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*法律の変更でビザの取得方法が変わり、私は16年近く経た今になって様々な書類の提出を求められました。大学の卒業証明書、犯罪を犯していない証明書など、取得がとても面倒な書類です。私はベトナムを助けるためにここに居るのであり、ベトナム政府に頼んで居させて貰う必要はありません。長年ベトナムを助けてきたのに、何が犯罪を犯していない証明書だと言う憤りの気持ちがあり、ベトナムから出て行く事を決めました。長い間のベトナムの生活で、私が考えた事や体験した事を書きます。(訳者注:ベトナム出国を決めた後で、犯罪を犯していない証明書は必要ないと告げられた。) *私は還暦を過ぎところですが、私の年代の日本人は皆ベトナムに大きな関心があります。大学生時代にはベトナム戦争が続き、『べ平連』などと言う団体がアメリカに反対する大規模な政治活動を行い、新聞には連日ベトナム戦争の記事が掲載されました。多くの日本人はベトナムに同情し、アメリカ帝国主義の専制を非難しました。最終的にはアメリカがベトナムから撤退し、ベトナムは勝利を得ました。その事から日本人の間に『ベトナム人は勤勉で、手先が器用で、識字率が高い』などと言う通説が生まれました。 1990年頃から日本の企業は大々的にベトナムに進出しましたが、現地に駐在した日本企業の責任者は、この通説がいかに誤りであったかを身をもって知らされました。『勉強熱心』=興味を持つだけで学習はしない。『手先が器用だ』=手作業ができるだけで新しい技術は習得できない。『人懐こい』=そして何でも他人に頼る。『無邪気だ』=物事の本質を知らない。『おおらかだ』=責任を持たない。『温厚で優しい』=利害が絡むと一変する。『世話好きだ』=やらなくても良い事をやり、やるべき事をしない。 ベトナム人は、『報告する』『連絡する』『相談する』は全然しない。何でも独断で行う。しかもその独断が自己中心だから、時にはとんでもない事をやらかす。特に『計画を作って皆で協力する』事は全然できない。一言で言えば、ベトナム人は犬や猫と同じである。しかし私にとって、その犬や猫がとても可愛い。ベトナム人を相手にしていると、生活のレベルは低いがストレスは全然ない。私はいつもお山の大将で、大学生を相手に生活を楽しんできた。ベトナムの大学の授業など、勉強ではなくて子供のお遊びである。ベトナムの大学生の実力は、中国の大学生より大幅に劣る。しかし日本の秋葉原で起きた殺人事件などを知ると、一部の日本人は犬や猫にも劣る畜生だと感じる。 ベトナムは原油も石炭もあり、広い水田に種を撒くだけで大量の米が生産できる。山には野生の果物が自生し、池や川には沢山の魚がおり、それを取れば働かなくても生きていける。自然の条件は、日本などより各段に良い。生活のレベルは低くても、義務や責任など全然考えないで生きているベトナム人は、それなりに幸せな人々である。 しかし外国から進出した企業の経営者にとっては、事情が全く異なる。本社からノルマを言い渡され、何としても計画通りに作業を進めなければならない。犬や猫のような労働者を相手に、実績を上げるのは至難の技である。頻繁に遅刻し無断欠勤する労働者を訓練し、生産ラインで使いこなすのは、犬や猫を訓練するのと同じくらい難しい。月給が1万円未満の労働者を、日本人の様に働かせようと考えるのが間違いである。
2010.03.11
3月1日-3月6日 *北部のThai Binh省で、観光促進を兼ねて『スポーツ・文化の祭典』が始まった。グエンミンチェット大統領やLuu副国会議長が出席し、盛大な開会式が開かれた。その後で8百人の芸能人が参加し、歌や踊りを披露した。チェット大統領も太鼓を叩き、参列者に隠し芸を見せた。 *グエンタンズン首相は中部のGac Nong省を訪れ、ボーキサイトの採掘とアルミニウムの精練を行う工場の起工式に出席した。石炭・鉱物採掘公社が、合計6億6千万ドルを投資し、このプロジェクトを完成する。ズン首相は地元の役人に、この工場を経済発展の足掛かりにするよう指示した。(訳者注:隣のLam Dong省でも、同じアルミニウムの精練工場の建設が進んでいる。本当は1か所に最新の大型設備を建設すれば良いのだが、2つの自治体が誘致を譲らず、仕方がないから2か所に設備を建設する。建設資金を2つに分割すれば、安い設備を集めた効率の悪い工場しかできない。ベトナム政府は、製糖工場の失敗を再び繰り返す事になる。) *(訳者注:ベトナムの中部には、ボーキサイト、鉄、金、亜鉛、マンガンなどの地下資源が豊富である。しかし政府に資金が無いから、大規模な採掘は行われていない。ただ地元の住民が小規模に開発し、採掘した各種の鉱石を中国へ輸出している。しかし勝手にあちこちに穴を掘って自然を破壊し、事故を起こして大勢の死傷者を出している。政府はそんな状況を改善するため、許可の無い機関が地下資源を採掘するのを禁止した。しかし地元の役人は手数料が欲しいから、名ばかりの小企業3百社に採掘許可を出し、実情は以前と全く変わらない。また鉱石を中国へ輸送する費用が巨額だから、ほとんどの会社は赤字を出し、売れない鉱石を大量に抱えている。) *ホーチミン市の工業団地にある木工所で火災が発生し、1万平米の工場と倉庫が焼失した。同じ日に南部Can Tho市の造船所の倉庫でも火災が発生し、大きな被害を出した。今は乾季で乾燥しており、各地で大きな火事が発生している。 *中国の共産党中央委員会の外務委員長がベトナムを訪れ、ベトナム共産党の指導者と両国の関係強化について話し合った。ノンドクマン書記長も中国の来賓と会談し、友好を深めた。(訳者注:共産主義の国では、共産党政治局と共産党中央委員会が政治の中心である。書記長、大統領、首相、国会議長などの指名、国家の基本政策などは、全てここで決定される。政治局や中央委員会の内情は国家機密で、国家の最も重要な機関であるにもかかわらず、国民には公開されない。書記長、大統領、首相、国会議長などは全員が政治局や中央委員会のメンバーだが、役職に就いている間は政治局や中央委員会の指示に従って政治を行う。ベトナムは来年の初めに共産党大会を開き、2011年から始まる五か年計画と新しい国家の指導者を決定する。香港に駐在するヨーロッパの研究機関の報告によると、新しい五か年の指導者と政策の決定をめぐり、ベトナム共産党の内部では改革派と保守派に別れ、熾烈な権力闘争が行われていると言う。) *グエンフーチョン国会議長はインドへの公式訪問を終え、インドネシアに到着した。同国の国会議長と会談し、国会同士の協力を約束する協定に調印した。その後で同国の大統領と会談し、両国の友好を深めた。 *今年の4月にハノイ市で、ASEANサミット会議が開かれる。その会議の準備のために、各国の代表がホーチミン市に集まった。ベトナムは国家の威信を示すため、全力を挙げてこの国際会議を立派に開催する計画である。 *財務省は銀行の融資の金利を、法律で公定歩合の1.5倍以下と決めていた。現在の公定歩合は8%だから、融資の最高金利は12%である。しかし最近はインフレとベトナムドンの切り下げがあり、国民は低い金利(10%前後)の銀行預金を解約し、金(Gold)を購入する傾向にある。財務省は融資の最高金利を撤廃し、銀行が自由に融資の金利を設定できるようにした。銀行は即座に、融資の金利を14-18%に設定した。(訳者注:前から銀行は法律を無視し、14-18%の金利で融資を行っていた。財務省もこの事を知っていたから、守られない法律は撤回する事を決めた。) *坂場大使はPhuc計画投資大臣と会談し、2009年度の日本の援助を報告した。それによると、2009年度のベトナム援助は合計1456億ドルで、過去最大となる。 *今年1月と2月の工業生産の合計は61億ドルで、去年同時期の13.6%増しである。外資企業の工業生産は26億ドルで15.4%の増加、民営企業は22億ドルで15.4%の増加、国営企業は13億ドルで8.1%の増加である。ベトナムの経済は、世界的な不況の影響から脱したと言える。 *グエンミンチェット大統領は北部のThai Nguyen省を訪れ、地元の役人と政治や経済について話し合った。地元の役人は、世界的な不況にもかかわらず同省は去年9.1%の経済成長を達成したと報告した。チェット大統領は地元の指導者を賞賛し、地下に眠る金属資源を開発し、工業を発展させるよう指示した。その後で港湾施設の建設現場を視察し、労働者を激励した。更に人民軍の基地を訪れ、兵士を激励した。 *インドネシアを公式訪問しているグエンフーチョン国会議長は、同国の観光地Bali島へ行き、観光施設の状況を視察した。そして同行の役人に、インドネシアを参考にベトナムの観光産業を発展させる方法を検討するよう指示した。 *今月から電気料金が値上がりし、更にガソリン、プロパンガス、石炭、水道料金なども値上がりする。グエンタンズン首相は緊急に大臣を招集し、インフレの防止について話し合った。インフレを7%以下に押さえると言う今年の目標は不可能な状況だが、政府の機関は全力を挙げてインフレを防止するよう指示した。 *2004年以降、ベトナムは韓国に7万人の労働者を派遣した。今年は12,500人を派遣する予定である。同国に出稼ぎに行くには、同国の機関が行う韓国語の試験に合格しなければならない。働きに行くには書類の作成などに7百ドル掛かるが、同国での月給は9百ドルである。 *(訳者注:保健省が医薬品の値上げを認めないため、外国と合弁の医薬品の流通業者は薬の輸入を停止している。このため国内の病院では医薬品が無くなり、大きな問題になっている。日本脳炎などの治療薬は完全に無くなり、赤痢などの薬も、製造元や流通経路の不明な得体の知れない薬が残っているだけである。医薬品の流通業者は、去年の9月に文書で正式に保健省に問題を提起したのに、同省が無視したからこんな状況になったと批判している。保健省の役人は、一部の流通業者が市場を独占し、医薬品の価格を吊り上げようとしたからこうなったと非難している。) *政府が川底の砂の採取を禁止したのと、旧正月の長い休みの間に採掘が止まっていた影響で、建設用の石と砂が不足し、建設に大きな影響が出ている。一部の建設現場では石と砂が入手できず、工事が止まってしまった。 *グエンミンチェット大統領はThai Nguyen省からYen Bai省へ移り、地元の役人と政治や経済について話し合った。地元の役人は、同省は去年12.9%の経済成長を達成したと報告し、グエンミンチェット大統領は賞賛の言葉を述べた。そして農業を中心に経済を発展させ、貧困世帯を減らすよう指示した。 *共産党の中央委員会の役員で政治局員でもあるTan Sang氏は、ハノイ市のベトナム報道協会の本部を訪れ、報道機関の任務や役割について話し合った。そして報道機関は政府や共産党を助け、国家の発展に貢献して欲しいと要請した。(訳者注:この人こそ、実際にベトナムの政治を動かしている一人である。平服で現れ、スーツを着てネクタイをしめた大臣が、緊張した表情で何ごとか説明している写真から想像できる。) *2006年からの5か年計画は、今年で終りになる。政府は目標達成のために尽力したが、資金不足のために多くの公共事業は完成が遅れ、5か年の内に完成させるのは不可能である。グエンタンズン首相の説明によると、公共事業を行う予算の内、国家予算からの支出は16%だけ、国債の売却と銀行からの借入がそれぞれ7%、残りは外国の援助や企業からの出資で賄わなければならない。公共事業の資金繰りは非常に不安定で、当初の計画通りに工事を行うのは非常に難しいと弁明した。 *ハノイ市の郊外でVuong王の巨大な銅像の建設が進んでおり、昨日は鋳型に最後のブロンズの注入が行われた。グエンミンチェット大統領は現場を訪れ、ドラムを打ち鳴らして作業が完成に近付いた事を祝った。 *乾季で雨が降らず、各地で大規模な山火事が発生している。グエンタンズン首相は大臣や地方の人民委員会議長に、徹底した防火対策を取るよう指示を出した。 *ベトナムの独立と統一に貢献した前の書記長Tran Qyuet氏が、老齢と病気のために死亡した。政府は盛大な国葬を開き、同氏の貢献を賞賛した。葬儀にはマン書記長、チェット大統領、ズン首相、チョン国会議長ら大勢の指導者が出席した。(訳者注:ベトナムは儒教の影響で、老人を敬う伝統がある。特に国家の指導者は退職後も影響力を持ち、政府の中で重要な地位を維持する。) *(訳者注:日本の政府は巨額の債務を抱え、将来それを国民の税金で返済しなければならない。『景気が悪くなる』『デフレになる』と大変な時を迎えている。一方ベトナムの政府は、巨額の資産を抱えている。それは国有地と国営企業である。国営企業を民営化して株式を売却し、国が所有する土地を売却すれば、莫大な資金が得られる。しかし残念な事に、ベトナムは法律が不備で汚職のはびこる国だから、国家の資産は法律の網を抜けて個人の資産に変わり、国家の歳入とはなっていない。国営企業が民営化の手続きをしている間に、何故か経営陣は数億円・数十億円相当の株式を個人的に所有してしまう。高級役人は、名義の変更で簡単に国家の土地を自分の所有にしてしまう。普通の国民でさえ、国有の土地に無断で掘っ立て小屋を建て、しばらくそこに住んだ後、その土地を自分の所有物として売却する。公安に罰金を取られるが、その罰金は公安の役人が使ってしまう。いずれにしても現在ベトナムでは、国家の資産が急速に個人の資産に変わっている。だから国民は生産を上回る収入があり、それで莫大な消費を行う。その結果ベトナムの経済は活況を帯び、物はドンドン売れる。しかしインフレと国際収支の赤字が、大きな問題である。莫大な負債を抱える日本政府と、莫大な資産を抱えるベトナム政府。両極端にあるこの2国が今後どうなるか、大きな関心事である。)
2010.03.06
2月22日-2月27日 *グエンミンチェット大統領は北部のHa Nam省を訪れ、Phat農業大臣らと共に田鋤きの式典に出席し、水牛の手綱を取って田を耕した。その後で植樹祭にも出席し、自ら木を植えた。(訳者注:ベトナムには、真剣に政治を行う人が誰もいない。書記長も大統領も国会議長も、式典や儀式に出席するだけで本当の政治には関与しない。行政を担当するのは首相や大臣だが、彼等も共産党の指示に従って動くだけで、自ら政治に取り組む事はない。実際に政治を動かしているのは、共産党政治局や共産党中央委員会の幹部だが、彼等は政治の表には出て来ない。) *ハノイ市で月例の閣僚会議が開かれ、今年のテト(旧正月)は、非常に良かったとの現状報告が行われた。政府は貧しい国民180万人に、米を中心に2千万ドル相当の物資を配布した。これにより大勢の貧しい国民は、楽しいテトを過ごす事ができた。また十分な量の物資が確保されていたため、商品の急激な値上がりも無く、治安の乱れも無い平穏な正月となった。しかし帰省した労働者や学生は、交通機関の不備で職場や学校に戻る事ができないなど、交通は相変わらず大きな問題だった。現状報告の後でズン首相は、今後も経済発展に全力を尽くすよう各大臣に指示を出した。 *テトの期間中は携帯電話の通話量が急増するので、去年までは広い地域で長い時間に渡り通話不能になった。しかし今年は、大きな問題もなく通話は確保された。 *新年に当たり、政府は様々な会議を開いて今年の計画を検討している。Hung副首相は資源環境省の幹部と会議を開き、海の資源を活用して経済を発展させる事を決めた。漁獲量を増やし、海上輸送を拡大しようと呼び掛けた。 *農業省は、農業に関係する高級役人2百人を南部のCan Tho省に集め、農業の機械化を一層進めるよう指示した。 *計画投資省も会議を開き、経済成長率6.5%を達成するために、全力を尽くすよう全国の企業に指示を出した。 *グエンタンズン首相は報道協会の会議に出席し、同協会は国家の発展に大きな貢献をしていると賞賛した。そして国民の愛国心と団結心を高揚するために、更に頑張って欲しいと要請した。(訳者注:政府は指示を出したり呼び掛けたりするだけで、具体的な政策は全然ない。) *モスクワの副市長が大勢の役人と共にベトナムを訪れ、ベトナムの指導者と会談し、両国の友好を深めた。まずHai副首相が飛行場で一行を出迎え、その後で歓迎会を開いた。次の日にはチェット大統領とズン首相が、個別にモスクワの副市長と会談した。またAnh文化・観光大臣は、ロシアの文化大臣と文化交流に関する協定に調印した。 *グエンフーチョン国会議長は大勢の共産党の役員と共にインドを訪れ、同国の国会議長や国会議員と会談し、両国の友好と理解を深めた。 *昨日は『医者の日』の55周年で、グエンミンチェット大統領は70人の著名な医者を大統領府へ招き、記念の式典を開いた。グエンタンズン首相は全国の医師に感謝の言葉を述べ、今後もベトナムの医療に貢献して欲しいと要請した。 *グエンタンズン首相は、3月1日から電気料金を平均6.8%上げる事を承認した。この影響で、物価は0.2-0.6%上昇すると予想される。 *(訳者注:ベトナムはオフィスビルを建て過ぎて、空き事務所がたくさんある。そこで建設省は、住宅に企業の事務所を構える事を禁止した。全ての事務所は、家賃の高いオフィスビルに移転しなければならない。しかし中小企業は、こんな法律に従う気は全然無い。法律の効果が無いので、建設省は各地の人民委員会に、住宅に在る事務所は閉鎖させるように指示を出した。) *統計局は、2月の物価は1.96%上昇し、1年前と比べて8.46%の上昇だと発表した。食品は3%以上の上昇、酒やタバコも大きく値上がりした。通信費だけは値下がりした。3月は電気料金などの値上げがあるので、物価は引き続き上昇すると予想される。 *インドを訪れているグエンフーチョン国会議長は、同国の大統領と会談して両国の友好を深めた。その後でチョン国会議長はビジネス会議に出席し、インドの企業家に投資や貿易を増やすよう要請した。また首都のニューデリーでは『ベトナムの日』の祭りが開催され、ベトナムの映画会や写真の展示会が開かれている。 *ベトナム政府はITなど最先端の産業を振興するため、国策としてハノイ市とホーチミン市にハイテク工業団地を建設し、外国の企業の誘致に力を入れている。しかし現在のところ、外国から進出する企業は非常に少ない。ハノイ市のHoa Lacハイテク工業団地は、敷地が1586ヘクタールもあるが、造成されたのは834ヘクタールだけ、残りは雑草の茂る荒れ地のままである。政府は一部を造成し、そこに進出した企業が支払う土地の使用料で順次造成を進める計画だったが、初めから企業の進出が無いので資金が無い。目的とするハイテク工業団地がいつ完成するか、全く見通しがつかない。(訳者注:ベトナムの科学技術は非常に遅れており、また国民は英語が全然できないから、コンピューター関係の産業を発展させるのは、ベトナムでは不可能である。) *ベトナムの大学や専門学校は、定員を大幅に上回る学生を入学させている。中には定員の2倍以上を入学させた大学もある。教育省は、特に悪質な学校には罰金を課す事を決めた。 *(訳者注:ベトナムは税制が確立していないから、国家の予算が少なくて公務員の給料が払えない。だから公務員は、自分達の才覚で給料に当てる資金を集めなければならない。行政を担当する役人なら、勝手に許認可の手数料を設定して料金を取り、それを自分達の給料に当てる。公安の役人なら、様々な罰金を取って給料に当てる。私が教えている大学も同じで、国家から支給される資金だけでは教師の給料が払えない。そこで大学は、外国人にベトナム語を教える。外国人が払う授業料は一般の大学生の数十倍で、大学にとって大きな収入となる。更に各種学校に相当する語学クラスを設置し、昼間は仕事の無い若者、夕方は会社員を相手に外国語を教える。その授業料も高く、大学の大きな収入になる。更に教室を事務所として外国企業に賃貸し、雑収入を得る。大学とは言え、収入を得る方法はたくさんある。だから国家から支給される教師の給料は数千円程度(私の推定)だが、それに大学が独自の力で得た収入を配分して上乗せし、大学の教師の月給は1万円-2万円となる。更に大学の教師は大学で教える時間を切り詰め、専門学校や外国語の会話学校などでも教え、全体としては月に2万円-4万円の収入を得る。教師の公式の月給は数千円でも、実際の月収はその数倍になる。)
2010.02.27
2月15日-2月20日 *テト(旧正月)の祭日で、新聞は15日(月)から18日(木)まで休み。ベトナム人は年に一度のテトを楽しんでいる。 大晦日には盛大に花火が上がり、グエンミンチェット大統領の祝賀の挨拶がテレビで放映された。お寺や教会は真夜中になっても大混雑、バイクの通行も絶える事が無い。 正月になって外へ出ると、賭け事がすごい。中年の男、若い男、叔母さん達までが道端でグループになり、金を賭けて熱くなっている。一回に数万ドン賭けるから、一日で一か月分の給料が出たり入ったりする。 *テト(旧正月)の間中、ベトナムの指導者は各地を回り、新年の挨拶を交わした。グエンミンチェット大統領はホーチミン市の国営の宝石会社と銀行を訪れ、企業の業績を賞賛しながら新年の喜びを語った。グエンフーチョン国会議長はハノイ市の郊外を訪れ、地元の住民と新年を祝った。グエンタンズン首相は南部のCan Tho市を訪れ、新年を祝った。海外でもベトナム大使館にベトキューが集まり、様々な新年の催しを行った。 *正月休みで南部工業地帯から帰省した人達は、戻りの交通の手段が無くて困っている。長距離バスが主な交通機関だが、全てのバスが満員で乗車できない。出発地のターミナルで既に乗り残しが出ており、バスは途中のバス停では全然止まらない。中部は特にバスが不足しており、会社や学校に戻れない人が多い。飛行機や列車の座席は少しだけで、普通の人が切符を買う事はできない。 *(訳者注:ハノイ市やホーチミン市などの大都市には、老朽化した大型のアパートがたくさんある。ある調査によると、建て替えの必要な古いアパートの床面積は3百万平米で、そこに十万世帯が住んでいると言う。これらは以前の公務員宿舎や国営企業の社員宿舎、あるいは南政権から没収した住宅だが、名義上の住人は居住権を売って引っ越してしまい、今では全く関係の無い人が住んでいる。これは違法な行為だが、金を払って権利を買い取り何十年も住んでいる人を、補償も無く追い出す訳にはいかない。また補償を目当てに、最近になって安く居住権を買い取った人も居る。全員が一旦部屋を出て建物を取り壊し、新たに建て替える計画だが、その費用をどの様に負担し、新築の建物の権利をどの様に配分するか、大きな問題で全く解決ができない。だから老朽化して倒壊の危険のある建物でも、建て替えの計画は一向に進展しない。) *グエンタンズン首相はCan Tho大橋の建設現場を訪れ、労働者に新年の挨拶を述べ、立派な橋を完成するよう激励した。この橋は日本政府の援助で日本の会社が建設しているが、2007年に56人の労働者が死亡する大事故を起こし、完成は大幅に遅れている。その後でズン首相はBac Lieu省を訪れ、地元の役人と経済発展について話し合った。役人は、同省は去年10%を超える経済発展を成し遂げたと報告した。 *(訳者注:一昨日の新聞には公安の発表として、ホーチミン市やハノイ市のテトの期間中の交通事故は大幅に減ったとの記事が掲載された。しかし今日の新聞には病院の報告として、全国の交通事故は急増して死者は3百人、重傷者は4百人を越えたとの記事が掲載された。しかもこれは氷山の一角で、この他に報告の無い交通事故は1万数千件あると言う。ベトナムの政府や役人が発表する数字は、全く当てにならない。) *ベトナムの医療は非常に劣る。国営の大病院でも、最新の医療設備は全然ない。更に医者の質も最低である。だから金持ちは、重い病気になったらタイやシンガポールの病院へ行く。その数は年間で数千人を超えると言う。 *ベトナムの大企業の幾つかは、外国の株式市場に上場する手続きを進めている。しかし上場を許可された企業はまだ一社も無い。ベトナムの企業では粉飾決算が行われ、事実の正しい公開もないから、外国の株式市場はベトナム企業の上場を許可しない。 *(訳者注:日本に居ると分からないだろうが、ベトナムは燐国のタイとは非常に異なる。一言で言うと、ベトナムはタイより遥かに遅れた後進国である。タイは現在、現政権を支持する一派と前の首相を支持する一派がデモを繰り返し、国が乱れているように見える。一方ベトナムはデモもなく、政治も治安も安定しているように見える。しかし実際は、ベトナムはデモすら出来ないほど遅れているのである。ベトナムは今でも、台風が来れば食べ物も住む所も失い、路頭に迷う人が大勢いる。飢えを心配する国民は、政治の事など考える余裕がない。また電気の無い未開の生活をしている大勢のベトナム人も、政治に関心を持つほどの余裕は無い。現在のベトナムでは、強制収用で土地や家を追われた人達が大都市に出てデモを行い、政府の不当な仕打ちを訴える事がある。しかしその数は数十人が精々で、公安に簡単に抑えられてしまう。経済発展があと五年か十年継続し、ベトナム人も生活に余裕が出来たら、タイ人と同じ様に政治活動をすると予想される。結局ベトナムは、タイより二十年から三十年ほど遅れてタイと同じ道を進むのである。)
2010.02.20
2月8日-2月13日 *ノンドクマン書記長は、海外へ赴任する大使や領事をハノイ市に呼び、政治だけでなく経済や文化の面でも、積極的な交流を果たすよう指示した。同席したグエンタンズン首相も、外交官は企業が必要とする経済情報を集め、祖国の経済発展に寄与するよう指示した。 *グエンミンチェット大統領は約1千人のベトキュー(越僑)を招待し、ハノイ市でテト(旧正月)を準備する式典を開いた。ベトナムは急速な経済発展を続けており、ベトキューは積極的に祖国へ投資をして欲しいと要請した。全世界にベトキューは、合計4百万人居ると言われる。 *政府は去年の4月に経済の刺激策として、生産拡大のために銀行の融資を受ける際に、政府が利息の4%を補助する事を決めた。グエンタンズン首相は、この政策は今年も継続すると発表した。去年は農業機械の購入を援助し、農業の機械化を図る計画だった。しかし農業機械は国産品が少ないため、援助の条件に合わず利息の補填ができなかった。今年は農業機械に限り、外国製を購入する場合も利息の補填をする。 *2008年頃からベトナムの大都市には現金の自動引き出し機が増え、外資企業などは給料を銀行に振り込むようになった。しかしベトナムの現金引き出し機は、頻繁に故障して現金が引き出せなくなる。まだ機械が少ないから、直ぐ隣の機械を使うと言う訳にはいかない。また理由も無く、口座の残高が減る場合もある。技術的な間違いや暗号番号の盗難が原因だと思われるが、銀行は決して賠償はしない。ベトナムの現金の引き出し機は、非常に不便で危険な物である。 *テト(旧正月)が近付き、国家の指導者は地方を回って祝賀の挨拶を交わしている。ノンドクマン書記長はハノイ市の病院を訪れ、医療関係者を賞賛した。 グエンミンチェット大統領は南部のBinh Duong省を訪れ、同省の経済発展を賞賛した。そしてハイテク産業の育成に力を入れ、更に発展を図るよう指示した。地元の役人は、同省は去年10.3%の経済成長を遂げたと説明した。 *グエンタンズン首相は中部のThua Thien-Hue省を訪れ、地元の役人と政治や経済について話し合った。その後で少数民族が住む貧しい地域へ行き、貧困世帯にテトのプレゼントを手渡した。更に次の日には Quang Tri省を訪れ、長い海岸線や広大な森林を活用し、経済発展を図るよう指示した。地元の役人は、同省は去年9.1%の経済成長を遂げ、貧困世帯は3.1%減ったと報告した。 *ホーチミン市の道路は狭いが、既に道路の両側には建物があり、道路の拡張はできない。そこで同市は、河川を利用して交通の改善を図る計画を作成している。現在は、船は重い貨物の運搬に使われるだけで、人の輸送には使われていない。たくさんの船着き場を建設し、速くて安全な客船を就航させ、河川を人の輸送に用いる計画である。 *北部のHoa Binh省には、大掛かりな麻薬の密売組織がある。一味は強力な武器を所有しており、地元の公安は手が出せなかった。中央政府の命令で武力警察が出動し、一味のボスの隠れ家を包囲し、投降を呼び掛けた。しかしボスは自動小銃を用いて抵抗し、武力警察と銃の打ち合いになった。結局、3人の警官とボス、その息子が射殺され、警官と一味の大勢が負傷した。 *ベトナムの指導者は、地方回りや会社回りを続けている。ノンドクマン書記長は北部のQuang Ninh省を訪れ、地元の役人とテト(旧正月)を迎える挨拶を交わした後で、経済発展について話し合った。役人は、同省は今年10%の経済成長を達成し、一人当たりの年収を1300ドルにする予定だと報告した。 *グエンタンズン首相は中部のQuang Binh省を訪れ、テトの挨拶を交わした後で、地元の役人と政治や経済について話し合った。地元の役人は、同省は去年10.2%の経済成長を達成し、貧困世帯を15.3%減らしたと報告した。 *グエンフーチョン国会議長は原油採掘公社を訪れ、テトを迎える挨拶を交わした。同公社の経営陣は、同公社は去年80億ドル相当の原油を輸出したと報告し、チョン国会議長は同公社は国家の経済に大きな貢献をしていると賞賛した。 *国会の常任委員会は会議を開き、次の国会で11件の法律を承認し、14件の法律を検討することを決めた。また公共投資に関する法律、国家事業を行う手続きに関係する法律について検討し、早急に改定草案を作成する事を決めた。またハノイ市の創立1千年を祝う式典の、準備についても話し合った。 *テト(旧正月)を迎える準備のため、全国の商店は買い物客でごった返している。特に伝統的な市場に比べ、新しいスーパーマーケットの人出が多い。政府は値上がりを防ぐために国営の商店に優遇融資を行い、商品の積み増しを指示したが、それでも物価は一時的に急上昇している。 *鳥インフルエンザが各地に広がっており、農業省は関係者に注意を呼び掛けた。北部のHa Tinh省、Dien Bien省、中部のQuang Tri省の他、南部のCa Mau省でもこの病気が発生し、沢山の鶏やアヒルが死んだり処分されたりしている。 *国家の指導者全員がハノイ市に集まり、ホーチミン廟と戦没兵士の墓に参拝した。ノンドクマン書記長は、共産党の指導の下で団結し、国家の発展に向けて邁進しようと国民に呼び掛けた。*国家の指導者は各地を訪れ、新年を迎える挨拶を交わしている。ノンドクマン書記長は防衛省を訪れ、新年を迎える挨拶を述べた後、人民軍は国家に大きな貢献をしていると賞賛した。グエンタンズン首相は前の書記長や前の大統領の自宅を訪れ、家族に新年を迎える挨拶を述べた。グエンフーチョン国会議長は北部の Ninh Binh省を訪れ、地元の役人と挨拶を交わした。役人は同省は、去年15.3%の経済成長を達成したと報告し、チョン国会議長は賞賛の言葉を返した。Nhan副首相は、南部のDong Thap省を訪れて挨拶を交わした。 *北部のLao Cai省で山火事が発生し、3日以上に渡って燃え続けており、既に国有林1千ヘクタールが焼失した。Hai副首相とPhat農業大臣が現地へ行き、兵士らに消火活動を指示している。 *中央銀行は、ベトナムドンを3.36%切り下げた。1ドルは、17,941ドンから18,544ドンに変わる。闇市場との乖離を無くす事、貿易赤字を減らす事が目的だが、インフレが再燃する危険も生じた。 *(訳者注:ベトナム政府は、政治や経済だけでなく国民の日常生活に至まで、何でも法律を制定して管理しようとする。しかし庶民の生活を知らない高級役人が現実を無視して作る法律だから、実施が不可能で国民は全然守ろうとしない。例えばバイクの預かり料は最高2千ドンと法律で決まっているが、テトの間は場所によって1万ドン近くに値上がりする。しかしバイクを留める所が無いから、住民は仕方がないと思って高い料金を払う。しかし公安の役人は、それを見つけて駐車場から罰金を取る。ただし罰金を取るだけで、高い料金を下げるようにとは言わない。また銀行預金の利息は法律で最高10.5%、融資の利息は最高12%と決まっているが、これを守る銀行は全然無い。) *国家の指導者は、何日にも渡って挨拶回りをしている。ノンドクマン書記長はハノイ市の人民委員会を訪れ、同市の指導者に新年を迎える挨拶を述べ、首都に相応しい立派な都市を建設するよう指示した。グエンフーチョン国会議長は公式文書の印刷局を訪れ、新年の挨拶を述べ、立派な仕事をするよう要請した。グエンミンチェット大統領はホーチミン市の郊外を訪れ、地元の役人や住民に新年を迎える挨拶を述べた。 *ホーチミン市とTien Giang省を結ぶ高速道路はまだ未完成だが、テトの交通渋滞を減らすために完成した部分を一時的に開通させた。これは本当の高速道路で、人やバイクは通行できない。しかし地元の住民は全く無頓着で、バイクも通行人もたくさん通る。歩道も無く、自動車が最高時速120Kmで走る中に人やバイクが居るのだから、交通事故は頻繁に起きる。地元の公安は、バイクや通行人の規制を始めた。 *地方出身の労働者はテトで帰省しているが、経営者は会社に戻って来るかどうか心配している。無断欠勤や無断退社は、ベトナムでは普通の事である。例年5-10%は田舎へ帰ったまま会社へ戻らない。特に縫製工場や製靴工場は急激な人手不足となり、生産に支障が生じる。従来は募集すれば直ぐに労働者が集まったが、最近は労働者が不足気味で補充が難しい。幾つかの工場は、戻ってきたら報償金を出すなどの対策を立てている。 *(訳者注:明日、2月14日は旧暦の正月。正月の準備が終わって商店は休業。町中は正月の飾り付けが終わり、正月気分が溢れている。)
2010.02.13
2月1日-2月6日 *2月は、ベトナムがロシアや北朝鮮と国交を樹立して調度60年になる。政府の指導者は、これらの国の指導者に祝賀のメッセージを送り、長い友好の歴史を祝った。 *ホーチミン市のサイゴン川に、Binh Thanh区と2区を結ぶThu Thiem橋が完成し、盛大な開通式が行われた。橋は水面から10mの高さにあり、下を船が通れるようになっている。 *ホーチミン市は去年、試験的に24の区と259の地区の人民協議会を廃止した。同市は、その影響を検討する会議を開いた。「有名無実の組織が無くなり、政治は単純化されて行政の効率が改善した」「以前に人民協議会が行っていた作業は、祖国戦線が引継いだが何の問題も無い」などと、人民協議会の廃止を支持する意見が圧倒的だった。 *(訳者注:失業保険を払っていて失業した人は、全国に数十万人は居る。その内、失業保険の申請手続きをしたのは5千人である。しかし実際に失業保険金を貰った人は、まだ一人も居ない。労働福祉省は、現在役人が申請の有効性をチェックしていると言う。法律によると、失業保険の申請手続きは失業後22日以内に完了しなければならず、手続きをした5千人の大多数は、保険金の受領資格を失っていると報告した。 失業保険金を申請するには、様々な書類を提出しなければならない。しかしほとんどの企業は、保険金の申請手続きを知らないから、必要な書類を作る事ができない。だから労働者は、失業保険料を払っていても失業保険金の申請ができず、失業保険金は貰えない。) *Truong副首相は、Phu Tho省やLang Son省など北部の各省を回り、地元の役人に中央政府の指示を伝えている。道路などの社会基盤を改善して経済を発展させる事、貧しい住民も楽しいテトが過ごせるよう援助する事など、立派な政治を行うよう指示を出している。(訳者注:地方の役人は、中央政府の指示をいつも無視する。中央政府の指導者が地方に出向き、地方の役人に面と向かって指示を出したら、少しは言う事を聞くかも知れない。) *ベトナムには金ショップが沢山有り、ここで外貨の売買が行われている。これらの多くは政府の許可を受けておらず、いわゆる闇市場で違法な取引である。政府は外貨の管理を厳重にするため、金ショップの取り締まりを強化している。特にベトナムドンをドルに交換する現場を発見したら、ドルを没収するなど強い態度に出ている。 *2月3日はベトナム共産党の創立80周年の記念日で、政府と共産党は様々な式典を開いている。また祖国戦線や労働組合連合などの機関、有力な国営企業も、共産党の指導者を招いて記念の式典を開いている。祖国の独立と統一を達成したベトナム共産党は、今後も国民を指導し、富国強兵の国家の建設に邁進するつもりである。 *ハノイ市で、月例の閣僚会議が開かれた。グエンタンズン首相はスイスに居るので、Hung副首相が座長を務めた。1月は景気の立ち直りを見せ、輸出は49億ドル、輸入は62億ドルであった。貿易は急増したものの大幅な貿易赤字となり、国内では外貨が乏しくなっている。Hung副首相は、外貨の不足を重大な問題と考え、輸出の増加と輸入の抑制に全力を上げるよう、関係する機関に指示を出した。 *新たに制定された法律が今年の1月1日から有効になり、ベトキュー(越僑)は国籍の回復と不動産の取得ができるようになった。しかしベトナムの役人はこの法律を理解しておらず、ベトキューは役所で申請ができない。手続きの方法や必要な書類について、役人や役所によって言う事が異なり、手続きは途中でストップしてしまう。数百人のベトキューはホーチミン市に集まり、この問題について情報交換の会合を開き、役人の矛盾する対応例を具体的に記述し、中央政府に提出して善処を求めた。 *北西部の山岳地帯に住む少数民族は、非常に貧しい生活をしている。電気も水道も無く、掘っ立て小屋は台風が来る度に壊れ、一年の半分は芋類を食べて命をつなぐ。政府の貧困撲滅政策も、彼等には無縁のものである。しかし現在、国境警備隊の兵士が彼等に政府支給の米を配布している。貧しい少数民族も、今年は米を食べ良い正月が迎えられる。 *ハノイ市に共産党の指導者が集まり、ベトナム共産党の創立80周年を祝う盛大な式典を開いた。ノンドクマン書記長は栄光ある共産党の業績を賞賛し、今後も共産党の指導の下で国家の発展を計る方針を示した。また中国、ロシア、ラオス、北朝鮮などの共産主義国から、続々と祝賀のメッセージが届いている。 *グエンミンチェット大統領は北部のVinh Phuc省を訪れ、地元の共産党員と共産党の創立80周年を祝った。共産党の指導の下でベトナムはフランスやアメリカと戦い、独立と統一を達成する偉業を成し遂げたと述べ、今後も共産党と共に発展を図ろうと呼び掛けた。地元の役人は、同省は過去13年間に平均18%の経済成長を続け、世界的な不況にもかかわらず去年は8.34%の成長を達成したと報告した。(訳者注:嘘ばっかり) *政府は、70億ドルを投資して20万世帯、82万人の住宅を建設する計画を進めている。しかし計画は遅々として進まない。これは賄賂の取れる事業ではないから、役人にやる気が無い。また大企業は、利益の少ない事業に関心が無い。主に仕事の無い民営の小企業が貧困者用のアパートを建設するが、手抜き工事が多いので直ぐに雨漏りなどの欠陥が生じる。貧困者でもそんなアパートには住みたくない。 *国内ではドルが不足し、経済に大きな支障が出ている。一方で原油採掘公社や石炭採掘公社は、輸出で得た巨額の外貨を保有している。政府はこれらの公社に命令を出し、合計4億5千万ドルの外貨を強制的に国家に売却させた。(訳者注:ドルが不足しているから、銀行は庶民にドルを売らない。また金ショップも政府の締め付けが強くなり、ドルの売却を控えるようになった。しかし外国旅行をする人は、何としてもドルが必要である。今まで庶民は金ショップと言う闇市場で外貨を購入したが、今後は本当の闇市場で、しかも高い手数料で外貨を買わなければならない。) *中部のPhu Yen省で、人間を襲ったと思われる5mもある鮫が殺された。当局は鮫に襲われた人の傷跡を調べ、これが本当に人を襲った鮫なのか確認する。(訳者注:鮫に襲われたと報道すると、海岸の観光地は大きな打撃を受ける。だから今まで鮫に関する記事は報道規制が敷かれていた。鮫が殺されたから、これが記事になった。) *Tra Vinh省の中学校の教師の初任給は、基本給の36ドルと手当ての23ドル、合計で59ドルである。しかし何かの手違いから、2004年以降13,000人の教師は手当てを受け取っていない。基本給だけでは生活できず、教師の間から大きな不満の声が上がり、教育省が調べた結果、手当ての未払いが分かった。同省が詳しく調べた結果、40の市や省で教師の給料の未払いがある事が分かった。 *ベトナムの法律は全く不備で、物事を法律に基づいて解決する事はできない。その最たるものは会社の倒産である。ベトナムは共産主義の国だから、会社の設立や清算は政府が決定する。大規模な会社の設立は中央政府が、地方の小規模な会社の設立は人民委員会が決定する。共産主義に基づく計画経済では、全てが国営企業だからそれで良かった。しかしドイモイ政策で外国企業や民営企業の設立が始まると、直ぐに矛盾が吹き出した。面倒な手続きと政府の許可が必要なので、民営企業や外資企業の設立にも1年から2年も掛った。外国や民間から大きな不満の声が上がり、政府は過去十年の間に少しずつ法律と手続きを簡単にした。しかし倒産に関する法律は昔のままで、今でも政府の承認と複雑な手続きが必要である。現在は何万、何十万もの会社があるから、政府が会議を開いて個々の企業の倒産を承認するなどできる筈がない。結局は、法律に基づく倒産は不可能である。もし企業の経営が悪化し、経営が継続できなくなった場合は次のようになる。 資金繰りが悪化すると、企業は原材料が購入できず製造ラインが止まり、労働者は仕事が無くなり、給料も貰えなくなる。しかし労働者の大量解雇には政府の承認が必要だから、労働者を解雇する事はできない。労働者は解雇された訳ではないから、給料が貰えないか暫くの間は時々会社に顔を出す。しかし2か月3か月すると、会社に金がないから給料が貰えないと分かって諦め、自然に会社に来なくなる。売掛金を抱えている他社も、法律も手続きも無いから売掛金は全く取り戻せない。日本の様な破産宣告や、管財人による管理はベトナムには無い。経営陣も政府に届け出ており、政府の承認が無ければ自ら辞める事はできない。残った資産を切り売りし、自らの給料に当てる。営業を停止した言えども、国営企業は土地など巨額の含み資産を抱えており、経営陣はそれを売却して巨額の収入を得る事もある。仕事も資産も全てが無くなると、経営陣は名前を残したまま他の仕事をする。企業は実態が無くなり、登録した住所と経営陣の名前が残っているだけだが、それでも政府が決定しない限り存在し続ける。営業を停止した企業の取り扱いは、大きな矛盾を抱えているが、ベトナム政府は倒産や清算に関する法律を制定する事ができない。だから今後も無法状態が続き、企業は正式に倒産する事ができない。) *(訳者注:有る奇特な人の調査によると、正式に倒産の手続きをすると少なくも5年は掛かり、その費用は会社の設立と同じになると言う。倒産の全ての手続きが終わった時点で労働者は正式に解雇となり、失業保険金を請求する権利が生まれるが、会社に行かなくなって5年も経ってから失業保険を請求する人は居ない。法律上は手続きをしている間は会社に在職していたと見なされ、給料を貰う権利が有る。しかし実際に働いた時の給料が貰えないのに、働かない期間の給料を請求する人も居ない。)
2010.02.06
1月25日-1月30日 *共産党は、ホーチミン思想を実践して表彰された個人や機関の代表をハノイ市に招待し、この思想を更に深く学習する大会を開いた。全国各地から集まった数百人の代表は、どの様にホーチミン思想を実践し、どの様な成果を上げたかを報告した。ノンドクマン書記長も大会に出席し、国民全体に偉大なホーチミン大統領を見習うよう呼びかけた。 *(訳者注:家庭用のプロパンガスは、価格、ガスの量や品質、容器の強度などで大きな問題があり、政府はガスの取り扱いに関する法律を公布した。この法律は1月15日から有効になったが、プロパンガスの流通業者はこの法律について何も知らない。また知ったところで、余りにも厳しい規定で守る事はできない。しかし地方の役人は、この法律を盾に営業許可の発行や更新に、更に高い手数料と賄賂を要求するようになった。) *(訳者注:日本政府の援助で1区とThu Thiem地区を結ぶため、日本の企業がサイゴン川の底にトンネルを建設している。まず大きな円筒を建設し、これを川底に沈めてトンネルにする。しかしこの円筒に大きな欠陥が見つかり、その対処に1年の時間を費やした。結局は修理補強して使う事になったが、日本の建設会社はベトナムで失敗ばかりしている。) *外国で衣類からホルムアルデヒドなど有害物質が見つかり、商工省は輸入される生地に検査を義務付けた。しかしベトナムには、有害物質を検査する設備も職員も少ない。検査に長い時間が掛かり、港には輸入生地のコンテナが大量に滞っている。貨物が港に到着しても検査が進まないから、縫製工場は生地を受け取る事ができない。生地の不足で生産計画は大きく狂い、契約の納期に間に合わせる事ができない。 *(訳者注:ベトナムにも社会保険制度が有り、大企業で働く労働者は健康保険、失業保険、老齢年金の保険金を払わなければならない。しかしこの制度はほとんど機能しておらず、保険金を払うのは外資企業で働く労働者だけだった。また保険料を払っても、高額医療に保険は利かず、失業保険は手続きが難しすぎて貰えず、老齢年金は支払いの記録が無く、実質は政府の只取りだった。政府は政策を改善し、保険金の支払いを約束し、全ての企業に社会保険に加入するよう改めて督促した。しかし相変わらず企業は社会保険料を払わず、政府の発表によると全国で23,000社が社会保険料を滞納していると言う。) *(訳者注:ベトナムの裁判所は全く未熟で、間違った判決が非常に多い。裁判官の無知と賄賂が影響している。明らかに間違っている判決が多く、間違いを指摘されたら裁判所は反論できず、裁判のやり直しとなる。グエンミンチェット大統領は、ハノイ市で開かれた司法関係者の会議に出席し、間違った判決を減らすよう指示した。) *1月の輸出は49億ドルで、去年の1月の28%増しである。世界的な不況から回復段階にあり、特に外資企業が輸出を大きく伸ばしている。輸入は62億ドルで、これも大きく増えた。燃料や鉄などの輸入価格の上昇が、大きな影響を与えた。 *ニュージーランドの外務大臣がベトナムを訪れ、Khiem副首相兼外務大臣と両国の関係強化について話し合った。ノンドクマン書記長もニュージーランドの外務大臣と会談し、両国の友好を深めた。 *グエンタンズン首相は世界経済会議に出席するため、大勢の役人と共にスイスに到着した。その後でILOやWTOの役員と会談し、ベトナムへの援助を求めた。 *ハノイ市は、市内にある45の湖の水質を改善するため、今後5年に7600万ドルを投資する。同市にはその資金が無いが、多くの企業から合計2260万ドルの寄付金を集めた。(訳者注:ベトナムは税制が不備だから、政府は税金を徴収する事ができない。その代わり、何かあると寄付金を徴収する。どんな企業が幾ら払うかの明確な基準は無いが、企業にすれば寄付をして恩を売れば、後で政府から表彰されて格が上がるし、許認可の面で優遇が受けられる。また役人は、多額の寄付金を集めると能力があると認められる。そんな思惑と駆け引きで、寄付の金額が決まる。) *ベトナムは、シンガポールの証券市場を通し、10億ドルの国債を海外に売却した。入札では購入の申込が合計24億ドルあり、利息の低い方の10億ドルの売却が成立した。国債の平均年利は6.95%で、アメリカの国債と比べ 3.3%高く、インドネシアやフィリピンの国債と比べても2%高い。ベトナムは低開発国で経済的な信用が無いから、利息が高いのは止むを得ない。売却できただけで、大きな成功と言える。 *1月の消費者物価は1.36%値上がりし、1年前と比べて7.62%の上昇である。特に食品の値上がりが激しい。テト前の1月はいつも物価が急騰するが、政府の予想を越える物価の上昇となった。 *世界経済会議に出席するためスイスを訪れているグエンタンズン首相は、WHOの会議に出席し、ベトナムは乳幼児の死亡率を大幅に減らした事、鳥や豚のインフルエンザを防ぐ対策などについて説明した。 翌日にはスイスの大統領と会談し、ベトナムの政治や経済について説明した。同国の援助に感謝の言葉を述べ、更に援助を拡大して欲しいと要請した。 *スロバキアの国会議長が大勢の国会議員と共にベトナムを訪れ、グエンフーチョン国会議長と両国の関係強化について話し合った。ノンドクマン書記長もスロバキアの国会議長と会談し、両国の友好を深めた。 *鳥インフルエンザが広がっている。先日は北部のHa Tien省で大量の鶏が死に、H5N1のビールスが検出された。更に昨日はメコンデルタのCa Mau省でもこの病気が確認され、3300羽の鶏とアヒルが処分された。 *グエンミンチェット大統領は祖国戦線の会議に出席し、この機関はもっと積極的な活動をして欲しいと要請した。祖国戦線の組織は広く国民の間に根を下ろし、政府や共産党の政策を国民に伝達し、同時に国民の意見を中央に伝えて欲しいと語った。 *北部や中部の山岳地帯に住む人々は非常に貧しい。道路も電気も無い山の中で、原始的な焼き畑農業をしている。山岳地帯だから米の栽培ができず、トウモロコシやタピオカで飢えをしのいでいる。政府はこの人達も楽しいテト(旧正月)が迎えられるように、合計17,000トンの米を配布する予定である。(訳者注:僻地に住むベトナム人は非常に貧しい。彼等は出生登録が無いし住所も不定。役人の汚職があるから、本当に政府の配給米が受け取れるかどうかも分からない。) *スイスのダボスで世界経済界会議が始まった。ベトナムからはグエンタンズン首相が出席している。ズン首相は会議の合間にベルギーの首相、中国の副首相と会談して友好を深めた。また国際報道機関のインタビューにも応じた。 *Dong Nai省にある味の素を製造する台湾のVedan社は、地元の役人に罰金と賄賂を払いながら16年に渡って廃水をThi Vai川に垂れ流し、大きな公害を引き起こしてきた。中央政府がこの問題に介入し、同社を処罰して養殖業者らに賠償金を払う事が決まった。先日Nguyen資源環境大臣は現地を視察し、汚染の様子を確認した後で会社の責任者と会談し、賠償金の支払いなど今後の対応を話し合った。 *先日ハイフォン市で、政府と共産党を批判した男性に6年の禁固刑が下されたが、共犯の女性にも4年の禁固刑が言い渡された。彼等はインターネットを使って虚偽の情報を流布し、海外の反政府組織に協力した。 *中国との国境にあるLang Son交易所では、旧正月のための果物が大量に中国へ輸出される。しかし輸出貨物の急増に税関手続きが追い着かず、果物を積んだコンテナトラック数百台が、税関の前で長い列を作っている。手続きをするのに4日も5日も掛り、トラックに積んだ果物は急速に品質が悪化している。トラックの賃貸料金が増える上、中国で貨物の受取り拒否があり、ベトナムの輸出業者に大きな損失が発生している。 *ベトナムは今後十年間、毎年80万人ずつ労働者が増加する。過去十年間に農民の数は65%から52%に減ったが、農業は相変わらず最大の産業である。しかし農民は知識も技術もない単純肉体労働者で、生産性が低く収入も少ない。 *(訳者注:6歳以下の子供は、政府が発行する医療保険カードで病院の治療費が割引きされる。以前からこの保険制度は有ったが、機能していなかった。ホーチミン市は、今年から本格的にこの制度を機能させる計画で、区の人民委員会に指示を出した。しかし役人のやる事だから、どうしても旨く行かない。区の役場にはコンピュータが無く、役人は出生登録簿を捲りながら、一人ずつ名前、年齢、住所などを書き写す。同市は48万人の子供の保険カードを作成しなければならず、作業が終わるのがいつになるのか予想もつかない。医療保険カードを受け取った一部の子供は病院で保険を使おうとしたが、出生登録や住所登録の証明書を要求され、結局は保険が使えなかった。病院は政府や役人を信用しないから、わざと面倒な要求をして医療保険を使えなくする。中央政府の政策にもかかわらず、ベトナムでは相変わらず医療保険が使えない。) *ベトナムの最高指導者は、形式的にはノンドクマン書記長である。しかしマン書記長は、政治には全く関与していない。ただの共産党の操り人形で、儀式や式典で挨拶の文を読み上げ、愛嬌を振りまきながら民衆の中に入って握手をして回るだけである。2番目の指導者はグエンミンチェット大統領だが、彼も実際の政治には参加せず、儀式や式典を行うだけである。3番目のグエンタンズン首相は、共産党が決めた基本政策に基づき、行政を担当している。4番目のグエンフーチョン国会議長は名前だけの国会議長で、国会の仕事はせず、共産党の中枢で重要な仕事をしている。ベトナムの国会は、共産党が決めた事を追認するだけで、存在価値の無い機関である。彼等は表に現れる形式的な指導者で、本当に権力を握って政治を動かす指導者ではない。本当の指導者は、共産党の政治局や中央委員会の役員で、一般大衆には知られていない人達である。また本当の指導者が誰で、何をしているかは全く公表されず、普通の人は知る事ができない。共産党政治局や共産党中央委員会の中では権力が渦を巻き、生々しい権力闘争が行われているらしいが、普通の国民には全く分からない。日本でも田中角栄や金丸信が『闇将軍』と呼ばれて権力を行使したが、ベトナムの政治はこれを更に極端にした形態である。本当の指導者あるいは『闇将軍』になるには、資金力が物を言う。『闇将軍』の金蔓は原油採掘公社である。この公社は特別な優遇を受けて莫大な利益を上げ、その利益が『闇将軍』に届けられる。故ホーチミン大統領が亡くなった時に確立された集団指導体制だが、共産主義の国家は我々自由主義国では考えも及ばない体制となっている。)
2010.01.30
1月18日-1月23日 *ベトナムと中国は、ちょうど60年前に国交を結んだ。これを記念し、両国の指導者は互いに相手国の同僚に祝賀のメッセージを送った。中国は、フランスからの独立を宣言したベトナムを、世界で最初に国家として承認し国交を樹立した。両国の国民と共産党は、今後も協力して発展する事を約束した。またハノイ市では、中国の外交官を招待して盛大な祝賀の晩餐会が開かれた。グエンフーチョン国会議長やHung副首相が出席した。 *テト(旧正月)が近付くと、スリや泥棒、交通事故が増える。グエンタンズン首相は、公安省、運輸省、各地方の人民委員会に、悪事や事故を防ぐために最善を尽くすようにと、指示を出した。 *ハノイ市には、池や湖がたくさんある。しかし1995年から2005年の間に湖水の面積は25%も減少し、1950年と比べると3分の1に減った。今でも違法な建築物が、どんどんと湖水を浸食している。それでも同市にはまだ百数十の池や湖が残っているが、水質汚染も大きな問題になっている。同市にとって池や湖をこれ以上減らさず、汚染の無い湖水を保存することが何よりも必要である。 *北部のHai Duong省で、翡翠の仏像の制作が始まった。ミャンマーから輸入した翡翠で、高さ3m重さ16トンの仏像を作る。これは世界最大の翡翠の仏像となる。グエンミンチェット大統領と仏教協会の会長が出席し、盛大な起工式が行われた。 *ノンドクマン書記長は北部のSon La省へ行き、同省に建設中の水力発電所の建設現場を視察した。そして労働者に、頑張って立派なダムと発電所を建設するよう指示した。その後で地元の役人と会談し、労働者の能力を向上させて経済発展を図るよう指示した。 *グエンミンチェット大統領は北部のHai Duong省を訪れ、地元の役人と経済発展について話し合った。同省の主要な産業は農業だが、生産性を高めると同時に品質の良い農作物を生産し、高い価格で販売して高い利益を出す事が必要だと語った。 *アルジェリアの国会議長がベトナムを訪れ、グエンフーチョン国会議長と両国の関係強化について話し合った。 *国会の常任委員会は会議を開き、ベトナムの法律を検討した。特に今ある電気節約法、食品衛生法、郵便法、身体障害者法は、時代遅れで規定も不明確。早急に改定して立派な法律にする必要があるとの意見が出た。そして不適当な規定や不明確な規定について、様々な指摘を行った。 *建設省は去年の10月に政令を公布し、住宅に会社の事務所を構えるのが禁止したが、法律の効力は全然無い。大都市の高層アパートには会社の事務所がたくさんあるが、そこから賃貸料の高いオフィスビルに移ったのは一つも無い。なぜアパートに事務所に構えてはいけないのか、政府の説明も全然無い。 *ホーチミン市の人民裁判所は、インターネットのホームページを使って反政府活動を行った主犯に16年、他の3人に7年から3年の禁固刑を言い渡した。彼等はベトナムの政府と共産党を中傷し、国民に反政府感情を植え付けようと企んだ。 *世界知的所有権協会の会長がベトナムを訪れ、グエンミンチェット大統領と知的所有権の保護について話し合った。チェット大統領は、ベトナム政府は知的所有権を保護する強い意思が有り、立派な法律を作ったが、国民も企業もこの法律を守らないのは、非常に困った事だと説明した。 *かつてベトナムはセメントの不足に悩んだが、去年から生産が消費を上回り、業界は対策に困っている。ベトナムのセメントは製造コストが高いから、外国へ輸出する事も難しい。政府は過去12年間に4回もセメントの生産計画を制定したが、企業は政府の計画を無視し、勝手にセメントの製造工場を作り続けた。政府は去年末にセメントの製造工場の建設を禁止したが、今年から来年に掛けてたくさんの工場が操業を開始する。 *1975年に南北が統一された時、ホーチミン市の人口は3百万人だった。それが現在は8百万人まで増えた。急速な人口の膨脹は、様々な問題を引き起こしている。特に地価の安い郊外で、移入者の数が急増している。12区のある地域は、小学校が2つしかなくて1クラスの生徒数は70人。校庭全体に校舎を建設したが、それでも教室が不足している。かつての寒村だから、高校はもちろん中学校も無い。またある地区では雨後の竹の子の様に長屋ができ。合計3千部屋に2万人が暮らしている。貧しい住人が劣悪な環境の下で生活しており、犯罪が急増している。 *ホーチミン市は緑地が減り続けている。2000年には1人当り1.6平米の緑地が有ったが、今では0.75平米に減った。モスクワの11平米、ロンドンの9平米と比べ、ホーチミン市は緑地が極端に少ない。(訳者注:同市は予算が少ないから、沼地を埋め立てて売却し、郊外の空き地も整地して住宅地として売却してしまう。現金収入にならない土地は、どんどん売却している。同市には公園、動物園、植物園などが有るが、資金が無いから職員の給料が払えない。そこで職員は敷地を切り売りし、自分達の給料に当てる。公園も動物園も植物園も、年々敷地が狭まっていく。同じ様に国営企業も、経営が悪化すると国の土地を切り売りしてしまう。これらは違法な行為だが、給料の払えない政府は黙認するしかない。ホーチミン市だけでなく、ハノイ市も同様である。) *ノンドクマン書記長は更に北部の Dien Bien省も訪れ、地元の役人と政治や経済について話し合った。地元の役人は、同省は過去5年間に平均11.2%の経済発展を遂げたと報告し、マン書記長はそれを賞賛した。しかし同省は非常に貧しく、食べる物にも事欠く住民が居る。 *マン書記長は、次の日にはLai Chau省を視察し、地元の役人と話し合った。役人は、同省は過去3年間は毎年15%の経済成長を遂げていると報告した。(訳者注:これらの省は非常に貧しく、多くの住民は電気も無く、自給自足の原始的な生活をしている。国家の指導者が視察に訪れると、住民は綺麗な服を来て国旗を振って歓迎するよう強要される。指導者の視察は、住民にとっては迷惑な事である。) *大阪府の橋本知事が、大勢の企業家と共にベトナムを訪問している。ホーチミン市では、ベトナムの企業家と実務会議を開いた。ハノイ市では、グエンミンチェット大統領と会談し、両国の友好を深めた。 *グエンミンチェット大統領はベトナムテレビ局の指導者と会談し、長期計画を作ってテレビ番組を改善するよう指示した。(訳者注:政府は多額の公費を使い、テレビ番組の制作を援助している。しかし政府の援助で制作する番組は、政府や共産党を賞賛する番組と国民の道徳心を高めようとする番組だけで、見ても全然おもしろくない。国民はビデオや有線放送で、もっぱら外国のテレビ番組を見ている。) *中部は熱帯性低気圧に襲われ、強風で港に係留していた2百隻以上の漁船が沈没し、3人の漁師の死亡も報告されている。家屋や農産物にも、大きな被害が出ている。 *ハイフォン市の裁判所も、反政府活動を行った6人に、改めて2年から6年の禁固刑を言い渡した。彼等は歩道橋に政府を誹謗する垂れ幕を取り付け、通行人に政府を批判するビラを配布した。 *(訳者注:ベトナムでは大金持ちが急増している。ベトナムは税法が確立しておらず、収入も資産も公表されないから、金持ちの資産が幾らあるのかは不明である。ただ株式の所有だけが公表される。それによると、一番は国営企業が株式を売却して民営化した企業の社長で、時価6百億円の自社株を所有している。数億円、数十億円の自社株を所有している経営者は無数に居る。彼等は共産党員の雇われ経営者だが、民営化して株式を公開する過程で、なぜか莫大な株式を取得してしまった。 以下はある知り合いの話しである。数人の高級役人が集まり、民営の会社を設立した。まず経営陣の中の運輸省の役人が、実体の無い企業であるにも拘らず、入札で道路建設の事業を請け負った。そして財務省の役人は、公共事業を行うのだからと国から無担保の優遇融資を受けた。公安省の役人は、下っ端の役人を使って住民から土地を収用した。この時に、幅20mの道路を建設するのに、両側20mを含む60m幅の土地を収用した。それから他の企業に工事を丸投げして道路を完成し、道路沿いの一等地は彼等の所有になった。道路ができた後は、住民から収用した地価の数倍、数十倍の価格になっており、役人は容易に数億円、あるいは数十億円の利益が出せる。権力のある役人なら、副業で容易に巨額の利益が出せる。ベトナムは法律が不備だから、役人がこうして利益を上げても不法行為にはならない。そして独り占めせず、下っ端の役人を含む大勢の関係者に満遍なく利益を配布すれば、立派な指導者として尊敬される。今ベトナムは激動の時代で、莫大な国家の資産が個人の資産に変わっており、大金持ちが続々と生まれている。 *(訳者注:能力も無く地位も低い地方の役人は、ゴルフ場の建設や工業団地の建設だと称して土地を安く買い集め、後でこれを宅地に目的変更をして儲ける。法律の不備と面倒な手続きで、ベトナムは慢性的に宅地が不足しているから、工業地が宅地に変わっただけで地価は大幅に上昇する。土地を切り売りするだけで利益が出るが、役人の地位を利用して道路を作って電線を引けば、地価は数倍に値上がりして更に大きな利益が出せる。権力のある役人なら、金儲けの道は幾らでもある。) *(訳者注:庶民がビジネスを始めるとしたら、自宅で食堂を開くとか物置で民芸品の製造を始める程度。公安に様々な賄賂を要求され、面倒な法律に縛られ、成長は不可能である。一方で役人が設立した民営企業は、十年を経ずして数十億円の資産を蓄え、国営企業を押し退けて道路や橋の建設にまで進出している。) *(訳者注:以前は高級ホテルのレストランは外国人の専用だったが、最近はベトナム人が大半を占めるようになった。ベトナム人の金持ちが使う金は半端ではなく、子供の誕生日を祝う一家のパーティーで、肉体労働者の一年分の給料を使ってしまう。)
2010.01.23
1月11日-1月16日 *ハノイ市でベトナム婦人連盟の総会が開かれ、ノンドクマン書記長も出席した。そして婦人連盟の活動を賞賛し、全ての政府機関と国民に、婦人の地位向上を推進しようと呼び掛けた。 *グエンフーチョン国会議長は長期に渡って地方を視察し、地元の指導者と政治や経済について話し合っている。先週末は中部のThanh Hoa省を訪れ、地元の役人と会談した。同省は過去20年に渡り平均9.8%の経済成長を達成し、住民の年収は720ドルに達したとの報告を受け、チョン国会議長は同省の立派な政治を賞賛した。(訳者注:役人の報告が事実なら、20年前の住民の年収は120ドル、月収は10ドルである。こんなに少ないはずはなく、報告は直ぐに嘘だと判るのだが、それでも国会議長は信じた振りをしてお世辞を言う。) *田舎の高校の教師は師範大学を卒業していないから、英語を知らず教える事もできない。だから田舎の高校は英語の授業が無く、大学の入学試験で英語の得点が極端に低い。教育省はこの不公平を無くすため、田舎の学生は外国語の代わりに他の科目で受験できるようにする。 *(訳者注:今年の1月1日から有効となった失業保険の制度は、国会が制定した法律に基づくもので、実施を延期するには国会の決議が必要である。この制度が延期されたと言うのは、事務手続きを面倒くさがる役人の空言である。政府はこの法律を積極的に公表しないから、国民はこの制度の存在を知らず、また役所は準備不足で保険金の申請手続きを受け付けない。ホーチミン市には受給資格のある労働者は数千人は居ると推定されるが、先週一週間に手続きが終わったのは280人だけである。) *中部Phu Yen省の公安は、野生の猿96匹を輸送しているトラックを摘発し、その猿を没収した。しかし公安の役人は、その猿を第三者に売却してしまった。中央政府はこの事実を知り、直ぐに同省の公安に猿を買い戻し、森林に逃がすよう命令した。(訳者注:公安は、違法な商品を見つけると直ぐに没収する。しかしそれらを廃棄処分せずに、再び売却してしまう。だから偽物商品も有害商品も全然減らない。) *(訳者注:ベトナムの土地には様々な規制があり、宅地として自由に建物が建設できる土地の価格は日本並に高い。だからハノイ市やホーチミン市の一等地に建設された高級マンションは、優に1億円を越える。それを買うのはベトナムの金持ちである。20年前に1百万円の住宅を買えるベトナム人が出て来て、10年前に1千万円の住宅を買える人が出て来たが、今は1億円の住宅を買える人が出て来た。) *フィンランドの国会議長がベトナムを訪れ、グエンフーチョン国会議長と両国の関係強化について話し合った。フィンランドの国会議長はベトナムの経済発展を賞賛し、チョン国会議長はフィンランドの援助に感謝の言葉を述べた。グエンミンチェット大統領とグエンタンズン首相も個別にフィンランドの国会議長と会談し、両国の友好を深めた。 *(訳者注:フランスに本部がある仏教の宗派が、大勢の信徒を集めて2008年6月から中部のLam Dong省の寺で修行を始めた。これはベトナム政府の許可を得ていない宗派で、今回の宗教活動も無届けの違法な活動だった。しかし政府が軍隊や公安を派遣して暴力で宗教活動を止めさせると、外国からベトナムには宗教の自由が無いと批判される。政府は自ら手を下す事ができず、政府の意向を受けた仏教協会が修行を止めるよう説得し、聞き入れられないと大勢の人を派遣して力で信徒を排除しようとした。これは双方に負傷者が出る大騒動に発展し、それが外国の報道機関の注目を引き、政府も仏教協会もそれ以上の事はできなかった。しかしフランスに本部を置くこの仏教の宗派も、大勢の信徒を養う資金が無くなり、修行を続ける事ができなくなった。そして去年の暮れに修行を止め、信徒は全員が自分の家に帰って行った。) *カンボジアの副首相兼内務大臣がベトナムを訪れ、Anh公安大臣と犯罪防止や治安の維持で協力する事を約束した。グエンタンズン首相もカンボジアの来賓と会談し、両国の友好を深めた。 *シンガポールの首相がベトナムを訪れ、グエンタンズン首相と両国の関係強化について話し合った。互いに相手国の経済発展を賞賛した後で、貿易、投資、観光、教育などの面で協力する方法を検討した。(訳者注:シンガポールはベトナムで、工業団地の建設など巨大事業を行っているが、これらは両国の国家事業として進めていめる。だから約束不履行や賄賂要求などベトナム側に不当な行為があると、シンガポールは政府が表に出て来て解決を図る。日本などは企業の単独進出で、問題が起きれば社長がベトナムの役人と折衝するが、社長の力ではベトナムの役人を動かす事はできない。) *日本政府はベトナムのクリーンエネルギー事業を進めるため、4600万ドルの優遇融資を行った。ベトナムはこの資金で、節電対策や太陽光発電などを行う。 *坂場大使はホーチミン市を訪れ、市の指導者に日本政府の援助事業を、早急に進めるよう要請した。そして援助事業が計画通りに進行すれば、日本政府は更に資金援助をすると約束した。(訳者注:日本政府は、ベトナム政府にたくさんの資金援助をする。しかし現地に進出した日本企業を援助しない。ベトナムの役人や政府が行う不当な行為は、シンガポールのように政府が出て来ないと止める事はできない。) *政府が格安航空運賃のJetstar Pacific航空を調査した結果、航空機の安全維持に大きな問題がある事が判った。設備と資金の不足で機体の整備や保守が十分に行われず、安全な運行を考慮していない。(訳者注:2つの航空会社が合併してできた会社だが、経営を巡って内部紛争が起きており、不当な解雇などが裁判沙汰になっている。 *グエンタンズン首相はハイフォン市を訪れ、住民と政治や経済について話し合った。地元の国会議員は同市の現状を説明し、防波堤の建設、高速道路の建設、港湾施設の改修などを中央政府に要請した。 *グエンフーチョン国会議長は、共産党中央委員会の役員と共に中部のQuang Binh省を訪れ、地元の住民と政治や経済について話し合った。チョン国会議長は、同省は海に面しまた広大な森林があるので、それを活用して経済発展を図るよう指示した。 *ハノイ市で、権力を乱用した役人23人の裁判が始まった。政府機関にコンピュータを導入しインターネットで接続するプロジェクトで、彼等は国家に巨額の損失を与えた。(訳者注:高級役人の汚職事件は、特別に分かり難く報道する。『権力の乱用』は汚職の意味で、『損失を与える』は『賄賂を取る』や『横領する』の意味である。) *ホーチミン市のMy Chau Pharmacyは、立派な営業をしていると政府から表彰された医薬品の流通企業である。しかし同社が経営する14の薬局は、有効期限の切れた薬や製造元の表示の無い薬を販売していた。(訳者注:ベトナムでは食品はもちろん、医薬品にも不良品や偽物が多い。) *ベトナムでは去年12,500件の交通事故があり、11,500人が死亡し8000人が負傷した。(訳者注:これは政府に報告された数で、これ以外に報告されない交通事故がたくさんある。) *最近は河川の船の交通事故が急増しており、ホーチミン市は水上交通の取り締まりを強化する計画である。公安省の水上交通課によると、船の70%は未登録で、46%は定期検査を怠り、75%の船は運転免許を持たない人が操船している。また客を乗せる船は特別な許可が必要だが、30%は無登録、50%は無免許の運転である。これらは全て法律に違反する行為である。 *中部のダナン市にASEANの外務大臣が集まり、交通、通信、技術などを協力して発展させる方法を話し合った。地域内の交流を活発にし、互いに情報を交換して発展を図る。また世界的な不況の克服、国際犯罪の防止、自然災害の防止などでも協力を約束した。 *ベトナム商工会は、市や省別にビジネスのやり易さを発表した。1位はダナン市、2位は南部のBinh Duong省、ホーチミン市は16位、ハノイ市は33位である。 *ハノイ市で中央政府の汚職防止会議が開かれ、グエンタンズン首相は国民全体に、協力して汚職を無くそうと呼び掛けた。特に役人には、ホーチミン思想を良く学び、故人の教えに従って贅沢を止めようと呼び掛けた。(訳者注:ドイモイ政策が始まった1990年頃には、ベトナムに金持ちは一人も居なかった。20年後の現在、数十億円を所有する金持ちは大勢いる。こんな巨額の資産は、汚職意外では絶対に得られない。事実金持ちのほとんどは、役人か国営企業の経営者である。政府は汚職防止の振りをするだけで、本当に汚職を無くす気は無い。また法律が不備だから、不当に金持ちになった人を調べる事もしない。) *ハノイ市で、教育に貢献した人や企業を表彰する式典が開かれた。小学校を建設するため無料で土地を提供した人、貧しい学生に奨学金を出した企業などが選ばれ、グエンミンチェット大統領が表彰状を手渡した。(訳者注:ベトナムは税制が確立していないから、政府は教育に投資する金がない。だから学校の建設は、寄付金と地元負担で行う。また小学校などの義務教育でも、授業料を徴収する。) *(訳者注:ベトナムの指導者は、自国がとても立派な国だと考えており、彼等が作る法律は夢の国家の建設を目指している。公害防止や労働者保護などの法律は、どんな先進国にも負けない素晴らしい内容である。しかしこれらの現実離れした良い法律は、ベトナムのような低開発国では実行が不可能で、国民も企業も立派な法律を完全に無視している。先日も政府は、中古の機械の輸入を規制する厳しい法律を公布したが、ベトナムが輸入する機械の大半は、法律に違反する安い中古品である。) *(訳者注:ベトナムの指導者が、自国が素晴らしく良い国だと誤解するのも当然である。彼等は共産党の特権階級で、医療保険や老齢年金が完備しており、死ぬまで政府が世話をしてくれる。彼等にとっては、ベトナムは理想の国家である。)
2010.01.16
1月4日-1月9日 *中部の避暑地ダラットでは、新年を祝う盛大な花祭りが行われている。新年の祝いと観光促進を兼ねて、Lam Dong省の人民委員会が主催する祭りだが、中央政府も積極的に支援している。開会式にはグエンミンチェット大統領も出席し、挨拶の言葉を述べた。 *(訳者注:外国企業で働く労働者は、健康保険、老齢年金、失業保険などの社会保険料を払っている。しかし実際は、労働者にとって保険の恩恵は何も無い。政府は今年から、保険料を払っている労働者には本当に失業保険を払うと言う。しかしホーチミン市の場合、保険の対象となる労働者が130万人おり、失業保険の支払い請求は1日に1千件を越えると予想される。同市には、そんな大量の事務作業を行う体制が無い。結局は今まで通り、保険料を払っても失業保険は貰えないと思った方が良い。) *全国の電柱は電力公社の所有で、電話公社は使用料を払って電柱を使っている。電力公社は、去年の7月に電柱の使用料を大幅に値上げした。有線テレビなどの企業は値上げを受け入れたが、電話公社は値上げを拒否し、二つの巨大公社の間で大きな紛争が起きている。(訳者注:ベトナムの政府は、現実の問題を解決する能力は全然ない。ただ困った、困ったと言うだけで何もできない。) *去年は輸出が大幅に減少したが、衣類の輸出は僅かながら増加して91億ドルとなり、ベトナム最大の輸出品目であった。アメリカ向けは5%の減少、EU向けは3.5%の減少だったが、日本向けが15%も増えた上、韓国、インド、ASEAN向けも増加した。 *共産党中央委員会は、ホーチミン思想を学習するキャンペーンの成果を検討する会議を開いた。ノンドクマン書記長は、この3年間に渡る運動は社会の発展に大きな貢献をし、十分な成功を収めたと報告した。しかし同時に、一部の共産党員と無知な一般大衆はこの思想を良く理解せず、金権主義に溺れて奢侈な生活をしていると批判した。そして毎日の生活の中で、ホーチミン思想を更に学ぶ必要があると語った。 *グエンタンズン首相は、2012年までに2番目の通信衛星を所有する計画を承認した。地上の受信設備などを含め、3億ドル以上の投資が必要になる。(訳者注:2008年4月にフランスに打ち上げてもらった最初の通信衛星は、『世界で93番目に通信衛星を所有する国』になると言う名誉を求めたもので、実用にはほど遠かった。しかし次の通信衛星は、本当の実用に使うための衛星である。) *(訳者注:ベトナムは手抜き工事が多いから、新築の建物でも直ぐに欠陥が現れる。雨漏りがしたり壁にひびが入ったり、更には隣の建物が影響を受けて傾いたり倒壊したりする場合もある。当然建物の所有者と建築会社の間で紛争となるが、裁判所が機能しないベトナムでは解決の方法が無い。ホーチミン市の建設協会は、建築会社が保険に加入するのを義務付ける案を政府に提案した。当然建築費用は高くなるが、建物の欠陥を保険でカバーすれば、頻発する紛争を減らす事ができると報告した。) *ハノイ市は、市内の新しい公定地価を発表した。前の地価と比べ、平均40%の上昇である。最も高い地価は、平米当たり4400ドルである。(訳者注:この価格は政府が土地を収用する場合の参考価格で、庶民が売買する地価は公定地価よりずっと高い。) *ホーチミン市は去年の初めに、貧困世帯の定義を1人当り年収3百ドルから6百ドルに改めた。その時点で貧困世帯は172,000だったが、年末には145,000に減った。今年は貧困撲滅に更に力を入れ、貧困世帯を130,000(全体の7%)に減らす計画である。(訳者注:同市は住所登録のある住民だけを市民と認め、住所登録の無い1百万人以上の住民は市民とは認めない。だから外部から転入して来た貧しい住民は、この計画では考慮していない。) *Binh Phuoc省は、南政府からの解放35周年の記念式典を開いた。グエンミンチェット大統領も式典に出席し、同省に国家の第一等労働勲章を授与した。地元の人民委員会議長は、同省は去年10%の経済成長を遂げ、住民の年収は9百ドルに達し、生活は大幅に改善したと報告した。 *次の日にチェット大統領は、地元の共産党員と政治や経済について話し合った。人民委員会議長の報告とは全く異なり、住民の15%はまだ電気が無く、カンボジアとの交易を増やしたくてもトラックの通れる道路が無いなど、様々な不満をぶちまけた。チェット大統領は現地の悲惨な現実を認識し、中央政府はこの省への援助を増やすと約束した。 *グエンタンズン首相は閣僚と会議を開き、今年の計画を話し合った。経済を安定させるにはインフレと貿易赤字の抑制が特に重要だと述べ、閣僚に最善を尽くすよう指示した。また地方の人民委員会には、共産党の指示に基づいて全力で任務を果たすよう指示した。会議では、去年の経済成長は5.32%、物価上昇は6.88%だったとの報告があった。 *北部の紅河は、今までに例がないほど水位が下がっている。水不足により、冬春作米は大きな影響を受けると予想される。南部のメコンデルタでは、メコン川の水位低下と海面の上昇で海水が農地に逆流し、農作物に大きな被害が出ている。 *ホーチミン市の公安は、市内で一斉に海賊版のCDやビデオの取り締まりを行い、製造業者や販売業者が保管していた数十万枚の海賊版を押収した。(訳者注:ベトナムでは何も彼もが海賊版やコピーや偽造品。知的所有権など全然考慮されない。) *去年ベトナムを訪れた外国人観光客は380万人で、前年の11.5%減である。 *去年起きた大規模な労働争議は216件で、前年と比べ70%も減少した。 *モンゴル人民革命党の書記長が大勢の随行員と共にベトナムを訪れ、ベトナム共産党の指導者と両国の関係強化について話し合った。ノンドクマン書記長もモンゴルの来賓と会談し、両国の友好を深めた。 *グエンタンズン首相と閣僚の会議は、一昨日に続いて昨日も行われ、政治や経済など様々な問題を話し合った。会議の後でグエンタンズン首相は、国営企業の労働者を含む国民全体に、国家の発展のために全力を尽くすよう指示を出した。(訳者注:政治や経済は、指示を出すだけで良くなるほど簡単なものではない。) *(訳者注:政府は今年の1月から正式な失業保険制度を発足させ、全ての労働者から失業保険料を徴収し、資格の有る労働者には失業保険金を支払う計画だった。外国企業で働く労働者は、前から失業保険料を掛けているので受給資格が有る。彼等は一斉に失業保険を担当する役所に押しかけたが、役所は手続きを受け付ける準備をしておらず、役人は手続きの受け付け方法を知らなかった。窓口で大きな混乱があり、失業保険金の支払は不可能だと分かった。政府は「経済が悪化する中で労働者から保険料を徴収するのは良くない」と口実を付け、失業保険制度の実施を延期すると発表した。) *今年の1月1日から法律により、公共の場所は禁煙となった。しかし普通の国民はそんな法律は全然知らないし、知っていても守る気はない。特に困るのは病院の中だが、待合室はタバコの煙が充満している。 *アメリカのノースウェスト航空は、去年までは毎日アメリカから東京経由でホーチミン市まで運行していたが、今年から週4便に減らした。同航空会社は新たに、今年の3月で運行を全て止めると発表した。*北部のLang Son省で、鶏やアヒルの密輸入を取材していた新聞記者が、地元の男達から暴行を受けて負傷した。数十人の村人が暴行の現場に居たが、ただ見ていただけだった。また中部のHa Tinh省でも、土地の違法な使用について取材していた2人の新聞記者が、何者かに襲われて負傷した。ベトナム報道協会は政府に、報道関係者の安全を守って欲しいと要請した。
2010.01.09
12月28日-1月1日 *ホーチミン市にグエンタンズン首相、カンボジアのフンセン首相、経済に関係する閣僚、更に合計5百人の企業家が集まり、カンボジアへの投資について話し合った。互いに相手国の投資を優遇する事を約束し、ベトナムはカンボジアに60億ドルの投資をすると発表した。(訳者注:今までにベトナムが外国に投資した金額は合計70億ドル。カンボジアへの投資は合計9億ドル。何十年か後には、60億ドルを投資すると言う夢物語である。しかし両国の関係は、確実に改善している。) *グエンフーチョン国会議長は、共産党の行政改革委員長も兼務している。委員と共に北部山岳地帯のCao Bang省を訪れ、地元の共産党員と政治や経済について話し合った。地元の指導者は、同省は立派な政治を行い、過去5年間に平均11%の経済成長を遂げたと報告した。チョン国会議長は、地元の指導者を賞賛した。 *南部のSoc Trang省で大型バスと小型バスが正面衝突し、8人が死亡、他の8人が重傷を負った。大型バスの運転手は、現場から逃げてしまった。地元の当局は、事故の原因を調査中である。 *今年ベトナムが許可した外国投資は215億ドルで、去年の3分の1である。しかし実際に行われた投資は 100億ドルに達し、去年とほぼ同じである。外国の企業は、世界的な不況にもかかわらずベトナムに投資をしてくれる。(訳者注:外国の企業は、投資許可を得ても投資をしない。計画通りに投資が実現するのは僅かである。) *グエンミンチェット大統領は南部のTay Ninh省を訪れ、大型セメント工場の起工式に出席した。セメント工場の建設は、国家や地元に大きな恩恵をもたらすと賞賛し、工場を建設する国営企業に国家の表彰状を授与した。(訳者注:国家の指導者は政治を行わず、儀式や式典に出席するだけ。だから法律は不備、行政は劣悪、司法は機能しない。) *ホーチミン市は、2008年の実績を次のように報告した。経済成長: 8.0%、市の歳入:64億ドル。1人当りの生産:2300ドルで21%の増加。輸出:121億ドルで1.3%の増加。工業生産:6.3%の増加。市民の消費:146億ドルで19%の増加。29万人の雇用増加。輸送:18%の増加。犯罪:10%の減少。(訳者注:住所登録のできない貧しい住民1百万人以上を統計から外し、メコンデルタの米を同市の輸出品としているのだから、当然に素晴らしい結果が出てくる。) *ホーチミン市は更に2010年の目標として、次の数字を発表した。経済成長:10%以上。輸出:93億ドルで12.7%の増加。----(訳者注:新聞の記事では、今年の輸出は121億ドルで、来年は更に増やして93億ドルにすると言う。明らかな数字の間違いで、政府の発表も政府の機関新聞も、何も彼もが間違いだらけ。間違った数字を翻訳しても意味がないので、この記事の翻訳は中止する。) *ベトナム政府は統制価格を無くし、全ての物資に市場価格を導入しようとしている。そこで石炭公社は早速、国内の石炭の価格を輸出価格の10%安にすると発表した。それだと石炭の価格は、現在の2倍近くになる。もちろん商工省が許可する筈はなく、直ぐに却下された。 *ベトナム民主党と言う政治団体を組織し、その副党首に就いてベトナム共産党を批判していた男に、5年半の禁固刑が下された。北部 Thai Binh省で行われた裁判には、外国の報道関係者など30人が傍聴した。 *北部山岳地帯を視察しているグエンフーチョン国会議長は、Bac Can賞を訪れて地元の役人と政治や経済について話し合った。役人は、同省は2006年から11%以上の経済成長を続け、この間に貧困世帯は26%まで減ったと報告した。チョン国会議長は、この後もTay Ninh省、Thai Nguyen省と、各地を視察して回る。 *南部のTay Ninh省を訪れているグエンミンチェット大統領は、二日目は地元の役人と政治や経済について話し合った。チェット大統領は、交通を改善して経済を発展させるよう指示した。地元の役人は、同省は今年10.7%の経済成長を達成したと報告し、大統領は役人を賞賛する言葉を述べた。(訳者注:中央政府の指導者が地方を視察すると、地元の役人から大歓迎を受ける。最高の接待を受けながら嘘の報告を聞き、それを信じた振りをして賞賛の言葉を返す。それがベトナムの政治である。) *ホーチミン市は、8区にある土地を国営企業から接収した。58,000平米は有効に使われていない土地で、70,000平米は不法に又貸しされている土地である。一部の土地を売却して資金を得た後、そこに学校や強制移転させる住民のアパートを建設する。国営企業の側は市の接収に強硬に反対したが、同市は法律に基づいて土地を没収した。同市は他の地区でも、違法に使われている土地を国営企業から接収する予定である。 *(訳者注:ベトナムは今年で、国連の非常任理事国の任務が終わる。政府の機関新聞は、ベトナムは世界で名を上げたと大きく記事を掲載している。ベトナム政府は、国際社会で知名度が上がるのは非常に名誉な事と考えている。) *(訳者注:ベトナムは税制が確立しておらず、外国企業で働く労働者以外は所得税を払わない。だから政府の歳入は非常に少なく、公共事業を行う資金が無い。そこで政府は、BOT(建設-運営-売却)と言う方法を編み出した。国営の大企業や役人が設立した民営企業が、独自に資金を調達して道路や橋を建設し、通行料を徴収してその建設費用を回収し、最後に道路や橋を国に売却して利益を得ると言う方法である。だからベトナムの道路には、料金徴収所がたくさんある。ホーチミン市は特に多く、道路の通行料を払ったら、直ぐ先で次は橋の通行料を払う。自動車の運転手は料金を節約するため、敢えて渋滞する無料の道路を走る。ベトナムの道路政策は劣悪である。) *ハノイ市で花祭りが始まった。来年は同市の創立1千年で、それを記念する最初の祭りである。同市が全力を挙げて主催するので、非常に規模が大きい。 *ベトナムでは1月1日の正月は余り大切ではない。それでも人々は繁華街に繰り出し、0時には花火が上がる。グエンタンズン首相の新年の挨拶が、テレビで放映された。 *ベトナムは税制が確立していないから、政府は貧困者を援助する資金が無い。代わりに政府は、大々的に貧困者救済の募金活動を行う。ある地域が台風に襲われると、全国一斉に募金活動が行われる。芸能人は税金を払わない代わりに、様々な慈善公演を強制される。こうして集めた義援金は、去年は全体で2億7400万ドルになったと言う。 *ハノイ市の人民委員会は、同市の役人に倹約と節約に心掛けるよう指示を出した。クリスマス、正月、テトと行事が続くが、公的な資金で役人の贈物を買う事を禁止し、宴会を開く代わりに植林や貧困者救済の活動をするよう指示した。 *2009年にベトキュー(越僑)がベトナムの家族や親戚に送った金額は、銀行を通した正規の送金で32億ドル、銀行を通さない送金も同額程度と推定される。いずれも去年と比べ20%の減少である。*2008年の十大ニュース。1、共産党中央委員会の総会が開かれ、将来の計画が検討された。2、世界的な不況にもかかわらず、ベトナムは5.2%の経済成長を達成した。3、ベトナムは国連の非常任理事国の務めを終え、国際的な地位を高めた。4、政府は行政のデータベースを作成し、政治の透明性を高めた。5、9百人のベトキューがハノイ市に集まり、初のベトキュー会議を開いた。6、豚インフルエンザが広がり、11,000人が感染し53人が死亡した。7、ベトナムの伝統的な対話式の歌が、ユネスコにより無形文化財に指定された。8、ラオスで開かれたASEANスポーツ大会で、ベトナムはタイに次ぐ2位の成績を上げた。10、ベトキューの科学者が、アメリカの雑誌で優秀な科学者と評価された。
2010.01.02
12月21日-12月26日 *ノンドクマン書記長は、大きな成果を上げてカンボジアへの公式訪問を終えた。友好と理解を深めると同時に、互いに相手国の主権を尊重し、武力を行使しない事、内政に干渉しない事などを確認し、それを文書にして調印した。 *国会の常任委員会は、今年の国債の発行と集めた資金の運用を総括し、来年の国債の発行計画を検討した。ある委員は、様々な面倒な手続きがあるために、実際に資金を投入するまでに長い時間が掛かり、プロジェクトの進行がいつも遅れると不満を述べた。また別に委員は、公共事業には多くの無駄があると意見を述べた。*政府は何年も前から安価な住宅の建設を計画していたが、やっと大都市の一部で建設が始まった。公務員や低所得者のための安価な住宅の建設は後回しにし、まず学生の寮を建設する。2015年までに33万部屋を建設し、大学生の60%が寮に入れるようにする。 *ベトナム政府は、国費で学生を海外へ留学に送り出している。2000年以降だけで、7300人が海外へ留学に出た。Nhan教育大臣は来年海外へ出発する国費留学生と会見し、一生懸命に勉強すると同時に、外交官になったつもりで外国との友好と理解を深めるよう指示した。(訳者注:頭の悪い高級官僚の子弟が外国へ留学できるよう、ベトナム政府は国費留学制度を設けている。海外の大使館や領事館にとって、これらの留学生の面倒を見るのは、大切な任務である。) *南部のBinh Duong省で5階建てのビルが倒壊し、建設労働者ら3人が死亡し、9人が重傷を負った。これは3階建てのビルだったが、ビルの購入者は4階と5階を建て増しし、内部の改装工事をしていた。 *ベトナムには、嘘の宣伝が非常に多い。ハノイ市は、嘘の宣伝を厳しく取り締まる事を決めた。嘘の宣伝で商品を売ろうとする企業には、営業停止の処分を行う。(訳者注:ベトナムには嘘が溢れている。あちこちの商店で、日本から輸入したと言う扇風機や炊飯器が売られている。) *労働省は全国の大企業に、テトのボーナスの金額を報告するよう指示を出した。今年は景気が上向いてきたので、ボーナスは去年の20%増しだと言われる。(訳者注:テトのボーナスは13月の給料とも言われ、労働規約は会社の経営状況に関係なく、少なくも1か月分の給料をボーナスとして出すよう規定している。) *12月22日はベトナム人民軍の創立65周年で、ハノイ市で盛大な記念の式典が開かれた。マン書記長、チェット大統領、ズン首相、チョン国会議長ら国家の指導者が大勢出席し、人民軍は国家の独立と統一に大きな貢献をしたと賞賛の言葉を述べた。また防衛大臣で軍の最高責任者であるThanh将軍は、故ホーチミン大統領の教えを守り、国家の防衛に最善を尽くすつもりだと挨拶をした。 *コペンハーゲンで地球温暖化防止の国際会議が開かれたが、早速日本政府は防止対策としてベトナムに4億5千万ドルの優遇融資、オランダ政府は無償の技術援助をしてくれる事が決まった。Nguyen資源環境大臣は記者会見で、コペンハーゲンの会議は非常に有益だったと報告した。 *メコンデルタの工業団地の関係者がTien Giang省に集まり、工業団地の運営改善について話し合った。各省は競って工業団地を建設したが、進出した企業は非常に少なく、広大な土地が無駄になっている。Binh Phuoc省などは、造成した工業団地の10%しか使われず、残る90%は荒れ地のままである。「将来性の無い工業団地は目的を変更すべきだ」「新しい工業団地の建設は禁止すべきだ」など様々な意見が出た。 *日本の野村證券が、15年前に1億4千万ドルを投資して建設したハイフォン市の野村工業団地は、日本企業46社を含む53社が進出し、ほぼ満杯となった。これはベトナムで最も社会基盤の充実した工業団地で、団地の中に発電所が有るから停電もない。また運営も特別で、全ての行政手続きが工業団地の中で出来る。借地料金が高くても、社会基盤の充実した工業団地なら企業は進出する。 *全国の人民委員会の役員は、地元のキリスト教の本部を訪れ、クリスマスの祝賀の挨拶をしている。ホーチミン市の役員もキリスト教の協会を訪れ、教徒の活動を賞賛した。そして今後も、政府に協力して欲しいと要請した。(訳者注:政府は協力的な宗教団体は積極的に優遇し、政府を批判する宗教は抑圧する。) *情報通信省と公安省の合同チームは、無許可の出版物や違法な出版物(政府を批判する出版物)の取り締まりを始めた。コピー機の普及で印刷が簡単になり、違法な出版物が非常に多くなった。 *グエンミンチェットは、愛国的な活動を行った海軍の軍人をハノイ市に招待し、彼等の業績を賞賛した。そして祖国の領海を侵略されないよう、防衛に全力を上げて欲しいと語った。またダナン市からは海軍の退役軍人の代表がハノイ市を訪れ、チェット大統領と会談した。ベトナム人民軍の創立65周年を祝うため、大勢の軍人がハノイ市を訪れている。 *イランの商務大臣がベトナムを訪れ、ベトナム側と合同のビジネス会議を開いた。グエンタンズン首相は会議の後でイランの大臣と会談し、両国の友好を深めた。 *正月に食べる西瓜の種から有害な着色料が見つかったが、インスタント粥からも発癌物質が見つかった。焼酎にはメタノールが入っているし、野菜には農薬が残留している。ベトナムの食品は、様々な有害物質に汚染されている。 *政府は今年の9月に、教師の給料を最低賃金の50%上げるよう、全国の学校に指示を出した。しかしハノイ市が調べた結果、市内の学校の多くが、昇給を実施していなかった。特に幼稚園では、教師の昇給は全く無かった。同市は市内の学校に、政府の指示に基づいて教師の給料を上げるよう、改めて指示を出した。(訳者注:政府は無責任だから、予算を考慮しないで指示を出す。学校の関係者は教師の給料を上げたいが、予算が無いからどうしようもない。) *ベトナム人は日本人と同じく、宗教とは関係なくクリスマスを楽しむ。クリスマスの夜は、学校や会社から帰った若者が大挙して市街地へ繰り出す。彼女をバイクの後ろに乗せ、暴走族となって市街地を走り回り、交通渋滞と交通事故を引き起こす。 *グエンタンズン首相は全国の銀行に、経営の安定に力を入れるよう指示を出した。また中央銀行も、市中銀行の代表を招いてハノイ市で会議を開き、銀行の安定経営について話し合った。また中央銀行の役員は国会の経済委員会と共同で、金融機関の経営を安定させるための法律の制定を検討している。(訳者注:ベトナムの銀行は、賄賂や姻戚関係により、無鉄砲な融資を行う。今や金融機関は国家の経済に大きな影響を与えるようになり、銀行の倒産は大きな悪影響を及ぼす。銀行の倒産は、未然に防がなければならない。) *世界銀行は、ベトナムに5億ドルの優遇融資を行うと発表した。この金額は、世界銀行がベトナムに与える援助としては過去最大である。ベトナムは、2007年に海外から巨額の資金の流入、2008年には途方もないインフレ、2009年は輸出の大幅減少など、世界経済の荒波に揉まれている。世界銀行の優遇融資は、ベトナムの経済を安定させるたねに使う。 *統計局によると、12月の物価は1.38%上昇し、1年間で6.88%の物価上昇となった。インフレを7%以下に押えるとの政府の目標は、達成された事になる。 *メコンデルタの Long An省には20も工業団地があり、その敷地は合計7600ヘクタールに達する。その多くは現在も造成中である。同省は海抜が低く湿地が多いから、工業団地を造成するには大量の土砂が要る。不毛の土地から土砂を採掘すれば良いのだが、不毛の土地は湿地でトラックが進入できない。結局は農地から土砂を採掘し、その農地は深い池に変わる。苦労して工業団地を造成しても、工場は進出して来ない。工業団地の建設は、資金の無駄使いと環境破壊でマイナス面が非常に大きい。 *財務省の規則によると、企業は毎月税務署へ行き、付加価値税のために売買報告書を提出し、判をもらって25万ドンを支払う。行政改革委員会によると、税務署は書類に判を押すだけで、特別な作業は何もしていない。また毎月税務署へ行く必要性は全く無く、四半期に一度で十分である。この手数料で税務署は、年間に1兆ドン(5200万ドル)の収入を得ているが、企業は無駄に時間を費やして無駄な料金を払っている事になる。行政改革委員会は財務省に、税務署の手続きを改善するよう要請した。 *北部は今年、記録的な旱魃に襲われそうである。紅河の水位は122cmで過去最低、上流のダムや貯水池の水量も非常に少ない。農業だけでなく発電も大きな影響を受け、雨季が始まる来年の5月頃まで、停電は更に多くなると予想される。 *銀行は手持ちのドルが不足し、個人や小企業にはドルの両替をしない。庶民や銀行にコネの無い企業は、闇市場で高い価格のドルを買うしかない。大手の企業はドンの切り下げを予想し、多額のドル建て預金をしている。グエンタンズン首相は国営企業に、手持ちのドルを直ぐに銀行に売却するよう指示した。
2009.12.26
12月14日-12月19日 *ノンドクマン書記長は、更に中部山岳地帯の視察を続けている。先週末に訪れたGia Lai省では地元の共産党員に、直接住民と接する下部役人の能力を高めるよう指示した。また特に貧しい少数民族の生活改善を図る事も指示した。地元の役人は、同省は過去4年間に平均13.7%の経済成長を達成し、住民の年間所得は510万ドンから12500万ドンに増え、貧困世帯は30%から14%に減少したと報告した。 *イタリアを公式訪問しているグエンミンチェット大統領は同国の首相と会談し、両国の友好を深めた。イタリアの首相はベトナムの経済発展を賞賛し、一層の関係強化を約束した。チェット大統領に同行している企業家は、イタリアの企業家と商談を行い、多くの契約を成立させた。 *(訳者注:ベトナムでは、殺人などの凶悪犯罪は少ない。厳重な処罰を受けるからである。しかし軽犯罪は非常に多い。タクシーやガソリンスタンドのメーターは、ほとんどに細工がしてあって高い料金を表示する。アルコール類や服飾品は偽物が多く、本の大半は海賊版である。また工場などは、煙で空気を汚染し廃水で河川を汚し、ひどい公害を引き起こしている。ベトナムには公安が大勢おり、庶民を厳しく監視しているから、これらの軽犯罪は直ぐに見つかる。公安は不正を見つけると罰金を取るが、その罰金は非常に軽い。だから企業も庶民も、罰金を払いながら悪事を続ける。公安にしてみれば、罰金は自分達の給料を補填する収入になるから、悪事をしながら罰金を払い続けてくれるのが一番望ましい。だから悪事をしても、営業停止などの厳しい処分は全く無い。) *グエンタンズン首相は、公式訪問でロシアのモスクワに到着した。まず最初はベトナムに関係のある企業、銀行、研究所を訪れ、ベトナム経済の現状を説明し、投資や貿易の拡大を求めた。 *ホーチミン市の市街地にあるThanh Da地区は、1992年に大型行楽地を建設する事が決まった。そして不動産の売買禁止、建物の建設や改修の禁止が命令され、一部の土地は収用された。しかし一向に工事は始まらず、地元の住民は途方に暮れている。同市の地価は急騰しているが、建築規制が厳しいこの地域では、地価が値下がりしている。 *ヨーロッパを公式訪問しているグエンミンチェット大統領は、ロシアからスペインへ到着した。まず国王と会見し、両国の友好を深めた。その後でマドリードの市長とも会談し、貿易や投資を中心に経済関係の強化を話し合った。 *ノンドクマン書記長はDak Nong省も視察し、地元の共産党員と政治や経済について話し合った。マン書記長は、同省は美しい自然を利用し、観光産業を育成するよう指示した。地元の役人は、同省は過去3年間に15.4%の経済成長を達成し、今年も14.6%になると予想を報告した。マン書記長は地元の共産党員を賞賛し、少数民族の文化や伝統を尊重し、彼等の生活改善を図るよう指示した。(訳者注:国家の最高指導者が、国政を投げ出して1週間も地方回り。あからさまな嘘とお世辞のやり取り。同省の年間の税収は3300万ドルで、公務員の給料にもならない。だから役人は、手数料と賄賂で給料を補う。まだ電気の無い世帯が多く、住民は原始的な焼き畑農業で生活している。) *(訳者注:ベトナム政府は、1人当りの月収が都会で26万ドン(14ドル)以下、農村で20万ドン(10ドル)以下を、貧困世帯と呼んでいる。現在は物価の高騰で、20万ドンでは米が12Kgしか買えない。しかしベトナムには、昨年末で貧困世帯が12.1%も有る。こう言う数字を見ると、長年に渡り十数パーセントの経済成長を達成と誇る役人の言葉や、それを賞賛する指導者の言葉が虚ろに響く。) *ロシアを公式訪問しているグエンタンズン首相は、同国の大統領や首相と両国の関係強化について話し合った。ベトナム側はロシアから受けた援助に感謝の言葉を述べ、ロシア側はベトナムの経済発展を賞賛する言葉を返した。 *スペインを公式訪問しているグエンミンチェット大統領は、同国の首相と会談し、更に関係の強化を図る事を約束した。その後でチェット大統領はビジネス会議に出席し、両国の企業家が商談を行うのを見守った。 *国会の常任委員会は会議を開き、今年の総括と来年の計画を話し合った。役人が作成する法律の草案は欠陥が多く、大きな問題だとの意見が出た。また国会が法律を制定しても、関係する政府の機関が実施要項を発表せず、法律が実施できないと述べた。大臣と国会議員の質疑応答は、国民の間から大きな反響が出ており、これは非常に有効だと結論付けた。 *(訳者注:景気の後退と新築マンションの急増で、高級マンションの家賃は急落している。しかし宣伝を見て安易に入居すると、サービス料金の高さに驚かされ、騙されたと憤慨する。また料金の突然の大幅値上げで、大家と住人の紛争が急増している。ホーチミン市は、サービス料金に上限を設定し、契約時の説明を義務付けるなど、サービス料金の規制を発表した。当然の内容だが、赤字に苦しんでいるマンションの経営者は、この様な規制は法律にすべきで、市の通達で規制する事ではないと反対の声を上げている。高級マンションの大半は国営の大企業の経営だから、市は反対の声を無視できない。) *外務省の報道官は、12月7日と8日に南シナ海で操業していたベトナムの漁船3隻が中国側に拿捕され、船の設備や取った魚は全て没収され、3隻の漁船の乗組員43人は、空になった1隻の船に乗って帰って来たと発表した。外務省の報道官は、中国側に2隻の漁船の返還と、この様な事が再び起きないよう要求したと言う。(訳者注:南シナ海は、中国、ベトナム、フィリピンが領海を主張しており、紛争が絶えない。) *ノンドクマン書記長は、シハモニ殿下の招きでカンボジアを訪問している。3日間に渡る公式訪問で、両国の友好と理解を深める。(訳者注:タイとカンボジアの関係が悪化するに連れ、ベトナムとカンボジアの関係が良くなっている。) *ロシアへの公式訪問を終えたグエンタンズン首相はコペンハーゲンへ移動し、国連が開催する地球の温暖化防止の会議に出席している。会議の席でズン首相は、地球温暖化の影響や防止について、ベトナムの取り組みを説明した。 *前の国会で決まった『老人法』は、グエンミンチェット大統領の承認で、来年の7月から有効になる事が正式に決まった。(訳者注:60歳以上の老人は国の援助を受けられるが、具体的な援助は決まっていない。ただ80歳から年金が貰え、90歳の誕生日には地元の人民委員会議長の祝賀状、百歳の誕生日には大統領の祝賀状が貰える。) *ベトナム人民軍の将軍であるThanh防衛大臣は、大勢の軍人と共にアメリカを訪れ、同国の軍人と防衛に関する協力を話し合った。Thanh防衛大臣は、両国は経済面の関係だけでなく、軍事の面でも関係強化を図りたいと語った。 *グエンミンチェット大統領は、公式訪問でスペインからスロバキアに到着した。盛大な歓迎を受けた後で同国の大統領と会談し、両国の友好を更に深めた。更に同国に住むベトキュー(越僑)と会談し、祖国の現状を説明した。 *カンボジアを訪問しているノンドクマン書記長は、盛大な歓迎を受けた後でシハモニ殿下と会談し、両国の友好を深めた。会談の最後にマン書記長は、シハモニ殿下にコンピュータとテレビを1百台ずつ贈与し、友好の意を示した。マン書記長はフンセン首相や国会議員とも会談し、友好と理解を深めた。 *大統領府は、徴兵に関する法律、教育に関する法律、天然資源の税金に関する法律を公布した。これらは来年の7月から有効となる。ベトナムの法律は、国会が可決した後で大統領の承認を受け、正式に公布される。 *政府は、フランスやアメリカとの戦いで手柄を立てた高級軍人をハノイ市に招待し、人民軍の創立65周年を祝う盛大な式典を開催した。グエンフーチョン国会議長も式典に出席し、年老いた英雄を賞賛し感謝する言葉を述べた。 *ベトナムとカンボジアはメコン川で繋がっているが、厳しい検査と規制があるため、現在は船で相手国に入るのは非常に面倒である。両国は規制を緩めて手続きを簡単にし、船が簡単に相手国に進入できるようにする事を決めた。 *財務省は、国民の住居に不動産税を課す法案を提出したが、国会の法務委員会はその法案を否決した。法務委員長は、ベトナムの国民は不動産税を課すほど裕福ではないし、税金を徴収する準備もできていないと語った。
2009.12.19
12月7日-12月12日 *人民軍の陸・海・空軍の代表がハノイ市に集まり、政治について話し合った。Thanh防衛大臣が人民軍の現状を説明し、人民軍は災害時の救援など国家のために様々な活動をしていると語った。会議に出席したノンドクマン書記長は、政府も共産党も人民軍を尊敬し、大きな感謝の気持ちを持っていると挨拶した。(訳者注:人民軍は独自の裁判所を持ち、普通の法律は適用されない。また独自に管理する広い土地を工業団地などに造成し、そこから莫大な収益が上げ、経済にも大きな力を発揮している。) *キューバの外務大臣がベトナムを訪れ、Khiem副首相兼外務大臣と両国の関係強化について話し合った。ノンドクマン書記長もキューバの大臣と会談し、友好を深めた。 *グエンフーチョン国会議長は、2日間に渡ってメコンデルタのHau Giang省を訪れ、地元の共産党員に先日終わった国会の報告をした。その後で経済発展について話し合い、社会基盤を改善して工業を興し、経済を発展させるよう指示した。 *ホーチミン市の人民委員会は会議を開き、役人が現状報告を行った。同市の経済成長は8%、市の歳入は3.8%の増加、公共投資は18.3%の増加、貿易額は322億ドルで輸出は183億ドル、工業生産は240億ドルで、大きな経済発展をしていると報告した。(訳者注:こう言う数字は曖昧で、嘘が多い。メコンデルタの米はホーチミン市を経由して輸出されるから、米の生産はわずかなのに米の大量輸出が報告される。1百万人とも2百万人とも言われる貧しい住民は、不動産も定職も無いから住所登録ができず、市民と認めて貰えない。だから同市に貧困者は居ないと言う報告が出て来る。ベトナムでは、何も彼もが曖昧で嘘がまかり通る。) *北部のVinh Phuc省の住民から中央政府に様々な苦情が寄せられるので、政府は同省の公共事業を調査した。現在同省は工業団地の建設20件を含め、合計179件の公共事業が進行中である。この中で問題のある32件を調べた結果、ほとんどが計画より大幅に遅れ、完成の見通しは無かった。資金の見込みが無いのに始めた事業、当初の計画の不備で実行不可能な事業、更には法律に違反する事業も有った。例えばKim Goa工業団地は1997年に造成が始まったが、途中で作業が中断して現在は荒れ地のままである。また多くの国営企業は、将来の道路建設予定地に家屋を建設するなど、様々な違法行為をしていた。同省はハノイ市の60Km北に在り、多くの外資企業が進出している。 *グエンタンズン首相はハノイ市で開かれた行政改革の会議で、政府の機関や地方の人民委員会に、行政手続きの30%を無くすと同時に手続きの費用を下げるよう指示した。(訳者注:ベトナムは税制が確立していないから税収が少ない。代わりに様々な手続きに高額の手数料を賦課する。出生登録なども費用が高いから、貧乏な世帯は手続きができない。その結果、ベトナムには法律上では存在しない子供が大勢いる。出生登録の無い子供は、政府の社会保証が受けられず学校へも行けない。) *グエンフーチョン国会議長はHau Giang省からBac Lieu省へ移動し、ここでも地元の共産党員に先日終わった国会の報告をし、同省の経済発展について話し合った。地元の役人は、同省は過去十年間に平均13.6%の経済成長を達成し、住民の年間所得は1千ドルに達すると報告した。 *景気の回復で、大都市の工業団地にある工場は生産を増やそうとするが、労働者が集まらなくて困っている。馘首されて田舎に戻った労働者は、直ぐには都会に出て来ない。また年末のこの時期は食品加工業が最盛期を迎え、大量の季節労働者を必要とする。しかし今年は、季節労働者の雇用が非常に難しい。 *ベトナムの職業訓練学校は、高校の入学試験に失敗した生徒の行く所と言う概念があり、全く人気が無かった。しかし最近は、コンピュータの操作などを教える職業訓練学校は人気が出て、高校を卒業しないと入学できない状況になっている。また一部の職業訓練学校は日本の東芝や日産と契約し、工場が必要とする技術を学生に教え、代わりに卒業生を大量に採用してもらっている。こう言う職業訓練学校は、非常に人気が高い。 *(訳者注:戦争や内紛を経験したベトナム人は、金(Gold)に異常な執着が有る。特に最近は金の価格の上昇で、金を保有していた人は利益を得ており、銀行に貯金をしないで金を買う傾向が強くなった。家族や親戚の結婚式では、ご祝儀は現金ではなく金製品が圧倒的である。だから町中には、金製品を売買する金ショップが非常に多い。また銀行や証券会社も金の大量取引に手を出しているが、政府の統制が緩いために取引に失敗すれば本業の金融業に影響が出る。中央銀行は、金の取引規制を強化する計画である。 *グエンタンズン首相はハノイ市で開かれたベトナム弁護士協会の会議に出席し、弁護士も司法の改革に協力して欲しいと語った。政府は2001年から司法制度の改善に力を入れており、弁護士の数もこの間に2.5倍の5800人に増え、国民1万6千人に1人の割合となった。しかしタイの1千5百人に1人と比べ非常に少なく、紛争を法律に基づいて解決するには不十分である。また国内には法律の専門家が少ないから、法律の草案を作成するのに長い時間が掛り、しかも公布される法律には間違いがある。外国との紛争にベトナムの法律家は全く役に立たず、外国人の弁護士を頼むしかない。政府は2020年までに新たに優秀な法律家2万人を養成する計画で、弁護士協会も協力して欲しいと語った。 *ハノイ市の人民委員会も会議を開き、来年の同市の経済成長を9-10%、市民の年間所得を2千ドルに増やす事を決めた。その他にも新たに13万5千人の雇用の創造や、貧困世帯を1.6%減らすなどの目標も決めた。 *ノンドクマン書記長は中部山岳地帯の Dak Lak省を訪れ、地元の役人と政治や経済について話し合った。マン書記長は、コーヒーやゴムなどの商品作物の栽培に力を入れ、継続的な経済発展を図るよう指示した。地元の役人は、同省は近年12-17%の経済成長を達成し、住民の年収は750ドルになったと報告した。 *ラオスのビエンチャンで、第25東南アジアスポーツ大会が始まった。ラオスも国力を付け、国際的なイベントを遂行できるようになった。2万人の観客と5千人の選手が出席し、盛大な開会式が行われた。 *グエンタンズン首相もラオスを訪れ、東南アジアスポーツ大会の開会式に出席した。また開会式の前にラオスの大統領と会談し、両国の友好を深めた。 *政府は経済の悪化を防ぐ景気刺激策として、一定の条件を満たす銀行融資に、4%の利子補填をしている。2月から始まったこの優遇融資は、現在までに合計218億ドルに達した。巨額の資金援助で国庫の準備金が少なくなり、しかもインフレの心配が出ている。政府は短期の融資には、利子補填を止める方針である。 *グエンフーチョン国会議長は、メコンデルタのCa Mau省を視察し、地元の共産党員と政治や経済について話し合った。地元の役人は、同省は急速な発展を遂げ、過去12年間に国民総生産は4.2倍に増えたと報告した。 *ホーチミン市は、今年は市内バスの運行に、予想を上回る4400万ドルの補助金が必要だで、来年は更に多くの補助金が必要になると報告した。市の運輸課の役人は、補助金が不十分だと、バスの運賃を3千ドンから4千ドンに上げる必要が出て来ると語った。 *グエンミンチェット大統領は、公式訪問でイタリアに到着した。同国の大統領と会談し、両国の関係強化を約束した。その後でチェット大統領は、イタリアの経済開発大臣と会談し、更に両国のビジネス会議に出席した。 *ハノイ市にASEAN諸国の運輸大臣が集まり、国際道路の建設について話し合った。ズン首相は開会式に出席し、地域は協力して国際交通網を改善しようと語った。 *ハノイ市は、路上の行商人を厳しく取り締まっているが、効果は全然現れない。路上の物売りは、自分の畑で栽培した野菜を売る農民、あるいは自分で育てた家畜や魚を売る農民である。ベトナムは流通が発達していないから、農民は自ら売らないと販売ができない。いくら公安に脅迫され罰金を取られても、自ら路上で売る以外に販売の方法が無い。また市民も、農民が路上で野菜や肉を売るのを止めたら、食品の購入ができなくなってしまう。路上の行商を無くすのは、非常に難しい問題である。 *ノンドクマン書記長は、中部山岳地帯のKon Tum省を訪れ、地元の共産党員と政治や経済について話し合った。マン書記長は、住民の教育に力を入れ、経済を発展させるよう指示した。地元の役人は、同省は過去5年間に毎年13-14%の経済成長を達成していると報告した。それに対し、マン書記長は役人を賞賛する言葉を述べた。その後でマン書記長は貧しい村を訪れ、村人に贈物を手渡した。(訳者注:ベトナムの政治は、嘘とお世辞と人気取りばかり。) *イタリアを訪問中のグエンミンチェット大統領は、バチカン市を訪れて法王と会談した。ベトナム政府は宗教の自由を認めており、国民は自由に宗教活動をしていると現状を説明し、バチカン市と関係修復を図りたいと語った。法王も、ベトナムと関係強化を進めたいと答えた。その後でチェット大統領は、イタリア共産党の党首、ローマの市長らと会談し、友好を深めた。 *韓国国会の外務委員長が、大勢の国会議員と共にベトナムを訪れ、グエンタンズン首相と両国の関係強化について話し合った。
2009.12.12
11月30日-12月5日 *グエンタンズン首相は南部のTien Giang省を訪れ、メコンデルタとホーチミン市を結ぶ高速道路の建設現場を視察した。更にCan Tho市も訪れ、ガスパイプライン敷設の起工式に出席した。高速道路は、BIDV高速道路開発会社が資金を出して建設し、34年間に渡って通行料を徴収して建設費用を回収する。ガスパイプラインは原油採掘公社が費用を出して敷設する。(訳者注:BIDV高速道路開発会社は、高級役人が出資して設立した民営企業である。役人が特権を利用して設立した民営企業は、既に10億ドル(1千億円)を動かせるほどの巨大企業に育っている。) *アメリカだけでなくヨーロッパ連合(EU)も、ベトナム政府の人権侵害を非難する決議をした。ベトナム外務省の報道官は、ベトナムでは憲法で人権が守られていると、ヨーロッパの非難に反論した。 *グエンミンチェット大統領はホーチミン市の有権者と会談し、先の国会の決議を報告した。多くの有権者は、国会では率直な質疑応答が行われ、非常に印象に残ったと感想を述べた。しかし一部の有権者は、政府は住民の土地を安い補償金で強制収用し、その土地を何年にも渡って放置し、住民の反感を買っている。国会は立派な法律を制定し、国民の不満を無くして欲しいと要請した。 *ASEAN諸国の女性国会議員の代表がハノイ市に集まり、男女平等や女性の地位向上について話し合った。女性のDoan副大統領も、大勢の女性国会議員と共にこの会議に出席した。グエンフーチョン国会議長は、会議の後で外国の国会議員と会談し、友好を深めた。 *Hung副首相は財務省の会議に出席し、来年の国家の歳入を増やすため、税金や関税の徴収額を5-10%増やすよう、全国の関係機関に指示を出した。国の経済を発展させるには社会基盤への投資が必要だが、それには金が掛かる。必要な資金を確保するために、税収を増やす必要があると語った。 *ハノイ市に、中越友好宮殿の建設が決まった。広大な宮殿の中には、事務所、ホテル、会議室など、様々な施設を建設する。敷地はベトナム側が準備し、宮殿の建築費用2160万ドルは、中国政府が提供する。 *運輸省は、ハノイ市を中心とする北部の自動車教習所54か所を調査し、不正に運転免許証を発行していた10か所を、営業停止の処分にした。法律によると、自動車の免許を取得するには50時間の教習が必要で、1時間当たり30万ドンの費用が掛かる。しかしこの規定は、ほとんど守られていない。 *ベトナム退役軍人協会が設立されて20年になり、ハノイ市で盛大な式典が開かれた。ノンドクマン書記長ら大勢の指導者が出席し、軍人は国家に大きな貢献をしていると賞賛の言葉を述べた。そして協会に、独立勲章を授与した。退役軍人協会は250万人の会員が居り、全国に16,000の支部がある。 *国会議員は出身地に戻り、地元の有権者に先の国会の決議を報告している。チェット大統領はホーチミン市で、チョン国会議長はハノイ市で、有権者と報告会を開いた。(訳者注:地元の有権者と言っても共産党の有力者で、一般の住民が大統領や国会議長と話ができる筈がない。書記長、大統領、首相は、国会議員を兼務している。) *前に日銀副総裁を務めた武藤敏郎氏が、日本の金融業界の代表を引き連れてベトナムを訪れ、ベトナムの金融担当の閣僚と両国の経済協力について話し合った。グエンタンズン首相も日本の来賓と会談し、両国の友好を深めた。 *ハノイ市で月例の閣僚会議が開かれ、役人が現状報告を行った。貿易赤字は1百億ドルを越え、輸出の20%に相当する。その結果、国内では外貨が不足し、闇市場ではドンが大きく切り下がっている。また政府が景気の刺激策として巨額の資金を投下しているため、インフレの危険が大きくなっている。グエンタンズン首相は、全ての政府機関と地方の人民委員会に、インフレを無くして経済を安定させるため、全力を尽くすよう指示を出した。(訳者注:経済は、首相の指示だけで安定するほど簡単なものではない。) *ベトナムを援助する外国政府と国際機関の会議が明日から始まるが、その前に国内と海外の企業家がハノイ市に集まり、ビジネス討論会が開かれた。ベトナムの経済発展に必要な事を企業家が提案し、それを政府の政策に反映させる。企業家は、最大の問題は劣悪な社会基盤だと意見を述べた。道路や港湾施設の能力不足や頻繁に起きる停電は、企業の生産活動を大きく阻害している。また面倒な行政手続きや、法律が正しく機能しない状況が、企業家に大きな負担を与えていると述べた。 *ドイツ政府は、ベトナムに1億8千万ドルの優遇融資を行うと決めた。この資金でベトナムの送電網を新しくし、送電ロスを少なくする。 *日本とメコン川流域の国(ベトナム、タイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー)の代表がCan Tho市に集まり、貿易や観光を通して地域を発展させる方法を話し合った。出席者は、日本の資金援助で開発を図りたいと語った。(訳者注:関係国からは大臣が出席したが、日本の代表は外務省の役人。日本は金だけ出すが、政治家の労力は出さないと言う怠慢な態度がいつも現れる。) *ベトナムを援助する外国政府と国際機関の代表がハノイ市に集まり、来年の援助を検討する会議が始まった。その席で世界銀行は25億ドル、アジア開発銀行は20億ドル、日本政府は16億ドルの資金援助を発表した。外国の代表は、世界的な景気の悪化にもかかわらずベトナムは経済成長を続けていると、賞賛の言葉を述べた。しかしグエンタンズン首相は、ベトナムは多くの問題を抱えており、少しでも多くの援助が必要だと語った。(訳者注:日本では去年のこの時期、ベトナムの援助プロジェクトに汚職が発覚し、資金援助を凍結した。しかし直ぐに再開し、最終的に16億ドルの援助を約束した。) *ホーチミン市に関係する役人と国会議員が集まり、外部の住民が同市に転入するのを規制する法律を検討した。近年は外から同市に転入する人が急増し、同市は急激な人口増加で大きな問題が起きている。(訳者注:15年前まで国民には住所変更の自由がなく、自由に住む場所を変える事はできなかった。一方で貧困な農民は、強制的に中部山岳地帯やメコンデルタの南東部へ移住させられた。) *中央政府は国営企業と政府機関の監査を行い、不当な支出3億6500万ドルを発見した。市場を独占する国営企業や、貧困撲滅などを担当する政府機関に、多額の不当な支出が有った。 *ホーチミン市には、私立の大学と同じく私立の高校もたくさんできた。今では高校生の18%は私立の高校に通う。しかし私立の高校は、設備が非常に劣る。まず自前の校舎が無い。ビルの空き部屋を借りて教室にし、一つの高校が数か所に教室を持つ。そして体育館も校庭も無い。また借り部屋の都合により、教室は頻繁に変わる。待遇が悪いから、教師も頻繁に変わる。ほとんどの私立高校は小規模で、学生の数が1百人未満と言う高校もある。これらの高校は学生が集まらないから、他の高校を退学になった学生を受け入れる。同市には学校の設立基準が有るが、全く守られていない。なぜこの様な高校の設立が許可されたのか、本当に疑問である。 *ベトナムの援助国・機関の会議で、その他の国も援助額を発表し、最終的にベトナムは80億6千万ドルの資金援助を受ける事が決まった。これは過去最高の金額である。 *ノンドクマン書記長は北部のThai Nguyen省を訪れ、地元の国会議員と共に有権者に先の国会の決議を説明した。地元の住民は、共産党と政府は立派な政治を行い、ベトナムが益々発展するのは非常に喜ばしい事だと意見を述べた。 *日本経団連の御手洗会長がベトナムを訪れ、グエンミンチェット大統領と会談した。両国の緊密な関係を祝福し、今後は更に関係を強化する事を約束した。 *ヨーロッパ諸国(EU)が発表した新しい規定によると、海産物を輸出する企業は、どの漁船がどこの海域でいつ取った魚か、輸出書類に明記する事が求められる。しかしベトナム政府は指導を怠り、漁民はそんな規定は全く知らない。この規定は来年の1月1日から有効になるので、水産物の輸出に大きな障害が出る。 *北部は雨季の降水量が少なく、今年は深刻な旱魃に見回れる危険がある。紅河の水深は過去最低で122cmしか無い。上流にあるダムも、蓄えた水は例年より少ない。既に紅河では大型の貨物船の運行が止まり、輸送にも影響が出ている。農業省は農業用水が不足する地域に、稲の代わりにモロコシを植えるよう指示を出した。 *今年になってホーチミン市のタンソニャット飛行場で多額の現金を持ち出そうとし、税関に見つかった外国人は12人で、違反金の合計は40万ドルに達する。外国人が申告しないで持ち込んだり持ち出したりできる金額は、1人7千ドルまでである。税関は外国人の現金持ち出しを、更に厳しくチェックする方針である。
2009.12.05
11月23日-11月28日 *政府はベトキュー(越僑)1500人をハノイ市に招待し、大規模な大会を開いた。招待されたのは、金の有る企業家や学識者である。大会に出席したグエンミンチェット大統領は、ベトキューも国家の重要な一員だと述べ、政府は彼等を歓迎すると挨拶をした。そして共産党が導入したドイモイ政策のお陰で、ベトナムは大きな経済発展を遂げたと説明し、ベトキューも祖国の発展のために協力して欲しいと要請した。 *国会は、土地使用税と不動産税の改定について協議した。しかし多くの国会議員は、法律は実行不可能で、まず現状を変えないと課税はできないと意見を述べた。現在は土地や家屋の登記がされておらず、正式な所有者が判らない状態では、税の徴収は難しいと意見を述べた。不動産の登録に何か月あるいは何年も掛かる現状を改め、早く不動産の所有登録を完了し、それからでないと課税はできないと述べた。 *グエンタンズン首相は北部Phu Tho省の役人をハノイ市に呼び、一緒に同省の経済発展について話し合った。中央政府は貧困な同省に特別な待遇を与えるから、早急に社会基盤を充実させ、産業を起こすよう指示した。地方の役人は、同省は過去4年間に10%以上の経済成長を達成し、今年は7.4%の経済成長を実現する予定だと報告した。ズン首相は役人を賞賛し、早く他の地域に追い着くよう指示した。(訳者注:嘘とお世辞ばっかり。何年も高度成長を続けたと言うが、住民の平均年収は数百ドルである。) *ベトナムの技術力は、タイやマレーシアなどの近隣諸国と比べ、大幅に劣る。だからベトナムの機械の輸出は20億ドルだが、その輸入は2百億ドルを越える。ベトナムは機械を製造すると言っても、ほとんどは海外から部品を輸入し、それを組み立てるだけである。 *ハノイ市で踏切りの遮断機が壊れており、注意の看板に気が付かず鉄道を渡ろうとしたマイクロバスが列車に跳ねられ、乗客ら7人が死亡、10人が重傷を負った。 *田舎の役人は、工業団地を作れば直ぐに工業が発展すると考え、たくさんの工業団地を造成した。メコンデルタでは156か所に工業団地が出来、その敷地の合計は1万3千ヘクタールに達する。しかし89ヶ所には企業が全く進出せず、8千ヘクタールの敷地は荒れ地に変わった。敷地が完全に埋まった工業団地は一つもない。大型トラックが進入できない土地に工業団地を造成するなど、無計画な開発が非常に多い。かつては農地だった所が多く、土地を失った農民は貧困に陥っている。経済発展のつもりの投資が、実際は経済を阻害している。 *ノンドクマン書記長は、南部解放戦線の退役軍人をハノイ市に招待し、彼等の貢献を賞賛した。彼等は既に老齢で、健康上の問題や経済的な問題を抱えているが、これからも頑張って国家のために貢献して欲しいと、挨拶をした。 *国会は医薬治療法の改定を承認し、一定の条件を満たせば病院で働く医者は、自宅でも診療できようにした。その後で老人法、通信法、軍人法の改定も圧倒的多数で承認し、更に食品衛生法の改定を検討した。 *ベトナムでは主要都市に国営の中央病院があり、地方には国営の診療所がある。しかし診療所とは名ばかりで、医療設備はほとんど無く、医師に代わって高卒の看護婦が簡単な治療を行うだけである。だから患者は、数が少ない中央病院に殺到する。中央病院はいつも満員で、入院患者は廊下に置いた簡易ベッドを使っている。外来の患者は何時間も待たされ、しかも数分の診療で終りになる。グエンタンズン首相は保健省に、現状を改善するよう指示を出した。 *先週の国会で議員は、農民は銀行の融資が受けられないと不満を述べた。これを受けて中央銀行は公式文書No.9104/NHNNを公布し、農民へ融資を行うよう商業銀行に指示を出した。(訳者注:政府は頻繁に指示を出すが、そのほとんどは無視される。首相や大臣も形式的に指示を出すだけで、守らせる気は無い。) *ASEANと中国の司法関係者2百人がハノイ市に集まり、国際犯罪の防止について話し合った。各国は協力して、国際犯罪を防止する事を約束した。(訳者注:中国は東南アジアで、活発な活動を展開している。一方で日本は、金を出す以外は何もしない。) *国会は、省エネ法と身体障害者法を検討した。ベトナムは電力不足で、頻繁に停電が起きる。停電を減らすには、発電所の建設と同時に節電が必要である。身体障害者に公的援助を与える法律は十年以上も前にできたが、実際は何の援助も行われない。政府は改めて新しい法律の草案を発表したが、この2つの法案は別の法律と重複している上に、分かりにくい規定が多いので実行は難しいと、国会議員は意見を述べた。 *中央銀行は、ベトナムドンを3.44%切り下げた。今まで1ドルは17,034ドンだったが、今後は17,961ドンになる。また変動の幅を、5%から3%に狭くした。だから一般の銀行は、17,422ドンから18,500ドンの間でドルの売買ができる。中央銀行は同時に、公定歩合を12月1日から8%に上げると発表した。(訳者注:1ドルは 17,422-18,500ドンだが、現在はドルが不足しているので、上限の18,500ドンを基準にして売買が行われる。実際に銀行でドンをドルに変えようとすると、売買には手数料が加わるとの口実で、2万ドン近くを出さないとドルは買えない。) *インドネシアの外務大臣がベトナムを訪れ、Khiem副首相兼外務大臣と両国の関係強化について話し合った。グエンタンズン首相もインドネシアの外務大臣と会談し、両国の友好を深めた。 *統計局は、11月の消費者物価は0.55%の上昇で、今年になって 6.9%の値上がりだと発表した。 *国会は、中部のNinh Thuan省に原子力発電所を建設する計画を承認した。108億ドルの資金で2014年に建設を始め、2020年に完成する予定である。 *ベトナムの11月までの輸出は514億ドルで、去年と比べて11.4%の減少である。今年の輸出は560億ドルになる見込みで、政府の目標645億ドルを大幅に下回る。11月までの輸入は616億ドルで、17.9%の減少である。 *11月までに許可を出した外国投資は197億ドルで、去年の同時期の28%にしかならない。最大の投資国はアメリカである。実際に行われた投資は90億ドルで、これも去年より11%減った。 *国会は、食品の安全性について話し合った。ベトナムでは食品に有害な着色剤や防腐剤が大量に使われ、人体に害を与えている。また路上の屋台は冷蔵庫が無く、バケツの汚い水を繰り返し使って食器を洗うから、細菌による食中毒が頻繁に起こる。様々な機関が有害な食品を取り締まるが、罰金を取るだけで総合的に衛生を管理する機関は無い。国会は保健省に、食品の安全性に全面的な責任を持たせる事を決めた。 *国連のユニセフはハノイ市で、労働福祉省、計画投資省などの役人と、子供の貧困を無くすための会議を開いた。ベトナム政府は、ベトナムの貧困な子供は4百万人だと言うが、寝る場所が有るか、清潔な飲料水が有るか、教育が受けられるか、栄養失調ではないかなど、総合的に考えると7百万人の子供が貧困に分類される。ユネスコはベトナム政府に、国際的な標準に合わせて対策を取るよう要請した。 *ホーチミン市ではオフィスビルが続々と完成し、同時に部屋代は急落している。最近完成したAsiana Plazaは床面積が25,700平米もあり、テナントを集めるために部屋代を低く押さえているが、それでも部屋は埋まらない。高級オフィスビルの賃貸料は、2008年は平米当たり60-100ドルだったが、今では40-70ドルである。 *今年になって鉄道の事故は約4百件あり、180人が死亡し260人が重傷を負った。事故の90%以上は、踏切りの事故である。昔に作った線路沿いの柵は壊れ、私設の踏切りがたくさん有る。そこには遮断機が無いから、不注意により直ぐに事故が起きる。 *国会が終り、グエンフーチョン国会議長が閉会の挨拶をした。提出された法案と改定は、全て圧倒的多数で可決された。また来年の経済成長やインフレ抑制の目標を決め、国会は大きな役目を果たしたと賞賛した。 *国連の機関と援助国の代表は、ベトナムの行政改革に関する会議を開いた。出席した外国の代表は、ベトナムの役人の事務能力は極端に劣り、行政改革を行うには役人の能力を高める事が何よりも必要だと語った。役人は罰金や賄賂を取るだけで、効率の良い行政を行う能力は全然ない。 *ホーチミン市のCan Gio地区のサイゴン川で、燃料運搬船と貨物運搬船が衝突した。破損した燃料運搬船から50立米の石油が流れ出て、それに火が着いて燃えた。消火船や救助艇が出動し、乗組員を救出した。幸い死者や負傷者は出なかった。 *調査の結果、野生の象は過去5年間に半減し、現在は80頭しか居ない事が分かった。森林が切り開かれて農地になり、象の住める場所が減った。象は食べ物が無くなり、人里に出て来て農作物を荒らす。その結果、農民に殺されてしまう。
2009.11.28
11月16日-11月21日 *シンガポールで開かれているAPECサミット会議には、グエンミンチェット大統領が出席している。会議の合間に各国の首脳と会談し、友好と理解を深めた。各国はベトナムの経済発展を賞賛した。 *韓国の国会議長がベトナムを訪れ、グエンフーチョン国会議長と両国の関係強化について話し合った。そして両国の貿易を、年間2百億ドルに増やす事を約束した。ノンドクマン書記長も韓国の国会議長と会談し、両国の友好を深めた。(訳者注:韓国でベトナム戦争に参戦した退役軍人の大会が開かれ、同国の指導者は軍人を、国際平和に貢献した英雄と述べて賞賛した。このニュースを知ったベトナムの指導者は、「侵略の戦争に加担して出兵し、何が国際平和に貢献か」と噛付いた。韓国は直ぐに大統領の勅使をベトナムに派遣し、平謝りに謝った。今回の国会議長の訪問も、その延長線上にあるらしい。) *ホーチミン市労働組合の委員長によると、今年になって経営者が夜逃げをした外国企業は、同市だけで10社になる。資産はそっと売却し、社員の給料も税金も払わず自国へ逃げ帰ってしまう。しかし経営者の夜逃げに関係する法律がなく、ただ皆が困った困ったと言うだけで何もできない。夜逃げは民事事件で刑事事件ではないから、外国政府に経営者の引き渡しを要求する事もできない。(訳者注:ホーチミン市だけで夜逃げは10社、正式に会社を清算して引き上げる外資企業は何十社、あるいは1百社を越える。ベトナムに会社を設立し、利益を上げるのは非常に難しい。) *フィンランドの首相がベトナムを訪れ、グエンタンズン首相の出迎えを受けた後、両国の関係強化について話し合った。両者は貿易と投資を拡大し、早い段階に年間の貿易額10億ドル、フィンランドの投資合計10億ドルを達成する事を約束した。更にフィンランドの側は、技術や教育の面でベトナムを援助する事も約束した。ズン首相は、フィンランドの援助に感謝の言葉を述べた。 *シンガポールで開かれたAPECサミット会議に出席したグエンミンチェット大統領は、Khiem副首相兼外務大臣、Hoang商工大臣、Ninh財務大臣らと共に、両国の合同会議を行った。両国の経済関係を深める事や、教育、交通、観光などの面で協力する事を約束した。 *国会では、国会議員と閣僚の質疑応答が始まった。グエンフーチョン国会議長によると、国会議員が提出した質問書は合計254通あり、この中から閣僚が126通を選んで答弁書を作成したと言う。そしてこれらの質問書と答弁書は、国会で国会議員と閣僚が相互に読み上げる。中央銀行総裁、通信大臣、商工大臣、内務大臣らが登壇し、国会議員の質問に答える。質疑応答は、これから3日間続く。 *政府とハノイ市はインフレを押さえるため、同市にあるスーパーなど大型商店に呼び掛け、週末に一斉に大安売りを行った。政府主催の大安売りだから、市民は大型商店に殺到した。商店の付近はバイクや自転車で大渋滞、商店の中は身動きができないほどの大混雑。押されて転んで怪我をしたり、気分が悪くなって失神したり、大混乱となった。大勢の公安が出て整理に当たったが、効果は無かった。思い付くままに準備もなく行事を行うから、色々な問題が出て来る。 *現在ベトナムの公定歩合は7%で、中央銀行は融資の最高利息は公定歩合の1.5倍、10.5%と決めている。しかしこれは全然守られず、10.5%の正式利息に加えてかなりの裏金や裏金利を払わないと、銀行の融資は受けられない。銀行預金の利息も、中央銀行の指導にもかかわらず10%を越えた。 *ホーチミン市にフィンランドとベトナムの企業家が集まり、合同の経済会議を開いた。フィンランドの首相も出席し、公害の防止や地球温暖化の問題について演説し、環境を破壊しない産業には積極的に援助すると語った。 *(訳者注:病院の汚職が大きな問題になっている。まず病院へ行ったら受付をするが、この時に『お茶代』を渡さないといけない。多額のお茶代を渡せば直ぐに治療を受けられるが、お茶代を渡さないと数時間は待たされる。治療を受ける時には、看護婦に『心付け』を渡さないといけない。そうしないと医者は患者に十分な注意を払わない。病院へ行くと、正式な治療費の他に多額の雑費が掛かる。) *アメリカのある慈善団体は、世界の貧しい人々のために住居を建設している。その団体の役員である前アメリカ大統領のカーター氏が、ベトナムで慈善活動を行うためにハノイ市を訪れた。グエンミンチェット大統領はカーター氏と会談し、ベトナム政府は有利な条件を作るから、ベトナムで積極的に慈善事業をして欲しいと要請した。 *国会で行われている質疑応答の3日目は、グエンタンズン首相が登壇して国会議員が提出した15の質問に答えた。汚職の問題、土地使用の問題、貧困撲滅、省エネなどについて国会議員が質問をし、ズン首相が答弁を行った。それ以外に11通の質問書が有ったが、時間が無いので後で答弁書を国会議員に手渡すことを約束した。 *ブラジル下院の外務委員長がベトナムを訪れ、グエンフーチョン国会議長と両国の関係強化について話し合った。経済的な関係を深めて貿易や投資を拡大するため、互いに努力する事を約束した。 *ホーチミン市のThi Nghe川に架かる橋に、大型の貨物運搬船がぶつかり、橋の一部が損傷した。調査の結果、2ケ月に渡る大規模な修理が必要だと判った。一時は橋が閉鎖されたが、同市の交通に大きな障害が出たため、大型車両を除いて通行が再開された。 *地方の役人は、ゴルフ場を建設するために広大な農地を接収したが、建設計画が進まず、農地を失った農民は貧困に陥っている。グエンタンズン首相は政府の通達を公布し、米の二期作が可能な農地をゴルフ場に変える事を禁止した。(訳者注:地方の役人は、人口数十万人の地方都市に、ゴルフ場を2つも3つも建設する計画を作った。計画に基づいて接収した土地のほとんどは、放置されて荒れ地に変わっている。) *ハノイ市の下町には、昔からの古い町並みが残っている。同市はこれを保存するため、建物の高さを制限している。しかしその制限は全然守られず、高い塔のような家屋が林立している。政府は、制限に違反している部分の取り壊しを命じた。(訳者注:地元の役人は、賄賂と罰金を払えば何でも許す。しかし今回は中央政府が乗り出して来たから、法律違反は厳しく処罰される。) *財務省と商工省の協議で、燃料の値上げが決まった。今年になって9回目の値上げである。リットル当たりの新しい価格は、ガソリンが16,300ドン、ディーゼル油が15,200ドン、石油が14,300ドンである。 *国会は、来年の計画を検討した。まず常任委員会が来年の方針を説明し、国会議員が意見を述べた。「委員会は草案の提出が遅く、国会議員は検討する時間が無いまま裁決を迫られる。草案を作成する委員の能力が低く、他の法律と矛盾する規定や曖昧な規定が多すぎる」と批判した。 *計画投資省はハノイ市で、今年の業績を評価し、来年の計画を検討する会議を開いた。Phuc計画投資大臣が様々な報告をした後で、グエンタンズン首相は来年の経済成長の目標を6.5%にすると発表し、政府の機関に目標を達成するための具体的な計画を作るよう指示した。 *中国の雲南省から港湾都市ハイフォンまで、東西回廊と呼ばれる国際道路がある。最近は国際機関の援助で大規模な改修が行われ、大型トラックも通過できるようになった。この道路が通過する地域の代表がハノイ市に集まり、雲南省の代表も招いて道路の有効な利用について話し合った。会議に出席したKhiem副首相兼外務大臣は、この道路を用いて中国との交易を、一層拡大するよう指示した。 *メコンデルタは海抜が低いから、乾季になって川の水位が下がると、海水が川を逆流して農地に浸入し、農作物は大きな被害を受ける。川に水門を作って逆流を防ぐが、建設費用が巨額になる割に効果は少ない。Kien Giang省では、国際機関の資金援助で塩分に強い作物を開発し、海水が浸入する農地の有効利用が始まった。 *ハノイ市では、地元の公安の許可を得て使用料を払えば、歩道をバイクの駐車場にできる。しかし使用料の規定が曖昧で、実際は公安の役人の判断でどうにでもなる。(訳者注:賄賂で使用料が決まる。)同市は歩道の使用料を明確にし、その料金を確実に市に納入させる事を決めた。
2009.11.21
11月2日-11月7日 *東京で開かれていたメコン川流域の援助会議が終わった。会議に出席していたグエンタンズン首相は、日本の鳩山首相と会談して両国の友好を深めた。ズン首相は日本の援助に感謝の言葉を述べ、鳩山首相はベトナムの経済発展を賞賛した。 *国会は、北部Lai Chau省に大型水力発電所を建設する案を検討した。国会議員は、約1330世帯の移転が必要になるが、その賠償や代替地に関する紛争が起きないよう、十分に準備を行うよう注意を促した。また一部の国会議員は、隣のSon La省で現在大型の水力発電所の建設が行われており、これが完成してから着工すべきだと意見を述べた。 *ホーチミン市は、度重なる警告を無視して公害を引き起こしている市内の工場51社を、一時操業停止にした。電力公社と共同で、これらの工場への送電を止めた。 *ホーチミン市では、建設現場の事故死が急増している。9月までの死者は87人で、去年より大幅に増えた。建設会社は安全設備を備えず、労働者は無知で無鉄砲な事をやる。現場監督は事務所で仕事をし、暑くて汚い建設現場には出て来ない。 *政府の積極的な宣伝で、ホーチミン市の Quang Trungソフトウェア団地には、今までに約1百社が進出した。その半数は外資企業である。しかしベトナムには優秀な技術者が居ない上、最近の世界的な不況で仕事が無く、撤退する企業が相次いでいる。団地の管理者は政府に、ソフトウェア以外の分野の企業もここに進出できるよう、政策を変えて欲しいと要請した。(訳者注:ベトナム人は英語ができないし、学校の勉強は暗記力を養うだけ。IT関係の技術レベルは非常に低い。ベトナムでIT産業を起こすのは、とても難しい。) *(訳者注:ベトナムで開かれていた、アジア室内スポーツ大会が終わった。メダルの数で1位は中国、2位は開催国のベトナムである。日本は、韓国はもちろんタイやインドネシアにも抜かれ、11番目だった。連日ベトナムと中国の選手の活躍が新聞に掲載されたが、日本の選手に関する記事はほとんど無かった。既に日本は、ベトナムの庶民にとって関心の薄い三等国、日本の将来を暗示している様である。) *11月10日はカンボジアの独立記念日、マン書記長とチェット大統領は同国のシハモニ殿下に花輪を送り、同国の発展を祝った。グエンタンズン首相は同国のフンセン首相にっ祝電を送り、独立記念日を祝った。(訳者注:従来はカンボジアとベトナムの関係は険悪で、カンボジアとタイの関係は良好だった。しかし最近はカンボジアとタイの間で様々な紛争が起き、関係が悪化した。ベトナムはこれを機に、カンボジアとの友好回復のために積極的な外交を始めた。) *(訳者注:数年前までは、国営企業は4千社程あった。しかし政府は株式を売却して国営企業を民営化し、重要な分野の企業は親会社と子会社の関係で統合し、現在では国営の公社は90社に減った。また従来の公社と言う名前も止め、グループ企業と呼ぶようになった。しかし政府の調査によると、グループ企業の効率は非常に悪く、改革をしなければ生き残れない。現在の国営企業は、国から無償で貸与された土地を高い料金で民営企業に又貸ししたり、貿易、建設、出版などの分野で政府の許可が取れない民営企業に名義を貸し、高い料金を取って収入にしている。国から与えられた特権が無ければ、国営企業は生き残ることができない。) *ベトナムは今まで、中国の大学に留学して医学部を卒業すれば、国内で医者と認めていた。しかし最近は闇市場で中国の大学の卒業証書が売られており、本当に大学を卒業したのか疑わしい人が多い。とにかく中国の医学部を卒業した医者の能力は、極端に劣る。保健省は当分の間、中国の医学部を卒業しても、医者とは認めないと決めた。) *(訳者注:ベトナムには、企業の社会保健の一環である健康保険と、国民が自分の意思で加入する任意の健康保険がある。しかし病院と保健省の協力関係が無く、健康保険はほとんど機能していない。病院が保健で患者を治療しても、国は割引分を完全には補填しない。また病院は架空の診療で、国から保険の治療費を騙し取ろうとする。様々な理由で、最近は多くの病院が、健康保険による治療を受け付けなくなった。) *国会は、中央銀行法の改定を検討した。中央銀行は財務省の下部機関ではなく、同省と同等の独立した機関で、独自の考えで金融政策を行えるようにする。中央銀行は一般の商業銀行に対し、どの様な権限と責任を持つべきか、国会議員は様々な意見を述べた。 *11月11日は、祖国戦線の創立記念日である。ノンドクマン書記長はハノイ市、グエンミンチェット大統領はPhu Tho省で開かれた記念の式典に出席し、この日を祝った。マン書記長は、ベトナムが独立できたのは、国民が共産党の下で一致団結して戦ったからだと述べ、今後も団結して経済発展を進めようと挨拶した。 *国会では常任委員会や経済委員会が、来年の経済政策、国債発行の計画、国策事業の概要などについて説明した。それについて国会議員が様々な意見を述べた。最後に来年の予算を承認し、財政赤字を国民総生産の6.2%以下に抑える事を決めた。 *東京で開かれたメコン川流域の開発会議の後、ベトナムの副財務大臣は日本政府や国際協力銀行(JICA)の代表と資金援助について協議し、13億ドルの優遇融資を獲得した。この資金は、民営企業の援助、企業の節エネ、公害防止、発電所の建設などに使う。 *ハノイ市の教育部が、市内の語学学校で教える外国人教師を調べた結果、70%は労働許可を持たない違法労働者だった。労働許可を取るには、医師の健康診断書など様々な書類が必要で、多額の費用と何か月もの時間が掛かる。語学教師は観光ビザで入国して教え始め、労働許可が出る頃には辞めてしまう。 *フランスの首相がベトナムを訪れ、飛行場でグエンタンズン首相の出迎えを受けた後、両国の関係強化について話し合った。フランスの首相は、ベトナムの経済発展や国際的な地位の向上を賞賛した。ズン首相は、フランスを特別に優遇するから、投資や貿易を拡大して欲しいと要請した。ノンドクマン書記長もフランスの首相と会談し、両国の友好を深めた。 *国会は、養子縁組法の改定を、圧倒的多数で可決した。その後で国会の役員が、ベトナムの経済状況や公共事業の進行状況について説明し、国会議員は質問をした。 *中部山岳地帯のGia Lai省で、国際ゴング祭りが始まった。ゴングは少数民族の楽器で、3千年の歴史がある。文化観光省と地元の人民委員会は、ラオス、カンボジア、ミャンマー、インドネシアなどから、ゴングを使う芸能人を招請し、合計1千人の芸能人がゴングを使った音楽を披露する。この祭りは、観光産業の促進も兼ねている。 *ユニセフの調査によると、2001年にベトナムには栄養失調の幼児が31%も居たが、今では20%に減った。しかし発育不良の幼児はまだ非常に多く、世界でも最悪の国家に入る。これは親の無知が原因で、蛋白質やミネラルの摂取が少ないからである。母親は子供に母乳を与えず、哺乳瓶に砂糖水を入れて飲ませたりしている。 *国会は発電所の建設を検討し、政府が提案したLai Chau省の水力発電所、Ninh Thuan省の原子力発電所の建設を、圧倒的多数で承認した。水力発電所の建設では、いつも住民の移転が大きな問題になると述べ、国会議員は十分な準備をしてから工事を行うよう意見を述べた。原子力発電所の建設では、ベトナムには原子力に関する知識が無く、技術者も居らず、その上に資金も無い点を取り上げ、やはり準備が必要だと意見を述べた。 *農業省は、収穫した農作物の保存と流通を改善するため、今後10年間に23億ドルを投資する計画を発表した。現在は収穫した米の13-15%は黴が生えたり鼠に食べられたりして無くなり、野菜や果物は消費者に渡る前に全体の20%が腐ってしまう。*フランスの首相に同行してベトナムを訪れている同国の企業家は、ベトナムの企業家とビジネス会議を開き、95億ドルの商談を決めた。フランスの首相は、発電、金融、通信、都市開発などの分野で、フランスは積極的にベトナムに協力するつもりだと語った。 *ホーチミン市の水道公社は、水道料金の大幅値上げを申請していたが、同市の人民委員会は承認を渋っていた。そこで水道公社は祖国戦線に依頼し、祖国戦線の決定で、水道料金は毎年10%ずつ値上がりする事が決まった、と報告した。(訳者注:水道料金を決めるのは、市の人民協議会である。しかし現在は人民協議会が機能していないから、普通は市の人民委員会が決める。しかし庶民の日常生活に関係する法律は、祖国戦線にも決定権がある。また同市は中央政府の直轄都市だから、中央政府も水道料金の決定権を持つ。様々な機関が入り乱れて法律を公布するから、ベトナムの政治は非常に分かりにくい。)
2009.11.14
11月2日-11月7日 *共産党の外務委員会は、創立60周年を祝う盛大な式典を開いた。ノンドクマン書記長は式典に出席し、外務委員会は国家の外交に大きな貢献をしていると賞賛の挨拶を述べた。(訳者注:外交を担当する機関は、外務省、国会の外務委員会、共産党の外務委員会があり、重複して外交に当たる。ベトナムの政治は、様々な機関が重複して業務を行うので、矛盾する政策がたくさん出て来る。また責任の所在が分からず、非常に分かりにくい。) *デンマークの女王夫妻が、皇太子と共に公式訪問でベトナムを訪れた。文化大臣など政府の高官や、大勢の企業家も女王に同行している。 *グエンミンチェット大統領は、北部のHoa Binh省の水道水供給の建設現場を訪れ、現場で働く労働者を激励した。その後で建設を請け負っている建設貿易公社のハノイ本社を訪れ、同公社は社会基盤の建設に大きな貢献をしていると賞賛の言葉を述べた。(訳者注:書記長、大統領、首相ら政府の指導者は、全員が国会議員を兼務している。現在は国会が開かれているが、チェット大統領は開会式に出席しただけで、その後は国会に顔を出さない。政府の機関や企業などに出向いて、賞賛の言葉を述べながら表彰状を渡している。) *中部のKhanh Hoa省で、大型貨物船が接岸できる水深のある大型港湾施設の建設が始まった。起工式に出席したグエンタンズン首相は、これは国家の貿易に関係する非常に重要なプロジェクトだと述べた。一期工事は、2013年に終わる予定である。(訳者注:ベトナムには、大型貨物船が接岸できる港は一つも無い。だから輸出する貨物は小型の貨物船でシンガポールや香港に運び、そこで大型船に乗せ替えてヨーロッパやアメリカに輸送している。だからベトナムの貨物は、輸送に時間が掛かりコストも高くなる。) *ベトナムには、先進国にも負けない立派な公害防止の法律がある。しかしその法律は完全に無視され、公害は重大な問題となっている。特に大都市を流れる河川は、最悪の状態になっている。汚水処理の施設はほとんど無く、あらゆる廃水や汚水が河川に排出される。内外の科学者は、公害防止の厳しい対策を取るよう政府に具申した。 *ホーチミン市のタンソニャット空港で、133,000ドルの現金を国外へ持ち出そうとした中国人が、税関に見つかった。出所を示す書類が無かったので、この現金は7000ドルを除いて押収された。(訳者注:押収された現金はどうなるのか、明確な法律が無い。所持者が泣いて訴えれば、半分くらいは返してくれるかも知れない。反抗的な態度を取れば、全額没収になるかも知れない。役人の考え次第である。) *ノンドクマン書記長、グエンミンチェット大統領、グエンタンズン首相、グエンフーチョン国会議長が、それぞれ個別にデンマークの女王と会談し、両国の友好を深めた。デンマークの援助に感謝の言葉を述べ、更に援助を拡大して欲しいと要請した。 *週末に東京で、メコン川流域の開発会議が開かれる。日本政府はこの地域の国に、大きな援助を約束している。グエンタンズン首相は坂場大使と会談し、日本政府に感謝の意を伝え、更に援助を拡大して欲しいと要請した。 *国会ではCuong法務大臣が、養子縁組の法律の改定について説明した。現在は大勢の外国人がベトナムの子を養子にするが、仲介する機関や役人が巨額の手数料を取り、人身売買に近い形になっている。国会議員は、ベトナムの子供はベトナム人の養子にすべきで、外国人との養子縁組は規制すべきだと意見を述べた。 *政府は南北を結ぶ国道一号線の拡張と改修を、国家事業として進めている。実際に工事を担当するのは地元の人民委員会だが、様々な問題が生じて工事は各地で大幅に遅れている。中央政府は特にひどい中部のQuang Tri省を叱責したが、地元の人民委員会と運輸省傘下の建設会社の話し合いがつかず、工事の見通しは全く立たない。また土地の強制収用の補償金で、住民と人民委員会が揉めている。(訳者注:ベトナム人は、皆で協力する事、将来の計画を作る事が本当に下手である。報告、相談、連絡が全くできない。) *(訳者注:最近ホーチミン市の道路は、工事のために各地で幅が狭まり、大きな渋滞が起きている。日本なら数日で終わる工事が、ベトナムでは何週間も掛かる。工事と称して道路の半分以上を柵で囲い、酷い渋滞を起こしていながら何日も工事をしないで放って置くのを見て、住民は怒り心頭に発している。同市の人民委員会には、住民の怒りの手紙、電話、メイルが毎日山のように届く。同市の計画投資部は記者会見を開き、「同市は現在3981件の公共事業を行っているが、公共事業の担当者は58人だけ。工事の進行を監督するのは全く不可能だ」と弁解した。) *カンボジアの副首相がベトナムを訪れ、グエンタンズン首相と両国の関係強化について話し合った。また両国の国境を示す仮設の杭を、カンボジアの住民が抜き取ってしまった問題を協議し、両国の友好を深め、再びこの様な事件を起こさない事を約束した。 *国会は、天然資源の採掘税を検討した。国会議員は、法律を改定して地下資源の採掘税を明確に決める必要があると意見を述べた。(訳者注:法律は非常に曖昧で、様々な違法行為が行われている。地下資源の採掘税は国会が決める事になっているが、実際は政府の機関が勝手に決め、勝手に税を徴収している。特に原油の採掘は税金の面で特別な優遇を受けており、原油採掘公社が上げる巨額の利益の一部は、政治家に献金されている。だから原油採掘公社の経理は、国家の最高機密である。) *ノンドクマン書記長は中部山岳地帯のDak Lak省を訪れ、地元の役人や共産党員と経済発展について話し合った。マン書記長は、観光産業の他にコーヒーや天然ゴムの栽培で、経済を発展させるよう指示した。 *中部を襲った台風Mirinaeにより、現在までに31人の死亡と21人の行方不明が報告されている。家屋や農作物に対する被害も甚大である。また道路は崖崩れで寸断され、孤立している地域が多い。電気も電話も使えない状態になっている。 *(訳者注:味の素を製造する台湾のVedan社は、汚水を垂れ流して大きな公害を引き起こしていた。しかしこの企業は多額の罰金や賄賂を支払い、地元の役人と非常に友好的な関係にあった。その地元の役人の推薦により、Vedan社は国家に貢献した優良企業に選ばれ、政府から表彰された。これを知った地元の農民は、大きな損害を農民に与えながら優良企業とは何事だと、中央政府に申し立てを行った。中央政府も地元の役人の酷さに気付き、Vedan社の表彰を取り消し、推薦に関係した役人を処罰する事を決めた。) *中部のQuang Ngai省でも、不正に土地を使用している国営企業から、土地を取り戻す事を決めた。多くの国有企業は、自らの事業のために使うと称して国家から無償に近い価格で土地を借り、それを民営企業などに高い料金で又貸し、大きな利益を得ている。そんな土地は、同省だけで合計1百ヘクタールに達する。 *中部を襲った台風Mirinaeで、死者は90人を越え、行方不明者も40人近くに達した。被災地は道路が寸断され、電気も電話も使えない状況なので、詳しい状況は不明である。グエンタンズン首相は関係機関に、全力で救援活動を行うよう指示を出した。 *国会議員は、付加価値税法と法人税法の改定を検討したが、法律の規定は現実を無視した机上の案で、実行が不可能と見なして承認を見送った。(訳者注:付加価値税法と法人税法は、去年から有効となっている。しかし実施する事ができず、多くの企業が税金を払っていない。新しい改定も不十分で承認されず、税金の全面的な徴収はいつからできるのか、見通しは全く立たない。) *グエンタンズン首相は北部のLai Chau省を訪れ、地元の役人とダムの建設と住民の移転について協議した。中央政府はここに大規模な水力発電所を建設する予定で、1万人の住民の移転が必要になる。 *グエンタンズン首相は政令を公布し、労働者の最低月給を来年の1月から上げる事を決めた。最高はハノイ市とホーチミン市の市街地にある企業で、外国企業は134万ドン、ベトナム企業は98万ドン。最低は農村にある企業で、外国企業は100万ドン、ベトナム企業は73万ドンである。(訳者注:外国企業の給料は多いが、外国企業の労働者は社会保険料など、様々な税金や料金が天引きされる。だから労働者の手取りは、ベトナム企業と外国企業でだいたい同じになる。) *ノンドクマン書記長は台風の被災地Binh Dinh省を訪れ、自ら救援物資を手渡しながら被災者を励ました。そして地元の救援隊の活動を賞賛した後で、食料や家財道具を失った住民に、できるだけ早く物資を手渡すよう指示した。この台風による死者は107人と報告されている。(訳者注:マン書記長は国家の最高指導者だが、政治には関与しない。式典で挨拶の文を読み上げ、住民の中に入って対話するだけである。) *国会は来年の経済成長を6.5%以上、インフレを7%以下にする事を、85%の圧倒的多数で承認した。更に160万の新しい雇用を創造し、貧困世帯を10%以下に押さえ、5歳未満の乳幼児の栄養失調を18%以下にする事も決めた。その後で、国策として進めている大型プロジェクトの進行状況について、関係する大臣の報告を聞いた。 *東京にメコン川流域の5か国の代表が集まり、地域の開発と日本の援助について話し合った。ベトナムからはグエンタンズン首相が出席し、日本の援助に感謝の言葉を述べ、更に援助を拡大して欲しいと挨拶を述べた。 *ホーチミン市が建設した歩行者のための陸橋は、高さが4.0-4.5メートルしかない。これだとコンテナを積んだトラックがぎりぎり通過できる高さで、大きな貨物を積んだトラックは通過できない。道路交通法では、4.75メートルの高さを確保しなければならないとの規定があり、明らかに法律を無視している。ホーチミン市の役人は、運輸省が決めた法律の事は知らなかったと言い訳をしている。(訳者注:ベトナムの役人は、全く能力が劣る。何年も時間を掛けて計画した公共事業が、この様である。)
2009.11.07
10月26日-10月31日 *タイで開かれていたASEANサミット会議が終った。これに出席していたグエンタンズン首相は閉会の挨拶を行い、ベトナムは2010年の議長国になり、次の会議はベトナムで行うと報告した。これはベトナムの国威の高揚になる事として、新聞は大きく取り上げた。(訳者注:こう言う会議では、中国は常に指導力を発揮する。また積極的に出席者と会談し、各国と友好を深める。これに対し日本の代表は何もしない。ベトナムの新聞には中国の代表の記事が多くを占め、日本の代表の記事はほとんど無い。) *中部のPhu Yen省とハノイ市を結ぶ新しい航空路線が開設され、チェット大統領は一番機に乗って同省に到着した。地元の役人と経済発展について話し合った後、大型事業を計画している内外の3社に、投資許可を手渡した。更にHung Vuong橋の建設現場を訪れ、労働者を激励した。 *ノンドクマン書記長は日曜で休憩中の国会を訪れ、国会議員と教育について話し合った。国会議員は、政府には幼稚園や保育園に対する政策が無く、幼児は劣悪な環境に置かれていると報告した。また大学のレベルが劣る事を取り上げ、何らかの対策が必要だと述べた。ある国会議員は教育法の改定が必要だと述べ、別の国会議員は既に立派な法律が有るが、それを実行しないのが問題だと意見を述べた。 *統計局は、10月の消費者物価は0.37%上昇し、今年になって4.49%の上昇だと発表した。値上がりした商品は多いが、値上がり幅はわずかだった。 *ハノイ市は違法駐車が多く、渋滞を更に悪化させている。狭い道路に車が止まっていると、車両の流れは直ぐに悪くなる。同市の交通の公安は、先月だけで3千件を越える違法駐車に罰金を課した。(訳者注:ハノイ市やホーチミン市には、駐車場が非常に少ない。ベトナム政府は十年先、二十年先の都市計画を作りながら、自動車の増加を考慮していなかった。駐車違反の自動車以上に問題なのは、止める場所が無いから時間潰しのために仕方なく走っている自動車である。) *ホーチミン市は外部から転入して来る人が多く、市の人口は過去10年で2百万人も増え、今では710万人に達したと言われる。この結果、交通渋滞や住宅の不足など様々な問題が出ている。同市は以前、転入を拒否する政策を取っていたが、中央政府の指示で拒否が難しくなった。しかし転入を制限しなければ、同市は破裂してしまう。同市は中央政府に、外部からの転入を制限する省令を作る許可を求めている。 *ベトナムには現在376の大学があるが、この内2百校は過去10年に設立された大学である(新設80校、専門学校からの格上げ120校)。急激な大学の設立で、教授の不足や劣悪な教育施設など、様々な問題が出ている。政府には大学を監督する機関があるが、実際は機能していない。新設の大学の多くは金儲けが最大の目的で、大学をビジネスと考えて運営している。 *日本政府はベトナムに7億ドルの優遇融資を行う事を決め、坂場大使とPhuc計画投資大臣が融資の契約書に署名した。この資金は火力発電所の建設、道路の建設、中小企業の援助などに用いる。更に日本政府は、貧困撲滅などに550億円の援助も予定している。汚職の問題で一時は援助が凍結されたが、最終的には過去最大の援助をする事になる。 *国会議員は、付加価値税法と法人所得税法の改定について検討した。この2つの法律は前の国会で承認する予定だったが、不明確な点が多くて実行が難しいとされ、可決する事ができなかった。今回提出された改定もまだ不明確な点が多く、国会議員は更に練り直す事が必要だと意見を述べた。しかし一部の国会議員は、何時までも可決できなければ税金の徴収ができないと述べ、早く法律を可決するよう促した。 *政府が公布した法律により、低所得者用の安い住宅の建設には、税金などの面で政府の優遇を受ける事ができる。しかし法律の内容が不明確で、実際に優遇を受けるた企業はほとんど無い。建設省は、どんな住宅が『低所得者用の安い住宅』で、どの様な条件を満たせば政府の優遇が受けられるのか、明確にする方針である。(訳者注:ベトナムの法律の多くは、規定が不明確なために実施ができない。) *今年は蚊によって伝染するデング熱が広がり、全国で7万人余がこの病気にかかり、58人が死亡している。グエンタンズン首相は保健省や地方の人民委員会に、デング熱を無くすのに全力を上げるよう指示を出した。(訳者注:病気の予防など、首相が率先してやる事では無い。また病気を無くせと言っても、下部の役人は何をしたら良いか分からず、結局は何もしないで終わる。) *政府は景気の刺激策として、銀行融資の利子補填を行っている。全ての銀行融資が対象だが、手続きが難しいため、実際にこの恩恵を受けるのは政府にコネのある大企業だけである。国会議員はこれを問題にし、貧しい農民を対象にする経済援助を検討した。大勢の国会議員が、農村での公共事業を通し、景気を刺激すべきだと意見を述べた。 *今年になって輸出は13.8%減少し、463億ドルである。一方で輸入は21.7%も減少し、551億ドルである。この結果、貿易赤字は88億ドルと、去年の半分に減った。 *日本共同ニュースの記者団がベトナムを訪れ、ベトナム報道協会とニュースの相互配信などで、互いに協力する事を話し合った。グエンミンチェット大統領も日本の記者団と会談し、日本の援助に感謝の言葉を述べた。日本の記者団は、ベトナムの経済発展を賞賛する言葉を述べた。 *韓国のSamsung社は、北部のBac Ninh省の工業団地に7億ドルを投資し、携帯電話の製造工場を建設した。グエンタンズン首相や韓国の大使が出席し、この工場のオープニングの式が行われた。この工場は、2012年には年間1億個の携帯電話を製造する予定である。式典に出席したグエンタンズン首相は、同社はベトナムの経済発展に大きな貢献をしているので、政府は同社を特別に優遇するつもりだと語った。 *国会は、ベトナムの環境保護について検討した。ある国会議員は、工業団地の多くは廃水やごみの処理施設が無く、工業団地が公害の発生源になっていると批判した。また政府は合計460万ヘクタールの森林を国営の農場に貸与したが、農場は森林を保護せず樹木を伐採し、地元の住民に農地として売却してしまうなど、管理が全くでたらめだと非難した。 *北部のメコンデルタには、膨大な量の石炭が埋蔵されている。しかし地下600-2000メートルの深い場所にあり、しかも地表は農地や住宅地だから、採掘が非常に難しい。政府は綿密な調査を行い、この石炭を採掘する方法を検討している。 *ハノイ市も、社会保険料を支払わない企業55社を裁判所に訴え、法律に基づいて社会保険料を強制的に徴収する予定である。(訳者注:大きな企業は全て社会保険に加入する義務があるが、ほとんどの企業は法律を無視して社会保険に加入していない。裁判所に訴えられるのは、社会保険に加入しながら保険料を払わない企業である。) *ロシア、ペテルスブルグ工科大学の学長がベトナムを訪れ、グエンミンチェット大統領と教育について話し合った。同大学は、ハノイ市に分校を設立する計画を持っている。チェット大統領は、この学長に教育勲章を授与し、ロシアの援助に感謝の意を示した。 *国会は、民兵に関する法律の改定を検討した。戦争などの有事には、国民は国家のために戦わなければならない。男性は18歳から45歳まで、女性は18歳から40歳まで兵役の義務を持つ。国民をどの様に組織するか、戦争の訓練をどうやるか、国会議員は様々な意見を述べた。 *(訳者注:ベトナムの若者は、自ら志願すれば兵役に服し、2年間の軍事訓練が受けられる。給料は小遣い程度だが、訓練が終われば国から仕事を紹介してもらえるし、田舎に帰れば正規の兵役を終えた者として尊敬される。大学生などは1年生の夏休みに、半月程度の軍事訓練を受ける。しかし鉄砲は触るだけで学生が撃つ事は無いし、手榴弾の練習は石を投げるだけ。学生にとっては楽しい遊びである。 *ベトナムとカンボジアの公安は、過去2年間に国境を挟んだ2千件の密貿易を摘発した。この内6百件は、麻薬に関係する密貿易だった。これは氷山の一角だが、以前と比べると摘発の件数は大幅に増えた。これは両国の公安が情報を交換し、協力して摘発するからである。一昨日もホーチミン市に両国の公安の代表が集まり、密貿易の防止と協力について話し合った。 *日本政府は、ベトナムに360万ドルの無償援助を行う事を決め、坂場大使とNinh財務大臣が覚書きに調印した。ベトナムはこの資金で肥料などを購入し、貧しい農民に配布する。 *ハイフォン市の高校で、授業中に気分が悪くなり失神する学生と教師が出て、72人が病院に入院した。学校の付近には製鉄所などがあり、ここから有毒なガスが流れ出たらしい。しかしどの工場からどんな有毒ガスが流れ出たのか、現在は不明である。学校は、原因が判るまで一時閉鎖する事を決めた。 *ホーチミン市は海抜の低い沼地だったから、今でも雨が降ると冠水する土地が多い。そこを住宅地にするには、土盛りが必要である。しかし同市には土が無い。そこで業者は農民と契約し、農地を養魚場に変えると言って穴を掘らせ、その土を買い取る。洪水になればその穴は流れて来る泥で埋まり、再び土を売ることができる。しかし付近は更に土地が低くなり、洪水の被害が大きくなる。同市は、この様な違法行為を取り締まる予定である。 *ラオス人民革命党の党首が大勢の閣僚と共にハノイ市を訪れ、60年前に共同でフランス植民地軍と戦った事を記念し、盛大な式典を開いた。ノンドクマン書記長も式典に出席し、両国の友好的な関係を祝った。ラオスの来賓は、ベトナムの援助に感謝の言葉を述べた。 *国会は、医療と教育について検討した。医療や教育に関係する法律をどの様に改定し、どの様にレベルを上げるか、国会議員は様々な意見を述べた。 *ハノイ市で『アジア室内スポーツ大会』が始まった。4千人の選手と4万人の観客が集まって盛大な開会式が行われ、グエンミンチェット大統領が開会の挨拶を述べた。外国の指導者も大勢出席しており、チェット大統領は個別に会談して友好を深めている。
2009.10.31
10月19日-10月24日 *中部のNinh Thuan省と計画投資省は、グエンミンチェット大統領や日本のJETROの代表を招き、地域の発展を図る会議を開いた。地元の人民委員会議長は、海に面する同省は漁業や観光に大きな可能性があり、地下資源もある。今は貧しい地域だが、将来はシンガポールや香港のような金持ちの地域にしたいと語った。(訳者注:この地域は道路が劣悪で電力も飲料水も不足し、役人は働く気も能力も無い。外国の政府や企業に、無料で立派な社会基盤を建設して欲しいと頼んだだけ。しかし盛大な式典を開き、地元の芸能人を使い、外国や中央政府の参加者に盛大な接待をした。) *運輸省は海上輸送を発展させる長期計画を作成し、グエンタンズン首相に提出した。ズン首相は首相決定『1601/QD-TTg』を公布し、この計画を承認した。これは10年先と20年先の長期計画で、将来はベトナムをアジアの海上輸送の中心にする。(訳者注:資金の当ての無い夢物語である。役人が時間潰しのために計画を作り、格好を付けるために大臣や首相の承認を得て、大げさに法律の番号を付けて発表した。) *南部のLong An省の人民委員会は、新しい経済開発地区を建設すると称して1千万ドルを越える資金を投下し、住民を強制的に移転させて1760ヘクタールの土地を確保した。しかしこの土地のかなりの部分が、無償に近い価格で3百人の高級役人に譲渡されていた。地元の住民から大きな非難の声が上がり、一部の役人は土地を国家に返還した。しかしまだ多くの役人が、異常に安い価格で購入した広い土地を所有している。中央政府は検察官を同省に派遣し、役人の土地取得について調査を始めた。(訳者注:この省は、十か所以上のゴルフ場建設計画を承認するなど、土地の政策に大きな問題がある。ホーチミン市に隣接する省で地価が高いから、土地は汚職の対象になっている。) *大都市の郊外では水道管が敷設されておらず、また水道管が有っても細いから、十分な水道水を供給できない。仕方が無いから住民は井戸を掘る。しかしハノイ市の地下水は、ヒ素で汚染されている。何年にも渡って地下水を飲み続けると、体に異常が起きる。ホーチミン市では水圧が低いから、住民は水道管にポンプを取り付ける。ポンプで水を吸い上げると、水道管の中の圧力が負になる。すると破損した水道管の裂け目から、回りの泥水を吸い込む。同市では、水道から茶色に汚れた水が頻繁に出て来る。 *ホーチミン市では、今年だけで9社の経営者が夜逃げをした。その多くは、台湾や韓国などの外国企業である。銀行などは担保を取っているので実害は無いが、最大の被害者は労働者である。周到に準備してから逃亡するので残った資産は少なく、労働者は多額の未払い給料を抱える。法律が不備なため、労働者は泣き寝入りをするしかない。 *ホーチミン市は2億6千万ドルを投資し、市の郊外に合計6万人の学生の寮を建設する。先日から一部の地域で、建設工事が始まった。 *中国広東省の省長が貿易展示会に出席するため、大勢の企業家と共にハノイ市を訪れた。グエンタンズン首相は盛大な歓迎会を開き、中国の企業家にベトナムへの投資を拡大するよう要請した。Khiem副首相兼外務大臣も、中国の来賓と個別に会談した。 *ホーチミン市の南サイゴンは台湾の企業が開発した高級住宅街で、近代的なマンションが林立し、外国人や金持ちのベトナム人が住んでいる。ここで住民と台湾企業と役人の間で、大きな問題が起きている。台湾の企業が建設したマンションを購入して登録しようとすると、数百万円の土地使用税が掛るのである。常識的な金額の何十倍にも当り、購入者も台湾の企業も納得できない。この地域では1万戸のマンションが売却されたが、半数のマンション所有者は所有権を登録せず、土地の使用税も払わない。しかし購入時に土地の使用税を払わないと、売却時に購入時の何倍もの土地の使用税を取られる。(訳者注:『外国人や外国企業からは金をふんだくれ』と言うベトナムの政策。法律が不備だから、役人は好き勝手にやり放題。どんな理不尽でもまかり通る。) *(訳者注:土地の所有は、ベトナム人と外国人とで異なる。ベトナム人は土地を永久に借りる事が出来、使用税は毎年払う。住宅地の場合は、平米当りの年間の使用税は数円から数十円である。外国人の場合は土地の賃貸期限が限られ、初めに一括して使用税を払う。外国企業の土地の使用税は、ベトナム人の何倍にもなる。上記の南サイゴンの場合は、土地の使用税が普通の場合の何十倍にもなる。) *国会が始まった。グエンフーチョン国会議長が開会の挨拶をした後、グエンタンズン首相が政治全般に渡る報告を行った。現在の経済成長率は4.6%、年末迄に5.2%を達成し、来年は8.5%の経済成長を目標にすると発表した。世界的な不況にもかかわらず、政府の優れた政策によりベトナムは順調な発展をしていると述べた。しかし交通や公害は更に悪化し、劣悪な社会基盤の問題は解決されず、労働者の知識や技術も向上せず、解決すべき問題はたくさんあると指摘した。その後で国会の役員が、今年のインフレ率は7%と予想されるなど、様々な報告を行った。 *ロシアの産業貿易大臣がベトナムを訪れ、グエンタンズン首相と経済関係の強化について話し合った。ロシアの大臣は、明日は両国の合同会議に出席する。 *ホーチミン市では、排水溝の改修工事が進んでいる。しかし工事が完成しても、洪水の状況は一向に改善しない。雨が降れば道路は直ぐに冠水し、通行不能に陥る。市の全体の計画が無く、部分的に改修しても効果は出ない。 *中国広東省の企業家はハノイ市でベトナムの企業家と商談を行い、発電所の建設など7億2千万ドルの大型商談をまとめた。一行は更にホーチミン市へ向かい、そこでもベトナムの企業家と商談を行う。 *国会では、天然資源法の改定と老人法の制定を検討した。天然資源に関する現在の法律は曖昧な規定が多く、正しく実行されていない。また天然資源の採掘税率は政府が決める事になっているため、役人が勝手に税率を決めて勝手に税金を徴収している。老人法は国家が老人を援助するための法律だが、老齢年金の需給資格や金額が予算を無視して決められているため、法律ができても予算が無いために実行できない心配がある。国会議員はこれらの法律について、様々な意見を述べた。 *韓国の大統領が公式訪問でベトナムを訪れ、グエンミンチェット大統領の盛大な歓迎を受けた。その後で両者は会議を開き、互いに相手国を賞賛する言葉を述べ、両国の関係を更に強化する事を約束し、共同声明として発表した。グエンタンズン首相とノンドクマン書記長も個別に韓国の大統領と会談し、両国の友好と理解を深めた。 *南支那海のParacel諸島は、ベトナムと中国が共に所有権を主張している地域だが、既に中国の海軍が駐屯している。先の台風の時、ベトナムの漁船は台風を避けるためにこの島に避難したが、中国の兵士に襲撃されて所持品などを奪われた。ベトナムの外務省は、中国の大使に厳重な抗議を行い、所持品の返還とこのような事が二度と起きないよう、適当な処置を取るよう求めた。 *スリランカの大統領が公式訪問でベトナムを訪れ、グエンミンチェット大統領の盛大な歓迎を受けた。その後で両者は、両国の関係強化について話し合った。ノンドクマン書記長もスリランカの大統領と会談し、友好と理解を深めた。 *国会は、国内経済の現状を検討した。多くの国会議員は、立派な政策によりベトナムは経済発展が継続していると、政府を賞賛する意見を述べた。ただ一部の国会議員が、経済発展は政府が経済の刺激策として巨額の資金を投下しているからで、行政の改革は進まず、効率の悪い事業が非常に多いと批判した。 *アメリカ政府は、ベトナムはインターネットを厳しく監視し、表現の自由を規制していると批判した。これを受けて外務省の報道官は、外国のインターネットの使用方法を批判するのは内政干渉に当たると述べた上で、ベトナムはインターネットを規制しているのではなく、これを用いて治安を乱し反政府活動を行うのを規制しているのだと答えた。 *教育省がハノイ市の大学を調べた結果、多くの大学が授業料以外に様々な費用を徴収している事が分かった。大学は「教育省から交付される資金は不十分で、十分な学校の運営ができない」と言う。一方で教育省は「大学は教育資金が不足すると言うだけで、会計の報告を全くしない。経理が不明な学校に資金を出す訳には行かない」と言う。 *(訳者注:大都市では、工場の廃水が大きな問題になっている。ベトナムには立派な公害防止の法律があるから、違法行為があると直ぐに役人が調査に駆け付ける。しかし役人は罰金と賄賂を取るだけで、違法行為を止めさせる気がない。住民から公害反対の声が出ると、賄賂を貰っている役人は企業の側に立って住民を抑制する。しかし最近は、中央政府から派遣された役人が調査に乗り出し、企業に改善を指示するようになった。) *国会では、歳出の超過が問題になった。支出は収入を6.9%も上回る。経済の刺激策として、巨額の補助金を出しているのが原因である。一部の国会議員は、政府に予算が無いのだから、学校、病院、道路などの建設は、営利事業として民間にやらせるのが良いと述べた。また税金に関係する法律を厳しく実行し、脱税を無くすべきだと述べた。 *ベトナムでは、年間40万件の堕胎手術が行われる。この内16万件は、十代の若者である。性について話すのは恥ずかしいと言う昔の考えがあり、親も学校も性教育に関与しない。一方で性の解放が進み、若者の望まない妊娠が急増している。(訳者注:上の数字は病院で行われた手術の数で、医者の自宅で行われる堕胎手術は含まれていない。)
2009.10.24
10月12日-10月17日 *5日間に渡る共産党中央委員会の総会が終り、ノンドクマン書記長が閉会の挨拶を述べた。豊かで強い国家を建設するため、様々な重要な事を決めたと発表した。(訳者注:これは非常に重要な会議である。だから秘密にし、国民には報道しない。共産党員は国民の中から選ばれた優秀な人材で、無知蒙眛な一般の国民は共産党の言う事を聞き、共産党の指示に従うだけで良い。庶民は政治に口を出すべきでないと言う考えである。) *Hoan Kiemの湖畔に数万人の観客が集まり、ハノイ市の創立999年を祝う祭りが盛大に行われた。Hung副首相、Anh文化観光大臣、ハノイ市の人民委員会議長や共産党書記などの前で、1千人の芸能人が伝統的な歌や踊りを披露した。 *政府は立派な業績を上げた企業1百社を選び、企業の代表をハノイ市に招いて表彰状を授与した。授与式にはグエンミンチェット大統領が出席し、企業は国家の経済発展に大きな貢献をしていると賞賛し、表彰状を手渡した。(訳者注:ベトナムは形式を重んじる国で、勲章や表彰状が大きな意味を持つ。) *ハノイ市で、日本政府の資金による18番目の陸橋が完成し、同市の人民委員会と日本国際協力銀行(JICA)は、開通式を行った。日本政府は今までに、ハノイ市の陸橋建設に1300万ドルの資金援助を行った。 *ホーチミン市が電柱を調べた結果、756本に欠陥がある事が分かった。特に182本は電線の重さで傾いており、電線が垂れ下がり柱が倒れる危険もある。また92本は、漏電遮断器が壊れて機能しなかった。また感電死した住民は2人ではなく3人だった事も分かり、定期的に電柱を点検していると嘘を述べた送電公社の社長は更迭された。 *台風Ketsanaは、死者180人と大きな被害をもたらした。この台風に関係し、気象庁とQuang Ngai省が言い争っている。この台風は直進し、ベトナムの何処に上陸するか明らかだった。Quang Ngai省が気象庁に問い合わせると、気象庁は台風は同省には行かないと答えた。だからQuang Ngai省は何の対策も取らず、その結果大きな被害を出した。同省は、気象庁が間違った情報を出したと非難している。気象庁は、台風の目はHa Tinh省とQuang Nam省の間を通過し、その南にあるQuang Ngai省には上陸しなかったと、情報の正しさを主張している。(訳者注:ベトナム政府の機関は、この程度の能力しか無い。) *韓国の外務貿易大臣がベトナムを訪れ、Khiem副首相兼外務大臣と両国の関係強化について話し合った。グエンミンチェット大統領とグエンタンズン首相も韓国の大臣と個別に会談し、両国の友好を深めた。 *10月12日は『大衆運動の日』である。全国で大衆運動を促進する会議が開かれ、国民は共産党の指導の下で団結する事を確認した。グエンミンチェット大統領は「国家の独立も統一も、国民の団結で達成できた。今後も富国強兵を目指し、国民は政府に協力し、団結して頑張ろう」と語った。(訳者注:共産主義の国は、普段から国民が共産党の指示の通りに動くよう訓練をしている。ベトナムでも例えば建国記念日には、直ぐに何万と言う国民が参加して記念の式典を行う。共産党が町を綺麗にしようと言うと、直ぐに千人単位の若者が集まり、道路の清掃をする。共産党は国民を自由に動員できるよう、『大衆運動』と言う名目で常に国民を訓練しておく。 *ハノイ市で新しい国会議事堂の建設が始まり、グエンタンズン首相らが出席して地鎮祭が行われた。建設費用は2億7千万ドルで、2012年に完成する予定である。 *今年になって船でベトナムを訪れた外国人観光客は5万2千人で、去年の半分以下である。船で来る外国人は金持ちが多く、世界的な不況が影を落としている。またベトナムの港にはホテルもレストランも無く、船の客は楽しむ場が無い。船で来る外国人観光客は全体の2%で、まだ非常に少ない。 *ホーチミン市とDong Nai省を結ぶサイゴン橋は、建設されて50年が経ち、老朽化して危険な状態になっている。コンテナを積んだ大型トラックが頻繁に通過し、橋に大きな負担を掛けている。同市は大型トラックの通行禁止や、重量両車は30mの間隔を開けて通過するなどの規制を出したが、全然守られない。この橋を避けるには10Km以上も迂回しなければならないし、渋滞で道路が詰まっている時に、大型のトラックが30mの間隔を開けるために停止して待つなど、全く不可能である。できる限りの修理や補強をして橋を使っているが、万一使えなくなったら同市の交通は麻痺してしまう。 *ハノイ市にASEANの法律家3百人が集まり、法律の規定や法律の運用を改善する方法を検討した。グエンミンチェット大統領も出席し、各国は協力して司法の改善に取り組んで欲しいと挨拶をした。Khiem副首相兼外務大臣は、外国の有力な法律家を歓迎会に招待し、ベトナムとASEAN諸国の友好を深めた。 *グエンタンズン首相は、四川省で開かれている中国西部貿易博覧会に出席するため、大勢の企業家と共に中国を訪問している。四川省の指導者や企業家と会談し、ベトナムは中国の企業を特別に優遇するから、ベトナムへの投資を増やして欲しいと要請した。その後で博覧会を訪れた温家宝首相と会談し、国境の交易の拡大など、両国の経済的な関係を強化する事を約束した。 *国会の常任委員会は会議を開き、税制の改革について検討を始めた。所得税や付加価値税に関係する法律を改定し、国民や企業が正しく納税できるようにする。 *ホーチミン市の人民委員会は会議を開き、同市の社会基盤について話し合った。特に交通と輸送が問題になり、劣悪な交通事情が経済発展の障害になっていると指摘した。ある委員は、商工省は2020年までにバイクの生産を3300万台に増やすと言うが、現実を無視した全く馬鹿げた計画で、バイクを減らす事に全力を上げる必要があると述べた。 *(訳者注:ベトナムでは政府を批判すると、逮捕されて投獄される。外国の人権擁護団体は、ベトナムの人権無視を大きく批判している。外務省の報道官は外国の記者団に、「ベトナムは人権尊重を憲法で規定している。裁判所は、国家の治安や安全を乱す違法行為を行った者を、法律に基づいて処罰しているだけだ」と説明した。) *ホーチミン市では、今年になって70件の労災事故と、71人の労災死が報告されている。感電など電気に関係する死者が31人、高所から落下しての死者が17人である。企業の安全無視と、労働者の無知が事故の大きな原因である。(訳者注:これは報告された事故で氷山の一角、企業が隠して公表しない事故はたくさんある。) *国会の常任委員会は、食品衛生法の草案を検討した。Trieu保健大臣が法律について説明し、委員が疑問な点を質した。現在でも法律はあるが、実行されていないと述べ、どの機関が食品のどんな安全をチェックするか、細かく規定する必要があると述べた。 *グエンタンズン首相は2年前に政府通達を公布し、政府の全ての機関は土曜日の午前中は事務所を開けて仕事をするよう指示した。しかし役人の反対が大いため、ズン首相は新たに政府通達を公布し、事務所を開けるかどうかは責任者の判断に任せる、と発表した。 *ハノイ市やホーチミン市では、電話で頼んで金を払えば、業者が衛生車で糞尿を汲み取りに来る。しかし彼等の多くは、人の居ない空き地に糞尿を捨てたり、ひどい場合は排水溝に糞尿を流し込む。公安は違法行為を見つけると罰金を取るが、業者は見つからないように夜間に糞尿を捨てる。両市は住民に、衛生車の違法行為を見つけたら、直ぐに地元の公安に通報するよう指示を出した。
2009.10.17
10月5日-10月10日 *災害対策局の報告によると、先週の初めにベトナム中部を襲った台風 Ketsanaによる死者は163人、行方不明者は17人、流失したり倒壊した家屋は21,500軒、屋根を吹き飛ばされるなど一部破壊の家屋が25万8千軒である。冠水した農地は8万ヘクタール、道路や橋の被害も甚大である。 *共産党と政府は『国産品愛用』のキャンペーンを始めた。世界的な景気の悪化で輸出が減っており、生産を維持するには国内市場の開拓が必要である。商工省は、今年の輸出は590億ドルで、去年より57億ドル減ると予想している。 *中部のHa Tinh省でバスが交通事故を起こし、6人が即死、23人が重傷を負った。省営バスの事故なので、同省の人民委員会は死者の家族に2百万ドル(108ドル)、負傷者に1百ドルの見舞い金を送った。(訳者注:この様な交通事故は、ベトナムでは連日起きている。死んでも補償金は10万円程度、ベトナム人の命はとても安い。) *世界的な景気の悪化は、ベトナムへの送金にも影響を与えている。中央銀行の推定によると、海外に住むベトキュー(越僑)が本国の親戚に送る金は、去年の80億ドルから今年は60億ドルに落ち込む。*(訳者注:国連安全保障委員会の会議でKhiem副首相兼外務大臣は、『戦争や紛争の際には女性や子供を守る必要がある』との提議を行い、これが可決された。当然の事だから、反対する国があるはずがない。ベトナムの新聞はこれを大きく取り上げ、『ベトナムの意見が国連で認められた』と大きく報道している。国家の指導者は、ベトナムは世界の重要な国となり、大きな活躍をしていると国民に知らせたかったらしい。) *ハノイ市で、共産党中央委員会の総会が始まった。ノンドクマン書記長は開会の挨拶で「ベトナムが社会主義に基づく市場経済を確立するため、共産党は指導的な力を更に強めなければならない。そのために共産党員は、強固な思想と倫理観を持ち、専門的な知識を高める事が必要だ」と語った。総会では、政府が現状分析や将来の展望に関する報告を行い、委員はそれを評価し討議する。 *イギリスのアンドリュー王子がベトナムを訪れ、グエンタンズン首相と会談し、経済を中心に両国の関係を強化する事を約束した。ズン首相は、同国の企業を特別に優遇するから、ベトナムへの投資を増やして欲しいと要請した。その後で両国の企業家による経済会議が開かれ、アンドリュー王子も出席した。(訳者注:ベトナム人は何かにつけ『特別な優遇』を約束する。そのため法律に無い様々な規定が生れ、何が合法で何が違法か判らなくなってしまう。法律の軽視は、国家の指導者にまで及んでいる。) *労働省は、国営企業の労働者の給料について検討している。国営企業では、労働者の給料は地位、年齢、学歴などに基づいて決まる。実際の能力や労働意欲は、ほとんど考慮されない。また給料は国から出るので、個々の企業の経営内容も給料に反映しない。だから国営企業の労働者は、労働意欲に乏しく企業の経営効率も悪い。国営企業を改善するには、給与体系を改善する必要がある。 *(訳者注:ハノイ市のホーチミン廟には、故ホーチミン大統領の遺体が安置されている。遺体を腐らせないで長期保存するには、非常に高度な専門技術が必要である。ベトナムはロシアに頼って、故人の遺体を保存している。今ロシアの専門家がハノイ市を訪れ、これから何十年、何百年も遺体を保存するため、必要な処置を行っている。) *(訳者注:ベトナム政府は、経済成長やインフレ率など、些細な問題を延々と協議する。一方で老齢年金や健康保険などの重要な問題を、政府の下部機関が簡単に決めてしまう。労働福祉省は、80歳以上の老人に年金を出すと決めたが、その資金が無いから全面的な実施ができない。また労働福祉省と人民委員会の連絡が不十分で、年金の配布ができない。だから法律は有るが、ほとんどの高齢者は年金を貰っていない。国民の多くは老齢年金の法律など知らないから、年金が貰えなくても不満が出ない。) *地方から出てきた出稼ぎ労働者は、ベトナムの経済発展に大きな貢献をしている。ホーチミン市やハノイ市の工業団地で働く労働者の3分の2は、地方からの出稼ぎ労働者である。しかし彼等の多くは、国家の恩恵をほとんど受けていない。彼等は住所の登録を拒否されて住所不定。そのために社会保険が受けられない。彼等は存在を無視されており、彼等の子供は公立の保育園や学校へも行けない。国連などの機関はベトナム政府に、彼等の待遇を改善するよう具申している。 *石油採掘公社(PetroVietnam)は、南部のブンタウ市で石油精製施設を建設している。80億ドルの資金を投下し、2014年に完成する計画で工事を進めているが、最近の原油の値下がりで利益が減り、建設資金が足りなくなった。同社は中近東の金持ちの国に、合弁で施設を完成しないかと呼び掛けを始めた。 *ホーチミン市の電線は、非常に危険な状態である。取り付けが悪いから電線が垂れ下がり、大型の自動車がそれをひっ掛けて切断する。その電線に人が触れ、感電する事故が何回も起き、二人の死者が出ている。政府の指示により、電力公社は市内の送電線の一斉点検を始めた。 *(訳者注:地方の政府は、経済発展を目指して企業の誘致に力を注いでいる。誘致の競争に勝つため、地方は様々な優遇政策を約束する。その一つは、安い土地の使用料である。進出する企業が土地が欲しいと言えば、人民委員会は農民の土地を強制収用し、安い価格で進出する企業に提供する。安い補償金で土地を追われた農民は、農地と共に仕事も失い、大半が貧困に陥る。ホーチミン市は政府に農地を追われた農民を援助するため、2007年に特別な援助基金を設立した。しかし基金の資金は全て使い果たし、これ以上の援助はできなくなった。) *政府は、原子力発電所を中部のNinh Thuan省に建設する事を決め、 Hai副首相が現地に赴き、地元の役人に政府の決定を伝えた。原子力発電所の建設は2014年頃から始めたいので、敷地の確保などに協力して欲しいと語った。地元の役人は、経済発展の原動力になるので、安全さえ保証されれば原子力発電所の建設は歓迎だと答えた。 *明日から3日間、ハノイ市は同市の創立1千年を祝う盛大な前夜祭を行う。1千年は来年だが、観光促進と予行演習を兼ねて盛大な祭りにする。更にまた、ハノイ市がフランス植民地軍から解放されて55周年の、盛大な式典も行う。 *ベトナム商工会は、外資企業の代表をハノイ市に招き、投資環境の改善について話し合った。外国の企業家は、昔と比べると大きく改善したが、ベトナムの行政手続きはまだ面倒で、時間と費用が非常に掛かると批判した。また法律が曖昧だから、地域により役人により手続きの方法が異なると非難した。EUの代表は、役人の官僚主義と不要な手続きを無くすだけで、ベトナムの貿易は大きく増えるだろうと語った。 *(訳者注:中部のLam Dong省で、ある仏教の宗派の信徒が違法行為を行い、それを規制しようとした役人と、大きな紛争になったと言われる。政府が報道規制を敷いているので、詳しい事は判らない。しかし現地から様々な情報が伝わって来るので、外国の記者が定例の記者会見で、外務省の報道官に質問した。報道官は、これはある仏教の信徒が仏教協会に対して起こした紛争で、政府には関係の無い事だと答えた。) *ハノイ市の裁判所は、許可を得ないで月刊誌を出版し、その中で政府や共産党を中傷した3人の男に、3年から4年の禁固刑を言い渡した。 *ベトナムは9月までに490万トンの米を輸出し、20億ドルの外貨を稼いだ。量は去年の40%増しである。今年の輸出は6百万トンを越え、過去最高になるのは確実である。(訳者注:去年の誤った輸出規制により、今年に持ち越された米が多かった。またカンボジアは輸送能力も貿易手続きも劣るので、国境沿いに住むカンボジアの農民は、米をベトナムに運び込む。これがベトナムの米として輸出される。) *ベトナムには共産主義の計画経済が残っており、役所、学校、病院など政府や公共の機関は、電気料を払わない。一方で政府は、発電のための石炭や原油は、市場価格を無視した特別な安い価格にしている。価格の設定は非常に面倒で、3つの公社に関係する役人が、様々な駆け引きを行う。駆け引きが暗礁に乗り上げて原油の供給が止まり、発電所が稼働できなくなった事もある。政府は『特別な価格』の設定に関する指針を作成し、公平で合理的な価格にする事に決めた。 *ハイフォン市の裁判所も、反政府活動を行った6人に、2年から6年の禁固刑を言い渡した。彼等は政府と共産党を誹謗した上、陸橋に行政を批判する足れ幕を取り付けた。裁判は、ベトナムの人権を監視する外国人も傍聴した。(訳者注:裁判所の判決はともかく、裁判が公開され、外国人の傍聴も許されるなど、以前と比べると大きく改善した。) *南部Binh Duong省の人民委員会は、貧しい農民を助けて貧困を減らすため、カシューナッツの栽培に力を入れる事を決めた。農民に無償で苗を配布し、実が生るまでは補助金も出し、9千ヘクタールのカシューナッツ園を作った。しかしこのナッツは、ほとんど利益が出ない事が分かり、農民はナッツの木を切り倒し、天然ゴムや果物の木を植えてしまった。同省が投資した2百億ドンは、全て無駄になった。このプロジェクトを担当した役人は、カシューナッツの栽培を止めた農民から違約金を取ると言うが、貧しい農民にそんな金は無いし、強要すれば貧困撲滅が貧困促進のプロジェクトに成ってしまう。
2009.10.10
9月28日-10月3日 *グエンミンチェット大統領はニューヨークで開かれた国連の会議に出席し、外国の代表と地球温暖化の問題や核兵器防止について話し合った。また会議の合間にアメリカの企業家とセミナーを開き、ベトナムの経済について説明し投資の拡大を求めた。 *国会の常任委員会は、次の国会に提出する法案を検討する会議を始めた。通信法、電波管理法、老人法、医療に関係する法律などを検討する。またDung Quat石油精製施設の稼働状況、Son La水力発電所の建設工事などについて、関係する機関の報告を聞く。 *全国から祖国戦線の代表1千人がハノイ市に集まり、3日間に渡る総会が始まった。5年に一度開かれる重要な会議で、マン書記長、ズン首相、チョン国会議長など大勢の指導者も出席している。ノンドクマン書記長は、国民の愛国心と団結を強め、強くて裕福な国家の建設に邁進しようと呼び掛けた。 *ホーチミン市の東西高速道路の建設で、日本のパシフィックコンサルタント社に賄賂を要求した役人の裁判が行われた。ベトナムで行われた裁判では賄賂の事には全く触れず、彼等は国家が所有する家を事務所としてパシフィックコンサルタント社に賃貸し、その家賃66,500ドルを国家に納付せず、自分達で使ってしまった罪だけが対象となった。被告は、これは犯罪ではなく、ちょっとした手続き上のミスだと主張した。裁判では、このプロジェクトの責任者である市の運輸部長に3年、副運輸部長に2年の禁固刑が言い渡され、この金で豪遊した85人に警告が言い渡された。 *(訳者注:味の素を製造する台湾のVedan社は、10年以上に渡って川に汚水を流し、大きな公害を引き起こしていた。養殖の魚が死んだり稲や野菜が被害を受け、農民は大きな損失を被った。同社は地元の公安に賄賂や罰金を払い、農民の非難は公安の力で押え付けていた。しかし最近は公害が全国的な問題となり、中央政府が公害の問題に乗り出した。中央政府から派遣された役人が同社に乗り込み、問題の解決を迫っている。賄賂と罰金で緊密な関係にあった地元の公安は、この問題から手を引いてしまった。同社は法律による処罰を受ける事になり、農民からは3300万ドルもの損害賠償金を請求された。同社は今まで公安に巨額の賄賂や罰金を払ったが、悪事を正当化する事はできない。過去10年以上に渡る悪事の処罰と賠償金で、同社は倒産の危機に瀕している。) *国連の会議を終えたグエンミンチェット大統領は、公式訪問でキューバに到着した。国賓として盛大な歓迎を受けた後、ベトナムは同国に3千トンの米を贈与し、キューバはチェット大統領に国家の勲章を授与した。そして両国の指導者は、今後も更に関係強化に努める事を約束した。 *アジア開発銀行の黒田頭取がベトナムを訪れ、グエンタンズン首相と今後の援助について話し合った。黒田頭取は、ベトナムの景気回復を助け地球温暖化を防ぐため、来年は優遇融資を更に増加すると約束した。 *ハノイ市とホーチミン市を比較すると、ホーチミン市の方が労働者の給料が高い。だから地方の出稼ぎ者は、ホーチミン市のある南部を目指す。景気は少しずつ回復し、工場は大勢の労働者が必要だが、北部の工場は労働者の確保に苦労している。 *北部Nam Dinh省で、赤子を売買していた役人ら16人の裁判が行われ、2年から4年の禁固刑が言い渡された。彼等は児童福祉に関係する仕事をしていたが、あちこちの施設から捨て子などを集め、書類を偽造して養子縁組の形式にし、子供266人を一人数十ドルから数百ドルで売り飛ばしていた。 *ノンドクマン書記長はハノイ市の戦車部隊を訪れ、同部隊は50年前に設立して以来、国家の独立や統一に大きな貢献をしたと述べ、最高の栄誉である金星勲章を授与した。 *ハノイ市は1千人の子供をUng Hoaスポーツセンターに招待し、中秋節を祝う会を開いた。チョン国会議長ら国家の指導者も出席し、祭りを楽しんだ。グエンミンチェット大統領は全国の子供に、楽しい中秋節を祝う挨拶を送った。(訳者注:チェット大統領は外国を訪問中で、ベトナムには居ない。前もって準備しておいた挨拶の文を役人が代読し、大統領の名前で発表した。ベトナムでは、形式が非常に大切である。) *台風Ketsanaが中部を襲い、Quang Binh省からPhu Yen省に渡る広い範囲で、大きな被害が出ている。まだ詳細は不明だが、合計70人以上が死亡したとの報告が来ている。大雨による洪水で、家屋や農地にも大きな被害が出ている。 *国会の常任委員会は、国家防衛法を検討した。有事の際には一般の国民も国家の防衛に当たるが、国民をどの様に組織し、どの様に戦うかに関係する法律である。法律の草案に、委員は様々な意見を述べた。その後で経済の現状を検討した。役人の報告を聞き、経済は回復基調にあると判断した。ただある委員はゴルフ場の建設を問題にし、途方もなく広い土地がゴルフ場の敷地となり、しかも建設が始まらずに荒れ地となって放置されていると述べ、投資許可の撤回など何らかの対策が必要だと語った。 *Khiem副首相兼外務大臣はカナダを訪問し、同国の外務大臣と関係強化について話し合った。ベトナムは同国の援助に感謝し、更に投資も増やして欲しいと要請した。 *中央銀行は、現在の公定歩合7%は、今後も変える予定は無いと発表した。そして商業銀行に、企業への融資の利息は公定歩合の1.5倍、10.5%以下に押さえるよう、改めて指示を出した。(訳者注:中央銀行の指示は、ほとんど守られない。) *グエンミンチェット大統領は、公式訪問でキューバからチリに到着した。盛大な歓迎を受けた後で同国の大統領と会談し、両国の友好と理解を深めた。 *アメリカを訪問しているKhiem副首相兼外務大臣は、クリントン国務長官と会談し、経済から国防や人権に至る幅広い問題を話し合った。両国は1995年に国交を正常化してから急速に関係強化が進んでおり、去年の貿易は150億ドルに達した。これは貿易協定を締結した2001年の10倍以上である。両者は、更に関係を深める事を約束した。 *ハノイ市で開かれた月例の閣僚会議でグエンタンズン首相は、1、年末まで経済発展に全力を上げ、今年の経済目標を達成する事。2、インフレの再発を全力で防止する事、を閣僚に指示した。そして公共事業を、計画通りに終わらせるよう指示した。 *ホーチミン市に日本とASEANの代表が集まり、貿易や投資を拡大し、地域内の所得格差を小さくする方法を検討した。日本は毎年、ASEAN諸国とこの様な会議を開く。 *(訳者注:最近は食品に関する検査が厳しくなり、大都市では違法な食品が大量に見つかっている。ホーチミン市のある会社の倉庫には48トンの輸入の冷凍鳥肉が保管されていたが、正式な輸入の証明書が無く、輸入日や輸入元も不明だった。調査の結果、ポーランドから輸入された鳥肉だが、正式な税関の手続きをせずに(関税を払わず)持ち込まれた物だと判った。ホーチミン市は、この鳥肉を押収した。) *ノンドクマン書記長は北部のThai Nguyen省を訪れ、地元の国会議員と共に住民と対話集会を開いた。国民の生の声を聞き、次の国会で国民の意見を反映させるためである。地元の住民は、生活は年々改善しており、政府に感謝していると答えた。(訳者注:マン書記長は地元の役人を賞賛し、特別に選ばれて集会に参加した地元の住民は、政府を賞賛する言葉を述べる。全てが前もって決められた筋書き通りに進行する。) *Doan副大統領は大勢の役人と共にインドを訪問し、同国の副大統領と両国の関係強化について話し合った。またビジネス会議に出席し、貿易や投資の拡大を約束した。 *政府は国会の常任委員会に、経済に関する報告書を提出した。それによると、今年の経済成長は5.2%、インフレ率は7%である。世界的な景気の後退を考慮すると、ベトナムの経済は順調に発展していると評価した。 *北部のLang Son省で、マイクロバスとコンテナとラックが正面衝突し、10人が即死、6人が重傷を負った。 *ベトナムでは、約4千頭の熊が飼育されていると言われる。十年程前から急速に広まったが、熊の胆汁を取るためである。熊の胆汁は精力が付くと言われ、国内で高く売れる。熊の腹を割いて、熊が死なない程度に胆汁を吸い出す。熊が元気になると、再び腹を割いて胆汁を取り出す。外国などからは、動物の虐待だと非難の声が出ている。
2009.10.04
9月21日-9月26日 *グエンタンズン首相は、中部Quang Ngai省のDung Quat石油精製施設を視察した。これは国策事業として建設した、中部の経済発展を促進する中心的な施設である。しばらく前に完成して試運転を行っていたが、設備の故障で先月から運転が止まっている。ズン首相は関係者に労いの言葉を掛け、早く運転を再開するよう指示した。 *政府は、ベトナムの経済発展に貢献している外資企業85社の代表をハノイ市に招き、国家の勲章を授与した。授与式に出席したNhan副首相は、外国からの投資はベトナムの経済発展に大きな貢献をしており、政府は外資企業を特別に優遇するつもりだと語った。 *(訳者注:最近は大都市の人民委員会が、投資許可の撤回をやり始めた。投資を行うと言って土地の使用権を購入したが、資金不足が原因だったり土地の値上がりを待っていたりで、計画通りに建設工事を始めない企業が多い。人民委員会は、政府に約束した実行計画に違反した事を根拠に、投資許可を撤回して土地を回収する。投資した資金の一部が返還されるだけなので、投資した企業には大きな損失が発生する。) *(訳者注:政府は法令で大学の授業料を年に240万ドン(140ドル)と決めたが、全然守られていない。確かに授業料は240万ドンだが様々な名目の費用が付け加わり、国立大学でも学生が大学に支払う金額は3百万ドンを越え、民営の大学では政府が決めた金額の何倍も徴収される。大学の関係者は、政府が決めた240万ドンでは大学の運営ができないので、別に費用を徴収するのは止むを得ない事だと語った。) *北部のPhu Tho省で、学生と教師が乗った貸し切りバスが別のバスと正面衝突し、5人が即死、61人が重傷を負った。事故の原因は、現在調査中である。 *クウェートの石油情報大臣が大勢の企業家と共にベトナムを訪れ、Hoang商工大臣と石油に関係する事業について話し合った。クウェートはベトナムと経済協力協定を結び、中部のThanh Hoa省の石油コンビナートに大規模な投資をしている。グエンミンチェット大統領もクウェートの大臣と会談し、同国の企業を特別に優遇するからベトナムへの投資を拡大して欲しいと要請した。 *アジア開発銀行はベトナムの電力事情を改善するため、政府に1億5100万ドルの優遇融資を行う。この資金は、主に送電線の敷設に使われる。 *ハノイ市の長距離バスのターミナルは、非常に狭くていつもバスと乗客で混雑している。バスが駐車する場所は少ないから、バスはターミナルに入って客を乗せたら、直ぐに出て行かなければならない。しかし客が少ないとバスは赤字になるから、バスはターミナルを出たら市内を巡回し、客を拾って回る。自転車より遅いスピードで走り、車掌は乗客が居ないかと叫びながら、時には1時間以上も市内をぐるぐる回る。バスの乗客は、バスが目的地へ向かって走り出すのを辛抱強く待つ。到着の時間など全く分からない。たくさんのバスが客を拾いながら市内をのろのろ走り回るから、渋滞は更にひどくなる。ハノイ市の公安は、長距離バスの運転規制の強化を検討している。 *グエンミンチェット大統領は国連の総会に出席するため、大勢の役人と共にニューヨークへ出発した。会議の合間に外国の指導者と個別に会談し、世界各国との友好を深める。国連の総会が終わった後で、キューバとチリを公式訪問する。 *政府は国産品愛用のキャンペーンを行う。世界的な景気の悪化による輸出の減少、農村の購買力の高まりがその背景にある。国庫から280万ドルを出し、テレビを通した国産品愛用の宣伝、農村の流通の改善を行う。 *国会の経済委員会は、銀行法の改定を検討した。立法に関係する経済の専門家が、委員に金融政策の在り方や中央銀行の権限と責任などを述べ、法律を改定する必要性を説明した。(訳者注:共産党の委員は、権限があるだけで経済の知識など全然ない。インフレの目標は、政府が決めるか国会が決めるかなど、ばかばかしい議論で時間を費やしただけらしい。) *国連の機関は政府の機関と合同で、低所得者用の安価な住宅の建設について検討した。ベトナムには安い住宅や部屋が全然なく、地方から来た労働者や学生は、住む場所が無いために悲惨な生活をしている。(訳者注:ベトナムの大都市の不動産は、日本と同じくらい高い。様々な法律で土地の利用が制限され、不動産の売買には税金や手数料など巨額の費用が掛かるためである。政府は土地の使用料や税金を免除し、貧困世帯用の安い住宅を建設するが、これらは役人が買い占めてしまい貧困世帯には渡らない。ベトナムの政治が改善しないと、貧困世帯が普通の家に住む事は不可能である。国連の機関はベトナム政府に、住宅に関係する行政の改善を求めた。) *中央政府は行政の手続きを簡単にするため、『30%カット』キャンペーンを行っている。政府の機関や地方自治体は、国民に要求する行政手続きを30%減らす、と言うものである。ホーチミン市はこれに答え、254件の許認可を不要にする事を検討している。また外務省は、従来は外国人のビザの更新に5日間かけたが、今後は必要な書類が揃っていれば、15分で新しいビザを発行すると発表した。 *ベトナムには10万人の外国人労働者が居ると言われるが、その半分以上は労働許可の無い違法な労働者である。労働省は外務省と共同で、違法な外国人労働者の取締を行う。悪質な違法労働者は、強制送還を行う予定である。 *ある民間の機関の調査によると、去年の4月から今年の3月までの1年間に、労働者の給料は平均16.5%上昇した。しかし物価の上昇は20%に近いから、実質的な給料は減少した。 *9月の消費者物価の上昇は0.62%で、政府の予想を大きく上回った。新学期の開始で教育費が4.33%の上昇、燃料費の値上がりで運賃が2.37%の上昇した。一方メコンデルタの米や野菜は豊作で、食料費は0.85%値下がりした。 *ホーチミン市は、同市とDong Nai省のBien Hoa市を結ぶ高速道路を建設する計画で、グエンタンズン首相から建設許可を得た。同市はこの他に南北高速道路、東西高速道路、都心と飛行場を結ぶ道路の拡張、Thu Thiem副都心を結ぶサイゴン川底のトンネルなど、様々な道路や橋の建設計画があり、一部では既に工事が始まっている。同市は2020年までの長期計画に基づいて社会基盤の建設を進めているが、問題は資金である。計画通りに工事を進めるには年間8億ドルの資金が必要だが、外国の援助などを考慮しても、その30%しか調達する目途が無い。 *ベトナムは1010年に中国から完全に独立し、ハノイ市(当時は昇龍、タンロンと呼ばれた)を首都にして、大越と言う国家を建設した。ハノイ市はこれを記念し、来年に市の創立1千年を祝う盛大な式典を開く。この式典に合わせて多くの公共事業の完成を目指したが、間に合わないプロジェクトがたくさんある。歴史博物館の建設、Van Cao道路の建設、Nguyen Phong道路の延長など、合計7件が計画通りに終わらず、記念の式典で完成を祝う事ができない。同市の人民委員会は、計画通りに工事が終わらないのは建設会社だけの責任ではなく、住民の移転の遅れ、建設資金の調達の遅れなど、多くの機関に責任があると弁明した。 *中部のThanh Hoa省は、セーオム(バイク・タクシー)の運転手に、営業許可の取得を義務づけた。他の市や省でも、セーオムの営業許可を検討している。(訳者注:政府は以前、セーオム(バイク・タクシー)の営業許可の取得を発表したが、定職の無い貧しい人から税金や手数料を取るのかと国民の反発が上がり、政府は営業許可の取得を撤回した。しかし最近は悪徳セーオムが横行し、客を恐喝して高い料金を取るなど、様々な悪事を行っている。国民もセーオム改善するため、セーオムに対する規制を望んでいる。) *ノンドクマン書記長はハノイ市のホーチミン国家アカデミーを訪れ、同大学は国家に大きな貢献をしていると賞賛した。そして学生に、マルクス-レーニン主義やホーチミン思想を良く学習し、立派な国家の指導者になって欲しいと語った。(訳者注:この学校は、共産党幹部の子弟が優先的に入学し、卒業生には政府の高い地位が約束された、特別な大学である。) *ハノイ市でVinh Tuy橋が完成し、グエンタンズン首相が出席して盛大な開通式が行われた。これは紅河に架かる3700メートルの吊り橋で、工費は約2億ドル、工事は2005年に始まった。ズン首相は、計画通りに立派な橋が完成したと、関係者を賞賛した。 *ベトナムで使われる農業機械の60%は、中国製である。そして一部は、日本などから輸入した中古品である。ベトナムの企業も農業機械を製造すると言うが、大部分は中国から部品を輸入し、組み立てているだけである。ベトナムは技術が無いし、機械を製造する鉄も無い。国内で機械を製造すれば、コストが掛かる上に品質が劣る。 *今年9月までに許可した外国からの投資は125億ドルで、去年同時期の2割に減っている。既存の外国企業の増資は去年と変わらないが、新しい投資は14%しかない。しかもホテルや観光施設の建設が主で、工場を建設して製造を行う投資はほとんど無い。
2009.09.26
9月14日-9月19日 *ノンドクマン書記長は、オーストラリアとニュージーランドへの公式訪問を終えて帰国した。ニュージーランドでは同国の首相と会談した後で、両国の関係強化を約束する共同声明を発表した。 *グエンミンチェット大統領はハノイ市で、北部の優秀な学生852人に、表彰状を手渡した。また特に優秀な学生80人を大統領官邸に招待し、国家のために学んだ知識を役立てて欲しいと要請した。南部でも803人の学生を表彰する予定である。彼等は高校の卒業試験や大学の入学試験で、優秀な成績を上げた学生である。 *Nhan教育大臣は、ダナン市で開かれた教育の改革に関する会議に出席し、ベトナムは独自に教育を改善するのは無理なので、外国の大学と合弁や提携を行い、教育を改善するつもりだと語った。(訳者注:ベトナムの教育は暗記だけを重視し、結果はテストの点数だけで評価する。だから大卒が会社へ入っても、使い物にならない。特に外国語の場合は、近隣諸国の大学生と比べて非常に劣る。) *労働者を海外へ派遣する企業は、労働者と派遣先から手数料を取る事だけ考え、非常に無責任な運営をしている。国会は次の会期に、この問題を検討する予定である。そのため労働省は、ホーチミン市の労働者派遣企業の実態調査を始めた。(訳者注:ある派遣企業は、ロシアの企業と優秀な労働者を送る契約を結んだが、派遣したのただの肉体労働者。ロシアの企業は、ベトナム人労働者は使い物にならなかったと言い、賃金の支払いを拒否した。労働者は手数料を払ったのに給料が貰えず、大きな問題に発展した。) *カンボジアの市場に、ベトナムの商品が急速に浸透している。ベトナム製は、安いから人気がある。以前は中国製が多かったが、今ではタイ製が最も多く、2番目はベトナム製である。 *中部の各省は、広大な海岸をリゾート開発の土地として、内外の企業に使用権を売り渡した。しかし実際の開発は全然進まず、荒れてしまった土地が有刺鉄線や柵で囲われているだけである。前にそこに住んでいた住民は、土地を失って他の場所に移ったが、仕事が無いから貧困に喘いでいる。(訳者注:ゴルフ場の建設計画と同じで、こんなに多くのリゾート開発が不可能な事は誰でも分かる。しかし当時は政府が情報を隠していたから、企業は他に多くの計画があるとは知らずに開発許可を申請した。また一部の企業は、将来の地価の上昇を見込んで投機として土地を取得した。) *グエンタンズン首相は大勢の大臣や副大臣と共に、公式訪問でカザフ共和国に到着した。この国は旧ソ連から独立した国で、昔から友好的な関係にある。 *国会の常任委員会は、国内の電力事情について説明を受けた後で、法律による節電を検討した。停電を無くすには、発電量を増やすと共に節電も必要である。商工省の説明によると、ベトナムの火力発電所の発電効率は32%で近隣諸国より10%近く低く、産業用ボイラーの効率は60%で他国より20%低い。同じ物を製造する場合も、ベトナムでは他の国の1.7倍のエネルギーを消費する。(訳者注:国立の大学や病院は、電気料や水道料を払わない。国営企業が無料で電気や水を提供する。だから教師や医者は、節電の考えは全然ない。大学ではクーラーが利き過ぎて寒ければ、窓を開けて室温を調節する。) *政府は、ホーチミン市から北西部のBinh Phuoc省まで129Kmの鉄道を敷設する計画があり、その予備調査を終えた。建設費用は4億3800万ドル、住民を移転させるのに1年、建設工事に3年半かかる。中国が資金の一部を援助すると申し出ており、工事は中国の企業が行う事になる。 *ホーチミン市の隣のDong Nai省には21か所に工業団地があるが、総合的な排水処理の施設があるのは10か所だけ、その他の工業団地には施設が無い。工場は排水を処理せず、そのまま川に排出する。だから同省の川の水質汚染は特にひどい。工業団地に総合的な排水処理施設が無い場合は、各工場に排水を処理する責任がある。政府は排水を垂れ流している企業に罰金を課すが、罰金の最高額は3800ドル。企業は排水処理施設を作らず、罰金を払いながら工場の稼働を続けている。 *セメント製造協会は政府に、セメントを製造する工場の建設禁止を要求した。ベトナムは年間4千5百万トンのセメントを消費するが、今年の製造は5千万ドルを越える。過去数年の間にセメント工場が沢山できたが、多くは小規模で能率が悪く生産コストが高い。 *カザフ共和国を公式訪問しているグエンタンズン首相は、同国の首相や大統領と会談し、両国の友好を更に深める事を約束した。 *東チモールの外務大臣がベトナムを訪れ、Khiem副首相兼外務大臣と両国の関係強化について話し合った。チェット大統領も同外務大臣と会談し、両国の友好を深めた。 *グエンミンチェット大統領は、公安大臣と犯罪の防止について話し合い、公安の警察は犯罪防止に大きな貢献をしていると賞賛した。(訳者注:スリや泥棒にとって、公安は全く怖くない。目の前でスリやひったくりがあっても、緑の制服を着た公安は笑って見ているだけで、追いかけて捕まえようとはしない。ただ怖いのは国家に対する反逆に関係する人達で、インターネットや郵便は公安の監視下にあり、政府や共産党の悪口を言うと直ぐに公安がやって来る。) *グエンタンズン首相は公式訪問で、カザフ共和国からデンマークに到着した。同国の首相と話し合い、両国の関係強化を約束した。ズン首相は同国の女王とも会談し、両国の友好を深めた。更にその後で、2百人の企業家によるビジネス会議に出席し、ベトナムへの投資を求めた。 *国会の常任委員会は、養子法の改定を検討した。ベトナム人同士が養子縁組をすべきで、人身売買のように外国人に子供を引き渡すべきではない。新しい法律では、ベトナム人同士の養子縁組の手続きを大幅に簡単にする。過去5年間に孤児など2万人が養子に出たが、7千人は外国人の養子になった。 *日本とベトナムの大学の関係者1百人がハノイ市に集まり、ベトナムの大学教育の改善について話し合った。Nhan教育大臣は、ベトナムの教育の程度は非常に低いので、外国の援助を受けて教育水準の向上を計りたいと語った。 *政府は農民や自営業者に、政府が運営する任意の社会保険に加入するよう呼び掛けているが、社会保険に加入する人はほとんど居ない。政府の宣伝が不足し、多くの国民は社会保険の事を良く知らないからである。(訳者注:政府の社会保険には健康保険と国民年金が含まれるが、健康保険は実際には役に立たないし、政府の年金など誰も信用しない。本当に健康保険や年金が必要だと思う人は、外資系の保険会社に加入する。) *グエンタンズン首相は、公式訪問でデンマークからハンガリーに到着した。盛大な歓迎を受けた後で同国の首相と会談し、従来から続く友好的な関係を更に深める事を約束した。また同国の大統領とも会談し、両国の友好を深めた。 *国会の常任委員会は、身体障害者援護法の改定を検討した。身体障害者を援助する法律は1998年に制定されたが、政府は予算が無いからこの法律を実行できない。ベトナムには550万人の身体障害者が居るが、政府の援助はほとんど無く、家族が面倒を見ている。学校へ行けないから大人でも41%は文盲で、労働可能の年齢になっても93%は職が無い。(訳者注:ベトナム人は、身体障害者や老人に対して非常に優しい。これには頭が下がる。老人がバスに乗れば、若い人は当然のごとく席を譲る。身体障害者が路上で乞食をすれば、大勢の人が金を恵んでやる。ただある人は、ベトナム人は現実的な因果応報の考えがあり、株式を買った人は『儲かるように』と願い、学生などは『試験に合格するように』と願って乞食に金を恵むのであり、彼等に同情して金を恵むのではないと言う。)
2009.09.19
9月7日-9月12日 *ノンドクマン書記長は、共産党の幹部やKhiem副首相兼外務大臣らと共に、公式訪問でオーストラリアに到着した。飛行場で同国の首相の出迎えを受けた後、両国の代表は会議を開き、経済面の関係強化を話し合った。 *中部は連日大雨が続き、大きな被害が出ている。道路は寸断されて不通となり、農地は冠水して農作物は腐り始めている。被害は莫大である。(訳者注:国家の指導者は頻繁に地方に出かけ、地方の役人と政治や経済について協議する。地元の役人は、立派な政治によって社会基盤は充実し、住民の生活は大幅に改善したと報告し、国家の指導者は賞賛の言葉を述べる。しかし実際は、社会基盤の改善や国民生活の向上は全然進んでいない。私がベトナムに来てから15年、毎年ベトナムは大発展を遂げたとの新聞の記事を読んでいるが、いまだにベトナム人の年間所得は数百ドルである。) *中部のDac Lac省で、中部の経済発展を促進する会議が開かれた。会議に出席したTrong副首相は、この地に投資する企業には、減税を含め様々な優遇を行うと述べ、内外の企業に中部への投資を求めた。(訳者注:政府は法律を無視して様々な『特別な優遇』を与えるから、国民は法律を無視する習慣がついてしまった。役人は政府を真似て、金(賄賂)を貰えば行政上で様々な『特別な優遇』を行う。) *石油採掘公社は、中部のQuang Ngai省に8千万ドルを投資し、キャッサバ(木薯)からエタノールを製造する工場を建設する。Son副国会議長らが出席し、起工式が行われた。(訳者注:石油採掘公社は、政府から特別な優遇を受けて地下資源を輸出し、巨額の利益を上げている。同社は莫大な資金があるから、原油の採掘以外にも金融、不動産、住宅、運送など、様々な方面に投資をしている。同社の利益のかなりの部分は、国家の指導者への献金にも回されており、同社の経理は国家秘密である。) *ベトナムには老朽化した橋が多いため、運輸省は30トン以上の重量車両の通行を禁止した。そして公安は、同省の法令に従って違反車両から罰金を取る。しかし貨物の入った40フィートコンテナを大型トラックに載せれば、簡単に30トンを越えてしまう。輸送会社は頻繁に罰金を取られ、音を上げている。運輸省は橋の事しか考えず、公安は罰金を取る事しか考えないから、経済に大きなマイナスが出ている。(訳者注:運輸会社は、普通の国道にある橋や道路で通行料を払い、公安には頻繁に罰金を取られる。それでも利益を上げなければならないから、ベトナムの運送料金は近隣諸国と比べて非常に高い。) *ノンドクマン書記長はオーストラリアの首相と会談し、貿易や投資の拡大について話し合った。ベトナムはオーストラリアの援助に感謝の言葉を述べ、同国はベトナムの経済発展を賞賛する言葉を述べた。その後でマン書記長は同国に住むベトキュー(越僑)と会談し、両国の懸け橋として友好の促進に協力して欲しいと要請した。 *ラオスの副国会議長が大勢の国会議員と共にベトナムを訪れ、グエンフーチョン国会議長らと両国の関係強化について話し合った。ラオスはベトナムの企業を優遇するから、積極的に同国に投資をして欲しいと語った。グエンミンチェット大統領もラオスの副国会議長と会談し、両国の友好を深めた。 *シンガポールの副首相兼防衛大臣がベトナムを訪れ、Thanh防衛大臣と防衛に関係する問題を話し合った。両国は国防に関する協力協定を結んでいるが、実際にどの様に協力するか検討した。グエンタンズン首相もシンガポールの副首相兼防衛大臣と、防衛を中心に両国の協力関係の構築を話し合った。 *(訳者注:交通事故による治療費は、今までは国民が支払った保険金で賄っていたが、保健省は資金不足を理由に、10月1日から特別な場合を除き、患者が自ら支払うよう法案を改定した。(訳者注:ベトナムでは交通事故が起きると、多くの場合は加害者が逃げてしまう。被害者は怪我をした上に、自分で治療費を払わなければならなくなる。) *中央政府の調査によると、ホーチミン市では2億3千万平米の国有地が、国営企業や政府の機関に無償で貸与されているが、その内1億平米以上が違法に使われている。国営企業や政府の機関は、国から無償で借りた国有地を使わなくなったら、国へ返還しなければならない。しかし殆どは返還せず民営企業などに又貸しし、違法な収入を得てそれを違法に使っている。一部の政府機関は殆ど仕事をせず、土地の賃貸から上がる巨額の収入で、役人に高額の給料を払っている。 *その一方で学校は土地が不足し、校舎の建て増しで校庭が無くなり、子供達は運動をする場所はもちろん遊ぶ場もない。 *中部のHa Tien省で、鉄鉱石の採掘が始まる。3900ヘクタールの土地に3千万ドルを掛けて表土を取り去り、それから本格的な採掘を始める。Hung副首相、共産党の幹部、地元の指導者が出席し、起工式が行われた。(訳者注:ベトナムには原油や石炭の他、鉄鉱石やボーキサイトなど膨大な地下資源があるが、まだ未開発のまま眠っている。) *ノンドクマン書記長は、公式訪問でオーストラリアからニュージーランドに到着した。同国の首相と挨拶を交わした後、同国に駐在するベトナムの大使から、同国に関する報告を受けた。 *国会の常任委員会は、10日間に渡る会議を始めた。いろいろな法律の草案を検討し、汚職防止法などの効果を評価する。グエンフーチョン国会議長は開会の挨拶で、立派な法律を制定するよう指示した。 *ベトナム政府は、行政改革を行って様々な手続きを簡単にしたと言うが、世界銀行の評価によると、ベトナムのビジネスのやり易さは世界で93番目、去年の91番から更に下がった。ベトナムの行政の手続きは非常に面倒で、費用と時間がたくさん掛かる。 *ホーチミン市などでA/H1N1のインフルエンザが広がり、今までに患者は4千人を越え、死者も5人になった。学級閉鎖などを行う学校も増えている。 *ハノイ市は日本政府の優遇融資17億ドルを用いて、28Kmの高架鉄道を建設する計画がある。同市はこの計画を実行するため、8社と建設のコンサルタント契約を結んだ。 *ホーチミン市では今年、貧困世帯が減るどころか反対に増えている。世界的な景気の悪化で一家の働き手が職を失い、新たに貧困に落ち込む世帯が非常に多い。 *ニュージーランドを訪問しているノンドクマン書記長は同国の首相と会談し、両国の関係を更に強化する事を約束した。ニュージーランドの首相はベトナムの急速な経済発展を賞賛し、マン書記長は同国の援助に感謝の言葉を述べた。 *中国の国会議長が大勢の国会議員と共にベトナムを訪れ、グエンフーチョン国会議長らと会談し、両国の友好と理解を深めた。 *ベトナム海運協会は、中部の観光地Phan Thietで会議を開き、将来の計画を話し合った。参加した企業の代表は、ベトナムに水深のある近代的な港が無いのは重大な問題で、早急に建設すべきだと提言した。地方の政府や民営企業は、小さな港を多すぎるほど建設したが、中央政府の主導で多額の資金を投入し、近代的で大規模な港を建設すべきだと語った。 *保健省は、医薬品の宣伝に関する厳しい規制を発表した。また化粧品なども、薬と間違える宣伝をしてはならないと、厳しい制限を付けた。(訳者注:街中では、偽の薬や製造元も製造日も不明な得体の知れない薬がたくさん売られている。それらを規制せずに宣伝だけを規制するなど、政府のやることは少しおかしい。) *ハノイ市は、看板に関する厳しい規制を発表した。違法な看板は街の美観を損ない、道路脇の看板は交通事故を増長するからである。(訳者注:街の中はごみだらけ。ごみの規制はせずに看板を規制するなど、これもおかしい。交通事故の防止は必要だが、スピード違反や無免許運転は無罪放免で、『運転手が道路脇の看板に気を取られて事故を起こすといけないから、看板を規制する』などと言う理由は、噴飯ものである。) *学生の健康保険は、1994年に任意加入で始まった。法律により、今年から全ての学生が加入する事になる。年間の保険料は8ドルで、貧困世帯の学生は4ドル、貧困に近い世帯の学生は6ドルである。保健省は学校に、学生に保健への加入を勧めるよう指示を出した。(訳者注:この保健に政府の援助は無い。だから一人の年間の治療費は、平均で数ドルしかない。病院で保険を使うと、体温を計り聴診器を当てる位の治療しか受けられない。これは有名無実の保険だから、ほとんどの学生は加入していない。) *ホーチミン市は新しいCha Va橋が開通したので、老朽化したY字橋を通行禁止にし、渡し船も廃止した。その結果、新しい橋に進入する道路の交通渋滞が悪化し、車もバイクも全然動けなくなった。同市はもう一つの古いRach Cat橋も通行禁止にする予定だったが、計画を変更して使い続ける事を決めた。*グエンタンズン首相は大勢の役人と共に、北部Son La省の水力発電所の建設現場を視察した。これはベトナム最大の水力発電所で、1万人の労働者が今年中に最初の発電タービンを据え付け、2012年までに全ての工事を完成する計画で働いている。ズン首相は関係者の努力を賞賛し、立派な発電所を計画通りに完成するよう指示した。また地元の役人に、住民の移転も計画通りに進めるよう指示した。 *政府は次の国会で、食品衛生法を可決する予定である。そのため食品会社、消費者、関係する政府機関の代表と共に、法律の草案を検討する会議を開いた。非常に厳しい法律なので、企業からは順守できるかどうか心配の声が上がり、消費者は、政府機関の担当と責任が曖昧なため、法律が正しく実施できるかどうか心配している。 *内陸の水上交通で事故が急増しており、運輸省は内陸水上輸送協会と公安など関係する政府の役人を招き、事故を減らすための会議を開いた。5馬力以上のエンジンを持つ船は登録が必要だが、登録している船は1割も無い。また無免許運転が多く、水上交通の規則は全然守られていない。運輸省は、法律を厳しく適用する事を決めた。 *南部Binh Duong省の観光施設で、飼育していたトラが柵を飛び越え、隣で木を植えていた3人の作業員に襲いかかった。大勢の観光客が見ている前で1人が噛み殺され、もう一人も重傷を負った。
2009.09.12
8月31日-9月5日 *VOVラジオ放送は、東シナ海に向けて電波を発信できるようになり、グエンタンズン首相が電波発信のボタンを押した。東シナ海では多くのベトナムの漁船が操業しており、また南沙諸島にはベトナムの軍人が駐屯している。彼等は今後、VOVラジオ放送を楽しみ、気象状況など重要なニュースを知る事ができる。 *ベトナムでは、陸上の交通と同じく水上の交通も非常に乱雑な状態で、頻繁に事故が起きている。過去4年間に1千件以上の事故が起き、8百人近くが死亡している。渡し船を運行するには政府の許可が必要だが、半数以上は無許可である。エンジン付きの船を運転するには免許が必要だが、4割の運転手は免許を持っていない。交通違反は非常に多いが、専門に取り締まる機関が無い。公安省は、水上の交通の改善を検討している。 *ハノイ市で月例の閣僚会議が開かれ、グエンタンズン首相は今年の経済成長率5%を達成するため、全力を上げるよう政府の機関、全国の国営企業、人民委員会に指示を出した。世界的な景気の悪化でベトナムは経済成長率を5%に下げたが、これを達成するには今後6.5%の成長が必要である。 *川底の砂を大量に採取すると、川岸の堤防が浸食されて大きな問題になる。カンボジアは大量の砂をシンガポールに輸出していたが、この問題が起きて砂の輸出を禁止した。するとシンガポールは、ベトナムのメコンデルタから砂を輸入するようになり、砂の輸出は去年の110万立米から、今年前半だけで700立米と激増した。そしてベトナムでもカンボジアと同じように、川岸の浸食が急速に進み始めた。 *Hung副首相は労働省と財務省に、来年から役人の給料と退職者の年金を、12.3%上げるよう要請した。 *燃料はリットル当り1000ドン値上がりし、ガソリンA92は15,700ドン、ディーゼル油は13,100ドンとなった。今月になり2度目の値上がりである。 *(訳者注:9月2日は、ベトナムの建国記念日で祭日である。ベトナムはフランスの植民地だったが、太平洋戦争中に日本軍がベトナムに進出し、フランス植民地軍を圧倒した。この日本軍が1945年に無条件降伏をしたのを機に、故ホーチミン大統領はベトナムの独立を宣言した。その日が1945年の9月2日で、今ベトナムは建国記念日として祝う。しかしフランスは再び軍事力を増強し、ベトナムの植民地化を図った。ベトナムはディエンビエンフーの戦いでフランス軍を破り、更にアメリカとの戦いでも勝利し、完全な独立と統一を達成した。日本軍のベトナム進出が独立のきっかけにはなったが、日本軍はベトナムで米を強制徴集し、北部を中心に数十万人を餓死させた。) *政府は9月2日の建国記念日に、5400人の囚人に恩赦を与えた。2月の旧正月にも15,000人に恩赦を与えており、今年は2万人以上の囚人が恩赦を受けた。この大量の恩赦は、ベトナム政府と共産党の慈悲の気持ちを示すものである。 *9月2日の建国記念日に、マン書記長ら政府の指導者は全員でハノイ市のホーチミン廟を訪れ、花輪を捧げて偉大な故人の冥福を祈った。(訳者注:故ホーチミン大統領は、独立宣言のちょうど24年後、1969年の9月2日に亡くなった。9月2日は建国記念日であると同時に、故人の命日でもある。) *グエンタンズン首相は建国記念日を祝うため、ハノイ市に駐在する外交官を招待し、盛大な晩餐会を開いた。ズン首相はベトナムの現状を説明し、外国の援助に感謝の言葉を述べた。チリの大使は、来賓を代表してベトナムの発展を祝福する挨拶を述べた。 *9月2日の建国記念日に合わせ、サイゴン川に架かるPhu My橋が開通した。グエンタンズン首相は開通式に出席し、リボンを切った後で渡り初めに参加した。この橋は東西高速道路にあり、高速道路の一部も開通した。この橋は、外国の企業グループが1億1200万ドルを投資して完成させた。企業グループは橋の通行料を徴収し、投下した資金を回収する。(訳者注:ベトナムは税制が確立していないから、国家の税収は非常に少ない。だから多くの公共の施設は、料金を徴収して投下した資本を回収する。有料道路や有料橋が多いから、ベトナムの輸送費は非常に高額になる。) *ベトナムは8月までに440万トンの米を輸出し、18億ドルの外貨を得た。去年と比べ、量では42%の増加だが金額では4%の減少である。 *ベトナムは8月までに、5万人の労働者を海外へ出稼ぎに出した。台湾へ1万3千人、韓国へ5550人、三番目の日本へは3800人である。 *グエンタンズン首相は南部のKien Giang省を訪れ、新たに創立された高校の開校式に出席した。ズン首相は生徒の歓迎を受けた後で、しっかり勉強して国家に役立つ立派な人になるよう訓示した。 *(訳者注:首相や大統領は、様々な指示を出す。9月4日の新聞には『政府は民営企業や個人も科学技術の開発に努めるよう指示した』『グエンタンズン首相は子供の人権を守り、子供の虐待を無くすよう指示した』との記事が大きく掲載されている。『経済を発展させろ』『交通事故を減らせ』と言う指示は、今までに何度も出ている。しかしこれらは、指示だけで改善するものではない。同じ9月4日の新聞には、『政府は行政改革を行えと指示し、役人は政府の指示に従って大きな改革を成し遂げたと報告するが、実際は何も変わっていない』と言う国民の嘆きの声が掲載されている。) *ホーチミン市の人民委員会は、2006年に37,000戸の低所得者用のアパートを建設する事を決めた。公害を出している工場を郊外へ移転させ、その跡地に高層アパートを建設する計画で、本来なら今頃はアパートが完成している筈である。しかし建設工事を請け負った国営企業によると、建設許可の手続きが完了せず、いつ工事に取り掛かれるかは未定だと言う。また建設資材は大幅に値上がりしており、前に結んだ建設契約は全て無効にし、新たに契約を結び直す必要があると言う。 *ノンドクマン書記長も、新学期が始まる前にハノイ市の高校を訪れ、一生懸命勉強して立派な大人になるよう訓示した。(訳者注:ズン首相もマン書記長も、生徒に国旗を振って歓迎され、満面の笑みをたたえて生徒と握手をし、何人かと個別に話をした。新聞は、生徒と交流する国家の指導者と称えている。しかし学校は予算の不足、教室の不足、教師の闇アルバイト、裏口入学や闇月謝など、様々な問題を抱えている。ベトナムの指導者は、国家の教育政策など念頭に無く、ただお祭り気分で浮かれているだけ。) *コカコーラ社の会長がベトナムを訪れ、グエンタンズン首相と会談した。同社は今までベトナムに2億ドルの投資をしたが、今後3年以内に更に2億ドルを投資し、ベトナムの事業を拡大する予定だと報告した。同社は1994年にベトナムに進出し、今では北部、中部、南部に3つの工場を持ち、合計1500人を雇用している。 *ホーチミン市がHiep Phuoc工業団地を建設した時、ここに供給する電力が無かった。そこで同市は電力会社を設立し、この会社が工業団地の中に小型の発電所を建設し、工場に電力を供給している。しかし発電所は効率が悪く割高なため、去年の9月から通常より20%高い電気料を請求し始めた。工業団地の中にある工場は、最近になって一斉に反発し、発電所と同市に通常の電気料に引き下げるよう要求を出した。) *ベトナムは8月までに42万トンの天然ゴムを輸出し、6億1400万ドルの外貨を得た。これは去年と比べ、量で8.2%の増加だが金額では41.4%の減少である。しかし最近になって、ゴムの価格は回復傾向にある。最大の輸出先は中国で、全体の70%を占める。
2009.09.05
8月24日-8月29日 *グエンタンズン首相は中部山岳地帯のThai Nguyen省を訪れ、地元の役人と経済発展について話し合った。ズン首相は、豊富にある地下資源を活用し、工業を発展させるよう指示した。地元の役人は、同省は7.5%の経済成長と11.3%の工業成長を達成したと報告した。 *(訳者注:ベトナムは大量の米、お茶、コーヒーを輸出するが、種類や品質の区別が無い。雑多な品種と品質の物が混じり合い、ただベトナム産とだけ表示される。だから価格は、最も安い品種と品質が基準となる。良い品種で高い品質の物だけを取り出せば、高い価格が付けられるのだが、仲買人が農家を巡回して作物を買い集める現在の方法では、品種や品質の統一は不可能である。だからベトナムの農作物は、タイ産などと比べて非常に安い。) *ベトナムには労働者を海外に派遣する企業が164社あるが、過去に1千人以上を送り出した企業は54社しかない。多くは手数料を取って労働者を外国へ送り出したら、その後は何もしない。外国に出た労働者は派遣企業の援助が無いから、契約違反などがあっても泣き寝入りをするしかない。) *独立と統一の戦争で名を上げたグエンザップ将軍は、99歳の誕生日を迎えた。ノンドクマン書記長やDoan副大統領ら大勢の指導者が、ザップ将軍の自宅を訪れ、長寿を祝う挨拶を述べた。 *グエンタンズン首相は勲章の授与式を開き、前の労働大臣、前の副首相兼内務大臣、前の工業大臣らに金星勲章やホーチミン勲章を授与し、彼等の貢献を祝福した。(訳者注:形式を重んじるベトナムでは、表彰状や勲章は特別な価値を持つ。上位の指導者は、部下を掌握する手段として表彰状や勲章を授与する。) *情報通信省は、ベトナムソフトウェア協会と外国企業の代表を招き、ハノイ市でIT産業の促進に関する会議を開いた。外国企業の代表は、ベトナムには大きな問題があると指摘した。1、IT技術者は英語ができずレベルも低い。2、情報通信の社会基盤が非常に劣る。3、法律の不備で著作権が無視される。4、政府に長期的な展望が無い。外国の企業は、政府の主導で改善をしないと、IT産業の発展は難しいと報告した。 *世界的な景気の悪化で、アメリカやヨーロッパへの衣類の輸出は減っているが、日本向けだけは20%以上増えており、今年の輸出は10億ドルに達する見込みである。ただ中国との競争が厳しく、安く大量に生産すると言う点では中国に太刀打ちできない。ベトナムは少量多品種の製造など、中国が手掛けない製造を行うしかない。 *中部のダナン市で、APECビジネス会議が始まった。グエンミンチェット大統領も会議に出席し、ベトナムの経済状況を報告し、各国は互いに協力して経済発展を図ろうと呼び掛けた。 *グエンミンチェット大統領は中部山岳地帯のLam Dong省を訪れ、地元の役人と経済発展について話し合った。チェット大統領は、同省はホーチミン市との関係を深め、観光客と投資の誘致に力を入れるよう指示した。 *グエンタンズン首相と5つの省の指導者は、インターネットを通して会議を行った。省の指導者はいずれも急速な発展を遂げていると報告し、ズン首相はあらゆる困難を克服して経済発展を継続させるよう指示した。 *ベトナムが8月までに外国企業に発行した投資許可は1百億ドルで、去年の18%しかない。新しい投資は56億ドル、残りは既にある企業の増資である。また実際に行われた投資は65億ドルで、これも大幅に減っている。 *(訳者注:国策事業として中部に完成したDung Quat石油精製施設は、試運転をしていたが、設備の故障で運転が止まっているらしい。政府はベトナムの評判が落ちる事は、報道規制を敷いて隠してしまう。現在この石油精製施設は、中央政府の指示を受けて安全点検などに全力を上げているらしい。) *教育省が提出した授業料の値上げ案をズン首相が承認し、大学、短大、職業学校の授業料が、20%値上がりする事が決まった。月謝は24万ドン、20万ドン、13万5千ドンになる。Nhan教育大臣は、過去十年で国民総生産は 4.7倍、最低賃金は 1.9倍、物価上昇は2倍を越えているのだから、授業料の上昇も当然の事だと述べた。(訳者注:授業料は学校に支払う費用の一部で、これ以外に設備費、教材費、消耗品代などたくさんある。) *ハノイ市は来年、中国から独立して1千年に当たり、盛大な式典を計画している。ホーチミン市はこれを記念し、同市に故ホーチミン大統領の銅像を寄贈する。高さ8メートルの巨大な銅像は、ハノイ市のThong Nhat公園に建立されるが、その建設費用はホーチミン市が負担する。 *ホーチミン市の産婦人科病院などは、病院内の薬局で粉ミルクを販売している。値段は高いが、医師が勧めるので人々はつい買ってしまう。医師は、業者からリベートを受け取っている。保健省は、病院が粉ミルクを販売するのを禁止する予定である。 *(訳者注:以前は田舎の人達は、都会に出て働き、金を貯めて故郷に戻ると言う夢を持っていた。しかし去年から始まった不況と急激な物価上昇で、田舎から出て来た人々は厳しい生活を強いられ、揚げ句の果てに首を切られ、貯金も無しに田舎へ戻って行った。彼等の話を聞いて、田舎の人達は都会の生活の厳しさを知った。甘い夢を抱いて田舎から都会へ出て行く人は少なくなった。今は世界的な不況も底を打ち、都会の工場では生産の拡大が始まった。しかし労働者が集まらない。ホーチミン市は、これから年末に掛け新たに10万人の労働者が必要だと言われており、企業にとって求人が大きな問題になる。) *統計局によると、8月の物価は7月と比べて0.24%上昇し、今年になって3.47%の上昇である。(訳者注:こう言う数字は、全てが不正確である。市場監理局は、8月の物価は0.4%の上昇だと報告している。経済成長などの数字も全てでたらめで、外国の機関などが推定する数字は、ベトナム政府が公表する数字と大きく異なる。) *中国の共産党中央委員会の代表がベトナムを訪れ、ノンドクマン書記長らベトナム側と会談し、両国の友好と理解を深めた。*ハノイ市で外務省本館の建設工事が始まった。国家の外交を司る本部として、約2億ドルを掛けて立派な建物を建設する。グエンタンズン首相も、地鎮祭に出席した。*ガス原油採掘公社は、中部のHa Tinh省に大型の火力発電所を建設する。投資金額は15億9千万ドル、発電能力は1200MWである。 *保健省は全国の50か所に食品衛生監理所を設置しているが、実際はその半数近くは名前だけで実在しない。中央政府は食品の衛生と安全に力を入れ始めたが、体制の不備で食品の管理ができない。食品の検査や分析ができる職員が居らず、それを行う設備も無い。グエンタンズン首相は保健省に、早急に体制を整えるよう指示した。 *メコンデルタは川が網の目のように流れ、たくさんの橋がある。しかしどれも小さくて弱いから、通過する自動車の重量制限がある。しかし最近はメコンデルタに冷凍エビなど食品の加工工場が沢山でき、商品はコンテナに入れトラックで輸送する。コンテナトラックは重いから、ほとんどの橋で重量制限に違反する。最近は交通規則が厳しくなり、トラックは頻繁に罰金を徴収される。大型トラックの通れる橋が無いのだから、トラックの運転手はどうしようもない。
2009.08.29
8月17日-8月22日 *北部のTuyen Quang省の人民委員会は、共産党中央委員会の役員を招いて、同省は過去40年に渡って故ホーチミン大統領の教えを守り、大きな発展を遂げた事を祝う式典を開いた。同省は去年13%を越える経済発展を遂げ、住民の年間所得は5百ドルになり、年間の税収も2千万ドルになったと報告した。(訳者注:人口70万の省が過去40年に渡って大発展を続け、住民の年収が5万円、税収が20億円に増えたと言う話し。笑ってしまう。) *国会の常任委員会は5日間に渡る会議を終え、グエンフーチョン国会議長が閉会の挨拶を述べた。そして関係する委員に、法律の草案を計画通り遅れずに作成するよう指示した。(訳者注:国会の委員は全員が共産党の幹部で、彼等が国の法律や政策を決める。だから国会の委員会の会議は重要だが、国民は政治に関心が無く、新聞やテレビは会議の詳細を報道しない。) *グエンタンズン首相は南部のCa Mau省を訪れ、地元の役人と経済発展について話し合った。その後で天然ガスのコンビナートを訪れ、労働者を激励した。 *南部Can Tho市の国営農場の経営陣の汚職で、裁判所は社長らに1年から8年の禁固刑を言い渡した。彼等は国有地を勝手に売却し、その金で豪遊していた。(訳者注:この様な国有地に関係する汚職は、全国で頻繁に行われている。彼等の場合は、余りにも豪勢に金を使い過ぎ、地元の住民の妬みをかって告訴された。) *中部の古い町Hoi Anで、日越文化交流祭が始まった。両国の芸能家や文化人が出席し、共同で盛大な祭りを行う。徳川家安が鎖国を行う前は、この地に日本人町があって栄えた。 *ベトナムでは食品の衛生観念が乏しく、有害な防腐剤や色素が入ったり賞味期限が切れた食品が、あちこちで売られている。特に賞味期限が切れた食品は安いから、外国から大量に輸入されている。ホーチミン市の衛生課が市内の流通業者を調べたら、国営の食肉公社や外国の大型スーパーの倉庫から、大量の期限切れの食品が見つかった。 *ベトナムの原油は枯渇し、既に生産は減少傾向となっている。石炭も枯渇が始まり、今後の大幅な増産は見込めない。しかし政府は無計画に石炭火力発電所の建設を進めており、石炭公社によると2013年には石炭の輸入が必要になる。また2015年の石炭の需要は9400万トンで国内の供給は6700万トン、2020年の需要は1億8400万トンで供給は7000万トン、石炭の大幅な不足が予想される。火力発電所はもちろん、セメントや肥料を製造する企業は、大きな困難にぶつかる事が予想される。 *(訳者注:化学調味料を製造する台湾のVedan社は、長年に渡って汚水を川に流し、大きな公害を引き起こしていた。被害を受けた地元の住民は、何度も同社に汚水処理の対策を要求したが、同社は地元の公安に賄賂と罰金を払い、対策を取らないばかりか住民の要求を公安の力で撥ね除けていた。しかし最近は中央政府が公害防止に乗り出し、地元の政府はこの問題から手を引いてしまった。中央から来た役人は賄賂や罰金とは関係ないから、厳しく同社を糾弾した。また地元の養殖業者や農民も、長年に渡る損害で合計3300万ドルの賠償金を要求した。同社は賠償金が高すぎると中央政府に泣き付いたが、過去に公安に払った賄賂や罰金は考慮されず、厳しい判決が下される見込みである。) *グエンタンズン首相は中部のLam Dong省を訪れ、地元の役人と経済発展について話し合った。その後で、ボーキサイトの採掘事業のため強制移転させる住民に、新しい住宅を提供する贈呈式に出席した。 *ホーチミン市は、市の郊外に学生の寮や低所得者向けの安価な住宅を大量に建設する計画である。2015年までに3億ドル以上を投資し、10万室を確保する。しかしその資金と土地の確保が、最大の問題である。同市の70の大学では33万人が勉強しているが、その70%は地方から来た学生である。) *運輸省は、ホーチミン市からメコンデルタのCan Tho市まで鉄道を敷設するため、鉄道公社に建設計画を作成するよう指示した。 *ベトナムの税務署と税関の手続きは面倒で時間が掛り、外国の企業などから大きな不満の声が出ている。Hung副首相は財務省に、税金や関税の手続きを簡素化して企業や国民の不満を無くすよう指示した。(訳者注:大学の講師や病院の医師に対し、2年ほど前から所得税の徴収が始まった。私は源泉徴収された税金の還付申請をしたが、手続きは非常に面倒な上に税務署の職員が不慣れで、嫌になるほど長い時間が掛った。今年は政府の政策が変わり、大学の講師は所得税を収めなくても良い事になった。) *(訳者注:ベトナムにも食品の輸入に関する法律の規制があるが、今までは全て無視され、何でも自由に輸入できた。しかし最近になって、中央政府の指示で法律が厳しくなり、ホーチミン市の港には賞味期限が切れた食品などのコンテナ1百近くが、通関できずに滞っている。税関の役人はコンテナの通関を差し止めたものの、今後これをどう処分したら良いのか分からない。港に何週間も止められた食品は、腐敗が始まっている。食品を輸入した会社は、莫大な損失を抱える事になる。) *ホーチミン市は麻薬撲滅の一環で、麻薬中毒患者の矯正に力を入れており、今年前半だけで1100人を矯正施設に送った。しかし逃げ出してしまう中毒患者が多く、矯正の効果は上がらない。逃げた後は公安を恐れて住所を登録せず、浮浪者となった上、麻薬を買う金が欲しくて窃盗などを繰り返している。 *グエンミンチェット大統領は、前副防衛大臣のQuang将軍、前国会副議長のThuy将軍、既に亡くなった英雄のNinh氏に、国家最高の栄誉である金星勲章を授与した。その後で新しくできた保安部隊の記念堂の公開式に出席し、保安部隊の愛国的な活動を賞賛した。(訳者注:ベトナムは形式や外観を重んじる国だから、勲章の授与は非常に有り難い事として感謝される。) *インドネシアの国会議長が、大勢の国会議員と共にベトナムを訪れ、グエンフーチョン国会議長らベトナムの国会議員と交流し、両国の友好を深めた。 *グエンタンズン首相は行政改革の一環として、政府の各機関に行政手続きの30%を、廃止するよう指示を出した。ベトナムの役人は不要な手続きを要求するので、多くの事がとても面倒で時間が掛かる。 *運輸省は交通の状況を改善するため、ホーチミン市とハノイ市に交通違反の罰金を2倍に上げても良いと許可を出した。しかし法務省は、法律違反の罰金は全国一律にすべきで、勝手に罰金を上げるのは憲法に違反すると述べ、許可を撤回するよう指示した。 *公安省の特捜部は現在、国家転覆を謀った反政府活動家27人を逮捕し、取り調べを行っている。彼等は政府と共産党を誹謗するホームページを開設し、電子メールで連絡を取り合っていた。 *1月から7月までのベトナムの輸出は323億ドルで、去年同時期の13.4%減である。タイの23%減少、中国の22%減少と比べ、ベトナムの経済はそれほど悪くはない。 *農業省がメコンデルタで販売されている肥料を調べた結果、270の銘柄の内、110は土、砂、石炭殻などを混入した不良品であった。役人は、不良品の製造者や販売者から罰金を取るが、罰金の額が少ないから、業者は罰金を払いながら不良品の製造と販売を続けている。また肥料の供給が少ない上に値段が安いから、農民は不良品と知りながら購入している。農業省は政府に、不良肥料の取締を強化するよう要請した。 *(訳者注:ベトナムの小学校は、法律に基づいて授業料を徴収しない。しかし金が無ければ学校の運営ができないから、教材費、設備費、消耗品代などと称して巨額の費用を徴収する。授業料と言う項目を無くしただけの詭弁である。とにかく学校は生徒から金を徴収しないと、教師の給料が払えない。しかし授業料以外の費用が余りにも高いので、ハノイ市の教育課は、徴収する金額を押さえるよう学校に指示を出した。)
2009.08.25
8月10日-8月15日 *枯葉剤による身体障害者を救済するために、ベトナム全土で様々な催しが行われた。芸能人もこれに協力して慈善公演を行い、その様子はテレビで放送された。グエンミンチェット大統領もテレビに出演し、障害者への献金を要請した。 *ベトナムの薬局はまだ未発達で、様々な問題を抱えている。薬局の数が少なく規模も小さく、流通体制が不十分で国民に必要な医薬品を供給できない。資格を持つ薬剤師が少なく、薬に関する知識の無い人が得体の知れない薬を売っている。薬は軽くて値段が高いから、外国に住むベトキューが小遣い稼ぎに医薬品を国内に運び込む。保健省は国営の製薬会社に、できるだけ多くの直営薬局を設立するよう呼び掛けた。 *日本の大成建設(株)は、ハノイ市に地下の立体交差を建設した。国内で最も近代的で素晴らしい立体交差だと言われたが、雨が降ると地下の部分に深く水が溜まり、車は通行不能になる。ハノイ市は、水の浸入を防ぐ工事を行う計画である。(訳者注:Can Tho大橋の崩壊、不完全な立体交差など、日本企業のお粗末な工事は目に余る。) *ベトナムの大都市の交通事情は最悪で、慢性的に渋滞が起きている。無計画に道路沿いに大きな建物を建設したから、道路の拡張もできない。ホーチミン市の人民委員会は、自動車やバイクの各種手数料と税金を大幅に値上げし、市民が自動車やバイクを使うのを規制する事を検討している。 *ホーチミン市の人民委員会は、政府が許可しないテレビ番組を提供していた有線テレビの会社に、罰金刑を言い渡した。(訳者注:アメリカやイギリスのテレビは、頻繁にベトナム政府を批判する番組を流すから、ベトナムでは放映が禁止されている。) *労働省の報告によると、ベトナムには75,000人の外国人労働者が居るが、正式に労働ビザを取得しているのは4割未満である。外国の違法労働者は観光ビザで入国し、これを長期に渡って何回も延長て働く。労働省は公安省と連絡を取り、ビザの管理を厳しくする計画である。(訳者注:ベトナムにも、ビザの取得や延長に関する法律は存在する。しかし役人に金を渡せば、法律を無視していくらでも延長できる。) *国会の常任委員会は、5日間に渡る会議を始めた。最高裁判所の組織の改革、司法関係者の給料や裁判所の費用などを検討する。また何人かの大臣を招請し、現状の問題について質疑応答を行う。 *ベトキュー(越僑)の企業家がハノイ市に集まり、ベトキュー商工会を設立する準備を始めた。Khiem副首相兼外務大臣はその会議に出席し、ベトキューは国家の発展に大きな貢献をしていると賞賛の言葉を述べた。そしてベトキューは、祖国の国際化や輸出の拡大などで、更に国家のために尽くして欲しいと要請した。 *ホーチミン市の輸出加工区・工業団地の管理委員会は、労働条件が劣悪な3つの工場に改善をするよう警告を出した。(訳者注:この中には、日本企業のNidec Copal社が含まれる。同社は遅刻した社員の賃金をカットし、遅刻や無断欠勤を繰り返す労働者を解雇するが、それが厳しすぎると批判された。) *Nha TrangやVung Tauは綺麗な海が有名で、最近は大勢の観光客が訪れる。ホテルやレストランがたくさんできたが、それらは下水をそのまま海に流す。海水は汚染され、実際はひどく汚れている。観光施設の汚水処理が必要で、それが無いと将来は海で泳げなくなる。 *電力公社は、今後数年間は停電を無くす事ができないと報告した。急速に伸びる電力需要に、発電所の建設が追い付かない。完成した発電所も、故障で頻繁に稼働が止まる。中国からの電力輸入も送電線などの能力が限られ、これ以上増やす事はできない。 *グエンミンチェット大統領は北部山岳地帯のLao Cai省を訪れ、地元の住民の盛大な歓迎を受けた。その後で地元の役人と経済発展について話し合い、観光などを中心に経済発展を図るよう指示した。地元の役人は、同省は今年前半に11%の経済発展を遂げたと報告した。(訳者注:Lao Cai省は貧しい省で、僻地には電気も水道も無く、道路が無いから車では行けず、住民は出生届を出さないから人口も判らない。こんな所で経済成長が算出できる筈がなく、11%などは全くのでたらめである。 *カンボジアの都市開発建設大臣がベトナムを訪れ、Quan建設大臣やNguyen資源環境大臣と両国に共通する問題を話し合い、互いに協力する事を約束した。グエンタンズン首相もカンボジアの大臣と会談し、両国の友好を深めた。 *中国の沿岸警備隊は、領海を侵犯して操業していた3隻のベトナムの漁船を拿捕し、2週間に渡り同国で取り調べをしていたが、先日解放した。 *ベルギーの外務大臣がベトナムを訪れ、グエンタンズン首相と両国の関係強化について話し合った。ズン首相は、同国の援助に感謝の言葉を述べた。 *ハノイ市の投資環境は、全国63の市や省の中で31番目である。同市は行政手続きの簡素化などで、来年は上位になれるよう大幅な改革を行う予定である。同市の投資環境が劣るのは、交通網が悪い、停電が多い、地価が高い、有能な労働者が不足、また合併して大都市になったが行政が統一せずにバラバラなど、大きな問題を抱えている。 *(訳者注:ベトナムでも、インターネットを用いた物の売買が始まった。しかし騙しが非常に多い。品物を受け取っても金を払わない、送られた品は約束したのと異なるなど、インターネットショッピングは全然信用できない。だから普通はインターネットで売買の約束をし、両者は品物と現金を持ち寄って会い、商品と現金を確認して売買をする。そうしないと、騙されるのが心配で売買はできない。) *グエンタンズン首相は北部のYen Bai省を訪れ、地元の役人と行政や経済発展について話し合った。中央政府は発電所の建設などでこの省に巨額の資金を投下しており、観光や中国との交易を活用すれば大きな成果が期待できると述べ、一層の発展を促した。地元の役人は、同省は年に11.8%の経済発展を遂げていると報告した。 *国会の常任委員会は、国営企業の経営状況を検討した。国会の経済委員会は、ほとんどの国営企業は黒字で、立派な経営をしていると報告した。また国営企業は国民総生産の30%、輸出全体の50%を担当し、更に120万人の労働者を雇用し、国家の経済に大きな貢献をしていると述べた。しかし役員は、国営企業は政府から無償で与えられた土地を売却して利益を計上したり、株式を売却して利益を上げているだけで、資産の切り売りだと批判した。 *ハノイ市は、許可は出したがまだ造成の始まらないゴルフ場の建設10件について、投資許可の撤回を検討している。同市には既に4つのゴルフ場があるが、客が少ないからどこも赤字経営である。また別にゴルフ場建設の許可申請が5件あるが、これも全て却下する予定である。(訳者注:ハノイ市にゴルフ場を十数か所も作るのは、無理である事は子供でも分かる。しかしこんな計画を、計画投資大臣が承認し、更にズン首相も承認の署名をしているのである。ベトナムの政治は、どこか狂っている。) *現在ベトナムの人口は8580万人で、世界で13番目である。人口の増加率は下がったとは言うものの、現在でも毎年1.2%ずつ増えており、この十年で人口は950万人も増えた。またホーチミン市の人口は710万人、ハノイ市の人口は650万人である。(訳者注:住民登録はもちろん出生登録さえ無い住民が大勢おり、実際の人口はもっと多い。) *グエンタンズン首相は北部のTuyen Quang省も訪れ、地元の役人と経済発展など行政の問題を話し合った。地元の役人は、同省は去年13.8%の経済発展を遂げ、今年は14.5%を達成する予定だと報告した。ズン首相は賞賛の言葉を述べ、更に経済発展に力を入れるよう指示した。(訳者注:嘘ばっかり) *国会の常任委員会はDung運輸大臣を招請し、関係する問題について質疑応答を行った。道路の改修や建設が遅れ、交通渋滞が大きな問題になっている事について運輸大臣は、資金不足と建設の計画変更が大きな原因だと答え、同省は道路の早期完成に全力を挙げると答えた。 *企業の工場は法律により、火災保険の加入が義務付けられている。しかしホーチミン市が調べた結果、火災保険に加入している工場は10%しかなかった。法律を無視する企業が非常に多い。(訳者注:政府は、ベトナムが先進国だと見なして法律を作る。一方で国民や企業は皆、非現実的な法律を無視する。しかし公安にとってはこんな法律に利用価値があり、法律の規定を盾に、国民や企業に法律違反の罰金や賄賂を要求する。)
2009.08.15
8月3日-8月8日 *グエンタンズン首相は中部のThua Thien-Hue省へ行き、経済地区を建設する起工式に出席した。658ヘクタールの土地に7100万ドルを投資し、2014年に経済地区を完成させる。その後でリゾート開発の起工式にも出席した。これはシンガポールの企業が8億7500万ドルを投資し、ホテルなどの観光施設を建設する。 *ホーチミン市は、公害を引き起こしている企業を厳しく処罰すると発表した。しかし同市が自ら建設した工業団地に汚水処理施設が無く、多くの工場は汚水を直接川に垂れ流している。また同市は公害を引き起こしている40の工場に、郊外へ移転するよう命じたが、資金不足を理由に移転を拒んでいる。 *国営のVinafood社は、賞味期限が切れた大量の食肉を販売し、政府から警告を受けた。まだ倉庫には数十トンの古い食肉が残っており、政府は同社に賞味期限が切れた肉を焼却処分するよう命じた。(訳者注:ベトナムでは食品の検査がおざなりで、人体に有害な防腐剤や着色料がたくさん使われている。家畜の屠殺は冷蔵庫もない物置で行われ、細菌がたくさん付着している。食中毒は頻繁に起き、今年だけで2500人が食中毒で入院し29人が死亡した。)*ハノイ市は1億5千万ドルを投資し、排水溝の整備を行った。工事は終わったばかりだが、大きな改善はなくて雨が降れば以前と同じく道路は冠水してしまう。完成したばかりの施設が能力不足と分かっても、同市は資金がないから何もできない。 *1月から7月にベトナムを訪れた外国人は、観光で130万人、仕事の関係で40万人、家族訪問で34万人、その他が13万人、合計217万人で去年と比べて20%近くの減少である。世界的な不況と豚インフルエンザが影響しているらしい。ホテルなど観光に関係する企業は、経営が厳しくなっている。 *ラオス人民革命党の指導者がベトナムを訪れ、ノンドクマン書記長らベトナムの指導者と両国の関係強化について話し合った。 *ホーチミン市のNha Be地区で、3億6600万ドルを掛けた最新のコンテナ港が、今年の10月に完成する。しかしこの港から国道へ通じる道路と橋は、建設が遅れて完成の見通しも立たない。コンテナは大型トラックで輸送するので、広い道路が必要である。 *ベトナムの今年前半の輸出は276億ドルで、去年と比べ10%の減少である。アジア諸国への輸出は121億ドルで、去年と比べ21%も減少した。 *ベトナムの今年前半の野菜と果物の輸出は、2億4500万ドルで去年より少し減少した。最大の輸出先はロシアで全体の9.8%、次は中国で9.6%、そして日本の7.5%である。 *中部のKhanh Hoa省で、若い女性が豚インフルエンザで死亡した。この病気による死者は、ベトナムではこれが最初である。 *ハノイ市で月例の閣僚会議が開かれ、グエンタンズン首相は全ての政府機関に、経済の発展に全力を上げるよう指示を出した。また来月からは新学期で学校が始まるので、その準備を十分に行うよう指示した。 *ハノイ市で国会議事堂の建設が始まった。市の中心の15,000平米の土地に5600万ドルを投資し、地上9階地下2階の議事堂を建設する。工事は2011年末に完成する予定である。(訳者注:政府は、2010年のハノイ市創立1千年の式典に間に合わせて完成する計画だったが、予算不足と敷地で過去の遺跡が見つかった事から、計画に遅れが生じた。) *政府は2020年までに5百以上の職業学校を設立し、2500万人に職業訓練を行う計画である。これにより中卒で就職する若者の数を、1割程度に減らす。それには23億ドルの資金が必要だが、外国からの援助、企業の援助、学費の徴収で賄う。 *ベトナム製の商品は非常に品質が悪い。機械器具は直ぐに壊れるし、食品には有害な化学物質がたくさん入っている。国民はこの事を良く知っているから、余裕が有れば外国の商品を買いたい。ベトナム製は安いのが最大の魅力で、金が無い国民はやむなく品質の劣る国産品を買う。以前はベトナム産が無い場合に限って外国産を買ったが、最近はベトナム人も少し裕福になり、果物などベトナムにたくさん有るにもかかわらず、品質の良い外国産を買うようになった。ベトナムは去年、7500万ドル相当の果物を輸入した。 *ベトナムでは、道路の名前を付けるにも面倒な手続きが必要である。専門家が名前の候補を上げ、議員が会議を開いて名前を決め、正式に政府の承認を得る。だから奇抜な名前は付けられない。大抵は昔の偉人の名前が道路の名前になる。グエンフエは偉大な国王だから、大都市には皆この名前の道路が有る。ハノイ市は、全ての偉大な指導者の名前を使ってしまい、新しい道路にどんな名前を付けたら良いか分からない。グエンタンズン首相は同市に、ロンドン通り、パリ通り、アムステルダム通りなど、外国の有名な都市の名前を付けるよう提案した。(訳者注:首相がばかばかしい道路の名前を提案。首相なら他にやるべき大切な事が有るのに、こんなつまらない事で時間を潰す。) *共産党中央委員会は政府に、国産品愛用のキャンペーンをやるよう指示を出した。最近の金持ちのベトナム人は、安い国産品が有っても品質の良い外国産を買うようになった。その結果、国産品は売れず、貿易赤字は増え続けている。愛国心の高揚と国産品愛用のキャンペーンを同時にやれば、経済が発展し国家の安定も強まる。 *ホーチミン市の人民委員会は、関係する機関に地下鉄の建設を計画に遅れず進めるよう指示を出した。最大の問題は住民の移転で、本来なら2007年までに敷地から住民を移転させる予定だったが、今でも2千世帯が移転に応じない。この地下鉄の全長は19.7Kmだが、実際に地下を走るのは市の中心部の2.6Kmだけ、残りは地上を走る。建設資金は11億ドル、その83%は日本政府の優遇融資で賄う。開通は2014年の予定である。
2009.08.08
7月27日-8月1日 *ロシアの外務大臣がベトナムを訪れ、Khiem副首相兼外務大臣らと会議を開き、両国の関係強化について話し合った。グエンミンチェット大統領やグエンタンズン首相も、個別にロシアの外務大臣と会談して両国の友好を深めた。 *ラオスの副首相が、ラオス人民革命党の外務委員と共にベトナムを訪れ、ベトナム側と両国の関係強化について話し合った。ノンドクマン書記長はラオスの副首相と会談し、両国の友好を深めた。 *7月27日は戦争犠牲者の日で、独立や統一の戦争で亡くなった愛国者の冥福を祈る式典が、全国各地で行われている。グエンミンチェット大統領は、これらの戦争に参加した老兵の集会に出席し、彼等は国家に大きな貢献をしたと賞賛した。そして政府と共産党は、汚職を無くして立派な政治を行い、国家に貢献した人々に恩返しをしたいと語った。(訳者注:純粋な気持ちで祖国のために戦った義勇兵は大勢いるが、戦後は政府の援助もなく貧しい生活を送ってきた。自分達は命を賭けて国家のために尽くしたのに、何の恩恵も受けていない。それに比べ最近の若い役人は、汚職に走って贅沢な暮らしをしている。年老いた愛国者の中には、不満を持つ人が多い。) *ノンドクマン書記長は3日間に渡りBa Ria-Vung Tau省を視察し、地元の共産党員と将来の計画を話し合った。グエンミンチェット大統領はTra Vinh省へ行き、国家統一の戦争で亡くなった犠牲者の家を訪れ、家族を慰めた。(訳者注:国家の指導者は、国の政策を決定し法律を制定するのが重要な仕事だが、ベトナムの指導者は芸能人のように地方回りをして人気取りをしている。) *政府は、土地の使用権の証明書と建物の所有権の証明書を一つにまとめ、登録の手続きを簡単にする事を決めた。現在は使用権や所有権の登録手続きが非常に面倒で、長い時間と巨額の手数料が掛かり、国民から大きな不満の声が出ている。(訳者注:不動産の登録には様々な機関が関係し、それぞれが多額の手数料を徴収する。新しい政府の決定では、資源環境省が全ての手続きを担当する。これにより、同省以外は手数料による収入が無くなってしまう。収入が減る機関に取っては、大きな問題である。) *ホーチミン市のCat Lai港は、交通渋滞が重大な問題となっている。貨物船が運んで来たコンテナが、交通渋滞で搬出できない。大型トラックは法令により昼間は通行禁止で、夜間は狭い道路に大型車が集中するので通行不能になる。波止場も倉庫もコンテナで一杯、船の貨物を積み下ろす場所が無い。輸入会社は貨物を受け取れず、輸出会社は貨物を送り出せない。コンテナは炎天下に置かれ、積み荷の食品などは急速に品質が悪化する。同港は道路輸送を諦め、はしけでコンテナを他の場所へ移動する事を決めたが、準備不足ではしけが接岸できる場所も貨物を積み込む設備も限られ、事態は改善しない。 *(訳者注:2007年に中部のQuang Nam省で、Dac Mi水力発電所の工事が始まった。政府と電力公社が建設を決めたが、住民にはダムの建設を全く公表しなかった。付近の住民は治水工事か何かと思っていたが、大きなダムが姿を見せ始めて初めて発電所の建設だと知った。下流の農民は、農業用水の確保が難しくなると建設反対の声を上げた。また専門家の調査により、ダムの建設でVu Gia川の水がThu Bon川へ流れ込み、Vu Gia川は水量が大幅に減る事が分かった。明らかに農業に大きな支障が出る。しかし建設工事は既に半分以上終わっており、今になって工事を止める事はできない。大きな問題である。) *ホーチミン市のHiep Phuoc工業団地は、電力が不足しているので独自にディーゼルエンジンの発電所を建設した。当初の電気料金は公定価格だったが、原油の値上がりを理由に現在は通常の20%増しである。中にある工場は、高い電気料に音を上げている。 *7月までの外国投資は1百億ドルで、去年の同時期の5分の1以下である。世界的な経済の悪化が、ベトナムの経済にも大きな影響を与えている。 *ノンドクマン書記長はBinh Duong省を訪れ、地元の役人と将来の計画を検討した。マン書記長は同省の急速な工業の発展を賞賛し、今後は公害の防止に力を入れるよう指示した。グエンミンチェット大統領は南部のBen Tre省を訪れ、商業作物の栽培に力を入れ、経済発展を図るよう指示した。(訳者注:書記長と大統領は、1週間近くも田舎回りをしている。地元の役人に拍手で迎えられ、互いにお世辞と賞賛の挨拶を交わし、記念の写真撮影を行い、その後で形式だけの会議を開く。それが国家の最高指導者の仕事である。) *ベトナムが南北に分かれて戦争をしていた頃、アメリカ軍は南の軍隊に加勢して莫大な量の爆弾を投下した。その一部が不発弾として残っており、今でも年に1百人以上がこれで死傷している。政府は外国の援助を受けて不発弾の処理に力を入れているが、不発弾を完全に除去するのは非常に難しい。 *大雨でメコン川の水位が急速に上昇し、夏秋作米は冠水して収穫量が大幅に減少する見通しである。まだ稲は完熟していないが、早急に刈り取らないと水中の米は腐ってしまう。また農民は米を乾燥する場所も設備もなく、濡れた米を安い価格で仲買人に売却している。 *(訳者注:少なからぬ日本人がベトナムの株式に興味を持ち、実際にベトナムの株を買った人も居ると言う。私もベトナムの株式を少し持っているが、ある日に新聞の株式欄を見て、突然の株価の値下がりを知った。私のような素人でも、何かの権利落ちだと推測できる。しかしその詳細は判らない。ベトナム語が判ればインターネットなどで調べる事ができるが、言葉が分からないとそれは難しい。私はベトナムに住んで教員をしているから、教え子に頼んで調べて貰った。株式15%の無賞譲渡で、権利落ちの日から1か月後に私の株式は増えると判った。1か月待ったが私の株式は増えない。また教え子に頼み、直接証券会社に電話し、説明を求めた。手続きが遅れているので、1週間くらい待ってくれとの返事だった。ある時には、私の口座の現金残高が増えていた。どこかの会社が配当を出したのだが、会社からも証券会社からも何の連絡も無い。私はベトナムに住んで居るから、判らない事が有ったら調べる事ができる。日本に住みながらベトナムの株式を買う人は、不安を感じないのだろうか。配当が確実に自分の口座に振り込まれているか、どうやって確認するのだろうか。故意か過失か判らないが、ベトナムでは事務の間違いが非常に多い。)
2009.08.05
7月20日-7月25日 *国会の常任委員会は、国家監査法について検討した。国家の機関が監査を行うための法律だが、どの機関がどんな目的でどの様に監査するのか、基本的な概念が明確でない。委員は、時間を掛けて基本的な政策を決めてから、この法律を制定すべきだと意見を述べた。その後で常任委員会は、軍人に関係する法律を検討した。 *中部Khanh Hoa省のカムラン空港は、現在は国内便にしか使われていないが、ここに6億ドルを投資して近代的な国際空港にする。グエンタンズン首相は、この計画を承認した。(訳者注:最終的に完成するのは、2030年以降だと言う。20年以上も先の計画を、承認するとかしないとか、ばかばかしい限りである。) *中部のダナン市でThuan Phuoc橋が完成し、グエンタンズン首相も出席して盛大な開通式が行われた。運輸省が管理する建設会社が2003年に工事を開始し、2005年に完成する計画だったが、様々な問題が生じて現在まで延びた。 *ハノイ市は、外国に住むベトキューの若者1百人を招待し、3週間に渡るサマーキャンプを開始した。外国に住むベトナム国籍の若者に、祖国の文化や伝統と共に、偉大な指導者ホーチミン大統領の思想を習得させるためである。 *ハノイ市の公安は、屠殺したばかりの1頭の虎と虎の骨を輸送していた3人を、絶滅の危機にある野生の動物を殺した罪で逮捕した。同市では、1月と2月にも虎の肉や骨が見つかっている。虎の肉や骨は、漢方薬として高い人気がある。野生の虎は頻繁に殺され、ベトナムには現在50頭しか生存していないと言われる。*最近になって、果物の価格が急落している。経済の悪化も一因だが、最も大きな理由はタイや中国からの輸入の急増である。これらの国では品種の改良が進んでおり、ベトナムではタイや中国の果物は高級品と見なされている。まずくて見栄えの悪いベトナムの果物は、国内でも人気が無くなっている。 *ハノイ市の人民委員会は、郊外の土地の価格を法令で決めた。最も高い地価は平米当り1100ドルで、Le Duc Tho通り沿いの商業地である。住宅地では最高が75ドルである。(訳者注:この価格は、実際の地価と比べて非常に安い。政府が公共事業のために住民から土地を強制収用する時の、基準価格にする意味がある。) *グエンミンチェット大統領は司法関係者をハノイ市に招き、司法の改革に関する会議を開いた。ベトナムが社会主義に基づく法治国家を建設するためには、法律や裁判の制度を改善することが必要だと語った。 *タイでASEANの外相会議が始まった。ベトナムからはKhiem副首相兼外務大臣が出席し、団結と協力で地域の発展を図ろうと演説をした。*ホーチミン市の市立の学校で、34人の学生がA/H1N1のインフルエンザに感染している事が判かった。保健省は同校に学級閉鎖を命じ、生徒には外出を禁止した。 *中部のKon Tum省にベトナム、カンボジア、ラオスの国会の外務委員が集まり、3国の協力関係の構築について話し合った。3国は合同委員会を設立し、共同で国境を跨ぐ道路を建設し、交易や人の交流を拡大する事を約束した。 *タイの国会議長が大勢の国会議員と共にハノイ市を訪れ、チョン国会議長らベトナムの国会議員と交流会を開いた。ベトナムは盛大な歓迎会を開き、タイからの来賓を歓迎した。グエンタンズン首相もタイの来賓と会談し、両国の友好を深めた。 *共産党政治局の役員が、アンゴラとモザンビークを訪問した。ベトナムはアフリカの国々と関係を深め、貿易など経済関係の強化を図る計画である。*日本政府は日本国際協力銀行(JICA)を通し、390万ドルを提供して柑橘類を栽培するベトナムの農民を援助する。ベトナムは蜜柑の栽培が盛んだが、品種の改良が行われず、貧しい農民は新しい技術の導入もできない。 *以前は都会に住む子供達は皆、祖父母が住む田舎へ行くのが好きだった。しかし最近は、田舎へ行きたがらない子供が多くなった。クーラーが無くて暑いから嫌だ、コンピュータゲームができないから嫌だ、アイスクリームなど美味しい食べ物が無いから嫌だとか、理由は様々である。親は夏の長い休みには子供を田舎に送り、自然に親しみ、農村の厚い人情や古い伝統を体験させようとするが、子供は都会を離れたくない。 *政府は国有林の保護に力を入れているが、密伐採や密猟を無くす事ができない。そこで試験的に、人里に近い国有林を住民に無償で譲渡し、管理を任せることにした。住民は自分の山だと思えば、一生懸命に植林し手入れをする。誰かが自分の山に入って木を切っていれば、直ぐに見つけて公安に通報する。以前と比べ、山の管理は大幅に改善した。 *ホーチミン市の隣のBinh Duong省では、7千人の外国人が働いている。しかしその3分の2は、労働許可を持たない違法な労働者である。違法労働者の多くは中国人で、非常に低い賃金で働いている。 *グエンミンチェット大統領は、一昨日は盲人協会を訪れ、目の見えない人を励ます挨拶をした。昨日は身体が不自由な退役軍人の収容施設を訪れ、彼等は国家に貢献した偉大な愛国者だと言って励ました。(訳者注:ベトナムの指導者は、祭りや式典や慰労会に出席するだけ。法律は不備、役人は汚職のやり放題、だがそんな事は気にしない。) *ロシアの大使が任期を終えて帰国する。先日はノンドクマン書記長がこの大使と会談し、別れの挨拶を述べた。また昨日はグエンタンズン首相も大使と会談し、同様に別れの挨拶を述べた。 *経済危機のために、アメリカやヨーロッパ向けの衣類の輸出は急減した。その一方で日本や中近東への輸出は増えている。最近はアメリカに代わり、日本が衣類の最大の輸出先になった。 *ホーチミン市の歩道には、臨時のバイクの駐車場がたくさんある。無断で駐車場を開いたり、個人的に公安の役人に金を払って駐車場にする。歩道の駐車場が徴収する料金は、年に1千万ドルになると言われる。しかし正式な市の収入は、全然無い。 *アジア開発銀行は、ベトナムの経済刺激策に注意を発した。企業に闇雲に巨額の資金援助をしているが、その効率は非常に悪い。しかもインフレの危険が出ている。国営企業は既に様々な優遇を受けているのだから、これ以上の援助は必要ないと指摘した。 *最近は運送業や倉庫業が発展している。十数年前の計画経済の頃は、これらの業界は存在せず、企業は全て自社のトラックで自社の倉庫に商品を保管した。たとえば月に数回しか使わなくても、トラックはがあれば皆でそれに乗って社内旅行ができるし、誰かが引っ越しをする時にはこれが役に立つ。国営企業は効率を無視し、必要な物は全て自社で揃えた。(訳者注:これは現在の国営企業に引き継がれており、原油採掘公社などは、輸出のために金融や保険の会社、運送や海運の会社を設立し、機械を使用するから鉄工会社を設立し、社員の住宅を準備するために不動産会社を設立した。だから原油採掘公社は、全く外注をせずに生産ができる。また造船公社は鉄をたくさん使うから、自ら製鉄工場を建設した。しかし畑違いの経営は効率が悪いから、子会社は赤字を垂れ流している。) *IT(情報通信)産業は、利益率が高い上に公害もなく、最近の花形産業である。ホーチミン市はこの産業を発展させるため、新しく建設するThu Thiemの副都心に、広大なIT工業団地を建設する予定で、既に土地の造成が始まっている。しかし関係者は政府に、このIT工業団地の規模を大幅に縮小する事を提言した。ベトナムには優秀なIT技術者が居らず、この産業を発展させる事は非常に難しい。広いIT工業団地を建設しても、進出する企業はほとんど無いと報告した。 *ホーチミン市は、麻薬の密売組織を摘発した。2Kgのヘロインを押収し、7人を逮捕したが、その内5人はナイジェリア人である。 *オーストラリアの貿易大臣が大勢の役人と共にベトナムを訪れ、Phuc計画投資大臣らと合同の会議を開き、貿易や投資の拡大について話し合った。グエンタンズン首相もオーストラリアの貿易大臣と会談し、同国の援助に感謝の言葉を述べ、更にCao Lanh橋の建設に援助して欲しいと要請した。 *オーストラリア、メルボルン大学の学長もベトナムを訪れ、グエンミンチェット大統領と会談した。この大学はホーチミン市に分校があるが、この大学の規模拡大について話し合った。 *博物館や美術館などでも、土地の不正使用は非常に多い。これらの機関は国家から広い土地を無償で借りているが、敷地の一部を商店に賃貸したり、駐車場にして利益を上げている。ホーチミン市の場合は、博物館や美術館が政府から無償で借りている土地の半分以上が、民間に賃貸されていると言う。博物館や美術館はどんどん規模が縮小するが、その管理に関係する役人は、巨額の賃貸料が入るので何もせずに高給を得ている。 *法務省は、インターネットを使った討論会を開いた。法律の専門家から、民事裁判の改革が必要だとの意見が出た。現在は裁判所も裁判官も数が足りず、膨大な数の民事訴訟が未解決のまま溜まっている。副法務大臣は、未審議の民事訴訟を減らすのに全力を上げると語った。 *統計局によると、7月の消費者物価は0.52%上昇し、1年前と比べて3.13%の上昇である。燃料の値上がりによる運賃の値上がり、建築資材の値上がりなどが影響した。(訳者注:7月1日に所得税法が有効になり、一定の所得のある国民は、全員が所得税を払う事になった。政府から正式な発表は無いが、この法律は延期あるいは廃止になったと誰もが考えている。税務署が最近発表した報告によると、所得税法により全員が納税番号を取得しなければならないが、コンピュータの能力とソフトの問題で、コンピュータに入力できず番号も取得できない。現在までに140万人に納税番号を発行したが、1千万人が書類を提出して番号の申請中、まだ書類を提出していないが更に何千万人かが納税番号を取得しなければならない。現在は納税番号の申請と発行がいつ終わるかの分からず、所得税を徴収する準備が整うのはいつになるのか、見当も付かない。)
2009.07.25
7月13日-7月18日 *政府はメコンデルタのCan Tho省に、海に面し2万トンの貨物船が接岸できる大型の港湾施設を建設する。すでに2007年から工事が始まっているが、本格的な工事はこれからである。グエンタンズン首相が出席し、盛大な起工式が行われた。建設資金は6850万ドル、2012年に完成する予定である。(訳者注:1面に大きく掲載された記事だが、6850万ドルで大型の港湾施設が建設できる筈がない。下の記事の1億ドルと比べ、笑ってしまうような端金である。) *企業の未払いとなっている社会保険料は、ベトナム全体で合計1億ドルを越えると言われる。ホーチミン市は裁判を起こし、未払いの企業から強制的に社会保険料を徴収する方針である。(訳者注:法律上は一定の規模以上の企業は、全て社会保険に加入して保険料を払わなければならない。しかし実際に保険料を払っているのは、外資企業だけである。また保険料を払っても、労働者には何のメリットも無く、保険料は政府のただ取りとなっている。外資企業は、この様な不公平で不合理な費用を払いたくない。) *国営企業の土地管理は、非常に杜撰である。ホーチミン市の食品加工公社は、政府から47万平米の土地を貸与されたが、その半分以上は同社の管理下にない。例えば同社は社員のために社宅を建築したが、社員はその社宅を第三者に売り払ってしまい、今では他人の所有になっている。また他の企業に土地を売却したが、高い税金や手数料を払うのを惜しんで登記せず、多くの土地が書類上はこの企業の所有だが、実際は他社の所有となっている。またサイゴン不動産公社の場合は、貸与の期限が終了しても契約を更新せず、また借り主の経営が苦しい事を理由に賃貸料を徴収せず、いつの間にか多くの土地を無料で無期限に貸すようになってしまった。 *(訳者注:中央銀行が決めたドルの為替相場は、現在1ドルが16,957ドンである。一般の銀行はこの上下5%の範囲で売買する事が許されているから、ドルの買いの価格も売りの価格も最高の17,806ドンと表示されている。しかし闇市場では、1ドルが18,520ドンである。だから銀行は幾らでもドルを買うが、何やかやの理由を付けてドルは絶対に売らない。庶民は闇市場でドルを買うしかない。輸入代金の支払いなどでどうしてもドルが必要な企業は、経理担当者が銀行に行き、裏金を幾ら上乗せするか協議してドルを購入する。また一部の悪徳企業は、裏金を払って銀行からドルを買い、それを闇市場に流して利益を得ている。だから値段は高いが、闇市場では幾らでもドルが買える。どうして中央銀行が、こんな面倒で不正がはびこる政策を続けるのか、全く理解できない。) *ハノイ市は熱帯低気圧による集中豪雨に見回れ、市内は水浸しとなった。多くの道路が冠水し、場所によっては数十センチの洪水で交通不能となった。 *(訳者注:ベトナムには日本の農協のような組織が無く、農作物は複雑な経路を経て売買される。例えば米の輸出の場合は、個々の農家を回って買い付ける零細な仲買人、また倉庫を所有して零細な仲買人から米を買い取る大規模な仲買人、更にホーチミン市に本社を持つ商社を経て、政府から輸出許可を得た国営の貿易会社が米を輸出する。多くの会社が手数料を取るから、輸出価格と比べて農民の売却値段は非常に安い。経済の専門家は、仲介業者を減らして農民の手取りを多くするよう、政府に提言した。) *グエンミンチェット大統領は中立国会議に出席するため、エジプトに到着した。米ソが対立していた1961年にこの会議が始まり、ベトナムは初回から出席している。 *政府は旧正月(2月)に15,000人に恩赦を出したが、9月2日の独立記念日には更に同程度の恩赦を出す予定である。公安省の恩赦決定委員会は、誰に恩赦を出すか検討を始めた。(訳者注:恩赦も金次第である。まず損害を与えた人に賠償し、その後で地位の高い役人に金を払って恩赦の要請書を書いてもらう。地位が高ければ払う金は多いが、その効力は大きい。金の無い人には、恩赦はなかなか降りない。) *カンボジアと国境を接するTay Ninh省に、Moc Bai経済地区がある。政府はこの地の経済を発展させるため、輸入関税の優遇を行いタックスフリーのマーケットを建設した。一時は物珍しさから人気があり、ホーチミン市からも買い物に行く程だった。しかし品揃えが悪くてサービスも悪いため、次第に人気が無くなった。客が少なくなるとマーケットは規制を緩め、無制限に商品を売り始めた。ハイネッケンのビールは人気があり、商店の経営者はここへ行ってビールを仕入れた。しかしこれは明らかに法律違反で、政府は7月1日から法律に基づき、一人が買えるビールの量を厳しく規制した。この規制により客は激減し、売上はほとんど無くなった。マーケットは、今では開店休業の状態である。 *ハノイ市でも人民協議会の会議が始まり、まず市の役人が今年前半の実績について報告した。同市の経済成長率は4.1%で近年で最低、輸出は31億ドルで9.9%の減少、輸入は80億ドルで39%の減少である。同市は経済成長の目標を9.5%以上としていたが、5.5%以上と変更した。その後で市の議員は、市民が関心を持つ環境や教育などについて、今年前半の実績を評価し後半の計画を検討した。 *国会の常任委員会は、国家財政の改革、新しい国会議事堂の建設などについて協議を始めた。世界的な経済の悪化に対し、ベトナムの財政をどうするか検討する。(訳者注:各種ある国会の委員会の役員は、全員が共産党の幹部で、彼等が国家の政策を決定する。役員以外は名誉職の国会議員で、役員が決定した事には必ず賛成の意思表示をする。) *中立国会議に出席するためエジプトを訪れているグエンミンチェット大統領は、会議の合間にインド、フィンランド、北朝鮮の首相と会談し、友好を深めた。また会議の後で、エジプトやキューバの大統領とも会談した。 *世界的な経済危機が起きてから、燃料の国際価格は大幅に下がった。しかしベトナムのガソリンは国際価格に見合った値下がりをせず、国民の間に大きな不満がある。財務省と商工省は特別に記者会見を開き、なぜ価格を下げないのか説明した。国営企業は原油が高騰した2007-8年の間に、政府の指示で値上げを抑制したため、巨額の赤字を抱え込んだ。現在はこの赤字を解消するため、高い価格を維持しているのだと説明した。 *ハノイ市は現在、3400件の公共事業を行っているが、この内5百件は工事が中断している。またこれ以外に着工できない工事も3百件ある。その理由は、住民の立ち退きができないからである。土地に関係する法律が機能せず、移転補償に関係する政策が曖昧で、役人は住民の土地を強制収用できない。また役人は、政府と住民の間に入って問題を解決しようと言う気がない。ハノイ市だけでなく全国で、住民の立ち退きは大きな問題となっている。 *ハノイ市の人民協議会の会議では、新都心で学校や病院の不足、土地に関係する紛争の多発、公害が大きな問題として取り上げられ、議員と役人の質疑応答が行われた。議員と役人が、交互に質問書と答弁書を読み上げた。 *ベトナムでは行政のIT化が進まない。役人の半数以上は、コンピュータに触ろうともしない。たとえコンピュータが操作できても、インターネットを通して手続きをした後で、確認のためと称して更に文書の提出を要求する。中央政府の指示で、政府の機関や地方の自治体はホームページを開設したが、更新はほとんど行われない。 *ホーチミン市で、数人から成るインドネシア人の窃盗団が逮捕された。彼等は銀行から大金を積んで出発する車を確認し、それをバイクで追いかけ、信号で止った時にタイヤの前に金属片を置き、タイヤをパンクさせる。車がパンクで動けなくなると、タイヤ修理を運転手や乗員に話しかけて注意を引きつけ、別の仲間が車に押し入って現金を奪う。ホーチミン市では前にもこの様な犯罪が何件も起きており、同市の公安はこれらのインドネシア人を見張っていた。だから今回は6人を現行犯で逮捕できた。しかし目撃者によると、一味の2人か3人は公安を振り切って逃亡したと言う。 *カンボジア国会の外務委員の一行がベトナムを訪れ、グエンフーチョン国会議長らベトナムの国会議員と会談して、両国の友好を深めた。 *国会の常任委員会は、国会議事堂の建設計画を検討した。建設省は、工事は今年の10月に始まり、2012年の中頃に完成する。建設資金は2億7千万ドル、立派な国会議事堂を建設する予定だと報告した。その後で国債の発行と、その売却で得る資金の用途を検討した。更に原油の価格と、それから上がる利益についても検討した。 *仏教協会は、海外布教の面で政府の外務委員会と協力する協定を結んだ。ベトナムの宗教を海外へ布教する事は、国際社会でベトナムの地位の向上に役立つ。また仏教協会も、海外で大使館や領事館の援助が受けられれば、大いに助かる。(訳者注:ベトナム政府は、共産党や政府を批判する宗教は弾圧し、政府に協力する宗教は積極的に援助する。)
2009.07.18
7月6日-7月12日 *共産党中央委員会の総会が終り、ノンドクマン書記長が閉会の挨拶を行った。総会では現状を分析し、将来の国家の計画を検討した。(訳者注:1週間に渡る共産党指導者の会議で、国家の将来を決める重要な会議である。共産党員が権力闘争を行い、次の5か年の指導者や政治の方針を決めた。こういう重要な会議は、秘密にして絶対に国民には知らせない。新聞にも、開会と閉会の簡単な記事が掲載されただけである。) *北部は集中豪雨に見回れ、大きな被害が出ている。Bac Kan省では13人が死亡したと言う。北部全体で20人以上の死者と、約同数の行方不明者が出ている模様である。崖崩れで道路は各地で分断され、電気も電話も使えない状態になっており、連絡の取れない地域が多いから詳しい実態は判らない。グエンタンズン首相は人民軍など関係機関に、直ぐに救援活動を行うよう指示を出した。 *(訳者注:大都市に、民営の分譲住宅ができ始めた。設備は良くないが都心の便利な所にあり、しかも値段が安いから低所得者には人気が高い。しかしこの様な分譲住宅は、法律上で様々な問題がある。法律によると住宅は45平米以上で、トイレや台所が完備していなければならない。狭すぎたり共同でトイレを使うようでは、法律上で住宅とは認められない。(訳者注:正式な住宅でないと、そこに住んでいる人は住所登録ができない。住所登録が無いと正式な住民とは認められず、子供は学校にも行けない。役人に賄賂を払えば何とか成るが、役人にコネが無ければ賄賂は巨額になる。) *(訳者注:最近は鉄道の切符が全然買えない。駅に問い合わせると、切符は全部売り切れたと言う。学校は夏休みに入り、また入学試験の時期だから、旅行をする人は非常に多い。しかし駅では切符が買えないが、手数料を払って旅行会社に頼めば、切符はちゃんと買える。巷の噂では、鉄道公社の職員が切符を買い占め、それを旅行会社に売っていると言う。鉄道公社の社長は、切符に関係する不正行為は無いと発表した。) *ノンドクマン書記長は、故ホーチミン大統領の生活態度を見習いホーチミン思想を学ぶ運動は、大きな成果を上げたと発表した。そして良い国家を建設するために、この運動を更に広げようと語った。(訳者注:ベトナムは法律が不備だから、法律に基づいて政治を行う事ができない。だから故ホーチミン大統領の教えを学び、『徳』に基づいて政治を行おうと言う、何百年も昔の政治形態である。) *スイスの経済大臣がベトナムを訪れ、ベトナムの指導者と自由貿易協定について話し合った。グエンタンズン首相もスイスの大臣と会談し、金融業の育成や金融に関係する人材の育成に援助を求めた。 *北部山岳地帯を襲った豪雨で、今までに26人の死亡が報告された。この他に大勢の行方不明者がも出ている。山岳地帯だから土砂崩れが多く、道路は寸断されて不通となり、多くの橋も押し流された。家屋や農作物の被害も甚大である。 *メタノールが入った焼酎が、全国に出回っている。先月はメコンデルタのDong Thap省で、この毒入りの酒を飲んで10人が死亡した。過去10年にメタノール入りの酒で、数十人が死んだと言われる。農民が作った焼酎を仲買人が買い集め、それを飲み屋や雑貨店に卸売りする。誰が作った焼酎か、どんな経路で売られたか、誰がメタノールを入れたか、詳しい事は全く分からない。ただ量を増やして利益を上げるために、誰かがメタノールを混入した事は間違いない。法律によると、酒の製造と販売には政府の許可が必要だが、許可を取る人は誰もいない。 *ハノイ市で月例の閣僚会議が開かれ、経済に関係する問題を話し合った。グエンタンズン首相は、今年の目標である5%の経済成長を達成するため、全国の企業に全力を上げるよう呼び掛け、政府の機関は企業にできる限りの援助をするよう指示した。また会議に出席した大臣に、輸出を増やす事、インフレを抑える事も指示した。(訳者注:指示だけで経済が良くなる筈はないが、ベトナムの指導者はその程度しかできない。) *ベトナムの公安は、更に2人を国家に対する反逆罪で逮捕した。世界が注目している事だから、公安の役人が記者会見を開き、外国の報道関係者に事件と逮捕の理由を説明した。二人は外国の反政府機関と連絡を取り、国家の転覆を図り、反政府活動を行うよう学生ら若者を扇動したと言う。(訳者注:ベトナムでは政府を批判すると、犯罪者として直ぐに逮捕されてしまう。) *ベトナムの牛乳や乳製品は、タイやマレーシアと比べて50%近く値段が高い。どうして値段が高いのか、値段を下げるにはどうしたら良いか、ホーチミン市で検討会議が開かれた。ベトナムには大規模な酪農場が無く、農民が効率の悪い飼育をしているからだと言う意見が出たが、ベトナムは乳牛が少なく牛乳の70%は輸入である。輸入関税が高いとの意見も出たが、ベトナムの輸入関税は10%でタイより低い。流通や製造に問題がある事は分かったが、取るべき対策は見つからなかった。 *グエンタンズン首相はハノイ市で、汚職防止委員会の役員と共に汚職防止について話し合った。法律の不備で国有地に関係する汚職が非常に多いため、国有地の管理を厳しくする事を決めた。(訳者注:汚職防止の機関はたくさんあるが、権限も責任も不明確名上に、汚職防止の役人が自ら汚職をするので、政府はどうしたようもない。) *企業は、ベトナムの農民は貧乏で購買力が無いと考え、農村で商品を販売する気が無い。しかし最近農村で行われた展示即売会では、大量の商品が販売できた。売ろうとすれば、農村でも物は売れる。輸出の減少で企業は新しい市場の開拓を迫られているが、農村は大きな可能性を秘めている。 *ホーチミン市の人民協議会は、議員と役人による質疑応答の討論会を開いた。主に食品の安全性が議題となり、議員の質問と役人の答弁の様子はテレビで放送された。同市では食の安全が疎かにされているとの質問に、衛生担当の役人は「建築物の検査をする役人は2千人もいるのに、食品の検査をする役人は30人しか居らず、現状では食品の安全性をチェックするのは不可能だ」と答えた。食堂やレストランなどは、政府の許可を得なければならないが、実際に許可を受けている所は非常に少ない。(訳者注:人民委員会は行政の機関で、人民協議会は立法の機関である。しかし実際は、人民委員会が行政も立法も行うので、人民協議会は存在する意義が無い。だから郡や区の人民協議会は廃止が決まり、市や省の人民協議会は、ただ意見を述べるだけの機関になった。) *中国の海南省の指導者が大勢の企業家と共にベトナムを訪れ、同省とベトナムとの関係強化について話し合った。海南省は中国南部の大きな島だが、ベトナムと船や飛行機の航路を開設し、貿易の拡大を図る事を検討した。中越の企業家4百人はビジネス会議を開き、3億ドル相当の商談を決めた。グエンタンズン首相も中国の来賓と会談し、両国の友好を深めた。 *4百人の役人と経済学者がハノイ市に集まり、ベトナムの経済に関するセミナーを開いた。世界的な経済危機を乗り越え、安定した経済発展を実現するには何をすべきか、経済学者が様々な意見を述べた。ベトナムは経済危機にもかかわらず経済成長を続けているが、多くの問題を抱えている。最大の問題は、労働者の能力である。若い労働者が多いと言っても、義務教育を終えただけで何の技術も能力も無い肉体労働者である。自分の力で考え、判断し、企業経営に参加できるような人材は、非常に乏しい。大卒の60%は、企業が再教育をしないと使い物にならないと言われる。政府は経済危機を克服するために企業を援助しているが、既に様々な優遇を受けている国営の大企業を援助しても、大きな効果は期待できない。援助の対象は、民営の中小企業にしなければいけない。政府の政策に、いろいろな批判の意見が出た。 *(訳者注:ハノイ市は、大規模な水害を抑えるために、紅河の堤防の補強工事を行っている。しかし付近には4400件の違法な建築物があり、その処置が大きな問題になっている。多くは違法な建築物だが、政府の機関から正式に建築許可を得ている。許可を出した機関が悪いので、建物の強制取り壊しには巨額の賠償金を払わなければならない。また法律では堤防の近くは建築禁止だが、『近い』『近くない』の言い争いを解決する方法が無く、不明確な法律の規定が問題を更に大きくしている。 *ベトナムの大都市には、消火栓が非常に少ない。ハノイ市の都市計画では、市内の5千か所に消火栓を設置する計画だったが、実際は470しかない。先月同市で起きた水産物商社の倉庫の火災では、付近に水源が全然無く、タンクトラック十台を動員して水を運んだが、倉庫は1日半も燃え続けた。 *タイの首相がベトナムを訪れ、グエンタンズン首相と両国の関係強化について話し合った。貿易や投資の拡大、農業や魚の養殖で技術協力、人や文化の交流を促進など、様々な分野で協力する事を約束した。ノンドクマン書記長もタイの首相と会談し、友好を深めた。 *政府は法律を改定し、外資の観光会社も外国旅行を企画できるようにした。また高級ホテルの接客も、夜の12時から2時に延長する。ベトナムへ来る外国人観光客は去年と比べ19%も減少しており、観光業界は経営が苦しくなっている。 *南部Dong Nai省の山奥で、3頭の野生の象が死んでいるのが見つかった。先日は2頭の死体が見つかり、今月だけで5頭が死んだ事になる。関係者によると、毒薬で殺された疑いがあると言う。
2009.07.11
6月29日-7月4日 *グエンミンチェット大統領は、ホーチミン市は多くの外国投資を誘致し、国家の経済発展に大きな貢献をしたと述べ、同市に労働勲章を授与した。ホーチミン市は1988年以降、3千件、260億ドルの外国投資に許可を出し、大きな経済発展を示した。外国投資の約半分はホテルなど不動産やサービス業、36%は工場など工業への投資である。たくさんの外国企業が進出した結果、同市には数十万人の雇用が生れ、最新の生産技術や管理儀靴が導入され、近代化と工業化は大きく進んだ、しかし260億ドルの外国投資に許可を出したものの、実際に行われた投資は1百億だけ、外国の企業はベトナムの実情を知ると、実際に投資するのをためらってしまう。 *Dong Nai省で、大型火力発電所の建設が始まった。7億ドルの投資、750MWの発電能力、石油採掘公社が51%、電力公社や国営銀行が残りを負担し、外国企業はこのプロジェクトに参加しない。起工式には、グエンミンチェット大統領も出席した。 *資源環境省と財務省の調査によると、全国で15万の政府機関が8百万ヘクタールの国有地を無料で使用しているが、この内1百万ヘクタールは違法な使用となっている。公園、学校、病院などは政府から無料で土地を貸与されているが、その土地の一部を民営企業に貸与し、巨額の賃貸料を得ている。中には国家の土地を、無断で売却してしまった政府機関もある。政府は政府機関の土地使用を厳しくチェックし、違法に使用している国有地は、回収する計画である。 *ハノイ市の公安は、最近になって2つの麻薬密売の地下組織を摘発したが、いずれもジンバブエやナイジェリアなどのアフリカ人が組織したグループだった。彼等はカンボジアからベトナムを経由し、中国へヘロインを運んでいた。 *ハノイ市で共産党の会議が始まり、ノンドクマン書記長は開会の挨拶をした。役人が経済状況や社会情勢について報告し、それを検討する。また2011年から始まる次の5か年について、新しい国家の指導者と新しい計画を決めるため、今からその準備を始める。 *国際機関の主催で、関税手続きの合理化に関する会議がハノイ市で始まった。ベトナムの関税手続きは非常に面倒で、貿易拡大の大きな障害になっている。外資企業からも多くの批判が出ており、政府はその対応を迫られている。手続きにはインターネットも取り入れられたが、現場の役人は様々な紙の文書を要求するので、インターネット導入のメリットは出ていない。(訳者注:役人はお茶代(賄賂)を要求できるよう、わざと手続きを複雑にする。役人の意識が変わらないと、手続きは簡素化できない。) *保健省は国民皆保健を進め、ベトナムの医療制度を改善するつもりだと発表した。また病院も改善し、国民が充実した治療を受けられるようにする。(訳者注:資金を無視した夢想で、実現の可能性は全く無い。現在も外資企業などで働く労働者などは医療保険の掛け金を払っているが、その恩恵はほとんど無い。) *(訳者注:ホーチミン市など資金力の有る市や省は、独自の力で輸出加工区や工業団地を建設できる。資金の無い地方自治体も、輸出加工区や工業団地を建設して経済発展を図りたい。その要望に答え、中央政府は工業地区を設定した。そこでは税金や融資を特別に優遇し、貧しい地方自治体も独力で経済発展を進める事ができるようにした。この政策に基づき、全国に6千ヘクタールの工業地区が設立された。そして2千ヘクタールは、住民の移転も終わった。しかしそこまでで、道路の建設、送電線の敷設、水道管の埋設は一向に進まない。地価も安いし政府の優遇が有るから、多くの企業が敷地を購入したものの、道路も電気も水も無い場所に進出はできない。工業地区は、経済発展に全く貢献していない。) *韓国政府は、外国から単純労働者を受け入れるのを、一時中止すると発表した。これによりベトナムは暫くの間、韓国に出稼ぎ労働者を送れなくなる。今年になって2300人が既に韓国へ出発したが、まだ6千人が韓国へ出稼ぎに行く予定で研修を受けている。彼等が韓国へ働きに行けなくなると、ベトナムでは大きな問題になる。 *企業の未払いの社会保険料は、合計で1億ドルを越えた。社会保険料を払わないのは、外資企業である。(訳者注:法律によると一定規模の全ての企業は、社会保険に加入して保険料を払わなければならない。しかしベトナムの民営企業は、昔から社会保険に加入せず、政府は保険料の徴収を諦めている。国営の企業は保険料を徴収せず、帳簿上の操作で支払った事にしている。実際に社会保険料を徴収されるのは、外資企業である。しかし外資企業も、保険料を支払ってもほとんどメリットが無く、ベトナムの企業が社会保険料を支払っていないのを知ると、保険料の支払いを止めてしまう。ただ止めると法律違反になるから、書類上で全社員を短期雇用の臨時労働者にしてしまう。臨時労働者は、社会保険に加入する義務は無い。企業は時々役人の指導を受けるが、その時は罰金(賄賂)を払って見逃してもらう。社会保険料を払わない外資企業と言うのは、真面目に社会保険に加入し、経営上の困難で保険料が払えなくなった企業の事である。) *農業省によると、今年の冬春作米の収穫は1860万トンで、去年より30万トン多かった。昨付け面積は310万ヘクタールだったが、栽培技術が進歩し、冷害や害虫の発生が押さえられたのが、収穫増しの理由である。 *北部のLai Chau省では狂犬病が広がり、今までに数百人がこの病気に感染し、4人が死亡したと言う。地元の住民にはこの病気に関する知識がなく、病院へ行っても狂犬病の治療薬が無いため、この病気は急速に広がった。 *ハノイ市の Long Bien卸売市場で、5百Kgのイカを過酸化水素の液に浸し、漂白しているのが目撃された。この市場では以前から継続的に、鮮度が落ちた魚をこの漂白液で、新鮮に見えるようにしていた。過酸化水素は発癌物質で、人体に有害である。 *政府は国民の銀行貯金を奨励するため、公定歩合を7%と高く維持している。一方で経済の刺激策として、企業の融資の利息4%を政府が肩代わりしている。この優遇融資は、既に2百億ドルに達した。政府は有効な政策だと自賛するが、政府の出費が多すぎるとか、優遇融資を受けられるのは高級官僚とコネの企業だけだとか、様々な批判が出ている。 *日産自動車も、来年中にベトナムへ進出すると発表した。日産がベトナムで自動車を組み立てて販売するようになれば、自動車会社は合計18社となる。(訳者注:ベトナムの5月の自動車の販売は、合計8800台しかなかった。この小さな市場で、18社が競い合う事になる。大量生産ができないから、ベトナムの自動車は非常に割高となる。) *タイの防衛大臣が大勢の高級軍人と共にベトナムを訪れ、Thanh防衛大臣ら人民軍の幹部と軍事協力について話し合った。グエンタンズン首相もタイの軍人と会談し、両国の友好を深めた。 *農林水産物の輸出価格の下落が、ベトナムの経済に大きな悪影響を与えている。今年前半の水産物の輸出は17億ドルで11.2%の減少、林産物(木工製品等)は12億ドルで18.8%の減少。最大の輸出品の米は、量で57%も増えたが金額では25%増えただけ、コーヒーの輸出は量で23%増えたが金額では12%の減少、天然ゴムは量で7%の減少だが金額では48%も減った。お茶も量で8%増えたが金額では1%減った。一方で肥料や飼料の価格は上昇しており、農民にとって厳しい状況になっている。 *政府は近代的な大型港の建設を計画したが、建設工事は一向に進まない。現在ベトナムには大型の貨物船が接岸できる港湾施設は全然ないから、アメリカやヨーロッパ向けの貨物は中型の船でシンガポールや香港まで運び、そこで大型船に乗せ替えて輸送している。乗せ替えの手数料は20フィートコンテナ1つが4百ドルで、貿易全体で15億ドルの余分な費用が掛かっている。費用の他に積み替えに掛かる時間も考えれば、大型港が無いための損失は莫大である。ベトナムの商品が多少安くても、余分な費用で相殺されてしまう。 *中部山岳地帯のLam Dong省で、規定の2倍近い貨物を積んだトラックが Tan Van橋を渡った時に崩壊し、このトラックは渡り終えたが後続のバイクなどが橋と共に川に転落し、2人が死亡、別の2人が重傷を負った。中部山岳地帯には、崩壊の危険があると認定された橋が、合計16ある。 *英国ロンドンの市長が、大勢の役人や企業家と共にベトナムを訪れ、関係者と貿易や投資について話し合った。グエンタンズン首相も英国の来賓と会談し、友好を深めた。 *グエンミンチェット大統領は、先の国会で決まった法律を承認した。これにより、国会で成立した法律は正式に承認された。 *ハノイ市には23万台の自動車があるが、駐車場は5万台分しかない。車を止める場所が無いから、運転手は違法と知りながら道路脇に止めている。公安は罰金を取って違法駐車を無くそうとするが、止める場所が無いのだから運転手はどうしようもない。 *日本に『キトク』と言う会社がある。この会社はベトナムから日本へ米を輸出するため、1992年にメコンデルタAn Giang省の国営企業と合弁会社を設立し、日本のどの品種の米をどの様にベトナムで栽培するか、様々な試験を始めた。そして1995年頃から、商業的な栽培を開始した。この会社は農民に栽培方法を教え、収穫した米を高い価格で買い取るため、『日本米』と呼ばれて急速に栽培が広まった。同社はこれらの米を、日本だけでなくシンガポールやマレーシアなどにも輸出している。去年の『日本米』の栽培面積は、約1千ヘクタールに達した。(キトクは、木徳神糧(株)である)
2009.07.04
6月22日-6月27日 *グエンミンチェット大統領は、政府の意向に基づいて立派な記事を書いた記者をハノイ市に招待し、彼等に表彰状を手渡した。最優秀賞が3人、2位の賞状が12人、3位の賞状が37人、その他に努力賞が28人に送られた。(訳者注:ベトナムは、言論の統制が非常に厳しい。政府を賞賛する記事を書けば表彰されるが、政府を批判する記事を書けば記者は職を失う。) *豚インフルエンザA/H1N1の患者が、ベトナム全土で48人に達した。北米には大勢のベトキュー(越僑)が居り、彼等がベトナムにこの病気を持ち込む。この病気により、観光産業に悪影響が出る事が心配される。 *(訳者注:政府を批判した弁護士が処罰される事になったが、アメリカ政府などから大きな批判の声が上がっている。新聞の記事によると、この弁護士は『反政府活動を行い、国家の治安を乱そうとした』『外国の反政府組織と組んで国家の転覆を図ろうとした』などと言うが、具体的な説明は無い。海外からの批判が余りにも大きいので、公安省が特別に『この弁護士はベトナムの法律に反する違法な行為を行った』と声明を出した。 *(訳者注:ベトナム政府は言論を統制するため、印刷物の出版は許可制にしている。特に政治や国内情勢に関係する本は、国営企業以外は出版できない。民営企業は、出版許可を得るのが非常に難しいので、手数料を払って国営企業の名義を借りる。形式上は国営企業の出版でも、実際は民営企業の出版である。国営企業は、この様な手数料収入があるにもかかわらず、経営が苦しい。経営陣の中に大勢の役人が名を連ね、仕事をせずに高給を得ているからである。政府は、たくさん有る国営出版社の改革を検討している。) *グエンミンチェット大統領はホーチミン市を訪れ、住民と対話集会を開き、先の国会で承認された案件を説明した。ノンドクマン書記長は北部の Thai Nguyen省を訪れ、地元の住民に国会が承認した法律について説明した。(訳者注:住民との集会と言っても、出席できるのは共産党員だけ。拍手で迎えられ、お世辞の挨拶を述べ、記念の写真を撮るだけである。書記長も大統領も含め、国家の指導者は全員が国会議員を兼務している。) *ヌックマム(魚醤)はベトナムの代表的な調味料だが、不良品が非常に多い。大抵は漁民からヌックマムを仕入れ、それを水で数倍に薄め、塩、化学調味料、着色料を入れて作る。瓶には高級品と書いたラベルを貼るから、使ってみるまで品質は判らない。ハノイ市では魚が無いのに、ヌックマムが年間1800万リットルも生産されている。 *Truong副首相はラオスを訪問し、両国が共同で設立した輸出入銀行の十周年の記念式に出席した。また同国の首相と会談し、両国の友好を深めた。 *商工省は全国の企業と関係機関に、輸出の3%増加を達成するため、生産の拡大に全力を上げるよう指示を出した。輸出が増えないため、貿易赤字が拡大の傾向にあり、財政を含む広い方面に悪影響が出ている。 *ハノイ市に政府の役人とEUの代表が集まり、違法入国の防止と労働者派遣に関する協議が行われた。偽のパスポートやビザでヨーロッパに違法入国するベトナム人は非常に多く、強制送還される人も多い。またヨーロッパに働きに行きたい人は多いが、ビザの取得が非常に難しい。現在外国に住むベトナム人は320万人、この内50万人は労働者、25万人は外国人と結婚したベトナム人女性、3万人は学生である。 *グエンタンズン首相は保健省に、医薬品の流通を改善するよう指示した。医薬品の流通は、同省の指導の下で国営企業が担当しているが、硬直した体制で柔軟な対応ができず、急激な価格の変動や在庫の払底など様々な問題が起きている。地方の病院や薬局では、風邪や下痢止めの薬を除き、多くの医薬品が入手できない。また薬局には薬剤師が居らず、正しい薬の調合もできない。 *(訳者注:弁護士の逮捕について、ヨーロッパからも批判の声が出ている。この弁護士は、インターネットや手紙で知人にベトナム政府を批判する文書を送っただけで、犯罪と言える行動は何もしていない。ベトナム政府は、『国家の治安を乱し』『政府の転覆を図り』『ベトナムの法律に違反した』と言うが、政府を批判しただけで逮捕されるのでは、言論の自由のある民主国家とは言えないと批判している。) *統計局によると、今年前半の経済成長率は3.9%(去年は6.5%)、工業生産の増加は4.8%(去年は16.5%)、輸出は去年と比べ10%の減少である。6月の消費者物価は0.55%の上昇、1月と比べ 2.7%の上昇である。 *過去数年間に渡って急増していた衣類の輸出は、今年の前半に1.3%の減少となった。しかし世界的な景気の悪化が底をついた事から、今年後半は増えると予想される。 *世界銀行は、ベトナムの教育改善に1億7700万ドルの優遇融資を行うと発表した。 *(訳者注:ベトナムの公安は、高速で信号を無視して疾走するバイクは、何もしないで見逃す。高速で走り抜けるバイクを、追いかけて捕まえるのは面倒だからである。しかしヘルメットに関しては、信号で止まったバイクを呼び付けてその品質マークを確認し、無ければ玩具だと言って罰金を取る。公安に取っては罰金を取る事が大切で、交通事故を減らす事など全く考えていない。ベトナムは税法が不完全だから国民は税金を払わず、司法が不備なために民事訴訟を起こしても裁判が行われない。一方で宣伝用の看板には、全体の大きさはもちろん、外国語はベトナム語より大きく書いてはいけないなど、様々な厳しい規制がある。その他にも下着だけのマネキンは展示禁止。値段のドル表示は禁止、新聞の宣伝スペースは記事の10%以下など、不要な規制は非常に多い。しかも政府の機関新聞は、こんな有害無益な法律について、国民の意見を聞きたいなどと言って特集記事を組む。何が緊急に必要で何が不要か、全く分かっていない。)
2009.06.27
6月15日-6月20日 *国会では、国会議員と大臣による質疑応答が続いた。Phuc計画投資大臣、Ninh財務大臣、Hung副首相が登壇し、様々な質問に答えた。ベトナムは景気の刺激策として80億ドルも出費するが、これはGDPの10%に当たる。アメリカの4.8%と比べて大き過ぎ、しかも不透明で効率の悪い使用となっている。インフレの心配は無いのか、などの質問が出た。またゴルフ場の建設が問題になり、今でも116件の建設計画があり、広い土地が無駄になっていると指摘した。Phuc計画投資大臣は、中央政府が投資許可を出していた時はこんな事は無かったが、地方の人民委員会が投資許可を出すようになって、この様な無駄な投資が多くなったと説明した。また効率の悪い国営企業、土地に関係する汚職なども問題になり、国会議員と大臣は相互に質問書と答弁書を読み上げた。 *ホーチミン市の弁護士が、国家に反逆した罪で逮捕された。この弁護士は以前から裁判所で反逆者の弁護をし、国家を批判する言葉を述べていた。そして今度は、自らが反逆者として逮捕された。(訳者注:ベトナムには、言論の自由が無い。大勢の前で、あるいは多数に向けて政府を批判する言葉を述べれば、逮捕される危険がある。) *南部のDong Nai省にある三洋ベトナム社で、西村経理部長が170万ドルの現金を持ち逃げしたらしい。この部長は現地に愛人が居り、その愛人と家族の派手な金遣いは、地元では広く知られている。この部長が過去2年間に使い込んだ会社の金は、数十億円に上ると言われる。Dong Nai省の公安は、5月8日に三洋ベトナム社から正式に訴えを受理し、西村部長を探しているが、今現在も行方が分からない。 *中央政府は『貧困世帯』の定義の変更を再検討している。貧困世帯は一人当りの月収が農村部で20万ドン(12ドル)、都市部で26万ドン(15ドル)だが、今では少なすぎる。また他の市や省から移住してきた人の多くは、住所登録が無いから市民と見なされず、どんなに貧乏でも貧困世帯と見なされない。ハイフォン市のLam Ha区には2800世帯があり、貧困世帯は25世帯しか無いが、移住者の世帯も考慮すると貧困世帯は2百を越える。そして移住者の貧困世帯は無視されて、地元の政府から何の援助も受けられない。 *国会は、医療に関係する法律を検討した。現在は医者の資格が曖昧で、地域によって条件が異なる。また医師の免許を取るのも開業の許可を取るのも、非常に面倒で金と時間がたくさん掛かる。国会はその後で、通信用の電波の管理について検討した。 *運輸省は、2030年までに立派な港湾施設を建設する案を作成し、政府の承認を求めてズン首相に提出した。将来は日本やアメリカからの貨物は、ベトナムの港を経由してカンボジアやラオスなどに輸送できるようにする。(訳者注:現在サイゴン港の移転は進まず、港には貨物が滞留し、危機的な状況に陥っている、20年も先の計画を作るより、今すぐ緊急にやるべき事が有るが、役人は何もしない。明日の計画を作ったら、実行しなければならない。実行は面倒である。20年先の計画を作るなら、実行の面倒は無い。) *(訳者注:最近は外国でもベトナム製品が出回っているが、これは外国の企業が外国から持ち込んだ設備を用い、輸出用に生産した特殊な製品である。品質は良いが値段か高い。普通のベトナム人が買う商品は、外国で見掛けるベトナム製品とは全く異なる。例えば日本ではシャツが1枚千円、ベトナムの輸出用のシャツは五百円。しかしベトナムの庶民は、五百円のシャツには手が出ない、彼等が着るシャツは、百円程度である。こう言う安いシャツになると、中国製が圧倒的に幅を利かす。ベトナムの工業は中国より大幅に遅れており、ベトナムの企業は中国の企業と全く競争ができない。安い製品は品質が悪いが、貧しい庶民には圧倒的な人気が有る。衣類だけでなく日用品から電気製品まで、ベトナムでは中国製が広く出回っている。ベトナムは日本へ衣類を輸出するが、その何倍もの量の衣類を中国から輸入しているのである。当然ベトナム政府は、高い輸入関税を掛けて中国からの輸入を抑えようとしている。しかし国境沿いの農民が、背中に担いで中国の製品を運び込み、漁民が海上で小船に乗せ替えて運ぶ込むから、政府は密輸入を止める事ができない。) *国会は、国家機密の管理について検討した。国家の機密を漏らさないようにする事は、国家の防衛や治安の維持の上で重要である。明確な国家機密法を制定し、それに基づいて機密を守る必要がある。現在は防衛省、内務省、公安省が、独自の判断に基づいて国家機密を管理し、違反した者を独自の判断で処罰している。しかし今後は、一つの法律の下で統一した管理を行う必要がある。国会は午後になって、国民の兵役の義務、軍隊が経営する企業について、法律の改定が必要かどうか検討した。 *Nhan教育大臣は、教師に適正な給料を支払い学校の施設を改善するためには、授業料の値上げは止むを得ない事だと語った。しかし貧困世帯の子供も学校へ行けるように、小学生にも奨学金を授与し、経済的な負担の軽減を図ると語った。 *ハノイ市の中心部に、日本政府の優遇融資1億3千万ドルで、超近代的な立体交差が完成した。坂場大使も出席し、盛大な開通式が行われた。大勢の市民は珍しがって、開通したばかりの立体交差の渡り初めを行った。しかし式典の3時間後にスコールが来ると、立体交差の地下の部分に深い水が溜まり、通行できなくなってしまった。 *(訳者注:ベトナム政府は麻薬や売春の取り締まりに力を入れており、これらの悪事は存在しないと言うのが、政府の公式な見解である。中央政府の役人が地方に赴き、地元の役人に実情を尋ねると、全ての地域で麻薬や売春は無いと言う答えが返って来る。しかし大都市では、麻薬の密売や売春の斡旋は広く行われ、市民はどこで麻薬が買えるか、どこで売春ができるか良く知っている。地元の公安も当然それを知っており、地下組織から定期的に罰金を徴収している。公安にとっては、罰金を取って自分達の給料の足しにする事が最大の目的で、麻薬や売春を止めさせる気は全く無い。法律に基づいて合法的に罰金を強奪するため、ベトナムの公安は日本のやくざよりも悪質である。ホーチミン市などでは、婦人の団体が退役軍人協会などと協力し、悪質な売春の地下組織を見つけ、地元の公安ではなく中央政府に報告する。そして地下組織が摘発される事がある。彼等の推定によると、ベトナムには4万人の売春婦が居るらしい。) *政府は、悪評の高かった米の輸出規制を撤廃すると発表した。今後企業は、自由に米を輸出できるようになる。国内の米の価格上昇を抑えるため、米の輸出を規制したのだが、メコンデルタの農民は米を売却できず困っていた。 *ベトナムには、外交官を養成する特別な大学がある。グエンミンチェット大統領はこの大学を訪れ、教員や学生と会談し、外交の重要性を語った。そしてこの大学は国家に大きな貢献をしたと述べ、ホーチミン勲章を授与した。(訳者注:この大学の他、行政大学、軍事大学など、ベトナムには特別な大学がある。庶民はこれらの大学の存在を知らず、入学試験の日にちや場所を公開しないから、入学試験も受けられない。共産党の幹部の子弟が特別な関係で入学し、卒業すると特別な優遇を受けて国家の指導者となる。) *国会は、公的債務法、都市計画法、犯罪記録法を、圧倒的多数で承認した。公的債務法は、政府が抱える借金の管理と返済を、確実に行うための法律である。都市計画法は、農村を都市に変えるために必要な法律である。犯罪記録法は、全ての犯罪を記録するセンターを設立し、様々な機関が保存している犯罪の記録を、集中的に管理する法律である。 *(訳者注:ハノイ市の人民委員会は、一度出したゴルフ場の建設許可を撤回した。全国に1百か所を越えるゴルフ場の建設計画があり、実現できない事は明らかだが、一度出した許可を撤回すると、様々な問題が出てくる。ゴルフ場を計画した業者は、土地の使用権として払った料金の他に、許可の取得に掛かった費用も返してくれと言う。また返還される土地は今後どう使うのか、その計画は全く無い。前にその土地を所有していた養鶏業者は、役人に強制的に取られた土地だから返してくれと訴えた。一部の農民は、荒れ地を前の耕地に戻してから返してくれと言う。しかしハノイ市は資金が無く、許可の撤回に関係して支払う金は全然無い。この様な問題は、今後各地で一斉に起きる。) *2年前に制定された個人所得税法により、一定の所得のある全ての国民は、今年の1月1日から個人所得税を払う事になっていた。しかし経済危機の発生で、政府は直前になってこの法律の適用を8月1日からに変更した。しかし政府は、8月から本当に所得税を徴収するのか、いまだに公式に発表しない。(訳者注:国民は、所得税を払う気など全然無い。税務署など政府機関も、大勢の国民から所得税を徴収する体制を取っていない。) *グエンタンズン首相は、12億9千万ドルの国債の発行を許可した。国債ではあるが、ホーチミン市が全ての資金を使い、同市が責任を持って償還する。同市では2005年に始まった Thu Thiem都市開発事業など、たくさんの公共事業が資金不足で中断している。これらを早く完成する事は、非常に重要である。(訳者注:資金の見通しが立たなければ、着工しなければ良いと思うのだが、ベトナムの役人には通じない。) *国会は、映画法、国家賠償法、遺産管理法、海外事務所管理法の改定を、圧倒的多数で可決した。政府は、国民の愛国心を高揚する教育的映画の制作に補助金を出しているが、面白くないので全然人気が無い。政府は映画制作への補助金を減らし、民営の企業が自由に映画を制作できるようにする。 *タイからラオスを通り、ベトナムの中部に抜ける国際道路がある。しかし人の場合は面倒な入出国の手続き、貨物の場合は時間と費用の掛かる関税の手続きが有り、人や物の移動は限られていた。しかし三国は協定を結び、例えば出発前にベトナムにあるラオスとタイの機関で手続きをすれば、貨物を乗せたトラックは書類を提示するだけで、ベトナムからタイへ直行できるようになる。これにより、ベトナム-ラオス-タイを結ぶ国際道路は、その可能性を十分に発揮できるようになる。 *土地の使用登録と家屋の所有登録に長い時間が掛かり、大きな問題になっている。登録をしてから証明書を取るのに、普通は数か月、時には1年以上も掛かる事がある。これらの証明が無いと、住所を変えても住所登録ができず、現住所不定で子供は学校に入学できず、郵便物も届かなくなってしまう。古い家を買って新しく建て直すのも、証明書が無いと許可が下りない。役人は様々な理由を述べ、早期に登録の手続きができない理由を述べている。 *26日間に渡った国会は、重要な政策変更を承認して幕を閉じた。経済成長率の目標を6.5%から5.0%に下げる、消費者物価の上昇も15%から10%以下に下げる、輸出の伸びは13%から3%に下げる事を決めた。また刑法を改定し、麻薬の使用に死刑を適用しない事を決めた。最後にマン書記長、ムオイ前書記長、ヒュー前書記長、チェット大統領、ルオン前大統領、ズン首相、カイ前首相、アン前国会議長ら大勢の長老の出席の下で、グエンフーチョン国会議長が閉会の挨拶を述べた。 *ハノイ市は、消費者を騙す行為の撲滅を決めた。商店の秤、ガソリンスタンドの流量計、タクシーのメーターなど、ほとんどが5%らら10%、時には20%の誤差があり、価格を高く表示する仕組みになっている。政府はこれらの詐欺行為を厳しくチェックし、違反した業者を厳しく処罰する予定である。
2009.06.20
6月8日-6月13日 *ハノイ市に大勢の外国の弁護士が集まり、国際弁護士協会の会議が始まった。グエンミンチェット大統領も会議に出席し、会議の開催を祝う挨拶を述べた。国際弁護士協会の会長は、アメリカ軍が散布した枯葉剤の後遺症に触れ、アメリカは損害賠償をすべきだとベトナム政府が喜ぶ挨拶を述べた。 *ハノイ市にあるQuan Su寺は、北部仏教協会の総本山である。ここに2千人の僧侶と1万人の仏教徒が集まり、タイの寺院から贈呈された仏舎利を収納する式典が開かれた。Doan副大統領ら政府の関係者も大勢出席した。 *中央政府に監査委員会ができて15年になり、国営企業や国家事業の監査を行う関係者が集まって式典を開いた。グエンミンチェット大統領も出席し、監査委員会は汚職の防止に大きな成果を上げていると賞賛の言葉を述べた。(訳者注:チェット大統領は拍手で迎えられ、お世辞の挨拶を述べ、出席者と握手をして回り、最後は記念写真を撮って終り。国営企業はどこも粉飾決算、役人は汚職のやり放題。しかし大統領はそう言う面倒な問題には触れず、芸能人の様に愛嬌を振りまくだけ。政治が良くなるはずがない。) *ベトナムを援助する国々と国際機関の代表がハノイ市に集まり、援助の効果を検討する会議が始まった。Khiem副首相兼外務大臣は、ベトナム政府は外国の援助を有効に使っているが、世界的な景気の悪化で農林水産物の輸出価格が下がり、農業国のベトナムは大きな影響を受けていると語り、更に援助を拡大して欲しいと要請した。 *国会は、国家資金の管理について検討した。政府は公共事業などで巨額の資金を用いるが、その用途に不明朗な部分が非常に多い。巨額の出費はその金額に応じて首相、大臣、その他と、承認する権限を明確に決めるべきだと意見を述べた。一部の国会議員は、国家事業の決定には国会も関与すべきだと意見を述べた。その後で国会は、軍人に関係する法律の改定を検討した。 *(訳者注:ベトナムの株式は過去1か月間に40%も値上がりし、株式指数は500を越えた。政府は1日の変動を±5%以内と決めているが、株価の変動は甚だしい。ベトナムの株式は、資本金8百億ドン(5億円)を境に、多ければホーチミン市の株式市場、少なければハノイ市の株式市場に上場する事になっている。政府が突然に決定した規定で、ホーチミン市で上場した企業21社は、ハノイ市の市場に移らなければならない。ベトナムの上場企業は、ほとんどが資本金が十億円程度の中小企業である。市場を独占し、莫大な利益を上げている国営企業は、絶対に上場しない。莫大な利益は役人の闇給料として分配されており、経営内容の公開は有り得ない。ペトロOOOと言う石油採掘公社の子会社が何社か上場されているが、これは労働者に食べ物を提供する会社、壊れた機械を修理する会社、少量の原油を本土へ輸送する船会社などで、売上は親会社の数千分の一、数万分の一の小規模な子会社である。企業の決算報告書などは嘘だらけで、だれも信用しない。ベトナム人は、占師に頼って株式を売買する。) *国会は、教育省が提出した教育の改革案を検討した。再び授業料の値上げが議題になり、貧しい世帯には大きな負担になるから、値上げ幅を小さくするべきだと意見を述べた。一方で教育省の役人は、現在は教育に掛かる費用の80%は受益者負担、政府は20%を負担しており、国庫負担を増やすのは不可能だと説明した。(訳者注:ベトナムは税制が確立しておらず、国家の歳入は非常に少ない。だから何も彼もが受益者負担となる。) *ハノイ市で開かれていた、ベトナム援助の会議が終わった。援助国と援助機関の代表は、経済危機の克服でベトナムは大きな成果を上げていると、賞賛の言葉を述べた。しかし役人の汚職、効率の悪い行政は大きな問題で、早急に改善が必要だと述べた。 *ホーチミン市の交通局は偽の救急車9台を見つけ、使用禁止の通達を出した。これらの救急車は、普通のバンに取り外しのできる標識を付けただけで、法外な高い料金を請求していた。(訳者注:これは、救急車に関係する役人の違法なアルバイトである。ホーチミン市の道路はいつも渋滞しており、普通の車は時間が掛かる。信号を無視して走れる救急車は、需要が非常に多い。救急車は頻繁に町中で見掛けるので、恐らく偽の救急車は数十台、あるはもっと多いかも知れない。病院に偽の救急車が乗り付けても、役人がする事だから病院は知らぬ振りをするしかない。) *ハノイ市では、トラック用の警笛を取り付けたバイクが走り回っている。大きな音で他のバイクを驚かせ、慌てて避けてできた隙間を高速で走っていく。こう言う連中は、暴走族となって真夜中も走るので、道路沿いの住民は騒音で夜も眠れない。 *サウジアラビアの天然資源大臣がベトナムを訪れ、Hoang商工大臣や原油採掘公社の幹部と会談し、投資や油田の開発で協力する事を約束した。グエンタンズン首相もサウジアラビアの大臣と会談し、両国の友好を深めた。また次の日にはグエンミンチェット大統領もサウジアラビアの大臣と会談し、両国の経済的な関係を深めたいと語った。 *国会は、食品の安全に関係する法律を検討した。残留する農薬や有害な添加物を無くし、安全で衛生的な食品を供給するようにする。現在は食品に関する明確な法律が無いから、市場や商店では有害な食品がたくさん売られている。国会議員は、食品の安全を担当する政府の機関は、早く法律の草案を作って国会に提出して欲しいと述べた。 *最近は、役人になる大卒が非常に少ない。役人は給料が安いし、昇進も非常に遅い。ハノイ市は去年、大卒の雇用に力を入れ、優遇を約束して10人を雇用したが、1年以内に8人が辞めてしまい、残っている大卒は2人だけである。(訳者注:大学を出ても、役人の初任給は1百ドル未満である。しかし賄賂を取って闇給料を貰えば、実際の収入は名目給料の何倍にもなる。また役人の昇級は、能力や実績とは全く関係がない。全て上位の共産党員の引立てで決まる。 *国会では、国会議員と大臣による質疑応答が始まった。昨日の質疑応答ではNgan労働大臣とPhat農業大臣が登壇し、国会議員の様々な質問に答えた。(訳者注:まず前もって国会議員から集めた235件の質問状を、ズン首相と担当する大臣に送り、大臣はその中から適当な質問を選んで答弁の文書を作成する。国会では議員と大臣が、相互に質問状と答弁書を読み上げるだけ。質疑応答と言っても、ただ文章を読むだけである。) *(訳者注:ベトナムに進出しようと考えているIT企業は非常に多い。既にIBM社、Hewlett-Packerd社、Sun Microsystems社などが進出したが、技術者の不足で困っている。ベトナムの大卒は全く使い物にならず、企業は彼等を初めから教え直さなければならない。IBMはIT関係の技術者4千人を雇用する計画だが、まだ技術者はほとんど集まらない。先日も2千人の大卒に入社試験を行ったが、合格者は40人しか居なかった。ベトナムでは390の大学や専門学校にITのコースが有り、毎年1万人以上の卒業生が生まれる。しかし学生は、自ら専門技術が無い事を自覚しており、コンピュータ関係の仕事に就こうとは考えない。IT産業を発展させるには、大学の教育を変えなければならない。) *中国の共産党中央委員会の代表がベトナムを訪れ、ベトナム側と両国の関係強化について話し合い、党員の教育に関する協力協定に調印した。ノンドクマン書記長も中国の代表と会談し、両国の友好を深めた。 *国会ではNhan教育大臣、Nguyen資源環境大臣、Hoang商工大臣が登壇し、国会議員と質疑応答を行った。それぞれの大臣が、応答の文書を読み上げた。 *ベトナムの豚インフルエンザの患者は、25人に増えた。グエンタンズン首相は、この病気の拡大は観光産業などにも影響を与えると述べ、病気の感染予防に全力を上げるよう、保健省など関係する機関に指示を出した。 *ホーチミン市で、麻薬の国際密輸組織が摘発され、7人のアフリカ出身者が逮捕された。一味は近隣の諸国から大量のヘロインをベトナムに持ち込み、それを中国など外国へ密輸出していた。 *北部Ha Nam省の田舎で高速で走っていたバスが、自動車を無視して道路を横切ろうとした歩行者1人を跳ね飛ばし、その後で路下に突っ込んだ。この事故で歩行者は即死し、バスの乗客4人も死亡、17人が重傷を負った。
2009.06.13
6月1日-6月6日 *韓国とASEANの経済会議が開かれ、これに出席しているグエンタンズン首相は、地域は協力して経済発展を図ろうと演説をした。会議の後でズン首相は韓国の首相と個別に会談し、両国の友好を深めた。 *国会ではNhan教育大臣も出席し、教育の改革について検討した。特に学校の授業料が大きな議題となり、小学校は授業料が無料だが、幼稚園、中学、高校は授業料を値上げする事を決めた。また授業料は一律ではなく、各世帯の収入に基づいて徴収する事を決めた。国会議員は「各世帯の収入を決めるのは難しい」「授業料は収入の5%以下にすべきだ」など様々な意見を述べた。 *ベトナムでも豚インフルエンザが発生した。アメリカから帰国した学生が風邪の症状でホーチミン市の病院に入院し、検査でこの病気の細菌が検出された。 *(訳者注:無計画な工業団地の造成が、莫大な金額の無駄遣いとなっている。以前は中央政府や広い土地を持つ人民軍が工業団地を建設したが、地方分権の名の下で市や県の人民委員会が無計画に工業団地の造成に乗り出し、大失敗をして巨額の無駄遣いとなった。南部のLong An省の場合、工業団地が16か所、工業用地が46か所も計画され、その敷地は合計1万4千ヘクタールに達する。しかし実際に工場が建設されたのは6百ヘクタールだけで、残りの土地は使用されていない。工業団地を建設して地元の経済発展を図るとの口実で、農民から強制収用した広大な農地は放置されて荒れ地に変わった。Long An省だけでなく北部のNam Dinh省など、全国各地でこの状況となっている。またホーチミン市の Cat Lai工業団地のように、十年以上も前に完成したものの進出する工場がほとんど無く、がら空きのままで巨額の赤字を出し続けている工業団地も全国にたくさん有る。) *国会は、知的所有権法の改定について検討した。ベトナムには既にこの法律が有るものの、政府も国民も完全に無視している。ベトナムはWTOに加盟するため、この法律を守ると約束したが、海賊版や偽物商品に対する規制はほとんど無い。国会はその後で、老人に関する法律を検討した。 *世界銀行と計画投資省の主催で、ホーチミン市に4百人の企業家と役人が集まり、経済会議が行われた。企業家は、政府が景気の悪化を防ぐために様々な対策を取っている事は評価すると述べた後で、行政改革は遅々として進まず、面倒な手続きや不合理な費用が企業経営を圧迫していると批判した。また政府の優遇を受けるのは国営企業が中心で、民営の小企業には政府の優遇が及ばないと批判した。会議に出席したPhuc計画投資大臣は、ベトナムは上四半期に 3.1%の経済成長を達成したが、政府は今年全体で5%の成長となるよう努力している。政府の資金は限られているから全てを一度に行う事はできないが、何を優先すべきか企業家の意見を聞きたいと述べた。 *グエンミンチェット大統領は『国際子供の日』を記念し、貧困で学業の優秀な少数民族の子供達50人をハノイ市に招待し、プレゼントを手渡しながら賞賛の言葉を述べた。また次の日には、北部の少数民族の老人49人をハノイ市に招待し、プレゼントを手渡しながら、立派な村の指導者になって欲しいと頼んだ。(訳者注:国家の指導者は政治には無関心で、式典に出席してプレゼントを手渡すなど、儀式を行うばかりである。) *国会は土地法と建築物法の改定を検討した。ベトキューが祖国で不動産を購入できるよう、その手続きを簡単にする。国会議員の多くが、ベトキューの不動産取得を可能にすべきだと意見を述べた。 *政府は『景気刺激策』として、巨額の資金を企業に投入している。しかしその配分や使用方が不透明で、巷では様々な汚職の噂が出ている。中央政府の監査委員会は、景気刺激策の資金の用途を、詳しくチェックする事を決めた。 *ホーチミン市とブンタウ市の間を水中翼船が就航しているが、乗客が少ないと直ぐに運行を間引きする。間引きの率は40%にも達し、待っていたのに船が出なかったと、客からたくさんの苦情が出ている。 *ハノイ市では、バイクのナンバープレートが頻繁に盗まれる。ある市民も、ちょっと目を離した空きにバイクのプレートを盗まれた。プレートの無いバイクは運転できないから、交通局へ行って新しいプレートの取得申請をした。まず公安から盗難証明を貰って来いと言われ、公安へ行って事情を話した。しかし公安は、ナンバープレートなど只の鉄板で金額にすれば数千ドン(数十円)、そんな安い物の盗難届けは受け付けないと言う。しかし盗難届けを出して盗難証明書を貰わないと、新しいプレートが取得できない。公安にお茶代(小額の賄賂)を渡し、手数料を払って盗難証明を受け取った。交通局へ行くと、今度は身分証明書、バイクの所有証明書、運転免許証のコピーを持って来いと言う。念のために公証人役場へ行って本物のコピーである事を証明して貰い、書類一式を持って交通局へ行った。すると交通局は、更に最初にバイクを取得した人の署名が必要だと言う。この市民は中古のバイクを買ったので、最初の所有者の名前も住所も分からない。途方に暮れていると、友人が泥棒市場へ行けば盗まれたプレートが出てくるかも知れないと言う。そこでこの闇市へ行き、ナンバープレートを並べているカウンターで事情を話すと、待っていてくれと言い、あちこちに電話を掛けた。そしてどこかへ出かけて行き、暫くするとナンバープレートを持って帰って来た。それは私が盗まれたプレートその物だった。それを受け取るには50万ドン(3千円)が必要だと言われたが、どうしても必要な物だから、公安が数十円と言うプレートに3千円を払った。(訳者注:新聞に掲載された実話である。ベトナムの法律も行政も、悪事を幇助する働きをしている。『泥棒市場』などが今でも存在するのが不思議だが、公安と泥棒市場は密接な関係を持っているらしい。) *ハノイ市で月例の閣僚会議が開かれ、主に経済について検討した。Phuc計画投資大臣は、数字を挙げて現在の経済の状況を報告し、輸出や外国投資の減少、急性下痢など疫病が大きな問題だと語った。グエンタンズン首相は、全ての政府機関、地方の人民委員会に、経済の悪化を防ぐために全力を上げるよう指示を出した。 *国会では、教育省が提出した授業料の値上げ案を、再び検討した。ほとんどの国会議員は、授業料の値上げは止むを得ない事だと認めたが、貧困世帯には大きな負担になると懸念の意見を述べた。国会はその後で、国家機密法の草案も検討した。 *国会は、今年から来年に掛けて制定すべき法律を検討した。国会議員は、法律の草案の作成が非常に悪いと批判する意見を述べた。「法律の草案は国会が始まる直前になって公開されるので、国会議員は検討したり国民の声を聞く時間がない」「高級役人が作成する法律の草案は、庶民の実情を反映していない」「実行不可能な規定や他の法律と矛盾する規定が多く、草案を起草する役人の能力が劣る」など様々な批判の意見を述べた。 *最近になって農民が仲買人に売却する米の価格が急落しており、政府は米の輸出政策の再検討を決めた。現在メコンデルタで農民が売却する籾米1Kgの価格は、2500ドン(0.14ドル)前後である。(訳者注:米の国際価格はベトナム国内の価格よりかなり高いので、企業は米を輸出して儲けたい。しかし自由な輸出を許すと、国内の米が少なくなって価格が上昇し、貧しい国民は米が食べられなくなる。だから政府は輸出を規制し、米をだぶつき気味にして価格を低く押さえている。また米の輸出許可を持つ国営企業は、大きな利益を上げる事ができる。しかし輸出量を正しく調節するのは非常に難しく、去年は米の輸出規制が厳しすぎ、農民は売却できない米を抱えて大きな損失を出した。) *(訳者注:ベトナムでは、道路や橋の建設は運輸省が同省傘下の国営企業に発注し、公共の建物は建設省が同省傘下の国営企業に発注する。発注する側と受注する側が同じ機関だから、入札をしても無意味だが援助国の要求が有るので形式的に入札を行っている。入札を行っても国営の企業がほとんどの工事を受注し、その大半は手数料を取って下請けと孫請けに丸投げする。国営企業が手数料を差し引き、それでも利益を出そうとするから、下請けや孫請けは徹底した手抜き工事を行う。だからベトナムの道路や橋や建物は、完成すると直ぐに欠陥が現れる。公共事業で欠陥が現れると、工事を行った政府機関や国営企業は市民から批判を受ける。だから政府は再び資金を投入し、欠陥部分の修復をする。1件の事業に2度も3度も資金を投入するから、最終的な建設費用は非常に高くなる。) *今年の1月から5月までにベトナムを訪れた外国人は160万人で、去年の同時期と比べ22%の大幅減少である。 *国会は、人民軍に関係する法律と通信に関係する法律の改定を検討した。まずThanh防衛大臣が、防衛法や軍人法の改定について説明した。社会主義に基づく市場経済が進み、12年前に改定された法律は現状に合わなくなったと述べた。特に海軍に関係する法律は、大幅な改定が必要だと説明した。その後でHop通信大臣が登壇し、通信に関する法律の改定案を説明した。 *国境を接するベトナムとカンボジアの省の代表がホーチミン市に集まり、国境を通した人や物の交流を拡大し、関係強化を図る事を話し合った。Khiem副首相兼外務大臣も会議に出席し、両国の関係強化を求めた。 *(訳者注:ベトナムでは騙す事ばっかり。キャベツは市場で売る前に水に沈め、葉の間に水を溜めて重さを多くする。こんなキャベツが売れ残ると、外観は良く見えても中が腐っている。最近は鳥インフルエンザのため、生きた鶏やアヒルの売買は禁止され、冷凍肉として販売されている。この冷凍肉を冷蔵庫から出して解凍すると、中からどっと水が出て来る。水を入れて重さを多くし、値段を高くするのである。)
2009.06.06
5月25日-5月30日 *国会は、犯罪記録法と政府機関の海外事務所法の草案を検討した。犯罪記録法は、犯罪や犯罪者の記録をどの様に作成し、それをどの様に保管するのか、その責任機関はどこか、などを規定する法律である。国会議員は、法務省が全責任を持ってこの業務を行うべきだと意見を述べた。政府機関の海外事務所の設置に関する法律は、役人が勝手に外国に事務所を設置するのを禁止し、効率の良い海外事務所を設置するための法律である。 *今日からハノイ市で、アジア・ヨーロッパの外相会議が始まる。昨日はその予備会議が行われた。また各国の外務大臣は個別に会談し、友好を深めた。Khiem副首相兼外務大臣は、日本の中曽根外務大臣やチェコの外務大臣と会談し、友好と理解を深めた。 *ベトナムの発電量は増えているが、電力消費量はそれを上回って増えており、北部を中心に電力が不足し、停電は更に増える見込みである。また現在も Pha Lai火力発電所とHoa Binh水力発電所のタービンが1基が、故障で稼働が止まっており、今後も故障で稼働できなくなる発電所は多いと予想される。またCa Mau火力発電所のように、電力公社と石油採掘公社がガスの価格で折り合わず、ガスの供給と発電が止まる恐れもある。 *ハノイ市でアジア・ヨーロッパ45か国の外相会議が始まった。22人の外務大臣を含む4百人が会議に出席し、Khiem副首相兼外務大臣が議長を務めている。初めにグエンタンズン首相が登壇し、経済危機の問題だけでなく地球の温暖化、豚インフルエンザ、テロなど様々な問題を、各国が協力して解決しようと呼びかけた。その後で中国やチェコの外務大臣、IMFの会長ら国際機関の代表も演説をした。ズン首相は会議の合間にシンガポールやポーランドの外務大臣と会談、チェット大統領は中曽根外務大臣、スロバキアの外務大臣と会談し、Khiem副首相兼外務大臣も外国の代表と個別に会談を行った。 *国会では、刑法を改定して死刑を減らす事を検討した。ただ最近は麻薬の密売や婦女暴行などの事件が増えているので、悪質なこれらの犯罪には死刑を適用すべきだなど、国会議員は様々な意見を述べた。 *ECはベトナムの貧困撲滅に6千万ドルの資金援助を行う事を決め、外相会議に出席しているECの外務部長は、Phuc計画投資大臣と援助契約に調印した。 *(訳者注:高速道路にはガソリンスタンドや休憩施設が必要だが、この施設を建設するには政府の許可が必要で、関係する役人に高額の裏金を払わなければならない。許可を得た業者は独占的に営業できるので、劣悪な施設でバカ高い料金を請求している。日本国際協力機関(JICA)は、国道沿いにある施設は交通安全にも影響するから、立派な国営の施設を作るべきだとベトナム政府を説得し、その建設資金433万ドルを寄贈した。) *(訳者注:ベトナムの教育法には、小学校の1クラスの生徒は最高35人との規定がある。しかしホーチミン市では、1クラスの生徒は50人前後である、法律の規定が有っても、教室が無いから大勢の子供を詰め込まざるを得ない。また小学校は義務教育だから、授業料を徴収してはならないとの規定も有る。しかし政府は学校に教師の給料を交付しないから、学校は独自に教師の給料を調達しなければならない。法律に従って授業料と言う項目だけ無いが、学校は設備費や教材費などと称して多額の学費を徴収している。) *ホーチミン市には、昔から続いている公営の競馬がある。馬はベトナム産で普通の馬の半分の大きさ、騎手は体重が30Kg程度の子供である。ホーチミン市の人民委員会は、子供を強制労働させる事になると判断し、競馬を廃止する事を決めた。しかし関係者は、これは伝統的な競技で、子供の健康や就学にも気を配って運営されており、廃止の決定を取り消して欲しいと要請した。 *5月までの輸出は228億ドル、輸入は240億ドルで、年初の貿易黒字は12億ドルの赤字に変わった。輸出は原油が25億7千万ドルで44%の減少、水産物が9%の減少、衣類が2%の減少、履き物は10%の減少、電子部品は8%の減少である。ただ米だけは輸出が20%の増加した。 *ハノイ市で開かれていたアジア・ヨーロッパの外相会議が終わった。各国は様々な問題を協力して解決する事を約束した。会議の後でノンドクマン書記長は中国の外務大臣と個別に会談し、両国の友好を確認した。 *国会は経済刺激策を検討した。国会議員は「政府は経済の悪化を防ぐために巨額の資金を投入しているが、不透明な部分が多く有効に使われているか疑わしい」「この政策で巨額の財政赤字が生じており、政策の見直しが必要だ」「工業だけでなく、農業にも資金を投入すべきだ」などの意見を述べた。 *ヨーロッパ投資銀行は、ベトナムの温暖化防止プロジェクトに1億ユーロの優遇融資を行うと発表し、外相会議に出席していた同銀行の代表とHa副財務大臣が、融資の契約に調印した。 *カンボジアの鉱工業エネルギー大臣がベトナムを訪れ、Hoang商工大臣と電力購入の契約を結んだ。同国は220KW送電線を通し、ベトナムから電力を購入する。グエンタンズン首相もカンボジアの大臣と会談し、両国の友好を深めた。 *5月の工業生産は6.8%の増加、1月から5月までの平均は4%の増加である。経済は回復の兆しを見せているが、去年はこの時期に15%の成長を維持していた。 *アジア・ヨーロッパの外相会議が終わった後、ASEANの大臣は農村の開発と貧困撲滅について話し合った。グエンタンズン首相は、世界的な不況、地球の温暖化、自然災害などが貧しい農村を更に貧しくしており、各国が協力して解決しなければならない問題だと演説をした。しかしベトナムは、農民の貧困撲滅に大きな成果を上げていると説明した。 *世界銀行の新しいベトナム駐在代表が赴任した。グエンタンズン首相は新任の代表と会談し、政府は汚職を無くして援助資金を有効に使うから、ベトナムへの援助を増やして欲しいと要請した。 *ベラルスの防衛大臣がベトナムを訪れ、Thanh防衛大臣と軍隊の協力について話し合った。その後でチェット大統領もベラルスの防衛大臣と会談し、両国の友好を深めた。 *国会は、国家予算と財政赤字について話し合った。国会議員は「赤字を減らすために不透明な支出を減らす必要がある」「国債の発行ではなく、国営企業を民営化して株式の売却で資金を調達すべきだ」などと意見を述べた。 *ハノイ市は、市内にある古くて汚い大型市場を改善しようと、新しい市場をたくさん建設した。しかし不便な場所で客の来ない市場、売店の賃貸料が高すぎてがら空きの市場、給水や排水の許可が取れず営業ができない市場など、劣悪な計画や運営で使えない市場が沢山ある。がら空きの市場の回りに大勢の行商人が集まり、露店で肉や魚を売り、ごみや廃水で環境を汚している。 *(訳者注:医薬品は重要な物資だから、政府が流通を厳しく監視し、価格統制も行っている。しかし管理が劣悪で、ハノイ市では麻疹、お多福風邪、風疹などの薬が全て売り切れてしまい、病院にも薬局にも治療薬は全然無い。1月にも何種類かの医薬品の在庫が無くなり、大きな問題になった。これらの薬は全て輸入品で、輸入許可を取得するのに長い時間が掛かる。) *グエンタンズン首相は韓国とASEANの緊密な関係樹立20周年を記念し、大勢の役人と共に韓国へ出発した。同国に到着すると、空港で盛大な歓迎を受けた。 *国会ではPhuc計画投資大臣が、投資に関係する6つの法律の改定について説明した。ベトナムで事業を開始するのが非常に面倒で、様々な機関から許可を得なければならない。重複する手続きを一本化し、早く簡単に許可が得られるようにする。(訳者注:国会議員は大賛成だが、手数料収入の無くなる役人は大反対である。)国会はその後で、映画法について検討した。政府は国営の映画会社に多額の資金を提供し、国民の愛国心を高揚し共産党を賞賛する映画を制作させているが、面白くないので国民は全然見ない。映画に対する国の援助をどうするか、国会議員は様々な意見を述べた。 *イギリスの援助機関は、建設省の役人と汚職防止の方法を検討した。土地に関係する汚職が最も多いが、二番目は公共施設の建設に関係する汚職である。政府は公共事業に関係する情報を公開しないから、汚職の実態は全く分からない。イギリスの機関は、汚職を無くすには情報公開が最も大切だとベトナム政府に忠告した。 *(訳者注:ゴルフ場建設の投資許可を取得した企業は、外資企業と国営企業を合わせ何十社にもなる。ゴルフ場の造成は経営的に成り立たない事が明らかになり、多くの企業はゴルフ場の造成を放棄し、住宅の建設など目的変更を政府に申請した。しかし外資企業は、莫大な金額の罰金(賄賂)を払わない限り、目的変更の許可を取るのは不可能である。ゴルフ場の建設から撤退すれば、今までに投資した金額の大半は戻って来ない。外資企業は大損をし、泣く泣くゴルフ事業から撤退する事になる。) *韓国を公式訪問しているグエンタンズン首相は、同国の首相と両国の関係強化について話し合った。そして貿易や投資を拡大し、人や文化の交流を拡大する事を約束した。 *国会は公的負債に関する法律を検討した。国会議員は、国営企業の負債も公的負債として政府が責任を持つべきだと意見を述べた。国会はその後で、不動産の管理方法について検討した。土地に関係する汚職が非常に多く、国民にとっては不動産の登記が非常に面倒である。土地と建物を別々に登記するが、莫大な時間と費用が掛かる。不動産の管理に関する法律を、根本的に改選する必要がある。 *外国の企業はベトナム政府から投資の許可を取っても、実際の投資はなかなか行わない。台湾、韓国、シンガポールなどは沢山の投資許可を得たが、実際に行った投資は許可を得た投資の2割以下である。実際に行った投資は日本が一番で、次はヨーロッパ連合である。また最近は、ヨーロッパ連合がアメリカを抜いてベトナムの最大の輸出先となった。 *(訳者注:国営の公社は、経営が闇に包まれて不明な点が非常に多い。原油や石炭の公社は、産出量に価格を掛けて収入は容易に推定できるが、なぜか利益が極端に少ない。利益が少ないのは経費が多いからだが、様々な特権と優遇を得て市場を独占している国営企業に、なぜそんなに経費が多いのか全く不明である。)
2009.05.30
5月18日-5月23日 *5月19日は故ホーチミン大統領の119年目の誕生日で、国家の指導者は全員でハノイ市のホーチミン廟に参拝し、花輪を捧げて偉大な故人の冥福を祈った。(訳者注:故人の誕生日を祝う式典は、上部から下部、中央から地方まで、様々な政府の機関が日を変え場所を変えて開く。国家の指導者はそれに出席して式辞を述べるため、何日も前に式典を済ませる。) *北部のThai Binh省で、石炭を用いる火力発電所の建設が始まった。合計21億ドルの投資で、4年後に完成すると1800MWの発電ができる。発電所には3基のタービンを設置するが、出資金に合わせて電力公社が1基、原油採掘公社が2基を所有する。(訳者注:石炭採掘公社は資金が無いから、発電所の建設には進出できない。原油採掘公社は、政府の特別な優遇を受けて莫大な利益を上げているから、不動産や金融など様々な分野に投資を行う。) *(訳者注:ホーチミン市の市街地を流れるサイゴン川は、その東側でドンナイ川と合流し、名前をニャーベ川と変えて海に流れ込む。ニャーベ川と呼ばれる地帯は泥が滞積した湿地帯で、道路や建物の建設は非常に難しい。サイゴン港は海岸から何十キロも上流にあるから、大きな貨物船は進入できない。また貨物船が通るから川に橋が建設できないし、貨物船が運んだ貨物が市街地を通るので交通渋滞の問題も大きい。ホーチミン市は、サイゴン港は近代的な港には成り得ないと判断し、海岸の近くに近代的な港湾施設を建設する事を決めた。港を建設する前に道路の建設が必要だが、その建設が様々な問題で一向に進まない。そうしている間にサイゴン港は能力不足に陥り、貿易貨物の滞留が起き始めた。同市は急遽計画を変更し、移転を計画しているサイゴン港に再び投資を行う事を決めた。) *北部を中心に、急性の下痢(コレラ)が広がり、一部では死者も出ている。病院に入院し検査でコレラ菌が検出された患者は、3百人を越えた。副保健大臣は地方の人民委員会に、コレラ防止委員会を設立し、下痢の病気の防止に全力を上げるよう指示した。 *(訳者注:ハノイ市ではコレラが蔓延しているが、当局が調べた結果、市民が好んで食べる犬の肉に問題がある事が分かった。悪事を働く一味はペットの犬を盗み、それを物置小屋などで屠殺し、市内の犬肉食堂に売却している。悪者どものやる事だから、衛生状態など眼中に無い。同市の公安は、一斉に犬の屠殺場所を捜索した。) *ハノイ市に国家の長老と人民軍の指導者が集まり、故ホーチミン大統領の生誕記念とホーチミンルートの建設を記念する式典を開いた。ホーチミンルートは、人民の愛国心を結集して建設され、南北統一に大きな役割を果たした。全員で過去の栄光を喜び、このルートで戦死した愛国者の冥福を祈った。 *ラオス人民革命党の党首、カンボジアの副首相が、大勢の役人を引き連れてベトナムを訪れ、ベトナムの代表と三者会議が始まった。インドシナ3国の代表は、協力して発展を図る方法を検討する。ノンドクマン書記長は両国の代表と会談し、友好を深めた。 *中央アフリカ共和国の大統領がベトナムを訪れ、グエンミンチェット大統領と両国の関係強化について話し合った。農業の発展や貧困撲滅で、互いに協力する事を約束した。ノンドクマン書記長もアフリカの大統領と会談し、両国の友好を深めた。 *今日から国会が始まる。国会議員は、大臣から政治や経済に関する報告を聞いた後、12件の法律を承認する予定である。 *ホーチミン市は、社会保健に加入して労働者から保険料を徴収しながら、政府に保険料を納付しない会社経営者は、刑法に基づいて犯罪者として実刑を課すと発表した。同市では未納となっている企業の保健料が、合計で1億2千万ドルに達した。 *外国の機関が観光競争力を調べた結果、ベトナムは世界133か国の中で89番目だった。それでも去年と比べ、7番上昇した。ベトナムは旅行の料金が安いものの、ビザの取得や入国の手続が面倒、交通手段が劣悪、従業員の能力が劣るなど、様々な欠陥がある。 *マン書記長、チェット大統領、ズン首相、前の書記長、前の大統領、前の首相ら政府の指導者全員が出席し、国会が始まった。まずグエンフーチョン国会議長が、国際的な経済の悪化がベトナムに大きな影響を与えているが、政府と共産党のお陰でこれを乗り切る見通しが出て来たと報告した。その後でHung副首相が、経済成長の目標を6.5%から5.0%に下げる事、財政赤字を4.8%から8.0%に広げる事、更に国債の発行を11億ドル増やす事、などを報告した。その後でPhuc計画投資大臣と国会の経済予算委員長が、ベトナムの現状に関する更に詳しい報告を行った。 *ハノイ市は全ての建物の建設に0.1-5.0%の建設税を課しているが、経済を活性化するためにこの課税を一時中止すると発表した。(訳者注:ベトナムには所得税が無い代わりに、建物の建設、企業の設立など、何かをすると直ぐに税金を払わされる。) *(訳者注:グエンタンズン首相は今日、大勢の役人と共に日本を訪れ、『アジアの将来』と称する経済会議に出席する。同時に日本政府と関係強化の話し合いを行う。これを機に、ベトナムの新聞は日本を紹介する記事を掲載した。日本とベトナムは1973年に国交を樹立し、今は経済を中心に非常に緊密な関係にある。日本のベトナム投資は合計160億ドル、去年の両国の貿易は170億ドル、日本は最大の援助国でベトナムの自然保護、古い建造物の維持、大学院生1千人の受入れ計画など、様々な援助を行っている。) *ハノイ市の公安は交通取締り週間を実施し、ヘルメットを着用していないバイクの運転手5千人以上に罰金を課した。(訳者注:ベトナムでは、信号無視やスピード違反など悪質な交通違反が非常に多い。しかし公安はそれを取締らない。悪質な運転手は公安の呼び笛など無視して走り去るが、それを追いかけるのは面倒で危険も伴う。公安の目的は、交通事故を減らす事ではなく罰金を取る事だから、赤信号で止まったバイクを呼び止め、ヘルメットの不着用や必要書類の不所持で罰金を取る。) *国会は初日の政府報告に続き、二日目は国会議員の意見発表が行われた。経済の問題が中心になり、多くの国会議員が政府は立派な政治をしていると賞賛の言葉を述べた。ただ一部の議員は、経済を刺激するために政府は巨額の資金を投入しているが、慎重に行う必要があると意見を述べた。 *ある外国の銀行が、ノーベル賞を受賞した著名な経済学者を招請し、7百人の企業家と共にホーチミン市で経済セミナーを開いた。この経済学者は、ベトナム政府は経済の刺激策と称し、財政赤字やインフレの危険を無視し、効率を考慮せずに巨額の資金を投入しているが、非常に危険な政策だと批判した。 *東京での経済会議に出席しているグエンタンズン首相は、ベトナムはアジアの各国と協力し、経済の悪化を食い止めるために全力を上げるつもりだ、と演説を行った。ズン首相は、会議の合間に日本の国会議員や大企業の代表と会談し、関係強化を図った。 *ホーチミン市は、自動車の駐車場が非常に少ない。同市は市の中心部に地下駐車場の建設を計画したが、歴史的な建造物に悪影響を与えるとの理由で、着工直前になって中央政府に工事の中止を言い渡された。同市は代わりの場所を見つけ、中央政府に地下駐車場の建設許可を申請したが、許可は一向に出ない。自動車は増え続けているが、駐車できる場所は非常に少なく、早急に駐車場の建設が必要である。 *南部では幼児の間に手足口病が広がっており、ホーチミン市の病院には毎日十人から二十人の患者が運び込まれる。効果のある薬が無いため、治療が非常に難しい。 *ハノイ市で古い公務員住宅の屋根が倒壊し、住民は立ち退きを余儀なくされた。しかし今後この住宅をどうするか、大きな問題である。(訳者注:公務員住宅だが、当の公務員は既に居住権を第三者に売り渡し、別の立派な家に住んでいる。雨漏りがし壁にひびが入った古い公務員住宅は、今では最下層の貧民の住居となっている。居住権は何回も売買されており、政府も今は誰が住んでいるのか把握していない。住人は居住権を買い取っているから無料で住めるが、住めなくなった後の権利や義務については法律の規定が無い。ハノイ市にはこの様な古い国営住宅がたくさんあるが、居住権を持つ人達の意見がまとまらず、強制立ち退きもできないから、古い住宅の改築ができない。) *国会は、居住法と土地法の改定を検討した。現在の法律の条件を緩め、ベトキューがベトナムの不動産を容易に購入できるようにする。国会はその後で、映画やテレビ番組の制作援助について検討した。最近は外国の映画やテレビ番組が巷に溢れており、このままではベトナムの良い伝統や習慣が無くなり、外国の悪い思想が入って来る。映画やテレビの番組制作に、国家の援助を増やす必要があると意見を述べた。 *日本を訪問しているグエンタンズン首相は、麻生首相と会談して両国の友好を深めた。ズン首相は、汚職を無くすからベトナムへの援助を増やして欲しいと要請し、麻生首相はベトナムの経済発展を賞賛した。ズン首相は、河野国会議長、安部前首相らとも会談した。また同行しているDung運輸大臣らは、日本側の担当者と実務会談を行った。 *統計局によると、5月の物価上昇率は0.44%、今年になって2.12%の上昇である。インフレは完全に収束したと言える。 *(訳者注:ホーチミン市のCat Lai港には燃料を積んだ貨物船が接岸し、ここからトラックで各地のガソリンスタンドに燃料が輸送される。多くのトラックは、港から出ると間もなく路傍に停車し、タンクから一定の燃料を抜き取り、同量の水を加えて走り去る。道路脇には抜き取った燃料を買い取る業者がおり、全ての悪事が手際良く行われている。)
2009.05.23
5月11日-5月16日 *ノンドクマン書記長は2日間に渡りメコンデルタのHau Giang省を視察し、地元の役人に内外から資金を集めて道路や学校・病院の建設を進めるよう指示した。また工業の発展に尽力する事はもちろんだが、農業や漁業にも力を入れるよう指示した。地元の役人は、同省は過去5年間に平均12.3%の経済成長を遂げたと説明した。(訳者注:『内外から資金を集めて』などと不可能な事を無責任に言い、『平均12.3%の経済成長』などと直ぐに分かる嘘を言い、互いに歯の浮くようなお世辞と賞賛を交換するだけ。) *国会の開会が近付いており、グエンタンズン首相はハイフォン市へ出かけ、地元の国会議員と共に有権者と会談し、国民の生の声を聞いた。地元の有権者は、政府は立派な政治をしていると満足の意を述べた。ただ交通や公害の問題があるので、その解決に力を入れて欲しいと政府に要請した。ズン首相は、同市は急速な経済発展を遂げ、国家に大きな貢献をしていると賞賛した。 *政府は、農村部を中心に国産品の愛用運動を展開し、大きな成果を上げた。各地で国産品の展示即売会が開かれ、予想を上回る売り上げを達成した。ベトナムの人口は8600万人だが、70%は農村に住んでいる。企業は農村の購買力を無視していたが、少量ずつでも国内各地で販売をすれば、大きな売上となる事が示された。 *5月9日はお釈迦様の生誕2553周年の記念日で、祖国戦線のDam会長は共産党の指導者と共にハノイ市の仏教協会を訪れ、この記念日を一緒に祝った。そして仏教協会は、国家に大きな貢献をしていると賞賛した。仏教徒は、全国各地で様々な行事を行った。 *僻地に住む少数民族は、文明と懸け離れた生活をしている。彼等には所有権と言う概念が無く、国有地であろうが他の部族の土地であろうが勝手に使う。自然破壊などと言う考えも無く、様々な問題を引き起こしている。政府は以前に彼等に世間一般の常識を教え、文明的な生活をさせさせようと試みたが、いずれも失敗に終わっている。彼等は常識が無い上に字が読めないから、何かを教えようとするのは非常に難しい。 *ホーチミン市の今年の歳入は、去年と比べて20%以上も減っており、市の指導者は資金不足に苦しんでいる。ベトナムでは所得税法が機能しておらず、市の歳入は輸入関税、輸出税、土地の使用税、各種の登録税などに頼っている。貿易が減っている上に関税の税率も引き下げられたから、市の歳入は急減した。同市は中央政府に援助を求めているが、中央政府も資金の余裕が無いからどうしようもない。 *ベトナムではエンジン付きの船は登録が必要で、それを運転するには免許が要る。南部のCa Mau省にはエンジン付きの船が10万隻あるが、登録しているのは2万隻だけ、また船の運転免許を持つ人は3万人しかいない。法律無視が甚だしく、船の交通事故は頻繁に起きている。政府は船の交通規則を、厳しく守らせる方針である。 *ベトナムには民営の大学がたくさん設立されたが、その多くは金儲けが目的で、設備が劣悪で授業方法も劣る。あるホーチミン市の大学は、何箇所かに普通の民家を借りて校舎としているが、普通の家だから教室は狭く、隣の部屋の声が筒抜けとなる。大勢の学生が集まるから部屋に熱気がこもり、授業にならない。図書館などは申し訳程度で、教えるのは時間給のアルバイト講師である。高い授業料を取りながら、定員を越えた学生を集めている大学もある。 *(訳者注:ノンドクマン書記長はHau Giang省からCan Tho市へ移動し、メコンデルタの行脚を続けている。地元の住民に旗を振って歓迎され、地元の人民委員会から同省は15.8%の経済成長を続けていると報告され、上機嫌で同省を賞賛する言葉を述べた。) *最近になってベトナム弁護士協会が設立され、ハノイ市で第一回目の会議が開かれた。グエンミンチェット大統領も出席し、法治国家の建設のために、弁護士協会の力を貸して欲しいと要請した。 *フィリピンの内務大臣がベトナムを訪れ、Anh公安大臣と犯罪防止の協力について話し合った。グエンタンズン首相もフィリピンの大臣と会談し、両国の友好を深めた。 *(訳者注:ベトナム父系社会で、一番末の男の子が家系を引き継ぐ。女の子は嫁にいってしまうから、親の頼りにはならない。だから親は何としても男の子が欲しい。しかも政府に『子供は2人まで』の政策が有るため、一番目が女だと、二番目は必ず男の子にしたい。だから妊娠したら直ぐに性別をチェックし、女だったら堕胎手術をしてしまう。堕胎は男の子と分かるまで続く。その結果、ベトナムでは堕胎手術が異常に多く、男の子の出生率は非常に高い。ホーチミン市の場合、女の赤子100に対し男の赤子は113であり、保守的な田舎ではこの差が更に開く。Nhan副首相は、これは大きな問題で国民の考えを変える必要があると述べ、全国の人民委員会に啓蒙運動を行うよう指示した。) *個人所得税法は今年の1月1日に有効になったが、政府は経済の悪化を防ぐために、7月1日まで実施を延期した。財務大臣は、現在も景気は悪化しており、個人から所得税を徴収すれば更に景気は悪化すると述べ、この法律の実施を2010年末まで更に延期するよう、国会の常任委員会に指示を出した。(訳者注:税務署の数も職員の数も少なく、国民から所得税を徴収する体制ができていない。準備不足で、所得税は徴収できない。) *ハイフォン市でも急性の下痢(コレラ)が発生し、13人が病院に入院している。細菌の検査装置が無いから判らないが、コレラと疑われる患者は全国に150人も居る。保健省は、彼等にコレラの治療薬を処方するよう指示を出した。 *アルゼンチンとの貿易は4億2400万ドルに達し、10年前の13倍に増えた。以前は南米やアフリカの国とは貿易がほとんど無かったが、最近は貿易の相手国が大幅に増えた。4億2400万ドル自体は大きな金額ではないが、この様な貿易相手国が何十も生まれれば、全体の貿易額は大きく増える。国交も深まり、現在Doan副首相はウルグアイを訪問中で、以前はほとんど国交の無かった諸外国と、交流も貿易も増えている。 *(訳者注:現在ベトナムの中央銀行が決めた1ドルの為替相場は、16,939ドンである。一般の銀行はこの上下5%の範囲でドルの売買が許されているので、銀行は17,786ドンの相場を表示している。市内の金ショップでは、1ドルは18,250ドン前後の値を付けている。公式価格と闇価格が大きく異なるから、普通の人が銀行へ行ってもドルは買えない。表示は出しているが、ドルは売り切れたと言って追い返される。企業が輸入の決済でドルが必要な時は、担当者が銀行に行って協議して価格を決める。この様な面倒な事態が起きているにもかかわらず、中央銀行がなぜドンを切り下げないのか不明である。) *(訳者注:中国で粉ミルクにメラミンが混入されて大問題になったが、ベトナムでも大規模にメラミンが混入されていた。これが表沙汰になるとベトナムの評判が落ちるし、この化学薬品を混入した国営企業は倒産の危機に陥る。政府は報道規制を敷いてメラミン混入を秘密にしていたので、現在までにメラミンが混入された乳製品のほとんどが消費されてしまった。ただ外資企業一社が、メラミンの混入された乳製品1百トンを抱えて処置に困っている。政府としては、外資企業に悪い噂が立っても、外資企業が不正行為で倒産しても、困る事はない。それで今になって、メラミン混入を公にした。) *ハノイ市に警察や公安に関係するASEANの大臣が集まり、治安の維持で協力する方法を話し合った。情報交換を緊密にし、国際犯罪を防止する事を約束した。グエンミンチェット大統領も会議に出席し、各国が協力する必要性を語った。 *国連の副事務長がベトナムを訪れ、Khiem副首相兼外務大臣とベトナムへの援助や経済危機の克服について話し合った。グエンタンズン首相も国連の副事務長と会談し、ベトナムへの援助を拡大して欲しいと要請した。 *国会の常任委員会は、長期的な教育の改革について協議した。特に教育に関係する費用が議題となり、将来の学費の取り扱いを検討した。(訳者注:ベトナムは所得税法が確立していないから、外資企業で働く労働者などを除き、所得税を払わない。だから国庫の歳入が乏しく、義務教育を含め全てに実費の支払いが要求される。法律上の建て前では義務教育は無償だが、学費と言う項目が無いだけで、教材費、光熱費、設備費などの名目で、多額の支払いが要求される。その結果、貧しい世帯の子供は学校へ行けない。) *サイゴン港は、急増する貿易貨物に港湾の設備が追いつかず、滞留する貨物が急増している。特に輸入貨物の積み降ろしが遅れており、船着き場の外で10隻、20隻の船が順番待ちをしている。(訳者注:客船や海軍の船が優先的に接岸するのは当然だが、役人と関係のある船会社、賄賂を払った船会社の船は、後から来たにもかかわらず先に接岸する。このため、船着き場では不正行為に対する反感が高まっている。) *ハノイ市郊外を流れるNhue川で、約十トンの魚が死んで浮き上がった。川の水質汚染が原因である。市の資源環境課が川沿いにある44の工場を調べた結果、31工場には汚水の処理施設が全く無く、残る13工場も形ばかりの汚水処理施設があるだけで、全ての工場が法律に違反して廃水を川に流していた。(訳者注:市の役人が汚水の排出を見逃す筈がなく、企業は罰金を払いながら法律違反を続けていた。こう言う罰金は、役人の闇給料や飲み食いの費用になるから、役人としては罰金を払いながら法律違反をする企業が好ましい。企業も、汚水処理施設の建設費用は高いから、罰金を払う方が安上がりである。ただ被害を受けるのは、付近に住む一般の住民である。) *ハノイ市にアジアとヨーロッパの教育担当の大臣が集まり、教育の改善に関する会議が始まった。グエンタンズン首相も会議に出席し、教育の重要性を語った。 *次の国会は5月20日に始まるが、国会の常任委員会は全ての準備を終えて閉会した。12件の法律を承認し、数件の法律の草案を検討する。また経済政策、国家予算、国債の発行などについて、担当する大臣が報告を行う。 *急性の下痢は、ハノイ市、ハイフォン市、Thanh Hoa省、Bac Ninh省へ広がり、はっきりコレラと診断された患者だけでも50人を越えた。保健省は全国の人民委員会に、食品の衛生に気を配り、コレラを無くすのに全力を上げるよう指示した。 *中部山岳地帯のBinh Phuoc省では野生の象が人里に表れ、農作物を食い荒らすなどして農民に大きな被害を与えている。象は希少動物に指定されており、住民は殺す事もできず被害を防ぐ事ができない。山岳地帯では天然ゴムのプランテーションが進み、野生の象が住む森林は急速に減少している。 *中部の古都フエに、マン書記長、チェット大統領、ズン首相、チョン国会議長、更に共産党の政治局員らが集まり、同市を文化都市としてして発展させる長期計画を話し合った。(訳者注:同市は独自に長期計画を作成したが、全く実現できず、政治の改革も進まなかった。それにしても地方都市の行政改革を、国家の指導者全員が頭を突き合わせて検討するとは。ベトナムの指導者は、暇が有り過ぎるのかも知れない。) *古都フエに隣接するダナン市には、韓国、タイ、台湾、香港、シンガポールの航空会社が乗り入れたが、今ではシンガポールのSolk Air社を除き、全て撤退した。政府は中部の発展に力を入れているが、観光産業以外は発展が遅い。行政の効率が悪く、優秀な人材が乏しく、頻繁に自然災害に襲われ、中部の経済はなかなか発展しない。 *政府の経済分析機関が、今年のベトナムの経済成長は5.6%以下、悪ければ3.4%になると述べ、政府が決めた目標6.5%は達成が不可能だと報告した。インフレは8%台、悪い場合は9%台になる。更にこの機関は、国会の政策立案や予算編成では、現実を正しく認識して間違いのない政策を設定する事が必要だとコメントした。
2009.05.16
5月4日-5月9日 *グエンフーチョン国会議長は、ロシア、チェコ、ベラルスへの訪問を終えて帰国し、記者会見を開いて成果を報告した。三国は共にベトナムの発展を賞賛し、政治だけでなく経済の面でも積極的に協力するとの約束を取り付け、大きな成果を上げたと語った。 *政府は、農村の貧しい若者を海外へ出稼ぎに送り出すため、2020年までに2億6千万ドルを投資する。貧困撲滅の一環事業で、出稼ぎの手続きをする金のない若者に、優遇融資を行う。(訳者注:新聞の一面に大きく掲載された記事だが、こんな長期の計画は実現した例が無い。ベトナムの貧困対策のために、義務教育も満足に終えていない労働者を受け入れてくれる国があるかどうかも、疑問であある。) *Nhan副首相兼教育大臣は、8日間に渡って中国を訪問し、教育に関する様々な援助協定を取り付けた。中国は奨学金を準備して大勢のベトナム人留学生を受け入れ、ベトナムに教授を派遣するなどして、ベトナムの教育改善を積極的に援助すると約束した。 *(訳者注:ホーチミン市は2007年に、市内に在る使われていない国営企業の倉庫を、小学校に改修しようとした。しかし国営企業は中央政府の管理下にあり、副大臣級の高級官僚がホーチミン市に反対した。もし倉庫が必要なら市価で買い取れと要求されたが、同市にはそんな資金が無い。結局、使われていない倉庫を小学校に改修する案は、実現できなかった。国営企業といえども、政府機関の権益が絡む複雑な支配下に在り、簡単に使用権や所有権を変更する事はできない。) *ベトナムには、違法な外国人労働者が大勢居る。英会話学校の教師として働く欧米人や、建設現場で働く中国人である。彼等は観光ビザのまま、長期間に渡って仕事をしている。政府は違法な外国人労働者を、厳しく取り締まる方針である。(訳者注:観光ビザは、法律上は一定の期限までしか延長できない。しかし賄賂さえ出せば、そんな法律は無視して幾らでも延長できる。ただし今後は、変わるかも知れない。) *(訳者注:中国人労働者は、ベトナム人労働者と比べて能力が高いし良く働く。その上に諸経費を含めても、賃金はベトナム人の2倍に達しない。だから中国企業はもちろん台湾や香港の企業も、できる限り多くの労働者を中国大陸から連れて来ようとする。) *(訳者注:メキシコで発生した豚インフルエンザは、ベトナムにとって全く都合の良い事件である。新聞は連日この病気について報道するので、鳥インフルエンザは世間の注目を引かなくなった。豚の青耳病は蔓延しているが、これは人間に感染しないから新聞の記事にならない。ベトナムには装置が無いから、たとえ豚インフルエンザが発生しても確認できない。確認できなければ、声を大きくして『病気は無い』と発表できる。) *今月の末に国会が始まる。国家の指導者は有権者と会見し、政治への関心を高めている。ノンドクマン書記長は北部のThai Nguyen省を視察し、有権者と会談して政府が立派な政治を行っている事を説明した。グエンミンチェット大統領はホーチミン市で、グエンフーチョン国会議長はハノイ市で有権者と会談し、国民の政治への関心を高めた。 *先週は祭日と週末が重なり、大勢の人が帰省したり観光地に出かけりした。しかし交通手段が不備だから、月曜日になっても帰れない人が大勢いた。特にメコンデルタの交通がひどかった。始発のターミナルで乗客が一杯になると、バスは途中のバス停には全然止まらない。一日中バスを待っても、結局は乗る事ができかった。また観光地のホテルは、宿泊費が平日の2倍以上に値上がりし、レストランも5割近く値上げした。 *(訳者注:ホーチミン市には、家出をした子供が大勢居る。暑い気候なので凍える事はないし、食料品が安いから食堂などへ行けば直ぐに残飯が貰える。大都市では、子供でも一人で簡単に生き延びられる。しかし窃盗や麻薬密売の組織に取り込まれたり、性的な虐待を受けたりで、様々な問題が生じている。彼等を助け出すのは慈善団体の人達で、公安の役人などは家出した子供には全く関与しない。子供が家出をしたら、親は新聞の『尋ね人』の欄に広告を出すしかなく、費用が高いから普通の親は何もできない。) *(訳者注:政府は景気の刺激策として、88億ドルの出費を決めた。しかしこれは国家予算を全く無視した金額で、この金をどこから調達するのか、巨額の赤字予算をどうするのか、その対応は全くできていない。経済の専門家は警鐘を慣らすが、政府は国家予算を公表せず、歳入も歳出も全て不明だから、どんな対策が必要かも分らない。) *6月7日は、ディエンビエンフー戦勝の55年目の記念日である。ノンドクマン書記長は、この戦を指揮して勝利したボーグエンザップ将軍の自宅を訪れ、老将軍の国家への貢献を賞賛し、プレゼントを手渡して長寿と健康を祝った。(訳者注:ザップ将軍は6月に98歳になり、今では老衰して恍惚の人である。それでも関係者は将軍を公の場に連れ出し、国民に過去の栄光を知らしめる。老将軍が哀れに見える。) *グエンミンチェット大統領は、ホーチミン市で有権者との会談を続けている。有権者は、土地の使用権や不動産の所有権の問題、交通の問題、公害の問題などについて要望を述べた。チェット大統領は「有権者の率直な意見を聞きて大いに参考になった。これを政治に反映させたい」と語った。(訳者注:有権者とは言っても、定年退職した共産党の幹部が中心である。普通の市民が大統領と言葉を交わす事など有り得ない。) *ハノイ市で月例の閣僚会議が開かれた。計画投資大臣や財務大臣が経済に関係する報告を行い、ベトナムも世界不況の波を大きく受けていると述べた。これを受けてグエンタンズン首相は全ての政府機関に、景気の回復に全力を上げるよう指示を出した。 *(訳者注:Human Right Watchと言う人権擁護の機関が、ベトナム政府は人権侵害を隠していると批判した。これに対し外務省の報道官は、ベトナムの人権は法律で守られており、人権侵害を口にするのはベトナムの実情を良く知らないからだと反論した。) *(訳者注:ホーチミン市には外国系の大学がたくさんできた。実態は良く分からないが、提携校、分校、系列校などと銘打ち、学生を集める宣伝にしている。先日はアメリカ、ヒューストン大学との提携校が、グエンミンチェット大統領を迎えて開校式を行った。) *国会の経済予算委員会は、今年の財政赤字をGDPの5%から8%に増やす事を決めた。経済の刺激に巨額の資金を投入するため、赤字の拡大は避けられないと判断した。 *今月末にハノイ市でASEANとヨーロッパの外相会議が開かれるが、その一環となる経済会議が同市で開かれた。ベトナムの役人と外国の外交官ら4百人が集まり、経済に関するアジアとヨーロッパの協力体制を検討した。 *ハノイ市の列車の貨物場で火災が発生し、この火が近くのガス燃料に引火し、5人が死亡し更に5人が重傷を負う大惨事となった。倉庫や貨車の貨物も消失し、大きな被害が出ている。 *Ba Ria-Vung Tau省では漁民が沿岸の魚を取り尽くし、沿岸に魚は居なくなった。漁船は遠くの沖合まで行かないと、魚を取る事ができない。しかしそれは燃料費がかさみ、採算が取れない。出漁しない漁船が多くなり、中古漁船の投げ売りが始まっている。 *6月7日はディエンビエンフー戦勝の記念日で、Dien Bien省では共産党の指導者や旧ソビエト連邦の大使らが大勢出席し、盛大な式典が開かれた。同省の人民委員会は、地元の住民を駆り出して大規模なパレードを行い、式典を盛り上げた。そして同省は、国家からホーチミン勲章を授与された。グエンタンズン首相は、この日を記念してボーグエンザップ将軍の自宅を訪れ、花束を手渡して将軍の長寿と健康を祝った。 *国会の経済予算委員会は、今年の経済成長率の目標を6.5%から5.0%に下げる事を検討した。計画投資省や財務省の副大臣も会議に出席し、今年の経済見通しを説明して6.5%の経済成長は不可能だと述べた。(訳者注:計画経済を長く続けたベトナムは、目標や計画の設定を非常に重視する。それを設定する事に大きなエネルギーを使い、それを実現する事には余り努力を払わない。) *ベトナムは大量の米を輸出するが、『ベトナムの米』と言うだけでブランドが無い。美味い米もまずい米も区別せず、一緒くたに輸出される、だから全ての米に、まずい米としての価格が付く。品質の良い美味い米だけを分類し、ブランド名を付けて輸出すれば、1割も2割も高い価格で輸出できる。そのためには集荷方法を改善し、米の仲買人が個々の農家を回って米を買い集める方法を止める必要がある。 *政府は、外交官や特別な投資家のために、自動車を無税で輸入して2年間だけ国内で使う事を許可している、そんな自動車には、NN、NG、QTで始まるナンバープレートが付いている。2年経ったら国外に持ち出すか、もし使い続けるなら改めて輸入手続きをしなければならないが、外国人は法律を無視して手続きをせずに自動車を売却してしまう。政府は、この様な自動車の監視を厳しくする方針である。 *(訳者注:中国の雲南省がアメリカやオーストラリアから輸入する貨物の一部は、大型の貨物船で香港に運ばれ、更に小型の貨物船でベトナムのハイフォンに運ばれ、それからトラックで雲南省へ運ばれる。しかし最近、食品に関係する法令が変わり、輸出入の手続きが面倒になった。このためハイフォン港には、食肉を積んだ中国向けのコンテナ1700個が滞留している。既に1か月近く経たコンテナも有り、保管料がかさむばかりでなく、冷凍装置の故障で腐敗した肉も有る。中国の内陸やラオスは、ベトナムを中継基地にして貿易を発展させようとしているが、非常に危険な企みである。) *ハノイ市は大雨に襲われ、多くの道路が10-20cm、所によっては50cmの深さに冠水し、交通は大混乱となった。民家の建設で排水溝が壊されたり、住民が捨てるごみで排水口が詰まったりで、排水溝が十分な機能をしていない。 *政府は農村の水道建設を進め、今年中に新たに数十万世帯に水道水を供給する計画である。現在、農村の水道普及率は75%だが、これにより80%に増える。(訳者注:メコンデルタや紅河デルタは泥の滞積した所で、地下数十メートルまで井戸を掘らないと、きれいな水は出て来ない。こんなに深いと、電動ポンプを使わないと水を汲み出せない。井戸を掘るのも大変だから、住民は川の水や雨水を飲料水にしている。)
2009.05.09
4月27日-5月2日 *ベトナムを訪問しているラオス人民革命党の書記長は、マン書記長、チェット大統領、ズン首相らと会談し、両国の友好を深めた。その後で両国は共同声明を発表し、政治、経済、司法などあらゆる面で両国が堅固な協力体制を組む事を表明した。 *アメリカとの戦争中にホーチミンルートは大きな役割を果たしたが、ここでは大勢の兵士が戦死している。政府は中部のQuang Binh省で、祖国のために散った兵士の慰霊祭を開いた。グエンミンチェット大統領ら大勢の指導者が出席し、焼香の様子はテレビで全国に生中継された。 *中部の山岳地帯は少数民族が住む貧しい地域だが、美しい自然と涼しい気候を活用した観光地として発展している。更にここにはボーキサイトなど様々な地下資源が眠っている。現在は民営の小企業が無許可で鉱物を採掘しているだけで、国営企業による大規模な採掘は行われていない。政府は環境破壊を防ぎ国家の収入を増やすために、鉱物の採掘を厳しく制限する計画である。共産党政治局は、地下資源を詳しく調査し、長期的な開発計画を作るよう政府に指示した。 *グエンフーチョン国会議長は、公式訪問でロシアからチェコに到着した。そして同国の国会議長と会談し、両国の友好を深めた。両国は政治的に深い関係を維持しているが、貿易や投資を増やして経済面でも関係強化を図る事を約束した。 *ホーチミン市の人民委員会は、市内のLe Minh Xuan工業団地の工場に地下水の採取を止めるよう指示し、同時に国営の水道会社に水道管を敷設するよう指示した。同市は地下水の採取が多すぎて、地盤沈下など様々な問題が起きている。 *今年上四半期の工業生産は33億ドルで、去年の同時期より5.4%の増加である。ベトナムは、早くも世界的な不況から脱出する気配を見せている。工業は去年14.6%成長し、今年は7.4%の成長を目標にしている。 *ノンドクマン書記長は、ハノイ市の人民軍が開いたホーチミンルート建設50周年の式典に出席し、人民軍の活躍を賞賛し今後も国家の防衛に全力を尽くすよう指示した。 *グエンミンチェット大統領は2日間に渡って中部のQuang Tri省を視察し、地元の役人と経済発展について話し合った。チェット大統領は、役所の事務手続きを簡単にし、住民の教育水準を向上させ、内外の投資を誘致して経済発展を図るよう指示した。 *今まで水産物の輸出は急増していたが、世界的な不景気のため今年の上四半期の輸出は7億4千万ドルで、去年同時期の7%減である。ヨーロッパ向けは13%の減少、日本向けは9%の減少、アメリカ向けは3.3%の減少である。 *ベトナム航空の子会社に、航空燃料を独占的に輸入販売するVinapcoと言う会社がある。この会社はベトナム航空の競争相手のPacific Airlines社に航空燃料の大幅値上げを要求し、それを拒否したPacific Airlines社に燃料の供給を止め、同社は飛行機を飛ばす事ができず大混乱に陥った。ズン首相が仲介に乗り出し、市場独占を利用して不当な行為を行ったVinapco社を叱責した。(訳者注:国営の大企業は市場の独占を利用し、更に役人の協力を得て、様々な不当行為を行う。数年前にベトナムの企業がオートバイの製造に進出した時には、部品の輸入規制を通して外国企業の製造を何か月も停止させた。携帯電話が導入された時には、韓国の企業は電話公社に一般電話への接続を妨害され、携帯電話の市場から排斥された。外国の企業は、役人と国営企業から様々な妨害を受けるから、ベトナムの国営企業が独占する市場には進出できない。) *(訳者注:シンガポールの企業は、上記の事を良く知っている。だから企業は単独ではベトナムに進出しない。複数の企業がグループを作り、更に自国の政府を加え、両国政府による共同事業としてベトナムに進出する。国営企業の妨害などの問題が生じたら、直ぐにズン首相に直訴して対応を取らせる。政府間援助があるから、ズン首相も直訴を無視する事ができない。シンガポールは工業団地の造成や住宅開発などで成功しているが、これは政府が介在して不当な妨害を防いでいるからである。) *ベトナムの乳製品は非常に高い。粉ミルクの場合、牛乳だけで製造してもコストはキロ当たり7万ドンである。実際は砂糖や油脂を混入するから、製造コストは更に安い。しかしこれが商店に並ぶと、15万ドンの値段が付く。乳製品を独占的に製造して販売する国営企業が、大きな利益を上げるのは当然である。またベトナムには消費者の不満を受け付ける機関が無いから、国民はどうする事もできない。) *グエンミンチェット大統領は中部のThua Thien-Hue省を視察し、地元の役人に経済発展を促した、経済発展には投資が必要だから、面倒で時間の掛かる手続きを簡単にし、外部から積極的に投資を誘致するよう指示した。地元の役人は、世界的な経済の悪化にもかかわらず、同省の工業は9.6%の成長を遂げたと報告した。 *(訳者注:4月30日は統一記念日、5月1日はメーデーと祭日が続く。中央政府から地方の役所まで、1週間も前から記念の式典が連日続いている。式典の後には宴会が続き、招待客には手土産も出る。それに掛かる公費は巨額である。) *今年の上四半期に、アメリカやヨーロッパ向けの衣類の輸出は大幅に落ち込んだ。そんな中で、日本向けの輸出は2億2千万ドルで、去年より25%も増えている。 *朝鮮人民軍の副司令官がベトナムを訪れ、ベトナム人民軍の指導者と軍隊の友好促進を話し合った。ノンドクマン書記長も北朝鮮の軍人と会談し、両国の友好を深めた。 *グエンフーチョン国会議長はチェコからベラルスへ行き、同国の国会議長と両国の関係強化について話し合った。チョン国会議長は同国の援助に感謝の言葉を述べ、ベラルスの国会議長はベトナムの経済発展を賞賛する言葉を返した。 *ブラジル労働党の代表がベトナムを訪れ、グエンミンチェット大統領と両国の関係強化について話し合った。そして貿易の拡大など、経済面の関係強化を約束した。 *(訳者注:ハノイ市を流れる紅河の堤防が、危うい状態になっている。河川敷から砂利を採集したり、建物や船着き場を建設するからである。これらは法律で禁止されているが、過去に賄賂を得た役人が許可を発行してしまい、今になって正式な許可を持つ所有者や使用者を規制する事はできない。昔の事だから、どの役人がどんな条件で許可を出したかは不明である。川は障害物で簡単に蛇行し、堤防を削り取ってしまう。) *ホーチミン市の裁判所は、強盗団の一味に死刑と終身刑を言い渡した。彼等は11件の強盗で2人を殺すなど、銃を用いて様々な凶悪犯罪を行っていた。(訳者注:ベトナムの新聞には、強盗殺人などの凶悪犯罪は掲載されない。ベトナムは治安の良い安全な国だと言う記事だけが掲載され、ベトナムの評判を高めようとする。上の記事は3面に小さく掲載されたもので、軽率な記者が報道規制を忘れたらしい。) *ホーチミン市の人民委員会は、市内の区や郡の人民委員会の議長24人を決定した。従来は市の人民協議会が推薦し、それに基づいて人民委員会が議長を決めたが、現在は人民協議会が無くなったので、全てを人民委員会が決めた。指名された区や郡の人民委員会の議長は、地域の人民委員を指名する。 *ベトナムには大規模な豚や鶏の飼育場が無い。個々の農民が庭先で少数の豚や鶏を飼育するだけである。だから生産性が低くて国際競争力が無い。1年前にインフレで豚肉や鶏卵の価格が急騰した時、政府は価格を下げるために輸入関税を引き下げた。その結果、安い外国の肉や卵が大量にベトナムに流入し、農家は大きな損失を被った。WTOに加盟し、ベトナムは保護関税を継続する事ができなくなった。規模を拡大して経営の効率を上げ生産コストを下げる以外に、外国と競争する方法は無い。 (5月1日と2日は、新聞が休刊です。)
2009.05.01
4月20日-4月25日 *ノンドクマン書記長は公式訪問で日本に到着した。書記長にとり日本訪問は2度目で、日本の指導者と会談して両国の関係を深める。(訳者注:マン書記長は羽田空港に到着したが、出迎えたのは西村副外務大臣だけ。子供による花束贈呈も、着物を着た女性の歓迎もない。日本は必要最低限を事務的に行うだけ。儀式や形式を重んじるベトナムなら、外国の最高指導者の訪問には同等の最高指導者が出迎え、民族服を着た子供や女性が花束を贈呈するなどして歓迎の意を示す。日本とベトナムでは大きな違いがある。) *アジア経済会議に出席しているグエンタンズン首相は、ベトナムは経済危機を克服するために、外国と共同で積極的な対策を取る予定だと演説をした。またズン首相は会議の合間に中越企業家の会議に出席し、貿易や投資を更に拡大して欲しいと要請した。 *グエンフーチョン国会議長は常任委員会の会議に出席し、緊急を要する法律を早急に制定し、実行不可能な法律を無くす必要があると語った。常任委員会は、今年から来年にかけてどんな法律を制定すべきか検討した。 *(訳者注:今年の7月には新しい保険法が有効になる。また政府は、2014年までに国民の80%を健康保険に加入させる目標がある。しかしこれは現実と掛け離れた夢想である。保健省は、今年も健康保険は1億ドル以上の赤字が予想されると言うが、その対策は全く無い。去年は病院が保険分の治療費を国のために立て替えたが、国がその支払いを延期したので資金繰りに困り、最終的には健康保険を適用する治療を拒否した。民営の病院は初めから健康保険を無視し、国営の病院は今年も途中から保険の適用を拒否する事になる。それが目に見えていても、政府は金が無いからどうする事もできない。現在の国民健康保険料は最低月給の3%だが、保健省はこれを4.5%に増やす事を提案した、しかし貧しい農民には保険料が高すぎるとの意見があり、対策はまとまらない。) *ハノイ市で急性の下痢が発生した。51歳の男性が病院で治療を受けている。(訳者注:『急性の下痢』などと判りにくい言葉を使うが、コレラの事である。) *日本を公式訪問しているノンドクマン書記長は、麻生首相と会談して両国の友好を深めた。麻生首相はベトナムの発展を賞賛し、マン書記長は日本の援助に感謝の言葉を述べた。天皇もマン書記長と会談し、両国の友好を深めた。 *中国の海南島で開かれたアジア経済会議が終わった後、グエンタンズン首相は香港へ行き、現地の企業家が開いた経済会議に出席した。ベトナムは香港の企業を特別に優遇するから、ベトナムに積極的に投資をして欲しいと語った。 *国会の常任委員会は、食品の安全について検討した。ベトナムは衛生に気を配らないから、食中毒が頻繁に起きている。また食品には有害な化学物質や病原菌がたくさん含まている。法律で食品の安全性を確保する必要がある。 *ベトナムは上四半期に2万7千トンの胡椒を輸出し、6600万ドルの外貨を得た。去年と比べ量は80%増し、金額は16%増しである。 *上四半期の米の輸出は180万トンで金額は7億3600万ドル、去年と比べて量は70%増し、金額は80%増しである。去年は豊作だったにも拘らず、政府は不作と判断して米の輸出を制限したので、最終的に農民は売れない米を抱えて苦しんだ。今年は政府が積極的に米の輸出を援助したので、去年の在庫も豊作だった冬春作米も輸出できた。 *国会の常任委員会は、次の国会の準備を終えて閉会した。(訳者注:国会の委員は全員が共産党の幹部で、彼等が国家の政策を決定する。新聞は国会の委員会の会議を小さく報道するだけだが、委員会は非常に重要な機関でその決定が国家の政策になる。間もなく開かれる国会については報道機関が大々的に報道するが、実際は国会の決議は既に決まっており、委員会の決定を追認するだけである。) *ノンドクマン書記長は、河野・江田国会議長、シイ共産党議長、公明党の太田議員、民主党の岡田議員らと会談し、両国の友好を深めた。その後で福岡へ移動し、ベトナム領事館のオープニングの式に出席した。 *グエンタンズン首相は香港からマカオへ行き、地元の企業家が開いた経済会議に出席した。ズン首相は、マカオの企業を特別に優遇するから、ベトナムへの投資を増やして欲しいと要請した。これで中国訪問は終り、ズン首相は帰国した。 *アメリカの富豪Bill Gates夫妻の基金が、ベトナムの農村にインターネットを普及させるため、210万ドルの資金援助を行う事を決めた。農民がインターネットを通して作物の価格を知り、新しい農業技術を導入できれば、農業の発展に大きな貢献をする。(訳者注:既に外国の援助機関が、インターネットに接続したコンピュータを農村に寄付したが、全く役立っていない。義務教育さえ終えていない農民はコンピュータなど使えないし、人力で耕し自給自足をしている貧しい農民に役立つ農業技術など全然ない。) *ホーチミン市は、上四半期の経済成長は4%だったと発表した。去年の11%と比べてかなり低いが、世界の景気悪化を考慮すれば評価できると報告した。 *ホーチミンルートが開通して半世紀が経つ。アメリカとの戦争中、この道路は北部から南部へ物資を輸送する通路として非常に重要だった。アメリカ軍の飛行機が爆撃を行う中で、義勇兵は必死で物資を輸送した。グエンミンチェット大統領はこれを記念し、ここで活躍した当時の女性義勇兵1百人をハノイ市に招待し、慰労会を開いた。ホーチミン市では、当時のホーチミンルートとそこで活躍した兵士の写真展示会が始まった。 *ベトナム沖合の公海にアメリカ軍の大型空母が停泊しており、アメリカ軍の招待でべトナムの海軍と空軍の指導者がこの空母を見学した。アメリカ大使が同行し、ベトナムの軍人に空母の説明をして両国軍隊の友好を深めた。 *統計局の発表によると、4月の消費者物価は0.35%の上昇で、1年前と比べ9.23%の上昇である。1ヶ月で2.20%も上昇した去年の4月と比べ、物価は大幅に安定している。 *ラオス人民革命党の書記長がベトナムを訪れ、ノンドクマン書記長と会談して両国の友好を深めた。互いに相手国の発展を賞賛し、更に関係を深める事を約束した。ラオスの書記長はグエンタンズン首相とも会談し、貿易や投資について話し合った。 *グエンフーチョン国会議長はロシアを訪問し、同国の国会議長と両国の関係強化について話し合った。両国は政治的な関係は強いが経済的な関係は弱いと述べ、貿易や投資を拡大する方法を検討した。 *政府は2007年に法律でバイクに添乗する子供のヘルメット着用を義務付けたが、国民の反対でこの法律を撤回した。しかし7月1日から再びこの法律を有効にする。ハノイ市は半年ほど前に法律で、バイクや自転車で豚や鶏を輸送する事を禁止したが、市民の反発が強くてこの法律を撤回した。(訳者注:法律を制定する特権階級は国民の実情を知らないから、現実を無視した法律を制定する。またつまらない法律ばかり制定し、税金に関する法律や不動産の所有権など重要な法律は、不明確で実行できないまま放置している。) *(訳者注:ベトナムの輸入は今年になって40%近く減少した。ベトナムは安い労働力を用いて加工貿易を行う国だから、輸出が減ると輸入も減る。輸入の減少は急激で、今年の上四半期には貿易収支の黒字を記録した。しかし観光収入や海外からの送金が減り、国内はドル不足でドルの闇価格が上昇している。) *グエンミンチェット大統領はベトナムを訪問しているラオスの書記長と会談し、両国の友好を深めた。ラオスの書記長はその後でホーチミン市へ行き、同市の指導者と貿易や投資の拡大などの実務について話し合った。 *日本国際協力機関(JICA)の新井副会長がベトナムを訪れ、グエンタンズン首相と日本政府の援助について話し合った。新井副会長は、ベトナム政府の汚職防止対策が進んでいる事を確認したと述べ、ズン首相は日本政府の援助に感謝の言葉を述べた。 *ロシアを訪問しているグエンフーチョン国会議長はモスクワ市長と会談し、経済関係の強化について話し合った。市長はベトナムの発展を賞賛し、チョン国会議長はロシアの援助に感謝の言葉を述べた。 *Hung副首相は、人民協議会の廃止を更に進めると発表した。区や郡の人民協議会だけでなく、一部の省や市の人民協議会も廃止する。人民協議会を無くすと人民委員会を批判する機関が無くなるので、上部の委員は下部の委員を良く監督するよう指示した。 *北部のThanh Hoa省で女性が病死したが、後に死因は鳥インフルエンザだった事が判った。保健省は国民に、病気に罹った家禽類は食べないよう指示を出した。(訳者注:農民も役人も悪い事は隠そうとする。だから病気の発生も死者の発生も、公になるのは一部だけである。)
2009.04.25
4月13日-4月18日 *現在ベトナムでは、電力公社が発電する電力は65%で、原油採掘公社が12%、石炭公社が9%を占め、その他は民営の発電所の発電と中国からの電力購入である。上四半期の発電量は去年より4%増えたが、需要はこれを大幅に上回って増えており、電力不足はますます大きな問題となっている。(訳者注:Ca Mauガス火力発電所はガス供給の問題で発電が始まらず、石炭火力発電所などは石炭公社の都合で完成が大幅に遅れている。) *ホーチミン市は2007年に前年の2倍、15億ドル相当の投資許可を外国企業に発行した。2008年には更にその2倍、30億ドルの外国投資に許可を出した。しかし外国投資の半分は不動産への投資で、工場を建設して物を生産する投資は少なくなった。また世界不況の影響で、ひとまず許可だけ取っておき後で投資をしようと言うプロジェクトが多く、実際の投資はなかなか始まらない。(訳者注:ホーチミン市にも、ゴルフ場の建設計画が8件もあるが、現在オープンしている唯一のゴルフ場でさえ客が少なくて赤字である。新しいゴルフ場を建設しても、絶対に経営は成り立たない。また外国企業は、ゴルフ場の建設として取得した土地を、他の目的に使用する事は許されない。) *南部Long An省の川で2隻の貨物運搬船が衝突し、ガソリンを輸送していた船に穴が開き、40立米の燃料が流れ出した。またホーチミン市のNha Be川では、5百トンの砂を運んでいた輸送船が、貨物船と衝突して沈没した。乗員の4人は救出された。 *(訳者注:共産主義経済の名残で、現在でも1人の農民が所有できる農地には制限がある。そのために残存する一部の合作社を除いて、ベトナムには大規模農園は存在しない。農地が小さく分割されているから機械化が難しく、農業の近代化も進まない。政府は法律を改定し、金持ちの農民が広い農地を所有するのを許可する方針である。) *(訳者注:ハノイ市は吸収合併で拡大したが、合併される地域は直前に多数の公共事業の計画を承認した。計画が有れば、金の有る旧ハノイ市が資金を出してくれるかも知れないと言う下心である。実行できなくて元々、実行できたら儲け物と言う杜撰な計画である。Hai副首相は同市の人民委員会に、全てのプロジェクトをキャンセルしてもう一度計画を練り直し、最終的にグエンタンズン首相の許可を得るよう指示した。) *共産党中央委員会は、IT(情報通信)産業は重要だから、2020年までにIT技術のレベルを上げるよう関係機関に指示を出した。産業の発展には科学技術が不可欠で、今後はIT技術が特に重要だと語った。(訳者注:共産党の指導者は、アメリカ軍を相手に勇敢に戦った人達だが、既に老人で新しい技術にはついていけない。科学技術を発展させるには教育が大切で、共産党の指示だけでは技術の向上はない。) *ハノイ市で国会の常任委員会の会議が始まった。グエンフーチョン国会議長が開会の挨拶をし、その後でSon La水力発電所に必要な住民の移転の問題を提起した。12万世帯が移転したが、まだ7万世帯の移転が必要である。政府は代替の住居を建設したが、その家には電気も水も無く、付近には学校も診療所も店も無い。また約束した農地の分配が予定通りに行われず、新しい家に移った住民は仕事が無い。移転が進まないのは、住民ではなく政府に責任がある。 *政府による健康保険制度は15年前に始まったが、保険に加入している国民は全体の44%だけである。政府は2014年までに国民全体を保険に加入させる計画だが、実現は難しい。保険には企業の強制保険、一般国民の健康保険、貧困世帯や学生の優遇保険などがあるが、いずれも十分に機能していない。(訳者注:ベトナムは税制が確立していないから、政府に資金がない。保険料だけで治療費をカバーしようとするから、健康保険による治療には様々な条件が付き、十分な治療を受ける事ができない。) *(訳者注:シンガポールを超近代的な都市に築き上げた前の首相リークアンユー氏がベトナムを訪れ、グエンタンズン首相と会談して国家建設の秘訣を伝授した。同氏は老齢にも拘らず頻繁にベトナムを訪れ、ベトナム政府にアドバイスを行っている。 *ニュージーランドの国会議長がベトナムを訪れ、グエンフーチョン国会議長と両国の関係強化について話し合った。グエンミンチェット大統領もニュージーランドの国会議長と会談し、両国の関係強化を約束した。 *(訳者注:政府は景気の刺激策として、生産を拡大したり新しい設備を導入する企業に、銀行融資の利子補填を行っている。既に利子補填の伴う融資は1百億ドルを越えたが、この政策には大きな問題がある。いつまで総額幾らを補填するのか決まっておらず、現在は国家の外貨準備金を利子補填に使っているが、減少する外貨準備金を将来どうするのか決めてなく、巷では不当な利子補填の噂が広まっている。中央銀行の総裁は、政府に資金的な余裕が有る限りこの政策を続けると言うだけ。財務大臣は、中央政府の指示に基づいて利子補填を実行していると言うだけ。無責任な政策は後に大きな禍根を残す。) *国会の常任委員会は、死刑となる犯罪の範囲を検討した。偽物商品の製造と販売、収賄や贈賄などの汚職、戦争時に敵に降伏、国家の治安の攪乱などについて、死刑を適用すべきかどうか検討した。また麻薬の密売などでは、死刑の判決を減らす事を決めた。 *1284年に元の大軍がベトナムに侵攻した時、Tran王朝は全国の有力者をハノイに集め、共同で元の軍隊に対抗する事を決めた。ハノイ市はこれを記念し、今週の週末に大規模な祭りを開催する。(訳者注:中央政府は、国民の団結と愛国心の高揚を目指し、国費を使って祭りを開く。地元は観光産業の育成を目指し、祭りの開催に力を入れる。) *ホーチミン市は、国営企業の所有だが現在使われていない土地31か所を、回収する事を決めた。そして9か所は政府機関が使用し、16か所は学校や公園など公共施設のために使用し、6か所は競売で売却する。 *土地の使用権の証明書(赤冊子)と家屋の所有権の証明書(ピンク冊子)は、土地や建物の権利を証明する重要な書類だが、取得していない国民が多い。土地や建物の登記が、非常に面倒で多額の費用が掛かるからである。グエンタンズン首相は、土地を管理する天然資源環境省と建物を管理する建設省に、手続きを簡略化して国民全員が証明書を取得できるよう、方法を考えるよう指示した。 *(訳者注:ハノイ市のXuan Sonごみ捨て場と Son Tayごみ処理工場では、地元の住民数百人が道路を封鎖し、ごみを積んだトラックが進入できないようにした。同市は大量のごみをここに捨てているが、何の処理もしないから蠅や悪臭の発生が地元の住民を苦しめてきた。住民の実力行使に慌てた地元の役人は、ごみの上にカバーを敷いて一時的な対応をし、市の人民委員会と相談しながら対策の検討を始めた。) *シンガポール前の首相リークアンユー氏は、ハノイ市に移ってグエンミンチェット大統領やノンドクマン書記長と会談し、国家を発展させる秘訣を語った。ベトナムの指導者はシンガポールの援助に感謝の言葉を述べ、両国の関係強化を祝った。 *国会の常任委員会は、ベトキューが祖国で不動産を取得する問題を検討した。現在でもベトキューは法律上はベトナムで不動産を取得するが、手続きの問題など様々な障害が有るために実際は取得できない。常任委員会は、ベトキューの不動産取得を容易にする事を決めた。 *北部のDien Bien省で鳥インフルエンザが発生したのを最後に、過去3週間ベトナム全土でこの病気の発生は無い。ベトナムはこの病気を一掃した事になる。しかし新たな病気発生の危険性があるので、引き続き注意が必要である。(訳者注:新聞は病気発生のニュースは小さく、発生が無かったニュースは大きく掲載する。しかし考えてみれば、今までは3週間に一度はどこかで病気が発生していた事になる。) *ホーチミン市では10か所近くに陸橋が完成したが、これを使う歩行者は非常に少ない。登ったり降りたりが面倒だからと、危険を顧みずに車の間を縫って道を横切る。国民に交通道徳を徹底的に教える必要がある。 *中国の海南島でアジア経済会議が始まり、ベトナムからはグエンタンズン首相が大勢の役人と共に出席している。ズン首相は会議の合間に温家宝首相と会談し、両国の友好を深めた。 *共産党政治局は北部Quang Ninh省の指導者をハノイ市に呼び、同省は石炭など天然資源に恵まれ、立派な道路や港湾施設が有るにも拘らず、経済成長が無いと叱責した。その原因は地元の役人の行政能力が劣り、適切な経済政策が取れない事にあると述べ、根本的な改革を行うよう指示した。(訳者注:大統領や首相は地方に出向いて、形ばかりの経済会議を開く。地元の役人は都合の良い嘘を並べ、国家の指導者はお世辞と賞賛の言葉を述べるだけ。しかしこの様に役人をハノイ市に呼び付けて行う会議は、経済成長は0%だと事実を示し、お世辞やご機嫌取りとは無縁の厳しい会議となる。) *国会の常任委員会は、古い史跡や歴史的な建造物の保存について検討し、そのためにどんな法律を制定すべきか話し合った。文化スポーツ観光大臣は、現在の法律は時代遅れで機能しておらず、早急に新しい法律を制定する必要があると報告した。 *ホーチミン市は、社会保険に加入しながら保険料を払わない悪質な企業9社に、法的な処置を取ると発表した。ホーチミン市には保険料を払わない外国企業が多く、去年の未納額は3百万ドルを越えた。同市は悪質な8社に法的な処置を取り、88万ドルの未納金を回収した。保険料を納入しないのは、韓国企業が圧倒的に多い。
2009.04.18
4月6日-4月11日 *グエンミンチェット大統領は、Nhan副首相ら大勢の指導者と共にHung Vuong(雄王)を祭る北部のPhu Tho省の本山を訪れ、花輪を捧げて焼香した。また地元の人民委員会は、雄王の子供に扮した1百人の若者のパレードを行うなど、観光促進を兼ねて様々な催しを行った。全国各地で、この建国の祖を敬う式典が行われた。 *共産党の役員は、共産党青年団の若者と合同の会議を開いた。グエンタンズン首相も出席し、共産党青年団は国家に大きな貢献をしているが、その活動は大都市に限られると批判した。青年団の組織を農村にも浸透させ、中央政府の政策を一般大衆に伝達し、政府と国民の仲介役として働いて欲しいと語った。 *運動靴を製造販売するアメリカのNike社は、販売不信のためベトナム工場の稼働を少なくも半年間は中止する。実際は韓国の下請け会社が、ホーチミン市で6千人の労働者を雇用して製造している。大勢の労働者が一度に職を失うので、同市は韓国の下請け企業とアメリカの本社に、法律に基づく労働者の権利を十分に尊重するよう指示した。 *スペイン政府は、貧しい中部沿岸地域の生活改善を図るため、資金的な援助を行う。また同国の企業は、ホーチミン市の地下鉄建設に、技術的な援助を行う。その援助契約が結ばれた。 *ユネスコとハノイ市人民委員会の共催で、外国の代表280人を含む400人が同市に集まり、古い遺跡の保存に関するセミナーが開かれている。(訳者注:最近はベトナムで、国際的な会議が頻繁に開かれるようになった。) *原油採掘公社(PetroVietnam社)の上四半期の収入は、輸出15億ドルを含め30億ドルで、去年同時期の20%減だった。天然資源採掘税や法人所得税など政府に支払った税金は、合計10億ドルで26%減少した。 *中国は3月になって、突然ベトナムの農産物の輸入制限を始めた。中国は国産の食品が外国に売れなくなり、国内産業を保護するためにこの処置を取ったと言う。何の前触れも無く突然中国への輸出が減り、ベトナムの農民や企業はとても困っている。 *共産党の指導者は、経済問題に関する特別会議を開いた。世界的な景気の悪化がベトナムにも影響を与えており、首相や大臣に経済の改善策を考えるよう指示した。(訳者注:国家の重要な政策は、この様な共産党の会議で決まる。しかし会議の詳細は秘密にされ、決して国民には発表しない。) *中央政府は、公務員と国営企業の労働者の最低月給を5月から65万ドン(36.7ドル)に引き上げる事を決め、関係機関に指示を出した。また高級役人の老齢年金も5%引き上げる。しかし政府に資金は無いから、政府機関は諸経費を切り詰めて月給の増額に当てるよう指示した。 *電力公社は電話公社や有線放送会社に、電柱の使用料を数倍に引き上げると通告した。電話公社らは即座に反対の声を上げ、政府に値上げ阻止を要請した。しかし電柱の設置や使用に関する法律が無く、電力公社は電柱の設置が赤字になっていると主張し、電話公社などは電柱で大きな利益が出ていると主張し、収拾が着かなくなっている。一方で電線の管理が不十分で、バイクの運転手が垂れ下がった電線に首をひっ掛けて死亡するなど、重大な事故も起きている。電力公社は、資金がないから十分な管理ができないと言う。 *ハノイ市の民家で、1千箱のタイ製の栄養ドリンクが見つかった。所有者は Nghe An省の業者から仕入れたと主張したが、関税の支払い証明書など必要な書類を所持していなかったので、地元の公安は密輸品と見なしてこれを押収した。(訳者注:ベトナムは密輸品が非常に多い。輸入関税が高いから、外国の商品を密輸入すれば大きな利益が出る。国境沿いの農民が背負って運び込んだり、漁船が海上で商品を受け取って運び込んだりする。この様な密輸入を阻止するため、公安は関税の関税支払い証明書などの提示を求め、それが無いと商品を没収する。普通は罰金(賄賂)を払って、密輸品の没収を免れる。) *(訳者注:ベトナム政府が発表する統計の数字は、非常に不正確である。役人が勝手に推定し、それを数字にして発表するだけである。現在ホーチミン市では失業者に関する統計が曖昧で、政策決定の障害になっている。失業者の正確な数が不明だから、どのような対策をを取るべきか意見が分かれ、有効な対応ができない。) *上四半期にベトナムを訪れた外国人観光客は99万人で、去年同時期の16%減である。特に中国、韓国、日本からの観光客が減っている。 *グエンミンチェット大統領は中国に接するLang Son省を視察し、地元の役人と政治の状況を検討した。チェット大統領は、中国との交易や観光で経済発展を図り、貧困世帯を減らすよう指示した。地元の役人は、過去3年間11%以上の経済成長を達成し、住民の年間所得は570ドルに増えたと報告した。 *アメリカ上院議員のマッケイン氏がベトナムを訪れ、グエンタンズン首相と両国の関係強化について話し合った。両者は貿易や投資の急速な拡大を高く評価し、今後も一層の関係強化を図る事を約束した。その後でチョン国会議長もマッケイン氏と会談した。 *Ha Tay省など回りの地域を吸収合併して大きく拡大したハノイ市は、公共施設や工業団地の建設計画が790件あり、そのために12,000ヘクタールの土地が必要で、16,000世帯の強制移転が必要である。しかし住民の移転が進まず、多くの公共事業が着工できない。同市の指導者は、住民と接する下部の役人は働く気が無いと批判し、能力の無い役人や汚職をする役人は解雇すると発表した。 *ホーチミン市の株式市場に上場されているBach Tuyet綿花社は、3年続けて赤字を出し上場廃止になる予定だったが、まだ資産が負債を上回るとの理由で株式の売買が続いている。しかし経営陣の内紛で生産は中断し、前の社長は居座りを続け、株主が新たに選出した社長は権限が無い。額面1万ドンの株式は、その半値で売買されている。 *共産党政治局は、国家の医療制度を根本的に改善する必要があると発表し、保健省や財務省など関係する機関に対策を検討するよう指示した。特に子供、老人、貧困者が容易に治療を受けられるようにすべきだと語った。 ぇ*グエンミンチェット大統領は北部のBac Giang省を視察し、地元の役人と経済発展について話し合った。チェット大統領は、行政の改革、役人の能力の向上、投資の優遇などを行い、経済発展を図るよう指示した。 *アメリカのIntel社の会長がベトナムを訪れ、グエンタンズン首相と会談した。ズン首相は、ベトナムはIT産業の育成に力を入れており、同社を特別に優遇するから投資を増やして欲しいと要請した。Nhan教育大臣もIntel社の会長と会談し、教師や大学生のために大量の安いコンピュータを製造するプロジェクトを検討した。更にベトナム大学院生28人に総額220万ドルを授与し、米国へ留学する機会を与えると発表した。 *政府には、役人の汚職を告発する国民の手紙がたくさん届いている。しかし余りに数が多いので、政府は今まで無視せざるを得なかった。しかし中央政府の汚職防止委員会は、ホーチミン市を中心に国民の訴えの調査を始める事を決めた。特に国営の大企業の不正を調査する。中央政府の汚職防止委員会は、今までに約8百件の汚職調査をし、2700万ドルの違法な支出と1百万平米の土地の不正な使用を摘発した。 *ベトナム製紙公社は、今でも計画経済の頃のままの経営をしており、設備が古い上に経営の効率が悪いから、外国と全く競争ができない。政府は紙の輸入には20-25%の関税を掛けているが、それでも外国産の紙が大量に輸入される。製紙公社は品質が悪くて売れない大量の在庫を抱え、資金繰りに苦しんでいる。そして政府に、紙の輸入関税をもっと上げ、国内企業を保護するよう要請した。 *高級アパートのサービス料金は異常に高い。バイクの駐車に月20万ドン、自動車の駐車なら1百万ドンを越える。その他に公共設備使用料、安全維持費用、国際電話料金、インターネットの高速回線の料金など全てが非常に高い。契約時にはこれらの費用を説明せず、入居してから突然多額の料金を請求するから、住人との紛争が非常に多い。これらの料金に関する法律はまだ無いから、政府は仲裁をする事ができない。(訳者注:法律でバイクの駐車料金は1回1000ドン、自転車は500ドンと決まっているが、これを守る駐車場は少ない。ひどい所では、バイクの駐車に5000ドンを徴収する。費用に法律など適用できない。) *日越友好文化協会の筒井会長がベトナムを訪れ、グエンミンチェット大統領と会談し、両国の友好を深めた。チェット大統領は日本の援助に感謝の言葉を述べ、文化交流も積極的に行いたいと語った。日越友好文化協会は、現在ハノイ市で桜祭りを開催している。 *グエンタンズン首相は、大勢の役人と共にタイで開かれているASEANの会議に出席している。昨日の会議では外務大臣が中心となり、ASEANの安全について話し合った。グエンタンズン首相は会議の合間にタイの大企業の代表と会談し、ベトナムの農業への投資を拡大してくれるよう要請した。この企業は既にベトナムで大規模な養鶏や養豚を行っており、将来は更に投資を拡大する予定だと説明した。 *国会の役員は、国庫資金の管理法を検討した。現在は資金の見通しが無いまま公共事業に着手し、途中で資金が無くなって工事が中断する事が非常に多い。工事の中断で完成は大幅に遅れ、工費も当初の計画より大幅に増える。公共事業の投資効率を高めるには、資金計画が重要である。国会の役員は、そのための法律の制定や改定を検討した。 *グエンタンズン首相は、中央政府は今年、外国からの借金の返済に9億3千万ドルを使い、同時に新しい融資17億ドルを受ける予定だと発表した。外国からの無節操な融資は、後になって国家に大きな負担を与えるので、企業や地方自治体が外国から幾らの融資を受けているのか詳しく調べ、政府に報告するよう中央銀行に指示した。
2009.04.11
3月30日-4月4日 *ハノイ市のThong Nhat公園で、5階建ての豪華ホテルの建設が始まった。シンガポールの企業が10年以上前に市の人民委員会から許可を得て、ベトナム企業と合弁で総額4600万ドルで建設する予定である。しかし建設省が、突然建設中止の命令を出した。同市には公園が少なく、公共の土地に商業施設を建設するのは良くないと言う。しかし既に工事は始まっている。建設を続けるか止めるかの最終的な判断は、グエンタンズン首相に仰ぐ事になった。(訳者注:ホーチミン市では、市の人民委員会が出した地下駐車場の建設許可が、中央政府により着工直前に取り消された。巨額の資金を投入して建設の準備を行った企業は、大きな損失を出して政府に損害賠償を求めている。) *南部の観光都市ブンタウに外国17か国の参加者も集まり、盛大な凧上げ大会が開かれた。観光促進を兼ねて、同市が初めて開催したイベントである。 *政府は、中部山岳地帯に住む少数民族の代表243人を Gia Lao省に招待し、少数民族の愛国と団結の精神を高揚する集会を開いた。グエンミンチェット大統領も集会に出席し、少数民族も国家の重要な一員で、過去には国家の独立と統一に大きな貢献をしたと賞賛した。そして敵対勢力に惑わされる事なく、国家の発展のために尽くして欲しいと語った。(訳者注:中部山岳地帯は非常に貧しく、数年前には少数民族が集団でカンボジアに逃避する事件も起きた。) *夜間に公安の成りをして、交通違反をした運転手から罰金を騙し取っていた偽の公安が逮捕された。(訳者注:公安の振りをすれば、様々な悪事ができる。) *保健省は医薬品の価格変動を押さえるため、重要な医薬品の価格は届出制にし、同省の承認が無ければ値上げはできない。しかしホーチミン市では、ワクチンなどが無許可で10%近く値上がりしている。保健省は病院や薬局に、医薬品は決められた価格で販売するよう指示し、違反したら処罰すると発表した。(訳者注:このように政府が医薬品の価格を統制するから、一部の医薬品は流通しなくなり、更に大きな問題となる。) *ベトナムでは結核患者は1万人に9人と言われていたが、最近正確に調査した結果、17人も居る事が判った。毎年15万人が結核に感染し、2万人がこの病気で死亡する。ベトナムでは結核が依然として大きな病である。 *今年の上四半期の米の輸出は174万トンで7億8500万ドル、去年と比べ量で71%増し、金額で76%増しである。 *共産党中央委員会の役員兼人民軍の指導者がラオスを訪れ、同国の軍の指導者と軍事協力について話し合った。一行はラオスの大統領とも会談し、両国の友好を深めた。 *日本政府は、4月からベトナムに対する政府間援助を再開する。坂場大使とPhuc計画投資大臣がハノイ市で文書に署名し、日本でもAnh副財務大臣と日本国際協力機関(JICA)の会長が文書に署名した。日本のコンサルタント会社の汚職のため、日本の援助は一時中断していた。(訳者注:ベトナムの役人の汚職には全く触れていない。) *グエンタンズン首相は、政府は今年の経済成長の目標を6.5%と設定していたが、これを5.0%に下げる予定だと発表した。世界的な景気の悪化で輸出や投資が大きく減っており、上四半期には年率3.1%の成長しか無かった。(訳者注: 5.0%の目標はズン首相の私案で、政治局員の同意を得た後、次の国会で承認を受けて正式な目標となる。ベトナム政府は必要な事を投げ出したまま、目標の設定などつまらない事に手間隙を掛ける。) *民営企業や外資企業の多くは、法律で義務付けられた社会保険に加入していない。しかも社会保険に加入しながら、保険料を払わない企業も多い。民営企業の35%と外資企業の33%には社会保険料の未払いがあり、その合計は1億2千万ドルに達する。 *政府は初めてドル建ての国債3億ドルを入札で売り出したが、売却できたのは2億3千万ドル相当だけだった。利息は1年ものが3.0%、2年ものが3.2%、3年ものが3.6%だった。しかし関係者は、ドン建ての国債で大量の売れ残りが出るのと比べ、満足できる売却だったと語った。 *世界銀行の主催で、ハノイ市で教育の改善を検討する会議が開かれた。教育への投資が主な議題となり、投資の効率改善について意見が出た。Nhan教育大臣は、ベトナムが教育に投資する資金はタイの4分の1だと報告し、民営の学校の設立を許可し、少ない予算で教育の質を改善する予定だと語った。 *農業省は2000年に、2010年にはカシューナッツの生産を10万トンにする計画を作成し、首相の承認を得て国家の目標として発表した。しかし現在既に生産は30万トンを越え、ベトナムは世界一のカシューナッツ輸出国になった。だが今年は世界的な景気の悪化で、このナッツの輸出が急減している。企業も農家も売れないナッツを抱え、資金繰りが付かなくなっている。このままでは倒産する企業がたくさん出る。 *国営企業が建設した発電所で、契約の不備が大きな問題になっている。南部Ca Mau省のガス火力発電所と、北部Bac Giang省の石炭火力発電所である。既に稼働しているが、正式な価格の契約をしていなかった。石炭火力発電所は石炭公社の資金で建設され、電力を電力公社に売却しているが、その価格が決まっていなかった。ガス火力発電所は石油公社が天然ガスを供給するが、その価格が決まっていなかった。発電が始まってから公社の間で価格紛争が始まり、一時は発電が中断する事態になった。公社は1年以上も協議をしているが、価格の問題を解決できない。 *モザンビークの外務大臣がベトナムを訪れ、Khiem外務大臣と両国の関係強化について話し合った。ノンドクマン書記長もアフリカの来賓と会談し、友好を深めた。 *旧暦の3月10日は、ベトナム建国の祖Hung Vuong(雄王)を敬う祭日である。北部のPhu Tho省では、5日間に渡る盛大な祭りが始まっている。グエンミンチェット大統領も、大勢の役人と共にHung Vuongを祭る寺に参拝して国家の発展を祈願する。Phu Tho省の本山には初日だけで50万人の参拝客が訪れ、付近の交通は麻痺寸前である。(訳者注:Hung Vuongは3千年も前にベトナムを建国したと言う伝説上の王である。ベトナム政府は、国民の愛国と団結の精神を高揚するため、この日を国家の祝日に指定し、全国に1400も有る分社で様々な祭りを行う。) *南部では異常な天気が続いている。ホーチミン市では最高気温が連日36度を越え、しかも季節外れの大雨も降った。 *(訳者注:4月4日はベトナム建国の祖の命日で祭日。新聞は休刊です。)
2009.04.04
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