うさぎ屋

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上野サン


別な方に尋ねると、又々上野さんの名前が…

「キュウリを作っている上野功サンの畑(低農薬有機栽培)を訪ねて」~2000年 春 島根県邑智郡石見町~

 25年前から島根県石見町の山の斜面に切り開かれたハウス団地に入植(スタート時5軒、現在3軒)。
大規模なハウス(各軒500?×4棟)で日中晴れているときには屋根を開け太陽光を直接採り入れ可能。
 20年前から連作障害を防ぐためハウス団地のグループ全体で化学肥料から有機肥料の土づくりに切り替え。
バーク堆肥(石見町で作られる木の皮やチップを熟成発酵させた有機肥料)や稲藁、籾殻、菜種滓、骨粉、鶏糞を使用。
但し、散水にのみ液体化学肥料混入。

有機肥料に切り替えてから作物の病気が減ってきたので農薬を徐々に減らし、
以前はハウス全体を消毒していたのもストップ。今では病気が出た部分のみ使用。
「農薬を使うとまず最初に自分たちの体が殺られてしまうし、あまり使いたくない。
ただ、3月下旬~7月上旬の約100日間と通常より長い間キュウリを作るためと
市場に出すためにはある程度の見た目の良さも必要なので無農薬無化学肥料はうちでは難しい…」

5~6年前、大手スーパーがおいしい胡瓜を探し調べたところ
「ここの胡瓜が一番糖度が高かった!どうして?」 と、調査にきたそうです。
そのことで土を自然に近い、なるべく無理のない形で肥やしていくことによって、よりおいしい作物ができる
ということに逆に気づかされたそう。
「連作障害を改善するために始めた有機農法でしたが、
20年経って今の時代の安全な食品、おいしい野菜を求める風潮に重なって来たんです…」
連作障害が出たときより強い薬物に頼らなかったこと、
山を開墾した土地でそれまで農薬等が入ってなかったこと、
 (山土なのでそのままでは…ということで大量の稲ワラ、籾ガラ、鶏フン投入。
  今でこそ有機肥料として引っ張りだこですが、
  当時は捨て場所に困っていたものでので手に入れやすかったそうです。3年で土が肥えて黒く…)
化学肥料を使っていた期間が5年間と短かったことなども良い結果に繋がることになったのでしょうか…
連作障害を防ぐ手だてをグループで話し合ったとき、「昔のやり方に戻してみては…」ということになったそうです。

上野サン達のグループが古くから胡瓜で有名な産地に見学に行ったところ、
最新のとても強い農薬を大量に使っていたそうです。
上野サンの使っている農薬名を云うと「そんな旧式の弱い農薬で効くのか!」とびっくりされたそうです。
化学肥料や農薬を大量に使っていると、だんだん農薬が効かなくなり、作物も弱くなるのですぐ病気に…。
それを防ぐため、より強い農薬が年々開発されているとか…

上野サンのお話を伺っていて、畑も人間の体と、いっしょなんだーと。
安易に薬物にばかり頼っていると、だんだんそれが効かなくなり、より強い薬に手を出すことに…
時には、どうしても薬の力を借りなければならないケースもあるとは思いますが、
そのさじ加減をよく考えないと、再生力や自然治癒力まで壊してしまうことに…
食べ物や生活習慣を考え、体をケアしていくのをおろそかにすると、悪循環にますます拍車が…
“食は医なり”という言葉がありますが、健やかな土、健やかな体を保つ為にも農業とその方法の選択は大事な鍵なんだなあ・・・と、
現場にいる方から直にお話を伺うとリアルに伝わってくるものがあり、
無農薬栽培をやっている方のお話しとは又違う発見があり、ヒシヒシと興味深く、印象的でありました。


◇上野サンの胡瓜を食べた方の声

「ヘタのとこまで苦味がないから、丸ごと食べられる♪」

→化学肥料過多でチッソが多くなりすぎると緑が濃くなり、見た目はうまそうになるが、苦味が増えるそうです。


「少し皮が固い気がする」

→上野サンによると「苗を育ちやすくするため‘継ぎ’をするせいかもしれない」カボチャの皮の固さも受け継ぐ?
(継ぎ・・・3日早く蒔いたカボチャの芽に穴を開け、1本づつキュウリの芽を手作業で差しこむ)

宇:もしかしたら“衛(まもり)の気 ”が強いからでは???と…日持ちがバツグンに良いので。


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