく考えてみれば、これはいったん脳に貯えられた記憶を薬物投与によって消すことができるということです。人工的な「記憶消去」です。

世の中には記憶が消えなくて苦しんでいる人がいます。たとえばPTSD(心的外傷後ストレス障害)の患者などの有害な記憶を消すための治療に、記憶の「再固定化」が利用できるのではないかと考えられているようです。(なるほど、これは効果的に使えますね)

他にも消した方がよい記憶があります。薬物中毒です。2005年9月には、動物実験のレベルですが、「扁桃体」や「側座核」などの脳部位に、記憶を不安定化する薬を投与することで、コカイン中毒を治療することができたという論文が発表されました。

ドキッ!・・・・・としたのは誰ですか?

もうひとつ身近な薬物のお話です。

アルコールを飲むと学習能力が落ちるのはネズミも同じなのですが、アルコールが再固定化にどのような効果があるかは実はよく知られていません。そこでネズミを使って調べてみたのです。記憶を思い出した直後にアルコールを与えて、翌日にその記憶がどうなっているかを実験してみました。結果は驚いたことに、記憶が消えるどころか、むしろ逆で、強まっていました。

いくら酒を飲んでも忘れられない~みたいな感じですか。(笑)

実は、試験は迷路や餌のありかなどの学習ではなく、電気ショックを与えられた部屋を覚えるという、いわば恐怖や嫌悪に関係した記憶です。つまり、「嫌な記憶」を思い出しながらアルコールを飲むと、その記憶は強化されてしまうようなのです。まだマウスの実験でしかありませんが、もしかしたらヒトでも、ショックな事件に遭った後、その記憶から逃れるためにお酒を飲み、結果として忌まわしい記憶がさらに強固になるなんてことも考えうるわけです。

そうだったんですね~。嫌なことを忘れるために酒を飲むと、余計に嫌な想いが増幅されて更に落ち込むみたいな~。。。。。飲み潰れて眠るまでぇ~・・・ってか(爆!

また、この実験を拡大解釈すれば、「酒を飲みながら会社や家族の愚痴をこぼしたら、記憶として強化されてしまうからまずいのではないか」という一種の警鐘として捉えることができます。

そーゆーことですね(^^;ベンキョーになるなぁ~。(笑)

ということで、皆様、12月はなんと言ってもお酒の季節です。お酒は楽しく飲みましょう!






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最終更新日  2006年12月13日 08時07分06秒
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