若さんのつれづれ日記
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友人からの携帯で突然の訃報が届いた。片桐博人、肝不全のため永眠。48歳あまりにも早い死だ。 アップルコア をご存じの方なら、片桐博人を覚えているだろうか。10年ほど前まで、7年程伊那市春日町にあるジャズ喫茶アップルコアを経営していた。私とは高校の同期生である。 初代のママが閉店を決めたとき、「灯を消すな」とハナヱモリ事務所を辞めて伊那に舞い戻ったのが彼だ。彼のいた7年間は実に面白かった。毎月のようにジャズライブを開き、ヴォイスファクトリーなる集団を結成してマルセルマルソーを二回、ジョルジュドン主演のモダンバレエ「ボレロ」伊那公演を成功させた。優れたプロデューサーであり、マネージャーであり、デザイナーであった。そして、一時代を創った男だった。 池袋で営まれた通夜の席でH子夫人と会った、「会いたがっていたのに・・・」と泣かれた。昨年末、私の店の開店を祝って夫妻で寄ってくれたのだが、10分の違いで私が不在で会えなかったのだ。通夜では多くの旧友に会った。企業戦士も公務員も事業家も一様に落胆し、憔悴しきっていた。その晩は時の経つのを忘れて追悼カラオケで歌いまくった。吉田拓郎の「ともだち」の歌詞を見て歌えなくなった。肩を叩き励まし合って歌った。「ばかやろー!!」 48歳はあまりに早い死だ。本人もさぞ悔しかったに違いない。 帰りのバスの中でつくづく思った。もし、私の死がこんなにも妻を友人を悲しませるのであれば、決して死んではなるまいと・・・・・・。 片桐よ安らかに…・合掌
2004年02月23日
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