うちの『けい』さん

2017.05.14

あまやかすこと

(4)

カテゴリ：水の生き物

　スポーツイベントの片隅に、

　無料ストレッチ体験

　と、書いてあって。

　やってもらおうか、と言っていると、
　にっこにっこのムキムキおにいさんが

　どうぞどうぞ、気楽にどうぞ

　って、呼んでいる。
　（メガネをかけて春風亭昇太さんを少しぷっくりした感じ）

　私、とっても鍛えています！と言っている。

　「やってもらってくる！」と、うちの『けい』さん。

　「ええええ」って、『あみちゃん』。

　５分間、両肩を回してくれて、どんどん可動域を広げ、　
　肩甲骨剥がしのようなことをしてくれる。
　（他人が動かすことでコリコリの肩甲骨が動いてくれて
　正しい位置に戻る。）

　痛くも、辛くも、いつも自分で肩を回す時になる

　ゴリゴリゴリ

　って音も全くない。

　途中から。

　（お！背中の方に肩が回っている！）

　パソコンやスマホなど、日常的には肩は前に覆いかぶさっているそうだ。

　「さああ、立ってください。」

　左肩を終わったところで、１度立つ。

　右が変！！！」

　まさにゴットハンド。

　痛くも、辛くも、ゴリゴリも（さっき言ったか）

　ないのに、

　施述していない右が妙に居心地が悪く
　突っ張っているような、反っているような、違和感。

　「このままだと気持ち悪いでしょうから、左もやりますね。」

　両肩してもらって立つと、重心がかかとにかかっている。

　うわあ、それだけ、前のめり。

　「体はきついなあ！って思うところまで伸ばすと、逆に縮まるんですよ。
　伸ばそうとしているのに、逆のことをしています。
　逆に、力を入れずに優しく優しく動かしてくれると、
　体は『あ！緩めるのか！』
　って、意識してくれます。」

　そっかあ。
　頑張りすぎているんだな。
　心も体も筋肉も。

　『けい』さんの体がゴリゴリなのは、
　力技でゴリゴリをなんとかしようとしているわけで
　それじゃあ、もっともっとゴリゴリゴリになってしまっている。

　少し手放すこと。
　頑張らないこと。
　甘やかすこと。
　受け入れること。
　ご自愛すること。

　肩甲骨が言っている。

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