TETSUのPAGE

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V35 インプレ2


これまでのように平べったい板状でなく立体的な形状の3次元の作り

1 エクステリア
SKYLINEがこれまで築き上げてきたイメージのロングノーズ、ショートデッキとは、全く違うスタイルで登場。
前後のオーバーハングを切りつめ、ホイールベースを伸ばしたカタマランという船の船底をモチーフにし、
サーフィンライン、丸テールもすて新しいプレミアムセダンを提案しています。
2 インテリア
 メーター等
T字型のすっきりと落ち着いたセンターコンソール。メーターセナルは、ステアリングと連動してチルトする視
認性の良いファインビジョンメーター。残念ながら今回も水平指針は復活しませんでした。なぜ、あんなに見
やすいメーターを止めてしまったんでしょう?
  シート
シートは、大柄でふっくらしていますが、見た目よりコシがありホールド性も良い。長距離を走っても疲れない、
腰が痛くならない作りはさすがですが、パワーシートのスイッチがシートの左上面にあり足に当たります。
大柄な人はコーナーなどで踏ん張ると腿に当たって痛いかも?
私が思うベストシートは、GT-R用を除けばR32用だと思います。デザインもすっきりしていて良かったけど、
それほどのバケット形状ではないのに、きついコーナーでもしっかりホールドしてくれて、疲れが少なく、腰痛
持ちの私でも長距離を運転しても大丈夫でした。
  ステアリング
ファングリップタイプと呼ばれ、以前のものより少し太くなりました。10時と2時の少し下の部分に膨らみが設
けられ指が掛かりやすくなっており、8時と4時付近も太くなっており握りやすい工夫が見られます。
しかし、手の小さい私にはちょっと太すぎるかな?
  ナビ(TV付き)
格納式6.5インチディスプレイのDVDナビですが、本当にDVDなのかと思うほどルート検索が遅い。
検索しても、動き出さないと目的地までの所要時間が出ないし、出ても本当の時間と大きくかけ離れていて、
時間はあてになりません。TVの感度は以前のナビより良く映像も綺麗で、走行中でも見れるように制限をカ
ットしています。あと、VICSもついており渋滞情報や事故情報、工事情報も確認できるし、ディスプレイにはF
M文字放送、瞬間燃費やトータル燃費の車両情報等も表示できます。
しかし、ナビの機能だけみると後付の社外品の方が数段性能が良いようです。
  オーディオ
オプションの200W、7スピーカーのBOSEサウドシステムで、6枚CD、6枚MDチェンジャーも付けました。
高・低音、前後の音量の調節しか付いていませんが思いの外良い音が出て、これならイコライザーは要らな
いかなと思います。  さすがにBOSE!! 満足度は高いです。
   室内
全長は短くなりましたが、全高が高くなりホイールベースが伸びた事により、室内はSKYLINE史上最高の広
さを実現しています。グロリアより広いかもしれないし、リアシートには、リクライニング機構も付きました。
それに以前のSKYLINEに比べ格段の静粛性を実現しています。空力が良いので風切り音も低いし、ボディ剛
性も高いので遮音もしっかりしているのでしょう。
但し、車はただ静かで有れば良いというものでは無いと思います。セルシオの様にエンジンがかかっているの?
っていうぐらいに静かだと、車外の情報量が極端に少なくなり、安全面で疑問を感じます。
まあ、居住性については、満点ですかね。
日産車は、以前よりは室内の高級感は出て来たとは思いますが、まだまだダメです。あの安っぽいプラスチッ
クはどうにかならないのでしょうか? トヨタ車やホンダ車のあのしっとりとした艶のインテリアは作れないので
しょうか? 但し、経年変化等については他のメーカーより優れていると思うし、見えないところにも手を抜い
た作りは見られません。これは、私の経験からの話ですが、トヨタ車は、見えない所は信じられないくらい手
を抜いた酷い作りをしていますし、ホンダ車はうちの事務所で3台続けて使用しましたが、内張が剥がれたり
とかはしょっちゅうで、雨漏りしたり、作りがいい加減という印象で、自分の車として買いたいという対象になり
ません。
3 サスペンション
オリジナルのリップルコントロールショックアブソーバーは、乗り心地が良くなかなか評判も高いようですが、
それよりも良い出来だと言われる3.5リッターGT-8と同じユーロチューンドサスペンションを215/R55のタイヤと
17インチアルミとセットで装着しています。少し、ゴツゴツとしたところはありまが、それでもR34の標準車よりはる
かに良い乗り心地です。これまで、人を乗せる時は気を使いながら走っていましたが、これで安心して
人を乗せることが出来ます。
4 リアスポイラー
リアには、CDを2.7から2.6に下げ、リアのリフトまでもゼロにする三次元リアスポイラーをリアサイドフェアリ
ングとセットで装着しています。もともとフロントはリフト量がゼロのため、120km/h以上の高速走行でも揚力
が発生せずスティアリングフィールはいつも一定で、安心してリラックスした高速走行が可能です。

5 総合評価
まずシート位置が、高いため本当のロールより車のロールを先に大きく感じてしまうため、限界より早めに次
の操作に入ってしまいます。慣れればもっと限界が高いことを身体で覚えられると思いますが、万人が乗る車
のセッティングはこれで良いのかも?ハンドルは、操作が軽く速度が上がっても重くならないステアリングフ
ィールに違和感を覚えました。基本的にアンダーステアであり、オーバースピードで突っ込んだコーナーでも
アンダーステアに終始しますが、ステアリングギア比が高いため少しステアリングを切り足してやれば、簡単に
修正できます。
初めのうちは、ハンドルが思った以上に切れるので違和感がありましたが、最近は慣れちゃいました。

タイヤは、215/55Rとそれほど幅のあるタイヤではありませんが、17インチの大径タイヤを履いており、実質
は縦に長く245程度の接地面積を確保しているので、少々の事ではスライド状態に陥ることはないと思います。
R34の様なステアリングインフォメーションをきっちりと伝えるようなソリッドな感じではなく、ソフトでそれ
でいて、ステアリングに操作に車が素直に反応してくれる感じがします。

ブレーキは、急な制動でも、前のめりにならず前後同時に沈み込むように効き、非常に安心感があります。
先日の阿蘇の帰りでは、暗闇の山道を飛ばしていましたが、旋回ブレーキを踏んでも安定した姿勢のまま思
い通りのドライビングが楽しめました。思った以上に限界が高く、R34よりもコーナーリングスピードは速いよう
で、それを緊張感もなくさらっとやってのけてしまえる。ってところが凄いと思います。

エンジンに関しては、まだ高回転を多用した事はありませんが、3速のスムーズさは、やっぱりRBの方が上
のような気がします。VQの方が高回転は伸びると思いますが、しょせん普通のエンジンです。
もっと鋭いフィールが欲しいと思いますが、日産のエンジンは、耐久性が高く、常にオーバークオリティで
設計してあるのでしょうがないかなと思います。燃費は、直噴エンジンと言うこともあって、RB25よりも良
いようです。

ATは4速でマニュアル操作もできますが、R34の様なギア固定で無く、勝手にシフトアップしてしまうので、
積極的にシフトアップ、シフトダウンを多用する楽しみや実感は少ないようです。

今回のV35の開発責任者は、これまでNISMOというレーシングフィールドで活躍していた水野さんで、操安
の最終セッティングをしたのは、あのGT-Rをセッティングしている加藤さんという日産一のテストドライバ
ーなのです。SKYLINEは、R32からずっと加藤さんがセッティングを手がけていて、ずっと硬質なソリッドな
乗り味だったのですが、今回はガラッと乗り味が変わりました。R34の緊張感があるけれども、楽しいフィー
ルから、V35は、緊張せずリラックスして安心して飛ばせる車になりました。それでいて、運動性能はR34を
遙かに上回っています。と言うことは、益々疲れない車になったと言うことですが、操る楽しさが少し減っ
た感じがします。安心と楽しさとをどこら辺でバランスさせるかが難しいところですが、そこは、次の2ドア
クーペで答えを出してくれると思います。

公表されている衝突安全の調査資料を確認してもらえば解りますが、総じて日産車のブレーキの評価は高く、
衝突安全性についてもSKYLINEは、最高評価の★★★★★を獲得しています。
トヨタの安全ボディGOAについては、ビッツの評価が余り芳しくなく、トヨタは全ての車種に対する社内基準
を見直したようです。

日産は、SKYLINEを世界に通用するプレミアムスポーツセダンに作り上げていきたいようです。たとえばBM
Wの3シリーズのように。事実、日本での売り上げは惨憺たるものらしいですが、北米では大ヒットと言える
ぐらい売れており、同セグメントの比較では、ベンツやBMWを押さえてトップの評価を得たようです。
既に、北米では、インフィニティチャンネルで2ドアクーペがG35 Coupeとして発売開始になっており、NEW Z
とG35セダンと共に話題をさらっています。2ドアは日本では、来年1月発売の予定であり、丸テールが復活し
ますし、Zと双璧をなすスポーツカーとして日産の復活に寄与できる車になって欲しいと思います。2002.11.28


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