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9月のピノ・ノワール飲み比べ会のワイン、3種類目はアメリカ・オレゴン州のものになります。アンダーウッド・ピノ・ノワール2017。生産者はユニオンワインカンパニー。オレゴン州のポートランドで、2005年に、ライアン・ハームズ氏が設立しました。品質を落とさず、しかし友人や家族と気軽に楽しめるワイン造りがモットーで、最近ちょっと話題の缶ワインの生産も行っています。オレゴン各地の様々な畑のブドウを用いてピノ・ノワールの他ピノ・グリの白やロゼを手がけます。本ワインも、ピノ・ノワール100%ですが、ウィラメット・ヴァレー44%、 アンプクア・ヴァレー40%、アップルゲート・ヴァレー16%という比率で各地のブドウをブレンドしています。価格は3000円程度。色はルビーカラー。ただ暗さあり。香りは開けたては閉じ閉じ。黒いフルーツっぽさと少々のスパイシーさが感じられる程度。それが、時間ととも黒ベリーに加えて、ヤマモモジャム、プルーン、赤ベリージャム、ドライアプリコットといったフルーツ感や、ローストナッツ、トーストといったこうばしさ。鞣し革や若干のターリーさといった複雑さ、それに茶色いスパイスに加えて、グリーンや黒のコショウといった洋の亜要素が現れてきました。味わいは、やはり開けたては固い。その後香りが開いてくると同時に、果実味が広がってきます。それは、トーンの低い酸や渋味を伴ったものです。また、どこか旨味のようなものも感じられたでしょうか。ボディはミディアム。クリアーさ、しなやかさのあるものです。会では、閉じている段階ではどれと合わせてもまあ、という程度。それが開いてきてからは、チーズは勿論生ハムとの相性の良さが際立ちました。ワインの黒いフルーツのニュアンスが、ハムの脂や香りにバッチリです。また、やっぱりペンネもいいつまみで、特にこのワインのコショウ感は、ペンネの黒コショウは勿論、ブルーの風味にもより明確に馴染む感じでした。最初のガッチリ閉じているところや、開いてきてからのフルーティなだけではない複雑さ、そのフルーツも黒いニュアンス強めと、これはブルゴーニュだろうと思いきやのオレゴンでした^^;オレゴンのピノは内向的という印象は勿論ありましたが、それは同じアメリカのカリフォルニアなどほかの新世界のものと比べてという所で、旧世界のものと比べれば果実味の印象がやはりしっかりありはする、という感覚だったのでこのワインには驚かされました。アンダーウッド ピノノワール 750ml 赤ワイン 辛口 アメリカ 長S楽天内では投稿時現在3025円で幾つか扱いがあるようです。この価格帯でこの固さ、開いてからの複雑さというのも驚きポイントです。にほんブログ村
2019年09月18日
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今回で5月のワイン会のワインもついに最後。トリは熟成したアメリカワインです。カベルネ・ソーヴィニヨン・オールドヴァインズ2004。生産者ウッドワード・キャニオンはアメリカ・ワシントン州のワラ・ワラヴァレーに1981年設立のワイナリーです。現在では他にコロンビア・ヴァレーにも畑を有しており、カベルネ・ソーヴィニヨンを中心にシャルドネ、メルローと言った品種を栽培しています。セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン87%、プティ・ヴェルド10%、シラー3%。オールドヴァインズの名前の通り、カベルネの樹齢は40年を超えているようです。価格は8300円程度。色は驚きの黒さ。ガーネットやレンガもかすかに見えますが、透明度も明確にゼロと言えるレベルです。香りも驚きで、干しブドウやドライプルーン、レーズンバター、ラムレーズン、更にはラム酒そのものようなハードリカー系の雰囲気さえ感じられる芳醇さが際立つものでした。フルーツとしましては、他にプラムや青ベリー、黒ベリーもありますが、それらもジャムやコンポートと言ったより濃密なものです。その他、チョコやココア、黒土、トースト、レンコンやゴボウの揚げたものの様な香ばしい根菜感、紫の花と言ったものや、定番の茶色いスパイス、それに黒コショウなども感じられました。味わいは、色合い、香りに似合った果実味の強いもの。メインの要素でガッツリ出ており、酸は乳酸系のものがありますが大人しいという事で果実味の印象の強さを際立たせます。また、渋みは勿論感じられはしますが、結構こなれており果実味に溶け込んでいるような感じです。ボディは紛れもなくフルボディ。ただ、質感の滑らかさやある種の柔らかさと言ったものはあったように思います。これだけのインパクトのあるワインですので、つまみとはどうかなと思いましたが、ブルーチーズはいい相性でした。厚みのあるボディのおかげでブルーチーズの個性に負けず、その果実味がブルーの塩気や癖と噛み合いますし、香りの華やかさもその相性の良さを盛り立ててくれるといった所でした。また、やはりこれも特徴のあるものですが、ガレットの熟成カマンベールともやはり良く馴染んでおり、チーズの香りをワインの芳醇さが上手く親しみやすいものにしてくれ、味わいの面ではチーズのクリーミーさがワインをまろやかにしつつ、ワインの果実味がチーズの塩気や旨みといい対比になりました。ワシントンは冷涼な産地と言うイメージでしたので、この芳醇さやスケール感には驚かされました。やはり、この位の価格帯、それも熟成を経たものになるとまた一つ雰囲気が違ってきますね。個人的には結構好きで、今飲みたいワインとして今回飲んでみて良かったなと。いい経験になりました。■ウッドワード キャニオン カベルネ ソーヴィニヨン オールド ヴァインズ [2013]Woodward Canyon Cabernet Sauvignon Old Vines[2013]【出荷:7〜10日後】楽天内に投稿時現在あるのは、大分新しい2013ヴィンテージです。2004年との比較は興味深いですが、まだまだ若いでしょうね。にほんブログ村
2019年06月12日
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先日行いました、台所山猫さんでの爽やかワインと和食の会のワイン、続いてはアメリカ、オレゴン州のワインです。ピノ・ブラン2013。生産者ケン・ライト・セラーズはアメリカ、オレゴン州のウィラメットヴァレーにあるワイナリーです。元々カリフォルニアでワイナリーを始めたそうですが、よりピノ・ノワール、そしてピノ・ブランに適した土地を求めオレゴンへ移りました。自身のワイナリーが整うまではドメーヌ・セリーヌのブドウ栽培、それもシングルヴィンヤードのトップキュヴェの畑を任されていたなど実力は折り紙付き。セパージュはピノ・ブラン100%。ピノ・ノワールで高い評価を得る生産者ですが、オーナーはピノ・ブランもお気に入りの品種だそう。価格は4200円程度。色はツヤのある黄色。そこまで濃いものではありませんが、明確に黄色は感じます。香りは、開けたてはグレープフルーツ的なニュアンスにバターっぽさが加わるといった所。それが、時間と共に柑橘でもグレープフルーツに加えてミカンやオレンジ、それにキンカンと言ったものが現れ、他にもリンゴや洋ナシなどのフルーティさがよく出ます。また、蜜っぽさやオレンジの花、白コショウ的スパイスやレモンバームを思わせるハーブ、ミネラル、それに軽いホワイトチョコの様なニュアンスも。味わいはやはりアメリカらしく相応のフルーティさを感じるものです。果実味のアタックがキッチリあります。ただ、それはキレイなもので、フレッシュで強さのある酸を伴いバランスも良好。ボディもミディアムライト程度でクリアーさやハリ、ミネラル感を感じるものです。会では、お造りから椀物にかけてのところで飲みました。お造りと合わせたのは、これまでのワインと比べて少しコクのあるこのワインが、サワラの叩きに合うのではないかと考えたから。結果としましては、その香ばしさや旨みに、アタックの面で割と噛み合ってはくれましたが、いかんせんグリューナーとサワラの相性が良過ぎて少し霞んでしまいました。寧ろ、ヒラメの甘みやどこかミネラル感を感じるような旨みに対し、ワインの果実味がよく馴染んでくれたように思います。また、薬味で付けられていたミョウガとの相性は抜群で、ワインの中に似た香りの要素があるのかと思わせるほどでした。椀物ともまずまずで、出汁のまったりした旨みにワインの質感や果実味が行けますし、ノドグロ饅頭の豊富な旨みにも負けません。アメリカの白と言いますとやはりシャルドネ、次いでフュメ・ブランとも呼ばれるソーヴィニヨン・ブラン辺りが有名かもしれませんが、オレゴンのピノ・ブランも、その冷涼な気候を感じさせる見事なバランスのワインでした。芳醇!というタイプでは確かにありませんが、アメリカ的エレガンスとでもいうべき雰囲気を感じさせてくれたように思います。ケン・ライト・セラーズ ピノ・ブラン2013 Ken Wright Cellars Pinot Blanc No.105103楽天内ではこちらでのみ投稿時現在確認できました。価格は4212円。にほんブログ村
2019年04月27日
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年始に飲んだワインもこれで最後。今回はカリフォルニアのシャルドネです。シャルドネ・ヘリテージ・リザーヴ2015。生産者デローチは1973年創業ですが、その後畑を大きく増やすなど経営を急拡大した結果破たん。その後ブルゴーニュのネゴシアンであるボワセ家が所有するに至ったそうです。デローチはロシアン・リヴァー・ヴァレーにある畑名だそうですが、ボワセ家は拡げた畑の選別を行い、更にビオディナミを導入するなどして注目を浴びているようです。価格は2000円程度ですが楽天内に同一ヴィンテージは無いようです。色はしっかり黄色です。ツヤのある色合い。香りはハチミツやミード、メープルシロップ、更に完熟南国フルーツやキンカンのシロップ漬けなども感じられ甘いニュアンスがしっかりあります。他に、ミカンやグレープフルーツ、果肉がオレンジ色のメロンといったフルーティさも。加えて、オリエンタルスパイスや少々の土っぽさ、根菜のような要素、ホワイトチョコやクリームといった気配も感じられました。味わいは香りに似合った果実味のアタックがしっかり。ただ、それがべったりゴツイという感じではなく、しっとり系の酸を伴いながら柔らかく広がって消えると言った印象です。ミネラル感は割と感じ、塩気があると言えるほど。ボディはライトで、割とサラッとキレイ目、クリアーさすら感じるような質感でした。個人的に、このタイプのシャルドネを食事に合わせるのは結構好きです。やはり、しっかりした味わいのものに合うのは間違いなく、宅配ピザをつまんだところホワイトソースやチーズとの相性がバッチリ。ワインの甘いニュアンスがクリーミーさやコクによく馴染みます。また、大トロなんかもよく合いまして、その脂のまろやかさにワインのコクが噛み合うのは勿論、トロの香りに対してワインの香り、特にスパイシーな部分が馴染む印象でした。その他、スモークサーモンや生ハムも、脂っ気は少ないもののそのしっかりした旨みと塩気のおかげでいいつまみになりました。あと、意外だったのがネギと貝のヌタ。酢味噌で和えているわけですが、その酢味噌の甘さやコクに対してワインの果実味や酸、蜜っぽさが合いました。樽香ガンガン!といった昔のカリフォルニアシャルドネとは違いますが、それでもフルーティさやある程度の樽香による蜜っぽさを感じられ、やはり他の産地とは違うな、と言う所を楽しめました。その中で、ちょっとキレイ目なところも見せるのはブルゴーニュの造り手によるロシアン・リヴァー・ヴァレーのシャルドネ故に、と言う所でしょうか。[ワイン]24本まで同梱可☆デ・ローチ シャルドネ 白 750ml 1本 (カリフォルニア)【RCP】楽天内では、ヴィンテージ未表記ですがこちらのお店で投稿時現在1673円。この価格はかなりのコスパかなと。にほんブログ村
2019年01月27日
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さて、岡山ワイン協会主催アメリカワイン会でのワインも今回で最後です。カリフォルニアのピノになります。ランダー・ジェンキンス・ピノ・ノワール2013。生産者ラザフォード・ランチはナパ・ヴァレーのほか、ルシアン・リヴァー・ヴァレーやセントラル・コーストなどにも畑を持ち、サスティナブル=持続可能なワイン造りを行っています。このワインはアロヨ・セッコという砂利ローム土壌のピノ・ノワールになります。価格は3000円程度のようです。色は赤黒系ですが赤みが強く、ガーネット感あります。香りはベリー感しっかりで、フレッシュなブルーベリーや黒ベリー、それにドライ赤ベリーやベリータルトなんかも感じられました。そこに、茶色いスパイスやたばこっぽさ、それにキャラメルやチョコ、ココアと言った要素も加わります。また、軽い小豆っぽさや、ナッツっぽい気配もあったでしょうか。味わいはやはり果実味のインパクトがドーンとあります。アタックは勿論、後口にかけても柔らかくふわりとですがきっちり残りますね。酸はその果実味の間からジワリと染み出すような感じ。乳酸系のしっとりした、しかし果実味の中にあってちゃんと存在感を見せるものです。渋みも、果実ほどの強さではありませんが酸と共にバランスを整えます。ボディはミディアムライトと言った所で、密度や滑らかさを感じる質感でした。甲斐では終盤に飲んだという事でつまみはつまめず。ただ、これも生ハムなど肉感のある物との相性は良さそうでした。これからの季節なら、クリスマスのローストチキンやターキー、ローストビーフ、お正月のお節の鴨なんかは合わせてみたい料理です。特に、和食系の甘さのある味付けにはワインの果実味が合いそうです。いっそ、焼き鳥(タレ)や照り焼きチキンでもいいかも。ジューシーながら重すぎず、親しみやすいワインだったかなと。会の他の参加者の方々にも、幅広く人気だったようです。じっくり飲むもよし、パーティーなどで楽しく飲むもよしな、使い勝手のいいピノ・ノワールかなと思います。【6本〜送料無料】ランダー ジェンキンス ピノ ノワール 2016 ラザフォード ワイン カンパニー 750ml [赤]Lander Jenkins Chardonnay Rutherford Wine Company楽天内には投稿時時点ですでに2013ヴィンテージは無いようです。2016ヴィンテージが2991円でありました。にほんブログ村
2018年11月02日
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先日の岡山ワイン協会主催アメリカワインでのワイン、今回はジンファンデルです。モットー・ジンファンデル2015。生産者はサン・ミッシェル・ワインエステーツです。その名の通り、ワシントン州のシャトー・サン・ミッシェルの系列で、同社が2015年よりカリフォルニア州への進出を果たした際に誕生したのがこの「モットー」シリーズとなっています。カリフォルニア各地の産地のブドウを用いたワイン造りを行っており、このジンファンデルの他、カベルネ・ソーヴィニヨンと赤のブレンドがあるようです。セパージュはジンファンデル97~8%に2~3%のカベルネ・ソーヴィニヨンとなっています。価格は2000円程度。色は赤さのあるガーネットと言った所で、結構透明度もあります。香りはジンファンデルらしい土っぽさやオリエンタルスパイスのニュアンスがよく出ており、ちょっとほうじ茶やお香を思わせるような気配すらあります。そういった要素が最初にスッと出つつ、その後ろに赤ベリーやチェリー、それらのドライフルーツと言った赤いフルーツ香が拡がってます。その他、焼き栗やカラメルの要素も感じられました。味わいは、やはりアタックにしっかり果実味があります。甘い印象を受けますが、割と切れのいい軽さのある果実味です。加えて、その果実の間からしっとり系の酸が結構豊富に感じられ、更に程よい渋みが後口にキュッと残り、ジューシーながらもバランスの良さ、落ち着きすら感じさせるバランスです。ボディがライトで、クリアーさとしなやかさを感じさせるものであることも大きいでしょうか。会では、つまんでみました生ハムとの相性が良かったですね。旨み豊かな生ハムの味わい、肉感に対し、ワインのクリアーさ、果実味、程よい渋みがよく合いました。加えて、その独特な香りとハムの香りも噛み合います。バランスがよく、単独でもスイスイ飲めてしまいましたが、食事に合わせるなら脂少な目の赤身肉、あるいは赤身の魚なんかが面白そうです。カリフォルニアのジンファンデルと言えば、果実味たっぷり、パワフルで度数も高い、と言うようなイメージでしたが、このワインは確かに果実味の印象はしっかりあるものの、そのクリアーな雰囲気や、果実感だけではない香りの複雑味など、ちょっと他とは違う気配を持ったものだったように思います。その辺は、やはりより冷涼なワシントン州のワイナリーとしての遺伝子のなせる業なのかもしれませんね。シャトー・サンミッシェルモットー ジンファンデル [2015]Chateau Ste MichelleMotto Zinfandel楽天内では、投稿時点で1782円が最安値のようです。このワインも、1本買って飲んでみたいワインでした。にほんブログ村
2018年10月31日
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先日の岡山ワイン協会主催アメリカワイン会でのワイン、続いてもやっぱりワシントンです。コロンビアヴァレー・リースリング2017。生産者はシャトー・サン・ミッシェル。前回前々回と記事にしましたスパークリングのワイナリーの母体でもあります。ワシントンでも最も古い造り手の一つで、その起源は1930年代まで遡れるようです。ヤキマヴァレーがワシントン州初のAVA=原産地呼称認定を受けたのが1983年ですので、それ以前から存在していますね。畑から瓶詰まで、一貫してサスティナブルなワイン造りを行っています。セパージュは、コロンビアヴァレーのリースリング100%。価格は1500円前後のようです。色は極薄い黄色。淡い感じです。香りは蜜入りリンゴや花の蜜と言ったものが出つつ、ミカンやレモン、グレープフルーツと言った黄色い柑橘、スイーティやライムといった緑の柑橘と、柑橘感もしっかり。そこに、ホワイトチョコ?的な甘いニュアンスや、白コショウ、それに若干のオリエンタルスパイス的な気配も感じられました。味わいは果実味しっかり。やや辛口くらいの表現でいいくらいの甘みの印象はありました。そこに、じわりと、しかし柑橘的な明るい酸が後口にかけてのこれまた柑橘的な軽い苦みを伴って加わる、と言ったバランスでした。ボディは丸さや軽い膨らみ、まろやかさを感じる質感ですが基本的にライトです。会では、そのフルーティさもあって特に何もつままずスイスイ飲んでしまいましたが、スイートチリソースの鶏のから揚げには合わせてみるべきだったなと。ワインの甘みとソースの甘みの相性は良さそうですし、香りの中にある軽いスパイシーさがこれまたチリに良さそうかなと。甘味のある東南アジア系の料理や、西日本の砂糖を使うお寿司などとは合わせて面白そうですし、甘みに負けないコクや旨みを持つ鶏肉料理、煮魚などにも手堅そうです。ワシントンはその冷涼さもありリースリングは結構良く作られている品種のようです。シャトー・サン・ミッシェルでも、これ以外にドイツのドクター・ローゼンとコラボレーションした銘柄などもリリースしています。こちらは手頃なレンジですが、それでもフルーティで甘みと酸のバランスも、ドイツとはまた違った良さがあり、楽しめるワインでした。【6本以上ご購入で通常配送無料】コロンビア ヴァレー リースリング[2017]シャトー サン ミッシェル(750ml)白同一ワイン12本以上で3%現金割引キャンペーン楽天内では投稿時点で、かなり色々なお店で取り扱いがあります。こちらは1373円ですが、本当にコスパの高いワイナリーだなあと。にほんブログ村
2018年10月27日
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先月(と書けるのも今日までですね…)行いましたちょっと熟成したワインの会のワイン、前回はちょっとどころではない古酒でしたが、今回からまたタイトルに沿ったワインです。スリーレッグド・レッド2004。生産者ダンハム・セラーズは1995年にアメリカ・ワシントン州のワラ・ワラ・ヴァレーに設立されました。ワラ・ワラとコロンビア・ヴァレーの畑の、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなどのボルドー品種の他、シラー等の黒ブドウ、シャルドネやリースリングといった白ブドウを用いワイン造りを行っています。ラベルの3本足の犬はワイナリーの看板犬だったポートくんです。セパージュは、シラーを中心にカベルネ・ソーヴィニヨン、サンジョヴェーゼ、メルロー、マルベックのアッサンブラージュです。価格は、楽天内で2500円程度でしたが既に完売のようです。色は黒さがあり透明度もほぼゼロと言っていいレベル。ただ、流石に紫は見えず、エッジにはルビー感がありました。香りは、シラー主体の影響か、黒コショウやブラックオリーブ、茶色いスパイスの印象がよく出ています。そこに、サンジョヴェーゼ由来なのか軽いスミレっぽさも。そこに、プラムや赤ベリー、ダークチェリー、さらに赤ベリーのジャムやドライフルーツといったものが加わります。また、土や根菜、若干のココアやなめし革といったものも。ただ、それらの要素が突出することなく、落ち着きと一体感をもって感じられたのは14年の時間のなせる業かなと。味わいも落ち着いた辛口といった所で、若い頃の雰囲気を忍ばせる果実味のアタックはありますが、それも繊細なもの。むしろしっとりとした酸がより強い要素としてあるくらいです。渋みも柔らかなアクセントと言った印象で、バランスの良さを感じました。ボディは流石のフル。滑らかさこそありますが、目の詰まった硬質さすら覚えるような質感でした。会では、ラザニアのところで飲みましたがこれはもうバッチリ。ミートソースのコク、酸味、甘みといったものに、ワインのスパイス感が合いますし、落ち着いた味わいも、チーズのまろやかさも相まってちょうどいいくらいでした。このワイン、肉類にはもちろん合うでしょうが、落ち着きが出ていますので脂の強いものより赤身の、旨みとモチモチした食感を楽しむようなものと合わせたい感じでした。また、トマト系との相性も、ラザニアで感じられた通り間違いないように思います。ワシントン州はやや北にあり比較的若いうちから落ち着きのあるワインが出来てはいますが、それでもやはりアメリカらしい果実味のあるものも多いのも確かかなと。ただ、そういったワインがある程度熟成しますと、その果実味が落ち着いてバランスの良さが出る、というのを是非参加者の方に体験して頂きたかったのですが、このワインはまさにその通りなワインでした。アメリカワインは濃く甘い印象なので普段あまり召し上がらない、という方にも楽しんで頂けたようです。ダンハム スリーレッグド レッド 2011 750ml赤 ワシントン州 コロンビア・ヴァレー DUNHUM THREE LEGED RED楽天内では、大分若返りますが現在2011ヴィンテージが手に入るようです。にほんブログ村
2018年07月31日
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4月に行いました、日本と海外ワインの飲み比べ会のワインもこれで最後。タイトな日本のメルローと全く違うタイプをと言う事で、アメリカ・カリフォルニアのものになります。マタンザス・クリーク・メルロー2013。生産者はマタンザス・クリーク・ワイナリーです。カリフォルニアのソノマにある、ベネット・ヴァレーに1977年に設立されたワイナリーで、現在はケンダル・ジャクソンの傘下。ベネット・ヴァレーはソノマでも特に冷涼で、カベルネ・ソーヴィニヨンには向かない分メルローが盛んなのだそう。また、ペトリュスから切ってきた枝を植えて作られたペトリュスクローン100%の畑があり、このワインにもそのブドウが使われています。セパージュは、メルロー98%にカベルネ・ソーヴィニヨンが2%。カリフォルニアらしく品種名100%ではなく少し他品種が使われています。価格は、4300円程度。色はしっかり黒く透明度も無し。ただ、エッジには少々ガーネットも見えます。香りにも、黒蜜やバルサミコ、ココアといった黒いニュアンスが出ています。そこに、アメリカンチェリーやプラム、黒ベリー、それに赤ベリーのコンポートといったフルーツっぽさ、さらには少々のリキュールを使ったフルーツケーキといった甘い要素が加わります。勿論甘いだけではなく、茶色いスパイスや、タイム、ローリエなどの乾燥ハーブ、ブラックオリーブ、赤い花、それに微かな焼いた肉などの気配も。味わいはやはり果実味のアタックがしっかりあります。ただ、それは柔らかな印象を受けるもので、真ん中にはビシッと明るい酸が入ります。渋みの印象はきっちりあり、舌触りにもタンニンを感じました。ボディは、膨らみや柔らかさを感じるもので、フルボディではあるでしょうがふわりとした感覚を覚えました。会では、最後の鴨のローストのところで飲みましたが、相性は良好。ただ、合い方がリュードヴァンのメルローとは趣が違うのが面白いところ。リューヴァンのメルローが、その酸や旨み、タイトさと肉の旨みや質感が噛み合うといった感じなのに対し、こちらは果実味や渋み、ボディの柔らかさが肉の味わいや食感を包み込むような感じ。一体感はある、しかし融合してしまう訳ではないといった印象でした。果実味の濃さはある、しかし柔らかで酸もあり綺麗にまとまった、素性の良さを感じさせるワインでした。4000円を超えるワインですがコストパフォーマンスのいいものではないかなと。味わいの傾向など、リューヴァンのメルローとは真逆と言っていいようなスタイルで、中々面白い飲み比べになったのではないかと思います。マタンザス クリーク メルロー[2013]マタンザス クリーク(赤ワイン カリフォルニア)このワインには上級レンジがあり、さらにはワイナリーとしてさらに上のところもあるとのことで、そちらも興味深いところ。濃さがありつつもエレガントなワインでした。にほんブログ村
2018年06月01日
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ぼちぼち桜の季節ということで、今回はアメリカ・カリフォルニアのロゼです。ジ・ユン・ロゼ2015。生産者はシャトー・イガイタカハです。仕事でカリフォルニアへ行き現地でワインに嵌ったという杉本夫妻が、2005年に、自分の娘たちの結婚式を自分たちのワインで祝いたい、という気持ちからスタートしたワイナリーです。ワインメーカーとしてグレッグ・ブリュワー氏やポール・ラト氏などの名だたる作り手の協力を得ており、主にサンタ・リタのブドウを用いてワイン造りが行われています。本ワインは、シラーとグルナッシュを手がけるワイナリーであるトランセンデンスのケネス・ガミア氏に依頼、ハッピー・キャニオンのグルナッシュ100%で造られています。価格は、写真のお店で4320円。色は赤さを感じるピンクで、淡いバラ色といった印象。香りは、グルナッシュらしくスパイシーさがあり、ピンクペッパーや甘草、ビャクダンなどのニュアンスが感じられます。そこに、ピンクグレープフルーツやイチゴなど各種赤ベリーやアメリカンチェリーなどの赤いフルーツ、軽いブラックベリーやプラムっぽさ等のより色の濃いフルーツといったものが加わります。また、乾燥ローズマリーなどのハーブっぽさや、と遠くですが軽くキャラメルのような気配もあったでしょうか。味わいは、やはりカリフォルニアの温暖さを感じさせてくれる果実味の豊かさがあります。また、アルコールのアタックも少々。ただ、しっかり太めの酸がその果実味の内側でビシッと存在感を見せており、トータルとしてはジューシーといった印象です。ボディはミディアムで、透明感がありしなやかでパリッとした質感でした。ロゼには豚肉と言う事で、焼き豚をつまみましたがこれは当たりでした。肉の旨みや食感、しっかりつけられた甘辛の味わいに対し、ワインのボリューム感や果実味、クリアーな質感とよく噛み合いましたし、焼き豚に使われているスパイスとワイン香りに共通項が感じられ、より華やかに馴染んでくれました。また、やはりトマトとの相性もよく、鶏肉のトマト煮も良かったですね。トマトの甘みや酸味とワインの果実感はやはりよく嵌りますし、具として入れたパプリカの甘みや香りともいいです。また、イルドコリンヌさんで頂いたものを真似てショウガを少し加えてみましたがその辺も良かったのかも。そういったトマトや野菜との相性の良さが、肉の旨みや脂とワインの相性を更に盛り立ててくれているような感じでした。ボリューム感と華やかさのあるロゼでした。グルナッシュのロゼと言いますとフランスのもの等をよく口にしましたが、やはり大分趣が違いますね。勿論気軽に楽しく飲める良さもありますが、ロゼワインも品種や産地、造り手の個性も結構出るので色々飲んでみると楽しいです。にほんブログ村
2018年03月23日
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今回はカリフォルニアのシャルドネです。比較的手頃なレンジのものになります。スモーキング・ルーン・シャルドネ2015。生産者ドン・セバスチャーニ&サンズは、その名の通り、カリフォルニア・ソノマの地で100年の歴史を持つというセバスチャーニ・ワイナリーの3代目が、息子2人と始めたというワイナリーです。品質は重視しつつも、スクリューキャップの導入などを行い、価格的にも抑えめのレンジとし、若い世代へのアピールを行っているようです。セパージュは、とりあえずシャルドネと言う事は確かですが、アメリカのワイン法はその品種が全体の75%以上使われていれば品種名を表記できますので、これが100%かどうかは不明です。価格は、写真のお店で1598円。色は黄色。黄金と言った所までは行きませんが、薄い感じではありません。香りはしっかりフレンチオーク樽熟成されているという事でか、バニラや、名前に似合ったタバコやスモーキーなニュアンスが感じられました。また、ナッツやハチミツ、若干の大根のはちみつ漬けと言った要素や、少々のカスタードっぽさも。勿論フルーツ感もしっかりあり、ミカンやグレープフルーツ、ライムといった柑橘っぽさが結構出ており、加えて洋ナシ、メロンなども感じられました。味わいは、香りの印象に似合った果実味のインパクトのあるものですが、そこにしっかりした明るい酸が入るのでバランスは取れています。ジューシーさがありますね。また、後口にかけて塩味を思わせるようなミネラル感も。ボディはライトですが、目の詰まった印象はありました。取り敢えず、パック寿司つまんでみましたが、ブリやサーモンと言った脂の乗ったものとの方がやはり噛み合いやすいです。また、煮アナゴの甘みや、エビの強い味わいなどとも悪くない感じ。ただ、これにはやはり肉ですね。鶏肉はやはり相性がよく、焼き鳥(塩)のモモは肉の旨みや塩気に対し、ワインの果実味やミネラル感が合いますし、目の詰まった質感と肉の繊維の食感ともいけます。また、焼き豚もつまんでみましたが、豚の肉の部分の旨みや食感がいいのは勿論、やはりワインのインパクトに脂がいいですね。甘辛い味付けやスパイシーな香りとも、果実味や華やかなワインの香りがよく合いました。1600円程度と言う価格帯ですが、カリフォルニアらしいインパクトの強さがありつつも味わいのバランスが取れていたのが嬉しいところでした。甘辛系の味わいや白い肉との相性もよく、割と日常の食卓で楽しめるワインだったのかなと思います。にほんブログ村
2018年03月11日
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12月のピノ・ノワール飲み比べ会のワインもこれで最後。今回は、熟成していたという事もあり、トリをオレゴンピノにしてみました。ヴィンテージ・セレクト・ピノ・ノワール2005。生産者ウィットネス・ツリーはオレゴン州、ウィラメットヴァレーのエオラ・アミティヒルズにあるワイナリーです。堆積岩や玄武岩、沖積層といった環境からなる100エーカーの自社畑を所有しており、アメリカでは比較的珍しいかもしれませんがブドウ栽培からワイン生産まで100%自社のみで行っているそうです。栽培品種としてはピノ・ノワールの他シャルドネやヴィオニエとなり、畑ではサスティナブル農法を実践しています。価格は、こちらも楽天スーパーセールで3000円程度でしたが、本来はその倍くらいだったようです。色はガーネット系の印象が強く、ルビー感は無し。流石にレンガ色が見えています。香りは黒っぽいニュアンスがあり、麦チョコやココア、微かなカラメルに黒い土といった要素が感じられました他、トリュフ的なキノコっぽさといったものも。フルーツ香は勿論感じられますが、チェリーやブルーベリー、ブラックベリーが感じられつつも、干しブドウや干し柿、赤ベリーのドライフルーツといった乾燥したそれも出ていました。さらに、スパイシーさや腐葉土、それに前述の甘いニュアンスが一体となったような熟成香も流石にありましたね。味わいは、こなれた果実味が穏やかに、一応メインの要素に有りつつ、その奥から明るくも繊細な酸が前に出てくる、渋みも柔らかなものとなっており、それらがいいバランスで混在しているといった印象。ボディはミディアム。丸さや膨らみのある柔らかな質感でした。会では、やはりパスタの辺りで頂きましたが相性は悪くありません。ソースのトマトの旨みや肉のコクを相手にしても印象が消されることなく、ソースの旨みを優しく盛り立ててくれるような感覚でした。熟成感はありますがそこはやはりオレゴン、まだ弱くはありませんので、鴨肉や鶏肉などと合わせて楽しむことも出来そうです。ただ、やはりあまり濃いい味付けのものよりは、素材の味わいを活かしたシンプルなローストなどが良さそうです。果実味がまあ軸ではあり、若い頃はそれがしっかりしていたんだろうなと言う事を思わせはしましたが、それが柔らかくこなれて酸などといいバランスになっているのは、普段飲んでいる若いオレゴンワインの熟成した姿のイメージにぴったりな感じでした。それでもパッと華やか、と言う感じではなく、何処か陰のある感じなのもらしいなと。中々巡り会えない熟成オレゴンピノ、非常にいい経験となりました。にほんブログ村
2018年01月18日
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まだまだ続きます倉敷ピノ・ノワール会のワイン、今回はアメリカ・オレゴン州のピノです。ピノ・ノワール・ダンディ・ヒルズ2014。生産者ソーコル・ブロッサーは1971年創業の家族経営のワイナリーです。創業当時、オレゴン州にはまだワイン業界が無かったそうで、当地でも最古参の部類に入ります。オレゴン州に多い、環境に配慮したサスティナブル農法を実践する作り手で、農務省からオーガニックの認定も受けています。ダンディ・ヒルズは火山性土壌の環境で、寒暖差も大きいですが基本的にやはり南野カリフォルニアよりは冷涼な気候となります。価格は4000円程度。色は黒さがありますが、透明度もあり黒っぽいルビーカラーとでもいうところでしょうか。香りはやはり赤いフルーツ感がよく出ていますが、それでもラズベリーやクランベリー、それらのドライフルーツ、チェリーでもダークチェリー、さらにチェリーリキュールとちょっと濃い赤を感じるでしょうか。また、若干の干し柿っぽさも。そこに、チョコやココア、黒い土などの黒い要素が加わりますね。その他、茶色いスパイスやトリュフっぽさ等も感じられました。味わいは果実味のアタックはやはりしっかりあります。酸は明るくしっとりとしたもので、果実味をきっちりマンマークしているといったバランス感。渋みは大人しく、やわらかなものが後口にかけて、果実味や酸の間から染み出てくるような感覚でした。ボディはミディアム。今回の他のピノとは明確に違い、丸さやまろやかさを感じる印象です。会では、ズリやハラミのところで飲みました。ズリとはやはり相性いいですが、南アのものに比べて果実味のインパクトとボディのまろやかさがあるせいか、ワインの味わいが肉の香りや味わいを包み込むような印象でした。一方、ハラミは独特の脂感があり、なおかつタレで頂くスタイルだったことからワインのボリュームある味わいにぴったり。脂とタレの甘みに対し、ワインの果実味や酸、仄かな渋味がよく噛み合っていましたし、肉の香り、焼けた香ばしさ、タレの香りにワインの果実感と黒いニュアンスが馴染みますね。このワインは、秋に行われた倉敷の酒販店おかじまやさんの大試飲会で飲んで好印象だったものです。今回のワイン会のテーマをピノ・ノワールにしたのも、その経験があったからでした。今回のボトルも、オレゴン特有の、やや黒いニュアンスを感じる内向的な雰囲気を楽しめるものでした。世界のピノ・ノワール産地の中でも、独特の存在感があるエリアだなあと。ソーコル・ブロッサー ピノ・ノワール・ダンディ・ヒルズ [2014]赤ワイン アメリカ オレゴンこちらのお店では現在価格で3974円。今飲んでよし、熟成させてよしのワインかなと。クリスマスのチキンやターキーにもよく合いそうです。にほんブログ村
2017年12月21日
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今回はカリフォルニアのロゼワインです。ピノ・ノワールを用いたものになります。ロゼ・オブ・ピノ・ノワール2012。生産者はヒリアード・ブルースです。サンタ・バーバラで最も新しい産地であるサンタ・リタ・ヒルズのワイナリーです。シャルドネとピノ・ノワールの栽培を行っており、その特徴は密植栽培。なんと、30年前のカリフォルニアで植えられていた単位面積当たりの栽培本数の、5倍の密度でブドウの木を植えているそうです。現在のワインメーカーはグレッグ・ブリュワー氏です。価格は、楽天内では4320円です。色はオレンジを感じるピンク。淡さを感じる透明度の高いものではありますが、夕焼け色と言いたくなる色合いでした。香りはフルーティさいっぱい。ラズベリーやイチゴなどの赤ベリー、それらのジャムといったものを中心に、オレンジピール、ピンクグレープフルーツ等の柑橘系、洋ナシやアンズ、それに微かなアセロラなどを感じられました。そこに、個人的にカリフォルニアのピノロゼに良く感じるホワイトチョコっぽさが加わります。その他、若干のオイリーさやカラメル、下草、それに白やピンクのコショウ、軽いタイムといったような要素もあったでしょうか。味わいはカリフォルニアでイメージされる果実味のアタックの強いものではありません。勿論、果実味はありますが、それは極めて繊細なもので、しっとりながらも強さのある、ミネラル感を伴う酸の背景にじわりと広がるといった感じ。また、後口にかけては、仄かな渋味が旨みと共に感じられました。ボディはライト。クリアーさと潤いを感じる質感が印象的でした。取り敢えず、お刺身を合わせてみましたがこれが正解。ブリやマグロ、サーモンといった味のしっかりしたものとの相性は抜群で、ブリ、サーモンに対してはその脂に対し、ワインの華やかな香りや後口の苦味がよく合いますし、マグロは赤身でしたが、鉄っぽい旨みに対しワインの酸やミネラル感がよかったです。また、そこにスダチを絞りますと、スダチの香りが、魚とワインの香りの間に上手く入ってより相性が深くなりますし、スダチの果実感とワインの繊細な果実味の相性もバッチリでした。また、それらの刺身よりさらに良かったのがカツオの叩き。カツオ独特の滋味深い味わいに対しワインの各要素がバッチリ嵌りますし、香りの相性も良好。特に、叩きの少し焦げた部分と、ワインの赤いフルーツやカラメルのニュアンス、スパイスっぽさはマリアージュしていましたね。その他、いとより鯛の塩焼きや鯖の煮ものなど、火の入ったものとも悪く無く、あれこれとマリアージュを楽しめました。華やかな香りと整った味わいがあり、流石にいい産地のブドウを実力派のワインメーカーが手掛けたワインと言う感じでしたし、それでいて食事との相性も幅広いと、4000円するワインですが存分に楽しませてくれる1本でした。また、ここのピノの赤はさらにお値段しますが、このワインを飲んだことで俄然興味が出てきました。2012 ヒリアード・ブルース ロゼ・オブ・ピノ・ノワール Hilliard Bruce Vineyards Sta. Rita Hills Rose of Pinot Noirグレッグ・ブリュワー繋がりと言う事で、シャトー・イガイ・タカハさんでのお取り扱いがあります。にほんブログ村
2017年11月09日
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今回はカリフォルニアのお手頃白ワインです。ピノ・グリージョ・カリフォルニア2015。生産者デリカート・ファミリー・ヴィンヤーズはシチリアからの移民であるインデリカート家が、1924年に栽培農家として大手ワイナリーなどにブドウを提供することからスタートした造り手です。現在も家族経営を貫いていつつも、2007年にはアメリカン・ワイナリー・オブ・ジ・イヤーに輝くなどその実力も評価されています。セパージュはピノ・グリージョ100%。流石イタリア系という事か、ピノ・グリではなくグリージョ表記にこだわりを感じます。価格は、楽天内では写真のお店で1274円。色は極薄い黄色です。香りはやはりフルーティなものとなっており、ライムやグレープフルーツ、レモンといった柑橘や、白桃、リンゴといったものを感じます。また、そこに蜜っぽさも加わりますね。その他、白い花やグリーンハーブといったものや、遠くに石灰っぽいニュアンスもあったでしょうか。味わいは果実味が軸なのはカリフォルニアらしいところ。酸味は明るいものがじんわりまったり果実味と並んで存在します。また、苦味の印象は結構しっかり感じられました。ボディはあくまでもライトではありますが、ライトの中では丸みや膨らみを感じる方だったかも。これはまさに魚介に合わせるワイン、という事で、サーモンとイカのマリネサラダをつまんでみましたが、間違いないですね。サーモンの脂や香りに対しても、しっかりした果実味がよく馴染んでくれますし、後口の苦味も旨みを引き出してくれます。また、イカの旨みや甘みに対しても嵌ります。加えて、マリネという事で酸味や甘味も感じる味わいですが、その辺もワインの果実感やボディの質感に合う印象でした。また、ちょっとしっかりしたものになりますが、エビマヨとも中々。エビの味わいと相性がいいのは想像通りですが、ちょっと甘味もある、まろやかなマヨネーズソースと、ワインの果実味や香り、苦味が結構寄り添う感じでした。あと、鮎の塩焼きなんかにも行けます。鮎独特の香りとワインの香りの相性が良かったのには驚きました。カリフォルニアも高いものは本当に高いですが、結構手頃な価格帯のワインも幅広くあり、その手頃なワインの中でも色々ですが、このワインは果実味を素直に楽しめ、なおかつ食事にも合わせやすいワインでした。まさに、コスパワインの一つと言えそうです。にほんブログ村
2017年06月20日
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今回のメルロー飲み比べ会のワインはアメリカ。例の如く、「メルロー」表記のラベルですがセパージュ的には100%ではありません。コロンビアヴァレー・メルロー2008。生産者はシャトー・サン・ミッシェル。アメリカ・ワシントン州の最大最古のワイナリーの一つです。年間降雨量は少なく、日照時間は長い、それでいて、カリフォルニアよりは北にあるため冷涼さもあり、昼夜の寒暖差も大きいという恵まれた環境のワシントン州において、古くから高品質なワインを生産、当地の原産地呼称認定にも大きな影響を及ぼした生産者です。また、近年ではイタリアのアンティノリやドイツのドクター・ローゼンとコラボレーションするなどさらなるワシントンの可能性を追求しています。コロンビアヴァレーは、ワシントン州でも最大の産地で、ボルドー系赤品種が主に栽培されています。セパージュは、84%のメルローに16%のカベルネ・フランのようです。価格は、写真のお店で2355円。色は黒さがあります。エッジには赤も見えますが、全体的には黒紫と言っていいくらいで透明度も低め。香りはバニラやナッツ、クリームといった樽由来であろうニュアンスがあり、他に黒蜜やカラメル、黒い土、チョコレートといったようなものも。ただ、やはりフルーティさが一番の要素ではあり、ブルーベリーやブラックベリー、カシス、プルーン、それらのドライフルーツやジャム、さらに完熟南国フルーツ的な雰囲気などが出ていました。加えて、茶色いスパイスや紫の花のような印象も。また、時間経過とともに結構樽の印象が増した感じがありました。味わいはやはり、北の産地とは言えそこはアメリカ。果実味のインパクトがバッチリです。アタックから後口にかけてまで、大人しくなりつつも最後まで印象が消えることはありません。そこに、明るい乳酸系の酸がピッと入る感じで、全体のバックボーン的に渋みも感じられます。ボディは、ふくよかさ、丸さのあるフルボディですが、どこか落ち着きや、冷たさすら感じるような締まり、輪郭といったものがあったようにも思います。会では、ソーセージとの相性が良好。7ソーセージと言いましても、どちらかと言うとフライシュケーゼっぽい感じのものだったのですが、肉の旨みと塩気にワインの果実味や渋み、輪郭のある質感といったものがいいですし、香りも、ワインの香りの要素の中にあるスパイシーさどどこか共通項がある印象でした。むしろ、この香りの相性の方が印象的ですらあったように思います。また、レバーペーストともまずまずで、こちらはなめらかでまろやかなレバーペーストの味わいに、ワインの質感や果実味が嵌る、といった感じで香りより味の馴染み方の方がよりインパクトがあったかなと。このワインなら、牛肉の煮込みやステーキ、あるいはラムチョップなど、しっかりお肉と合わせてみたい感じですね。9年弱の時間がたっており、どんな感じかなと思いましたがまだまだ果実味の元気さはありました。ただ、ある程度の落ち着きも感じられましたし、香りの完熟南国フルーツっぽさはやはりある程度熟成の影響が出た結果なのかなと。もっと寝かせてもいいでしょうが、気温が高くなる前のこの時期なら、今の段階でも十分楽しめるワインかなと思います。シャトー・サン・ミッシェルメルロー[2008]楽天内で、珍しい2008というバックヴィンテージを見つけられたのはラッキーでした。にほんブログ村
2017年03月04日
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今回はカリフォルニアのソーヴィニヨン・ブランです。と、いいましても、そこはやはりカリフォルニア。100%ソーヴィニヨン・ブランではありません。スカーレット・ソーヴィニヨン・ブラン20132013。生産者マクガー・ファミリーはアメフトチームの設立に関わったり、メジャーリーガーを排出したりとスポーツに関わる家系でもあったようですが、1990年、レッドソックスでワールドチャンピオンにもなったエディーが畑を購入してブドウ造りがスタート、その後、周囲のワイナリーへのブドウ供給を経た後、2005年から醸造家のマイク・スミス氏を招いて元詰めを始めたそうです。なお、この後のヴィンテージから、スカーレット・ワインズにワイナリー名を変えたようです。セパージュは、ソーヴィニヨン・ブラン95%、セミヨン5%。価格は、写真のお店で6480円。色は青みがかった黄色。香りはグレープフルーツやレモン、ライム、といった柑橘やそれら柑橘の皮の様なニュアンスがよく出ています。また、少々のリンゴや梨っぽさも。そこに、ピンクペッパーやグリーンペッパー、それにディルなどのハーブ的な要素や、ミネラル、クリーム、ヨードや若干のコンソメ的な雰囲気といったようなものも。味わいはジューシー。果実味のインパクトがメインの「カリフォルニアワイン」のイメージそのままなバランス感です。酸はしっとり系で、旨みと共に果実味を追いかけてきます。また、後口には軽い苦みも。ボディはクリアーさや滑らかさがありますが、ミディアム位のボリュームもあり、水晶を思い浮かぶような感覚でした。カリフォルニアの白という事で、とりあえずフライドチキンを合わせてみましたが割と行けます。強い脂のある皮の部分には、やや押され気味な雰囲気もありましたが、身の部分の旨みにはワインの旨みや質感が合いますし、塩気やスパイシーな香りに対しても、ワインの果実味やフルーティさ、軽いコショウ的なニュアンスが結構填まっています。あと、軟骨の食感とも、ワインの質感が面白い組み合わせに。魚はどうかなと刺身もつまんでみましたが、これはサーモンやブリなどの脂の乗ったものがよりベターだったように思います。やはり、ワインのボリューム感に対し脂の乗ったまろやかな味わいが馴染みますね。らしい果実味やボディのボリューム感もありますが、フルーティな中に複雑さのある香りと、クリアーな質感が印象的なワインでした。華やかでありつつも、結構食事にも色々と合わせてみたくなる1本だったかなと。にほんブログ村
2017年02月18日
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今回はアメリカ・ワシントン州のスペシャルなワインです。ただ、飲んだのはもう2年位前になります。写真を見つけられたので今回ようやく記事に出来ます^^;シャルール・エステート・レッド2005。生産者はデリール・セラーズです。アメリカ・ワシントン州のウッディンヴィルという土地にあるワイナリーで、創業は1992年。ワシントンのワイナリーらしく、ボルドースタイルのワインが中心で、他にローヌブレンドのワインなども手掛けています。評価の高いワイナリーで、開業5年で、オークションにおけるワシントンワイン最高額となったり、ロバート・パーカー氏からは「ワシントンのラフィット」と評されたりしています。セパージュは、カベルネ・ソーヴィニヨンを主体に、メルロー、カベルネ・フランというまさにボルドータイプ。価格は、写真の通りのラベルですので安くなっていましたが失念。色は黒さはありますがガーネット的。全体的に赤みがあり、エッジにはレンガないしルビーのような色合いも。香りは、やはりフルーツ感が軸ではあり、カシス、プラム、ザクロ、黒ベリー、ベリーのジャム、それにキルシュタルトといった要素が感じられます。ただ、やはりフルーティなだけではなく、杉っぽさ、鉛筆の芯や黒コショウ、黒トリュフ、ブラックオリーブ、なめし革、シナモンなどの茶色いスパイス、若干の佃煮っぽさ、インキーさといったようなものも。また、フランス産新樽100%という事でかココナッツやトースト、カラメルっぽさ等も感じられました。加えて、時間経過で意外と赤いフルーツが強まり、熟した赤ベリーやそのジャムといった要素が出てきました。味わいは、果実味の存在感は確かにあり、アタックに出てきますが柔らかで落ち着いたものです。そこに、乳酸系のしっとりした酸が、結構量多めな感じでじわっと出てくるといった印象。渋みはしっかりあり、後口にかけて全体をキュッと引き締める感じです。舌触りにタンニンの存在感もありました。ボディは間違いなくフルボディで目の詰まった印象。しかし、質感と舌はクリアーさや滑らかさを感じさせるものでした。こういったワインはまあ単独でじっくり、というタイプでしょうが、それでもやっぱり色々つまんではみました。ローストビーフに関しては、まあ間違いないですね。肉の旨みや脂に、ワインの香りやタンニン、それに質感がバッチリです。意外なところで面白かったのは、ブリ大根でしょうか。脂の乗ったブリにしっかり甘辛系の味を付けて合わせましたが、ブリのパンチの利いた味わいに、少し柔らかさも出てきたワインが丁度いいボリューム感でした。また、旨みと味のしっかりついた大根もいいつまみになりました。あとは、やはりブルーチーズをつまみながら、というのが良かったですね。ブルーのミルキーさ、カビの部分の旨みや香りといったものとは調和します。飲んだ時点で10年少々の時間が経っていますが、まだまだ発展を見せそうな、スケールの大きさを感じられるワインでした。ただ、それでも柔らかさやバランスの良さがあり、ワシントンの美点を感じさせつつこの段階でも十二分に楽しめました。■デリールセラーズ シャルール エステート レッド [2013]赤(750ml) デリール・セラーズDeLille Cellars Chaleur Estate [2013]【出荷:7〜10日後】楽天内には2013が、取り寄せですがありました。お値段15660円なり!ちょっと前までは1万円以下だったような…^^;今飲むのは流石に早すぎるでしょうね。にほんブログ村
2017年02月10日
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今回の、中華とリースリングの会のワイン、続いてはアメリカ。ワシントン州のものになります。ドライ・リースリング2013。生産者はパシフィック・リムです。どこぞの映画のような名前のワイナリーですが、元々はワインの名前だったそう。1992年に、カリフォルニアのボニー・ドゥーンがリリースした銘柄だったそうで、樽の利いたパワフルなワイン好まれていた当時から、複雑みや酸味を持ったスタイルで作ってきており、それが近年人気を博しました。そのため、よりリースリングに力を入れようと、2006年になってワシントン州コロンビアヴァレーに、ボニー・ドゥーンから少人数のスタッフが移り、スタートしたそうです。ワシントンの冷涼な気候とリースリング向きの土壌に目を付けたからなのだとか。価格は、楽天内では過去ヴィンテージが2000円くらいで出ているようですが、2013は2800円くらいのようです。色は黄色。はっきり黄色と言える、かなりしっかりした色合いでツヤ感もあります。香りは、ミカンやライムなどの柑橘、それに白コショウや、少々オリエンタル感のあるスパイスなども感じられますが、インパクトとしては黄桃やアプリコットの印象が強め。濃さのある、黄色いフルーツ感がバッチリ出ています。その他の要素としては、メロンっぽさや洋ナシ、リンゴ、白い花、ドライハーブ、それにオイリーさ、といってもペトロールよりむしろオリーブオイル的な雰囲気、といったものが感じられたでしょうか。味わいは名前の通りドライです。果実味は繊細なものですが、一方、酸も明るさはあるもののそこまで強いものでもなく、果実味より少しまでに出るかなといういいバランス感。やはり、後口にかけては軽い苦みもあったでしょうか。ボディはミディアムと言っていいくらいの印象でした。ミネラル感、エキス分、収斂味を感じるもので、固いという程ではありませんが、厚みというか量感を感じるものでした。会では、野菜炒め、エビ、麻婆豆腐の辺りで飲みました。ドライさが野菜炒めとも悪くありませんが、これはオーストリーのものが良過ぎました。一方、エビとは、エビチリよりエビマヨです。ワインの量感やエキス分が、マヨネーズソースのクリーミーさに負けず馴染んでくれますし、ドライさがエビの旨みも引き出してくれました。一方、エビチリとは悪くないかなというくらいだったかも。麻婆豆腐とは意外とあり。辛みに対しては特に干渉しませんが、旨みは割と引き立ててくれる感じでした。華やかな桃の香りとエキス分のある味わいは、やはり今回のエビマヨなどのようなクリーミーなものとの相性は期待できそうです。シチューや煮込み、クリームソースで食べる魚介の焼き物、あるいはアボカドディップなんかもいいでしょうし、個人的に合わせるワインにちょっと苦慮していた、カニクリームコロッケなんかにも面白いかもしれません。パシフィック リム ドライ リースリング[2012] PacificRim Dry Riesling[2012]楽天内では、現段階2012が一番新しいヴィンテージのようです。にほんブログ村
2016年11月12日
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今回でコスパワイン会アメリカ編のワインも最後。ワシントンのメルローになります。コロンビアヴァレー・メルロー2012。生産者はシャトー・サン・ミッシェルです。その源流を遡ると1934年まで行きつくという、ワシントンでも歴史のある造り手で、かつ、1420haの畑を有する、同州最大のワイナリーでもあります。ボルドーブレンドを中心に赤ワインを多く手がけますが、実は最初に評価されたのはリースリングだったりします。また、サスティナブル農法にも力を入れており、畑によっては認証を得てもいます。セパージュは、メルロー91%、シラー4%、その他カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、グルナッシュが合わせて5%。価格は、写真のお店で1932円。色はしっかり黒いです。透明度も低いですが、エッジにかけては赤さも見えました。香りは黒ベリーやプラム、ダークチェリーといったものや赤ベリーのジャムないしコンポート、干しブドウ、黄桃の缶詰といったしっかりしたフルーツのニュアンスがバッチリ。また、そこにチョコレートや黒い土、それにシナモンや八角などの茶色いスパイス感が加わります。あと、遠くにキノコっぽさも見えたでしょうか。味わいは、香りの印象通り果実味のインパクトしっかりです。ただ、特濃で口の中を塗りつぶすようなものではなく、落ち着きのあるものです。また、明るい酸と後口にかけての渋味があり、アタックこそ華やかですが、飲み下すと結構落ち着いた感があります。ボディは、まろやかふくよかさがありますが、口当たりに一瞬の硬質感、とまではいかないものの冷たさがあり、ミディアムフル位の感じでしょうか。会では、これもナッツ類との相性良好。果実味のアタックと、ナッツのまろやかさが合いますし、香りの面でも、スモークされた香ばしさにワインの香りが負けません。また、ブルーチーズのペンネとは間違いないですね。個人的に、ブルーチーズに赤を合わせるならメルロー、という感覚があるのですが、これもその果実味やボリューム感がチーズの味わいに負けず、タンニンがチーズの青カビの部分と相まってうまみを引き出してくれました。フルーティなメルローですので、チーズやナッツをつまみながら、というのでもいいでしょうし、他に食事に合わせるなら、色の濃い煮込み系なら鉄板でしょうね。ニューワールドっぽい果実味が軸のバランス、しかし、それが落ち着いたもので、全体的に均整がとれているところは旧世界的と、ワシントンらしい世界観を持ったメルローでした。勿論、より価格の上のレンジになると、さらに深みや複雑みが出るでしょうが、ワシントンワインらしさをこの価格帯で感じられるというのは、流石サン・ミッシェルといったところでしょうね。にほんブログ村
2016年08月16日
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今回も勿論コスパワイン会アメリカ編のワインです。オレゴンのピノ・ノワールになります。ピノ・ノワール・ログ・ヴァレー2012。生産者フォリスは、1971年にオーナーのガーバー氏が、オレゴン南西部、オレゴンとしては外れの地区になるログ・ヴァレーに土地を購入しブドウ栽培を始めたのがスタート。涼しいオレゴンの、標高400m以上の高地という事でワイン造りには向かないといわれていましたが、よい苗木を育て、カリフォルニアのワイナリーに苗木を提供する苗木業者となりました。その後、1986年にはワインメーカーを雇い自社詰めを開始、現在に至ります。現在は、この「フォリス」ブランドの他、エントリーレンジとして「スワロー」シリーズも手がけています。価格は、結構マチマチで、写真のお店では1782円です。色はやや暗いルビーといったところで、エッジにかけて少々のオレンジも見えるでしょうか。香りは、開けたては土っぽさや加工肉、スパイス、それにブラックベリーやドライトマトのような入餡巣が感じられるといった所。それが、時間と共にシダの葉や下草、それにラズベリーやクランベリーなどの赤ベリーやそれらのドライフルーツ、チェリー、オレンジピールといったものが感じられるように。一方、スパイスや土っぽさは、フルーツ感の陰に隠れました。味わいは、開けたてから一応果実味が前に出る感じで、そこに明るくもしっとり乳酸系な酸が加わるといったバランス。さらに、後口に渋みや旨みが感じられました。このバランスは時間経過でもあまり変化しませんで、むしろ、ライトボディながら丸い質感、しかし、その内側にはミネラル感や硬質さがあり、全体としてしなやかな印象のボディが、少し丸くなったかなといった所でした。意外とつまみとして面白かったのがナッツで、そのまろやかなオイリーさや甘味に対し、ワインのしなやかな質感や明るい酸のある味わいがいい対比になりました。また、ブルーチーズのペンネをご用意いただいたのですが、これが意外と好相性で、確かにチーズの香りとクリーミーさに負け気味ではあるのですが、その中でワインの果実味や、フルーティさと下草っぽさと暗さのある香りが中々に存在感を見せてくれました。色々合わせられそうですが、脂の少ない赤身肉、あるいは赤身魚等との相性はよさそうです。上記の通り、楽天内でもお店によって値段が結構違うのですが、2000円切ってくるとなりますとこのワイン相当のコストパフォーマンスかなと。確かに、ウィラメットヴァレーなどのメジャー産地と比べますと果実香や下草っぽさなど出方の違う要素もありますが、開けたては固い所も含めて、その雰囲気はしっかりオレゴン。それが2000円以下というのは驚きです。にほんブログ村
2016年08月14日
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という事で、今回から先日のコスパワイン会アメリカ編のワインです。先ずはカリフォルニアのシャルドネから。R・コレクション・シャルドネ2013。生産者レイモンドは1971年にナパ・ヴァレーに設立されました。ナパのほぼ中央に位置するラザフォードにあり、所有する畑ではビオディナミを実践しているのだとか。ただ、勿論カリフォルニア各地のブドウを使用してワインを作っており、本ワインもセントラル・コーストやレイク・カウンティといった地域のブドウを中心に作られています。価格は、写真のお店で2462円。色は麦わら位でしょうか。ただ、ちょっとツヤもあります。香りはフルーティ。リンゴや洋ナシ、メロン、グレープフルーツといった要素に加え、パインやパッションフルーツなど南国的なニュアンスも出ています。その他、乾燥ハーブやチョーク的なミネラルっぽさといったものも感じられたでしょうか。昔「カリフォルニアのシャルドネ」でイメージされたような濃厚な樽香などは感じられず、濃い要素としては南国フルーツの他に少々バタースカッチ的な雰囲気があったくらいです。味わいも、しっかり果実味がある一方で、それに負けない豊かな酸があり、コッテリという感覚はなく、まあジューシーかなというくらいです。ただ、旨みはしっかりありますね。ボディも、ふくよかさはあるものの、エキス分やミネラル感の印象がしっかりで、ハリやコシを感じるミディアムといった所。会では、スモークナッツをお出し頂いたのでそれに合わせてみたのですが、悪くはないもののやはりナッツの香りや味わいにちょっと負け気味。一方、その後ご用意くださった生ハムとの相性は、ハムの香りや旨みにワインが嵌る感じで良かったですね。このワインなら、フレンチよりイタリアン、むしろ、和食とも合わせやすいのではないかなと。エビしんじょやレンコン饅頭の椀物や、イカや鯛の昆布締めといった旨みの強い鮮魚など、合わせてみたいところです。カリフォルニアらしい香りや果実味がありつつも、バランスがよく、ボディもしなやかで、中々シュッとした味わいのワインでした。モダンなカリフォルニアのスタイルを感じられたかなと思います。にほんブログ村
2016年08月12日
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今回は夏に美味しい白ワイン。アメリカ・オレゴン州のリースリングです。リースリング2009。生産者はハイランド・エステーツ。アメリカ・オレゴン州のワイナリーで、その畑はオレゴンでも最も古い物の一つだそう。といっても初めてブドウが植えられたのは1971年だそうで、この地がニューワールドの中でも特に新しい産地であることを物語ります。現在は、オーナー兼ワインメーカーのフランス人、ローラン・モンタリュー夫妻とジョン・ニーマイヤー氏の共同所有となっており、リースリング、ピノ・ノワール、ゲヴュルツトラミナーのワインを生産しています。驚くべきは、それらのブドウが自根で栽培されているという事でしょう。価格は、写真のお店で3564円。色は薄い黄色。ステンレス醗酵という事で、らしい色合いです。ただ、同系統の中ではしっかりしている方かも。香りは、ちょっと貴腐を思わせるような華やかなニュアンスがあるのが印象的。蜜っぽさも感じられます。加えて、らしいペトロール感もありました。フルーティさもしっかりで、黄桃やリンゴ、キウイ、オレンジやママレードといった要素が。その他、白い花や濡れた石的なミネラルっぽさも。味わいは果実味が明確な軸となっています。ほんのり甘味があるといってもいいかも。ただ、そこに明るくしっかりした酸がピッと入り、全体の印象を引き締め、このワインを辛口の範疇に止めています。後口に掛けては旨みも豊富。ボディはライトですが、華やかな香りや果実味に似合った、ライトなりのエキス分や膨らみといったものは感じられました。華やかですが、食事にはやはりこの品種のワインらしく合わせやすいですね。オレゴンワインという事で、サーモンマリネを合わせてみますとやはりよく合います。サーモンの脂や旨みにワインの果実味や香りが馴染みますし、野菜の甘みと果実味の相性も良好。また、お寿司もいいつまみになりました。ネタとしては、やっぱりサーモンは合います他、ハマチも良好。タイなどの白身よりも、やはり、ちょっと脂のあるネタとの相性がより良いようです。また、意外とよかったのが煮アナゴ。詰めありの甘みのある味わいが、ワインの果実味と馴染む感じを受けましたし、アナゴはふっくら脂があるのでそこともよく合いました。オレゴンと言いますと、やはりピノ・ノワールが有名な産地ですが、白はワシントンと共にリースリングが結構良かったりします。このワインも、アメリカ大陸らしい華やかさやしっかりした味わいがありつつも、冷涼な産地らしい纏まりを感じられるワインでした。アメリカワインと言いますと、今月はコスパワイン会アメリカ編を企画しております!宜しければ是非!にほんブログ村
2016年07月17日
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今回のソーヴィニヨン・ブランの飲み比べ会のワインはカリフォルニア。正確には、ソーヴィニヨン・ブランの亜種であるソーヴィニヨン・ムスクのワインです。エレガント・ハート・ソーヴィニョン・ブラン・グレート・オークス・ヴィンヤード2014。シャトー・イガイ・タカハは、兵庫県のご出身である杉本夫妻が手掛けています。家紋である違い鷹羽=chigaitakahaを区切ってシャトー・イガイ・タカハと読みます。拠点はサンタバーバラで、このワインのブドウの作られるグレートオークス・ヴィンヤードも、サンタバーバラのサンタイネズヴァレーにあります。ワインメイクはトランセンド・ワインズのケネス・ガミア氏に依頼、ステンレスタンクでマロラクティック発酵は無し。価格は、写真のお店で3888円。色は薄い黄色。今回のワインの中では最も淡い色合いとなっています。香りは白コショウや白い花、マジパン、それに石灰的な要素など、白いニュアンスをよく感じました。また、リンゴやモモ、メロン、マンゴーやパッションフルーツなどの南国フルーツといった華やかなフルーツ香が印象的です。柑橘としては、オレンジピールなどが感じられたでしょうか。加えて、ちょっと蜜っぽさも。ソーヴィニヨン・ムスクの特徴としてはハーブや若草のニュアンスが出にくい事があるそうで、確かにそういった要素は感じなかったかなと思います。味わいは開けたては結構ドライな印象。時間経過や温度上昇によって果実味は膨らみますが、それでも決してごついものではなく、基本は辛口です。そこに、旨みや、まったり系ながら強さのある酸が入ってきますね。また、アルコールのアタックは結構感じられました。ボディはミディアムライト程度。柔らかさ、丸さを感じますが、その中に芯がありしなやかさな印象を受けました。会では、ホロホロ鶏のところで飲みました。肉質がしっかりしており、味の強いホロホロ鶏には少々押され気味でしたが、それでも香りの華やかさやアルコールの力感のおかげでまずまずの相性。肉の旨みと塩気が、上手く口を切り替えてくれ、一方でワインが肉の味わいを綺麗に切ってくれるという感じでしょうか。その名の通りエレガントな味わいですので、魚に合わせた方がよりいい相性だったかもしれません。焼きやてんぷらなどの火の通ったものは勿論、お寿司などの鮮魚系でも面白そうです。華やかな香りながら落ち着いた味わいです。近年カリフォルニアでも増えている、世界的なエレガント系の味わいの潮流に乗ったスタイルともいえますが、その辺は日本人オーナーならではとも言えるかもしれませんね。確かにハーブ系のニュアンスなどは感じませんでしたが、それでも果実のニュアンスの出方など、ソーヴィニヨン・ブランの雰囲気は確かにある、興味深いワインでした。にほんブログ村
2016年07月01日
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先日の岡山ワイン協会ワイン会でお披露目されました協会独自輸入ワイン、続いては赤の甘口。ミドルシスター”スウィーティー・パイ”レッドワイン・ブレンド。ブレンドの名前の通り、幾つかの品種を合わせたものになりますが、セパージュは秘密だそう。スウィーティー・パイとは「かわい子ちゃん」といった意味だそうで、このワインのキャラ設定としては「世界は甘くておいしい」といった感じになるようです。色はガーネット系で暗め。透明度はさほどありません。香りはクランベリーなどの赤ベリー、さらにそれら赤ベリーやブルーベリーなどのドライフルーツ、干しブドウ、ダークチェリーといったフルーツ感と、カラメルやカスタード、黒蜜といった甘いニュアンスがよく感じられるものとなっています。また、そこに茶色いスパイスやバルサミコっぽさ、それにココナッツやクルミ、クリといったような要素も加わります。味わいは甘口。赤の甘口だけあって、甘さのトーンはやや低めです。酸がしっとり系で大人しいというのもその印象に影響してはいると思います。渋みの印象は割としっかりあり、その渋みが酸を引っ張る形で甘みとのバランスを取っている感じ。口当たりにタンニンの印象もあります。ボディはミディアムで柔らかい感じ。資料によれば、ソーセージやミートローフとの相性がいいとの事ですが、成程、加工肉系には面白いかもしれません。他にも、甘辛い味わいのチャーシューなども試してみたいところですし、肉は肉なんだけれど、辛口の赤には少し軽い、といったような豚肉系のものはいいつまみになりそうです。あとは、べたですが鴨肉などをベリーなど甘い系のソースで食べる、なんて時にも合わせやすいのかなと。赤の甘口、結構いろいろありますが、このワインはイメージとしてはドイツのドルンフェルダーが近いかなあといった感じです。ココナッツっぽさやカスタードのニュアンスなど、そこはやはりカリフォルニア、と思わせる要素は勿論しっかりありますが。にほんブログ村
2016年02月10日
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先日の岡山ワイン協会ワイン会の協会独自輸入ワイン、今回から甘口3種です。先ずはモスカートの白。ミドルシスター”スウィート&サッシー”モスカート。甘くて生意気、という名前ですが、サッシーには「強気な女の子のカッコいい生意気さ」みたいな意味があるそうで、このワインも甘口ではあるものの、それだけではない部分を持っている、という事なのでしょうね。色は青みがかった黄色系ですが、ツヤがあり黄色さをはっきり感じられます。香りはモスカートらしいマスカット香がしっかり。そこに、白コショウ的な軽いスパイスやグリーンハーブ、バニラ、黄色い花、紅茶といったものが加わります。ただ、やはりフルーティさが一番で、マスカットに加え、青ベリー、洋ナシ、ライチ、メロン、それにグレープフルーツやスウィーティといった、大き目で少し苦みのある、シャキシャキした柑橘のニュアンスがよく出ていました。味わいは、甘みしっかり。糖度を感じる強さのある甘みで、そこにやや控えめな印象のしっとり系の酸と旨みが加わります。後口にかけては、柑橘のニュアンスに似合った苦味もほんのりと。ボディはライトでさらっとした質感ですが、一方で収斂味も感じられ、なるほどただ甘くて柔らかいワインではありませんね。資料には、辛い料理、軽いチーズ、食後の果物と合わせてみてと記載されていました。辛い料理はよさそうですね。以前、タイ料理店でスウィートチリソースの利いた揚げ物やサラダとドイツのムスカテラー=マスカットを合わせて非常にいい相性でしたが、このワインもそれと同じように、チリソースの甘さとワインの甘さ、そしてハーブのニュアンスとワインの香りとの引き合いが見られそうです。チーズなら、しっかり甘いのでブルーと考えがちですが、モスカート系は貴腐などよりは軽いので、シェーブルなど、資料にある通りチーズも軽めの方がいいように思います。果物なら、この時期ですしイチゴやリンゴでもつまんでみると面白いかも。カリフォルニアのモスカートを飲んだのは初めてですが、豊かな太陽による高い糖度を感じさせるワインだったかなと。度数は10.5度しかありませんが、逆に言えばしっかり甘さが出て収斂味もあるのに度数が10度を超えているわけで、その辺はらしいなあと。甘口という事で、好き嫌いは分かれていたようですが、個人的にはこの感じのワイン好きなんですよね^^にほんブログ村
2016年02月08日
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今回の岡山ワイン協会独自輸入カリフォルニアワインはメルローです。ミドルシスター”フォーエヴァー・クール”メルロー。メルローのキャラクターは「永遠のクール」。ただ、度数は13.5度とカベルネ・ソーヴィニヨンよりも0.5度ほど高く、味わいも結構ボリューミーな感じでした。個人的には、メルローとカベルネのキャラ設定逆の方がしっくりいくかなあといった感じです。色はガーネット系。黒さよりも赤さが強い印象で、透明度もあります。香りはミルクチョコ、ダークチョコ、ココアといったものに加え、トーストやカラメル、少々のカスタードっぽさ等芳醇です。そこに、ダークチェリーやチェリージャム、イチゴジャム、それに赤や青のドライベリーやドライプルーンといったこれまた濃さのあるフルーツ感が加わります。その他、少々のナッツっぽさやウッディーさも。味わいは果実味中心。膨らみや温かみを感じる果実味がアタックにしっかり存在感を見せます。ただ、勿論酸もちゃんとあり、赤果実系のトーンの高いものがピッと入り、拡がる果実味の中でキュッと存在感を見せます。また、渋みもしっかりで、舌触りにタンニンの印象がキッチリ。ボディは意外とミディアムな感じで、クリアーさと滑らかさがあります。この辺は確かにクールかも。資料には、マッシュルームバーガー、マグロのグリル、羊の串焼きと合うと書かれています。エチケットのキャラクターも、串焼き的なものをもっていますね。確かに、バーベキュー系なんかにも良さそうで、羊は勿論、牛肉でもいいでしょう。また、串と言えば焼き鳥や焼きトンを思い浮かべますが、そういったものとも、タレならいい相性見せてくれそうです。マッシュルームバーガーは食べたことが無いのでなんともいえませんが、キノコ系との相性は悪くなさそう。ステーキやハンバーグなどをキノコソースでというのもよさそうですし、茶色い煮込み系にキノコをたっぷり使うのもありかなと。今回飲んだ辛口赤の中では、いわゆる「カリフォルニアワイン」のイメージに最も近い銘柄だったのではないかなと。甘く華やかな香りと、果実味のインパクトを楽しめます。ただ、そこに明るい酸がキッチリ存在感を出してくる辺りは、この生産者らしさなのかなという感じです。にほんブログ村
2016年02月04日
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今回の岡山ワイン協会ワイン会でのオリジナルワインはカベルネ・ソーヴィニヨンです。カリカベらしい華やかなスタイルですが、意外と味は落ち着いています。ミドルシスター”ミスチーフ・メーカー”カベルネ・ソーヴィニヨン。ミスチーフ・メーカーとは問題児という意味。裏ラベルには、成程、皮のパンツで結婚式へ行くだとか、髪の色を靴下を変えるように変えるだとかいった事が書かれており、このワインはエチケットのキャラの様に破天荒なヤツという設定のようです。ただ、トラブルを愛し、人々に愛された、とも書かれており、そういった愛すべき問題児、といった感じであるようです。アルコール度数は13%と意外と大人しい目。色はガーネット。黒さはありますが、透明度もあり、底が見えない、といったタイプではありません。香りはチョコやココア、カラメル、それに若干のトリュフっぽさといった黒いニュアンスが感じられます。また、フルーツでもダークチェリーやプラムなどやはり色の濃い要素が。ただ、ベリー感もあり、赤ベリーやブルーベリーなどのドライミックスベリーのような感じです。その他、洋酒ないしマラスキーノチェリーやなめし革っぽい雰囲気も。味わいは確かに果実味中心です。ただ、その果実味は結構丸く柔らかなものでべたつきやゴツさはありませんし、赤ベリー系の明るい酸がキュッと入るのでトータルではジューシーといった感じ。また、時間とともにこの酸の印象は増し、よりバランス型の味わいになっていきます。ボディはミディアム。クリアーさ、滑らかさのある石清水系の口当たりで、少々のハリもあります。資料には、ステーキ、BLTサンド、チーズマカロニがお勧め料理として挙げられています。ステーキなら、このしなやかさのあるワインには赤身系がよさそうですね。牛なら、部位はフィレでしょうか。ソースにはブラウンソース、あるいはもう塩コショウだけくらいがよさそう。個人的には、鹿のローストなんかも面白いのではないかと思いました。サンドイッチやチーズマカロニもいいでしょうね。そこまで重いワインではないので、軽めのものにも合わせやすそうです。パスタ系は色々試してみたく、ブルーチーズのペンネやお肉のラグーなどもよさそう。あと、脂の強い・味の濃い魚にもいいかもしれません。マグロのカブト焼きとかブリのカマ焼きとか合わせてみたいかも。カリフォルニアと言えば強さ、濃さのあるカベルネ!というイメージでしたが、こちらはらしい果実味の強さはありつつも、全体としては割と抑えの利いた感じです。これ以外に、メルローと何故かアルゼンチンのマルベックが辛口赤としてあるのですが、メルローと比べても大人しい印象でした。にほんブログ村
2016年02月02日
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まだまだ続く先日の岡山ワイン協会ワイン会のワイン、今回からは赤です。ミドルシスター”グッディー・ツー・シューズ”ピノ・ノワール。グッディー・ツー・シューズとは、いい子ぶる子、ぶりっ子といった意味だそう。資料の性格についてのところには「私って完璧だから嫌わないで」と書かれていますが、裏ラベルにはちょっと隙もある、それはあなたの秘密にしておいて、といったようなことも書かれています。セパージュは、名前の通りピノ・ノワール100%のようです。色は赤黒いですが、透明度はありますし赤さが優勢で、まあ暗めのルビーと言っていいかなと。香りはカリフォルニアのピノらしい、樽の影響を受けた甘いニュアンスの強いもので、ミルクチョコ、カラメル、黒糖といったものがよく出ています。そこに、ブルーやブラックのベリー、赤ベリーのドライフルーツやジャム、チェリー、チェリージャム、それにヤマモモのコンポートや干し柿などフルーツの要素もたっぷりです。また、余韻には干しブドウが感じられます。味わいは、香りの印象とは違い意外とバランス型。果実味しっかりのアタックではありますが、強さがあり、量も多い酸があるため、それが果実味の奥からグッと出て来ます。加えて、後口にかけては渋みがキュッと印象を締める感じです。ボディはミディアム。口当たりにはクリアーさと滑らかさがあるものの、舌触りにはタンニンの存在感も。資料には、サーモングリル、バーベキューチキン、ピザが相性のいい料理として挙げられています。サーモングリルは、カリフォルニアは勿論オレゴンのピノにもお勧めメニューとしてよく出て来ますが、このワインには、特に皮目はしっかり焼いて、バター多めの方がよさそうかなと。サーモン自体にも脂が乗っている方がベターでしょう。魚系ですと、個人的にはバーベキューチキンとも少し重なりますが、甘辛い味わいとの相性はよさそうですので、ウナギのかば焼きなんて面白そうかなと。あるいは、この時期ですとテリテリのブリ大根やブリの照り焼きもいいかもしれませんね。バーベキューチキンには、そんなわけでバッチリ合いそうです。味わいがバランス型なのでどうなるかですが、スペアリブのバーベキューソース辺りもいいかも。香りの華やかさはああカリピノだという感じですが、飲んでみての、香りからすると意外と落ち着いている感じが、キ「完璧さの中のちょっとした秘密の隙」というキャラクターになったのかもしれませんね。色々な食事に合わせてみたくなる1本でした。にほんブログ村
2016年01月31日
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先日の岡山ワイン協会ワイン会で頂きました独自輸入ワイン、続いてはシャルドネです。ミドルシスター”スマーティ・パンツ”シャルドネ。スマーティ・パンツとは「うぬぼれ屋」という意味があるそうで、このワインのキャラクターとして、うぬぼれ屋でトラブルを愛する、といった感じの設定がなされているようです。度数は13.5%と、ピノ・グリージョの13.0%やソーヴィニヨン・ブランの13.1%よりは少し高めになっています。色はツヤ感のある黄色。樽のかかったカリフォルニアのシャルドネだなあという印象です。香りはホワイトチョコっぽさやハチミツのニュアンス、それに若干のスモークといったものが感じられ、樽の存在感を感じます。ただ、そこまでごついという感じではなく、落ち着きのある出方ではあります。そこにアップルパイ、メロン、洋ナシ、それにパイナップルなどの黄色いフルーツや、レモン、オレンジ、ミカンなどの柑橘、それにオレンジピールといった柑橘の皮っぽさといったフルーティな各種要素が加わってきます。味わいは勿論果実味主体のジューシーなものです。まろやかな果実味が拡がり、そこにしっとり系で柔らかな酸が加わります。また、ボディはミディアム位の量感はあるものの、口当たりも柔らかで、強さは無くしなやかな感じ。広がりや膨らみを感じる、華やかな印象を受けるものでした。資料でのお勧め料理は、クラブケーキ、チキングリル、シーザーサラダとの事でした。クラブケーキは食べたことがありませんが、成程、蟹のハンバーグとでもいうような感じのようですね。レモンを絞っていただくそうですが、確かによく合いそうです。チキングリルとシーザーサラダはまあ間違いないでしょうね。チキンの旨みにワインの味わいの強さがよさそうですし、シーザーサラダのドレッシングやクルトンの香ばしさにも馴染んでくれそうです。色々合わせられそうですが、やはり、個人的にはカリフォルニアのシャルドネにはフライドチキンを合わせてみたいですね。味わいの部分は勿論、皮の香ばしさやスパイシーさとワインの樽+フルーツな感じがよく合うのではないかなと。カリフォルニアのシャルドネも、最近は世界的なエレガントブームの影響もあってか樽を抑えた、ある種冷涼さすら感じさせるようなタイトな作りのものが増えている印象がありましたが、こちらはある程度樽の存在感のある作りでした。ただ、そこはやはり、樽ばっかりのコッテリ、という感じではなく、あくまでも華やかに、そして酒質にはしなやかさも感じるという、現代的なカリフォルニアの樽シャルドネといった趣だったかなと思います。にほんブログ村
2016年01月29日
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岡山ワイン協会独自輸入ワイン、続いてはソーヴィニヨン・ブランです。ミドルシスター”サーファー・チック”ソーヴィニヨン・ブラン。生産者は勿論ミドルシスターワインズです。このサーファー・チックのイメージキャラクターは、ビジネススーツではなくウェットスーツに身を包み、サーフィンを愛しイルカかと共に泳ぎ、シーフード、サンセット、SPF、ソーヴィニヨン・ブランを愛する女性、といった感じのようです。色は青みのある黄色系で、黄色さはあまり濃くなく、この手のワインによくある感じです。香りはカリフォルニアのソーヴィニヨン・ブランらしいフルーティさの強いもの。レモン、グレープフルーツ、ミカン、それにスイーティといった柑橘類や、パッションフルーツ、パイナップル、白桃といった濃いフルーツなどよく出ています。そこに、黄色い花や蜜っぽさ、それに若干の石灰的ミネラルのニュアンスなども加わったでしょうか。味わいはやっぱりフレッシュ&フルーティです。軸は果実味。しかし、果実味自体のトーンは軽めですし、酸はしっとり系ながら量が多く、アタックにはあまり出てこないもののすぐに存在感を増し、ピノ・グリージョと比べますとよりフレッシュな感じ。後口にかけての苦味も、印象を落ち着けますね。ボディはミディアムライト。丸さやエキス分を感じ、その辺はやはりカリフォルニアらしいなと。資料でのお勧め料理は、シーフード全般、タイカレー、ヤギのチーズ、ピザだそう。確かにシーフードには間違いなさそうです。酸の量が多いので、白身の魚でもいいでしょうハーブグリルから刺身まで幅広く行けそうです。また、果実味も勿論しっかり存在感ありますので、甲殻類やイカなど、味・甘みの濃いものにも良さそうです。個人的には、サバ寿司など青魚を合わせるとどうなるか興味深いところ。タイカレーも、成程グリーンカレーにこのワインの柑橘感や青い雰囲気、果実味を合わせるという事なのでしょうね。ヤギチーズ、ピザにも気軽に楽しめそうです。個人的には、さっぱり目の白い肉や、春野菜、天ぷらは勿論、お浸しなども面白いかなと。フルーツ感しっかりありつつ、酸とある程度のミネラル感もあり、個人的にはバランスのいい作りだなと。正直、今回のワインどれも良かったですが、一番印象に残ったワインでした。にほんブログ村
2016年01月27日
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さて、今回から先日の岡山ワイン協会ワイン会でお披露目されました、ワイン協会独自輸入のカリフォルニアワインの記事になります。先ずはピノ・グリージョから。ドラマ・クイーン・ピノ・グリージョ。生産者はミドルシスターワインズ。カリフォルニアのメンドシーノ郡ホプランドにあるワイナリーです。気軽に楽しんでほしいという事から、ラベルにはワインのイメージに合わせたキャラクター設定がなされ、ヴィンテージの表記などはありません。現地アメリカではそのポップでキュートなキャラクター性から既に高い人気を博しており、累計3000万本以上の売り上げなのだとか。因みに、ワイナリーのホームページはこちら。セパージュは、ピノ・グリージョ100%。価格はまだ未定のようです。色は青みがかった黄色系ですが、その種の白の中では黄色の印象が強い方かなと。香りはリンゴ、洋ナシといったものに加え、グレープフルーツや若いイチゴなどフルーティさしっかり。また、黄桃っぽさや軽いザクロなど、色の濃いフルーツも見え隠れします。また、蜜っぽさやグリーンハーブ、それに白コショウなどのスパイスや白い花、石灰っぽさといったものも。味わいはカリフォルニアらしい果実味しっかりなもの。果実味自体のトーンはやや低めです。酸は、明るさはあるもののインパクトは大人しく、じわじわと果実味の間から染み出すような感覚。また、アタックの段階ですでに苦味の印象があり、後口にかけてもほんのり残る感じです。ボディはライトですが、丸さがある口当たりで、エキス分も感じ、ミディアムには至らないもののある程度の量感は感じました。会で頂いた資料には、お勧め料理としてローストチキン、イカフライ、インド料理が挙げられていますが、成程、ローストチキンなどは間違いなさそう。ハーブやカラフルなペッパーを使いたいところですね。インド料理というのも面白そう。ただ、北のバターなどを用いた脂の強いものより、南のさっぱりスパイシーなものの方が面白いかもしれません。個人的には、甘みしっかりの根菜の煮物とか合わせてみたい感じです。フレッシュでフルーティですがややトーンの低さもあり、フレッシュさよりもフルーティさの方が強い感じです。裏ラベルの紹介文中にはブリリアント!と書いてありましたが、言われてみればそういう印象かも。ゴシップ記事をにぎわす、大きなサングラスの似合うドラマクイーンというキャラクター設定、中々面白いのではないでしょうか。にほんブログ村
2016年01月25日
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今回はカリフォルニアのピノ・ノワールです。らしさはありつつも価格は比較的手ごろな1本。ピノ・ノワール・サンタ・バーバラ2013。生産者シーグラスはサター・ホームを筆頭とするトリンケロ・ファミリー・エステートの一員です。海岸で見られる、波に洗われて角が丸くなったガラス辺、シーグラス。美しいシーグラスを見つけた時の喜びの様に、このワインを見つけてほしいという事でのネーミングだそう。モンテレーやサンタ・バーバラでブドウを栽培し、ワイン作りを行っています。価格は、写真のお店で1933円。色はルビーというには暗さがあり濃いガーネット位でしょうか。ただ、透明度はあります。香りはラズベリーやチェリーといった赤いフルーツ、ブルーベリーやプラムといったより色の濃いフルーツ、さらにはベリーのジャムといったフルーティさいっぱいのもの。また、香ばしさもあり、それがフルーティさと相まってキルシュタルト的な雰囲気も。その他、トーストやカラメルといったものも感じられたでしょうか。味わいは、やはり香りに似合ったフルーティなもの。果実味がしっかり存在感を見せます。酸はトーン低目で果実味のサポート役といった所で、穏やかな渋味と共に全体のバランスを整えているといったところでしょうか。ただ、意外とミネラリーさはあるかも。ボディはミディアムで、口当たり滑らかも丸さ、膨らみのある感じ。ある程度のボリュームもあるので、赤身の肉でも行けました和牛のローストビーフをつまみますと、肉の塩気や旨みにワインのしっかりした果実味や渋みがよく合いますし、脂分もある程度ありましたところ、そのまろやかさにワインの膨らみのある質感がこれまた馴染む感じ。ソースはグレービーでしたが勿論喧嘩などしません。あとは、焼き鳥もいいつまみでした。タレのモモとネギマを合せましたが、肉の味わいにはもちろん、甘辛いタレにも行けますね。特に、タレとは味わいは勿論フルーティな香りも結構はまっていました。カリフォルニアのピノ・ノワールらしいフルーティで華やかなワインでした。このくらいの価格帯で、そのらしさをある程度ちゃんと感じられるというのは中々ありそうでないなと。あと、意外にミネラリーさもあるので、今の時期脂の乗ったブリなど魚介系にも合わせてみたかったところです。にほんブログ村
2016年01月19日
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メリー・クリスマス!という事で、今回はターキーやチキンによく合うオレゴンのピノ・ノワールです。ピノ・ノワール・ヤムヒル・キュヴェ2011。生産者はドメーヌ・セリーヌ。アメリカにおいて、著名なソムリエによって行われたブラインドテイスティングで、DRCに勝ったということで有名になったワイナリーですね。1989年にオレゴン州のダンディ・ヒルズで開業しました。北海道と同じ程度の緯度かつ地中海性気候という恵まれた条件を活かし、自社畑でピノ・ノワールとシャルドネを栽培しています。シャルドネは、カリフォルニアクローンが多かった黎明期のオレゴンにあって、より当地に適したディジョンクローンを植えています。価格は、写真のお店で5400円。色はガーネット系。赤みもありますが黒さも感じます。ただ、透明度はしっかり。香りはラズベリーやブルーベリー、そしてそれらのドライフルーツといったベリー感やダークチェリーといったものが感じられ、さらに柿や少々の梅っぽさなどのフルーツの要素もありました。また、キノコやクリーム、それにトーストや黒蜜、ウッディさ、微かな醤油、加えて桜の花のようなものも感じられ中々に複雑。しかし、不快な要素はなく、それらがよく調和しています。味わいは全体的に繊細でトーンの低さがありますが、果実味が軸ではあります。その果実味を、しっとりと旨みを伴う酸が追ってくるといった感じ。渋みは後口にかけてアクセント的に穏やかに入ります。ボディはミディアムで、クリアーさとハリを感じる良い質感。また、タンニンの触感も少々。食事との相性では、やはりこれは鶏でしょう。ローストチキンのハーブ風味を合わせますと、脂のコクやハーブの香りにも馴染みますが、鶏の肉の持つ滋味、旨みと結びつきそれを磨き上げてくれます。また、これまたクリスマスっぽいですがローストビーフとも中々。ただ、脂の強いものよりは赤身の方がいいでしょうね。今回は、和牛のものですが赤身の部分でしたので、肉の旨みにワインのクリアーな味わいとフルーティさがよく馴染んでくれました。今回はこの2種だけでしたが、キノコ系のソースのパスタや肉料理なんかもよさそう。まだあるなら、トリュフにもいいのではないかなと^^オレゴンらしい、トーンの低さ、やや内向的な雰囲気はありつつも、香りの華やかさ、味わいのバランスの良さを感じられるワインでした。流石はオレゴンを代表する作り手のワインです。にほんブログ村
2015年12月24日
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今回はアメリカ、オレゴン州のピノ・ノワールです。プラネット・オレゴン・ピノ・ノワール2012。生産者はソーター・ヴィンヤーズです。アロウホやスポッツウッドなど、カリフォルニアで様々なカルト・ワイナリーを手がけた醸造家トニー・ソーター氏のワイナリーです。カリフォルニアで長年コンサルなどを行い高い評価を得た後、オレゴンへ渡りました。カリフォルニアではカベルネ・ソーヴィニヨンで名声を得ましたが、新天地ではピノ・ノワールなどをウィラメットヴァレーのダンディを拠点に手がけています。価格は、写真のお店で2700円ですが既に完売。色は暗めのルビー。透明感はありますが、黒さや紫感があります。香りは、最初は閉じ気味ですがそれでもイチジクやザクロ、ラズベリー、イチゴといったフルーツ感はあり、そこにカラメルや茶色いスパイスっぽさが加わる感じ。それが、時間と共に段々とオレンジっぽさや黄桃、柿っぽさといったような雰囲気が出てきて、さらに、下草や乾燥ローズマリーなどのハーブっぽさも感じられるようになりました。味わいは流石冷涼なオレゴンというべき酸しっかりなもの。乳酸系のしっとりしたものですが口全体に広がる印象。そこに、果実味がぴったりと寄り添い、全体としては割とジューシーな印象。旨みもあります。渋みは大人しく、後口にかけてタンニンの質感と共に軽く主張する感じ。ボディはライト。クリアーな質感です。食事との相性では、やはり鶏です。照り焼きチキンを合わせますと、ソースの甘辛さにも負けず鶏の旨みを磨き上げてくれます。また、鶏ももを根菜と共に煮てみますと、やはり鶏の旨みとよく結びつきます他、鳥の旨みを吸ったニンジンやゴボウとも馴染んでくれます。特に、ゴボウの土っぽさは行けますね。ということで、鶏の炊き込みご飯なんてどうかなと思いましたがこれもヒット。鶏の香りと旨みが全体にいきわたっているおかげで、相性はお米でも油揚げでも何でもOK。また、醤油や昆布だしとの相性自体も悪くないようです。あと、フライドチキンですと流石に油に負けるかなと思いましたが、こちらも問題なし。ミネラリーなボディの質感のおかげで油を上手く乗り越えてくれ、その奥にある鶏の旨みをやはり引き出し盛り立てててくれます。果実味の存在感もある、しかし、酸の印象が強くバランスもいい、オレゴンらしいピノ・ノワールでした。このくらいの価格帯でこういったオレゴンピノに出会えたというのはうれしいところです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年10月03日
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今回はアメリカの白です。日本人の杉本さんがオーナーのワイナリーのワインです。クロスド・ウィング・ケオケオ2012。生産者シャトー・イガイ・タカハは仕事でアメリカへ行き、カリフォルニアワインを飲んでその魅力にはまった杉本夫妻が、いつか嫁いでいく娘さんのためのワインを作りたいと、2005年に立ち上げたワイナリーです。カリフォルニアのいくつかのワイナリーのワインメーカーに醸造を依頼しており、このクロスド・ウィングシリーズには、ブリュワー・クリフトンのグレッグ・ブリュワー氏とスティーヴ・クリフトン氏が携わっています。ケオケオとはハワイ語で白という意味で、このワインの誕生にはハワイのウクレレ奏者ジェイク・シマブクロ氏が関わっています。セパージュは、アルネイス50%、トカイフリウラーノ30%、マルヴァジア・ビアンカ20%というハワイアンならぬイタリアンなスタイルです。価格は、写真のお店で2592円。色は薄い黄色。薄い麦わら系です。香りはライムやグレープフルーツ、レモンといった柑橘や洋ナシっぽさ、それに生姜やオリエンタルハーブ、軽いオリーブオイルといった複雑味のあるニュアンス、それに、黄色い花、石灰系ミネラルといった用の要素も感じられたでしょうか。味わいは、酸しっかり。シャープさのあるものが味わいのメインです。果実味もありますが、酸に比べればダイブ大人しく、カリフォルニアワインと聞いてイメージするバランスとは大分違うものとなっています。ミネラル感も感じますが、口当たり自体はやわらかさの印象の方が強いです。透明感もある、ミディアムライトなボディです。食事との相性では、先ず焼き豚と豚肉のパテをつまんでみましたが中々。焼き豚は、シンプルな味付けで脂身は少な目のものでしたが、肉のモチモチした食感と甘みと塩気に対し、ワインの酸や旨み、そしてややスパイシーともいえる香りがよく馴染んでいました。一方、パテとも悪くないです。香りの相性もまずます。ただ、焼き豚程馴染む感じではなかったですかね。その他、魚系はどうかと例の如くお寿司をつまんでみたところ、サーモン等脂の乗ったものも行けますし、意外と青魚系にもいいようで、サンマやアジとも、生臭みが出ることもなく、脂感にしっかりした酸がいい相性でした。また、シャリの甘みとワインの味わいの相性自体も良かったかなと感じます。価格帯としては、イガイ・タカハの中では最もリーズナブルなレンジになりますが、それでも香りや味わいのバランス、密度などいい仕上がりだったと思います。酸の印象強いですが、次の一口が欲しくなるワインだったなあと。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年09月19日
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最近は随分涼しくなりましたね。例年、九月の末ぐらいまでは暑かったような気がするのですが…。さて、涼しくなってきたという事で今回は赤です。カリピノになります。ド・ヴィリエ2011。生産者はカレラ。言わずと知れたカリフォルニアにおけるピノ・ノワールの大家ですね。ロマネ・コンティにほれ込み、近い環境の畑を人工衛星で探した、クローンをロマネ・コンティからこっそり持ち帰った等々様々なエピソードと共に語られています。このド・ヴィリエは、1997年に植樹、2007年初リリースという新しい畑になります。価格は、写真のお店が5090円で最安値の模様。ただし、写真のお店のものは2010年のようです。色は濃さはあるものの赤さもあり、濃いルビーといった所。ただ、透明度はかなり低め。香りは、甘いニュアンス、特にフルーティさいっぱいです。ラズベリーやクランベリーといった赤ベリー、それらのドライフルーツ、アメリカンチェリーやチェリージャム、それに黄桃ないしその缶詰のようなニュアンスも感じたでしょうか。その他、軽いチョコっぽさや下草ないしスパイスっぽさも。味わいは、香りに似合った果実味のしっかりしたもの。間違いなくメインの要素となっており、そこに結構シュッとした渋みが加わってきます。酸はやはりカリピノらしく大人しいですが、それでも後口にかけてじわじわと存在感を増してきます。ボディはミディアム。まろやかな口当たりです。つまみに照り焼きチキンステーキを合わせましたが、鶏肉の旨みに合うのは勿論、脂にもしっかりしたタンニンのおかげで相性いいですし、照り焼きソースの甘辛さにワインの果実味がいい感じでした。ハーブソテーなどより、こういったちょっと味の濃いソースと一緒の方が合わせやすそうな感じですね。後は、またまた鳥ですが鴨のパストラミをつまんだところ、パストラミの強い塩気に、ワインの果実味がいい対比になりつつ、旨み面の相性も見られました。カリフォルニアのピノ・ノワールらしい作りですが、そこは流石カレラというべきか、べったりした感じではなく、柔らかく、かわいらしい感じに仕上がっています。涼しい秋の夜長にじっくり楽しんで良さそうな1本でした。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年09月09日
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先日行いましたコスパワイン会のワインもこれで最後。〆はアメリカ、ワシントン州のカベルネ・ソーヴィニヨンです。シャトー・スミス・カベルネ・ソーヴィニヨン2007。生産者のチャールズ・スミス・ワインズは、その名の通りチャールズ・スミス氏がオーナー兼ワインメーカーを務めるブランドです。チャールズ氏はカリフォルニア北部のワイナリーで生まれ、その後ヨーロッパで11年間ロックバンドをしていました。そして、自身のワイン作りを始めるにあたり、アメリカでも、カリフォルニアではなくワシントンを選びました。現在は、トップレンジブランドのKヴィントナーズシリーズをはじめ幾つかのブランドを手掛けていますが、シャトー・スミスシリーズは、早飲み用という事でリリースされています。セパージュは、カベルネ・ソーヴィニヨン主体。ワシントンも、やはり一定以上の比率で品種名を名乗れますので、このワインにもカベルネ・フランやプティ・ヴェルドが使われています。なお、各品種の比率は毎年変わるようです。バックヴィンテージですので、当然楽天内には無し。写真のものは2011ヴィンテージで、2462円です。色は濃いガーネットといった所。赤黒さは大人しくなり、エッジには赤が見えます。香りは、開けて直ぐはブラックベリーやプラム、カシス、ダークチェリー、赤ベリーのジャムといったフルーツ感、それにココアやシナモン、土、それに少々のバルサミコっぽさといったものが感じられました。それが、時間経過と共により赤い雰囲気を見せ始め、ラズベリーなどの雰囲気が強まります。また、その他の要素にも変化が見え、紅茶やなめし革、腐葉土、バラの花、それに若干のホイップクリームっぽさが感じられるようになったでしょうか。味わいは、やはりアメリカらしく果実がメインではあるバランスなのですが、その果実味は突出せず上品で、不要な濃さが削げ落ちた、といった印象。そこに、明るい酸と、こちらも抑制的な印象の渋み、それに旨みが加わり、非常に落ち着いた、ある種旧世界的なバランスの良さを感じさせてくれます。ボディはミディアムフルといったところで、エキス分は感じました。会では、牛久のカベルネがサンマに合うなら、こちらはどうかと合わせてみたところ、これもまたよく合いました。サンマの脂に対し、ワインの程々の渋味や味わいが馴染みますし、香りの面でも、スモークのニュアンスにワインのスパイス感やフルーツ感が行けます。ただ、ジェノベーゼソースを少しつけて合わせると、その相性はより華やかさを見せよくなったように思いました。また、肉系は当然ながらいいつまみで、サラミやパテの旨み、塩気、コクといったものは、ワインの味わいといい対比を見せその味をより際立たせてくれますし、香りの面ではむしろパテ辺りとはよく引き合い、肉の旨さをより感じさせてくれました。これは見事なワインでした。会でも、皆さんつまみなしで、単独での鑑賞にも耐えうるとのご感想でしたが、その通りだと思います。ワシントンは冷涼なエリアで酸もきっちり入りますが、やはり若いヴィンテージは果実味のインパクトが強め。しかし、5~10年位経てば、このワインのような2500円以下くらいのものでも、このようにいい熟成をした姿を見せてくれますね。熟成といいますと、何十年も置いて、という事をイメージしがちですが、新世界のもの、中でも果実味の印象の強い手頃なレンジのもの等も、このくらいの期間置いてやると、その強い果実味がこなれてエレガントさを見せてくれるようになります。このワインもスクリューキャップで、上記の通り早飲みを意図して造られてはいますが、やはりちょっと置いた方が、冷涼産地ワシントンの真髄に触れられるようになるかなと。ラベルは毎年同じのようです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2015年08月10日
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今回はアメリカワイン。オレゴン州のピノ・ノワールです。ブレラ・ピノ・ノワール2009。生産者ノースウエストワインカンパニーは、2003年に設立されました。顧客の希望にあわせてブドウ栽培から 醸造まで行い、現在は15のAVAにある55の畑の ブドウを栽培管理し、自社ブランドを含めて25 のワイナリーのワインを生産しているそうで、ブレラは、そんなノースウエストワインカンパニーの新しいブランドになります。セパージュは、ピノ・ノワール100%。オレゴン全域から選抜されたブドウを用いているそうで、それらのブドウはオレゴンの認証団体が認めた有機農法によるものです。価額は、写真のお店で3060円。色はガーネット感が出てきているルビー。透明度もあります。香りは、ピノらしいベリー感のあるもので、ラズベリーやクランベリーといった赤ベリーやブルーベリーっぽさといったものが感じられます。また、ベリーじゃむっぽい濃さのあるニュアンスや、少々のプラムっぽさも。また、濃いニュアンスといえば、黒蜜やカラメル、軽いビターチョコなども。その他、赤い花や革、タバコ、茶色いスパイス、ミネラルといった要素もありました。味わいは、オレゴンらしいバランス型。明るく拡がりのある酸とフルーティで柔らかい果実味が拮抗しています。そこに、後口にかけて少々の渋味がアクセントととして効いてきます。タンニンの触感も微かにありますが、基本的にクリアーでなめらか、そしてパリッとした質感で、ボディはライトといっていいでしょう。食事との相性は、やはりバランス型オレゴンピノらしく、魚介にもいけます。サーモンやマグロですと、刺身やお寿司でもよく合います。魚の脂や滋味に、ワインの軽いタンニンや明るい酸と優しい果実味のバランスが嵌まる感じです。また、穴子などもOK。また、鶏肉や鴨肉にも当然いけます。ただ、フライドチキンですと、ちょっと油に圧され気味な印象。やはり、焼き鳥などシンプルな調理法が合うようです。焼き鳥では、砂肝にもいけました。香りに黒い要素があったり、果実味の雰囲気などは確かに新世界感がありはしますが、ブラインドで飲むと産地を当てるのはかなり難しいワインではないかなと思います^^にほんブログ村 「ワインモア」でこの記事を チェック!
2015年01月07日
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前回はカリフォルニアのシャルドネでしたが、今回もカリフォルニア。メルローになります。デコイ・メルロー2012。生産者ダックホーン・ヴィンヤーズは1976年、ナパ・ヴァレーの中心部、セント・ヘレナの北部に設立されました。当時、メルローはブレンド用品種という認識だったそうです。しかし、このワイナリーが、メルロー主体のワインを作り高評価を得たことで、その認識を変えることになりました。当時も今も勿論カリフォルニアではカベルネ・ソーヴィニヨンが主流ですが、現在、メルローはジンファンデルと僅差の第3位の品種となっています。そんなダックホーンの特徴は、畑での徹底した収量管理と醸造時のこれまた徹底した選果にあり、それがメルローの高評価にも結び付いたようです。セパージュは、メルロ90%、カベルネ・ソーヴィニヨン9%、カベルネ・フラン1%。カリフォルニアらしく、メルロー表記ですが単一ではありません。価格は、写真のお店で2970円。色は黒紫。エッジにも紫でまだまだ若さを感じます。香りは、バニラや黒ベリー、黒蜜といった華やかな要素がしっかりで、らしさを感じます。また、ブルーベリーやプラム、プルーンといったフルーツ感も。また、フルーツといえば赤や青のベリー、トロピカルフルーツなどのドライフルーツっぽさも。その他、甘栗的な甘さを伴う香ばしさや、バルサミコっぽさも。味わいは、やはりらしい果実味中心のもの。ばっちりメインの要素に君臨しています。そこに、舌触りの質感でも感じられるタンニン、アクセント程度ですが、明るく意外と存在感を見せる酸が加わるといった感じです。ボディは、密度のあるフルボディですが、一方でクリアーな質感と独特の軽やかさがありました。食事との相性も、勿論なんでもいけるといったワインではありませんが、ものさえ選べばよく合います。以前から、メルローとはブルーチーズがよく合う印象がありましたので、フルムダンベールと雑穀ご飯でリゾット風にしてみましたが、狙い通りのいい相性でした。ブルーの辛さにワインの果実味やタンニンが合いますし、クリーミーさにもいけます。また、雑穀の香りが思いのほかワインの香ばしさに嵌ってくれました。また、すき焼きも間違いありませんね。全体のコクと砂糖を使う事で出る甘みがワインの果実味や黒いニュアンスにマッチしますし、肉の旨みや脂が加われば旨みも膨らみます。あと、意外だったのが根菜のきんぴら。これも、甘みのある料理だからというのもあるでしょうが、ゴボウやレンコンなどの食感とワインの質感の対比は面白いですし、根菜自体の香りや滋味が、ワインの中の共通するニュアンスを引き出したように感じました。3000円程度のカリフォルニアのメルローに期待するすべてが詰まっていたように思います。よくできたワインですし、カリフォルニアのメルロー、というか赤ワインとは何ぞや、という時に先ず飲んでみるワインとしてもいいのではないでしょうか。メルローは日本でも適した品種として認識されています。奥出雲ワイナリーでも、自社栽培のメルローの赤が作られていますね。今回の奥出雲ワイナリーワインメーカーズディナーでは、残念ながらメルローはご用意いたしておりませんが^^;山葡萄系の赤が2種類ございます。特に、小公子は日本でも中々にコクのあるワインとなりますので、こういった他国のワインとの比較も面白いのではないかなと。まだまだお席ございますので、ご都合よろしければ是非ご参加ください!詳細は上記リンクをご覧ください。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年11月12日
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今回はカリフォルニアのシャルドネです。日本人オーナーの方が手掛けるワイナリーのものになります。シャルドネ「美夜」2012。生産者はシャトー・イガイタカハです。カリフォルニアで働いていたオーナーの杉本夫妻が、現地のワインにほれ込み、やがて、いつか嫁いでいく娘さんの結婚式を娘さんのためのワインで祝いたい、と言う思いから始められたワイナリーです。杉本家の家紋である「違い鷹羽」をローマ字表記にすると「chigaitakaha」になるので、chのところをシャトーと読んでシャトー・イガイタカハという名前になりました。ワインメーカーは、グレッグ・ブリュワー氏等数名いらっしゃるそうです。本ワインは、グレッグ氏がダイアトムでやっていたシリーズで、本ヴィンテージからイガイタカハからの発売となりました。セパージュは、サンタ・リタ・ヒルズのシャルドネ100%です。価格は、写真のお店では6610円で送料無料です。因みに、7月に京都で開催されたワインメーカーズランチで、杉本夫妻にお会いしましたが楽しい方々でした。その節はありがとうございました!色はツヤのある黄色ですが、そこまでごつい色合いでもありません。香りは、2~3年使用のニュートラルオーク使用という事で樽のニュアンスはあまり強くなく、少々クリームっぽさや土っぽさがあるかなというくらい。フルーツの要素はよく出ており、メロンや白桃、洋ナシ、それにパイナップルといったものを感じました。その他、白い花やマジパン、軽いヨードっぽさやミネラル、ハーブといった要素も出ています。味わいはバランス型。そこはやはりカリフォルニア、果実味が軸ではありますが、それも決して突出した濃いものではなく優しいもので、そこに明るくもしっとり感のある酸、旨み、アルコールのアタックといったものが加わります。ボディはミディアムですが、ミネラル感しっかりで丸さの中にも張りがあり、パリッとした質感で、引き締まった印象も受けます。カリフォルニアのシャルドネ、ということで、ボイルエビやサーモン、マグロといったネタのお寿司にはやはりよく合います。ただ、その合い方も、派手な香りと果実味で食材を包むといった感じではなく、エビやマグロの滋味とワインの旨みや果実味、酸といった要素がしみじみと引き合うといった印象。サーモンについても、香りの華やかさは出ますが、やはり脂の奥の旨みをジワリと引き出してくれる感じでした。また、秋刀魚のスダチ煮を作ってつまんでみますと、これが大正解。ワインの香りの印象の中にスダチという柑橘の明るさが加わってより立体感が出ますし、秋刀魚のしっかりした旨みにワインの質感や味わいが嵌りました。そのた、ローストポークもつまみましたが、白い肉の旨みにも行けますね。ただ、あまり味の濃い料理になりますと、ワインの美点が感じられなくなるかもしれません。シャルドネって、実は個人的に難しい感覚がありまして、スッキリ酸キンキン系のものに関しては、それなら他にもいろんな品種があるよね、やっぱり樽も使ったコッテリ系かな、という感じなのですが、一方で、その手のシャルドネは最初は美味しくても2杯でいいかなと(熟成してるとまた感じ変わるのですが)。その点、このワインは、コッテリはしていないがキンキン系でもない、個人的にかなりツボなバランス感の1本でした。値段はしますが、また是非飲みたいワインです。さて、味的にはもう少し大人しくなりますが、バランス的に好みなのが日本のシャルドネです。11月30日、そんなシャルドネの名手ともいえる奥出雲ワイナリーのワインメーカーズディナーを開催いたします!今回は人気のシャルドネ樽発酵もご用意いたしますので、ご都合よろしければ是非是非ご参加頂き、日本のシャルドネをご堪能ください!にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年11月08日
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前回はオレゴンのシャルドネでしたが、今回もアメリカワインです。カリフォルニアの非常に変わったセパージュの白になります。ビッグハウス ホワイト2011。生産者ビッグ・ハウスはカリフォルニア州のモントレーにあるワイナリー。ビッグ・ハウスとは俗語で刑務所のことだそうで、実際にワイナリーは刑務所の目と鼻の先にあるのだとか。多様な品種を手がけていますが、醸造を担っているルーマニア出身の女性醸造家ジョーゼッタ・デーン氏の影響によるものだそうです。セパージュは、ヴィオニエ27%、マルヴァジーア20%、グリューナー・フェルトリナー13%、ゲヴェルツトラミネール9%、アルバリーニョ9%、 ソーヴィニヨン・ブラン8%、マスカット・カネリ7%、シャルドネ 4%、リースリング1%、ピノ・グリージョ1%、その他という、実に多彩なもの。価格は、写真のお店で998円。色は、青みがかった黄色。ツヤ感もあります。香りは、セパージュの中で多めの品種の影響か、レモングラス系のそれ等ハーブっぽさが出ています。また、結構ミネラリーさもあります。というと、タイトな印象かなと思いがちですが、そこはカリフォルニア、フルーティさもしっかりで、洋ナシやパッションフルーツ、パイナップル、かりん、リンゴっぽさといったものを感じます。その他、白コショウ系のスパイスや、イモ・クリといったニュアンスも。味わいは、ジューシーさのあるもの。果実味中心ですが、しっとり系の酸や、ミネラル感のある、ハリのあるミディアムフルなボディのおかげで重甘い感じにはなっておらず、フレッシュさがあります。後口には少々の苦味も。旨みもありますね。食事との相性も上々です。今回も、シーフードマリネのサラダ的なものを合わせてみましたが悪くないですね。一部、やや鮮度の落ちる食材とは生臭みが出なくもないですが(魚、貝類等問わず)、サーモンなどの脂との相性もいいですし、野菜の甘みと果実味の相性も良好です。ただ、よりよかったのが鶏肉。同じサラダ系で、ハーブチキンサラダとも合わせましたが、ハーブでマリネされたチキンの旨みや香り、塩気にワインの香りや果実味が嵌りますし、野菜との相性は前述のとおり。また、焼き鳥(塩)ともいい感じで、モモの旨みや香ばしさに合うのは勿論、ネギマとの相性が良好で、ネギの甘みや香りに、ワインの香りを中心とした要素が相性の良さを見せてくれました。1000円前後という非常に手ごろなワインですが、カリフォルニアらしい果実味のある味わいながらもフレッシュ感があり、楽しく飲めるワインです。香りの、フルーティな中にもどこかオーストリーや北イタリアを思わせるような雰囲気も、個人的に好みでした。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年09月15日
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朝晩などは結構冷え気味で、いよいよ秋めいてきましたね。青空の色も少し変わってきたでしょうか。今回は、そんな時期に美味しい旨み多めのオレゴンのシャルドネです。シャルドネ・リザーヴ・ウィラメットヴァレー2010。クーパー・マウンテンは1978年創業のワイナリー。死火山の斜面にあるということで、オレゴンによくある海底が隆起した堆積層であるウィラケンジー土壌に加えて、火山灰土壌のはたけもあります。ピノ・ノワール、ピノ・グリ、ピノ・ブラン、シャルドネというブルゴーニュ系品種を、ビオディナミを実戦して栽培、醸造でも、so2を控えるなど自然派な作り手です。セパージュはシャルドネ100%。カリフォルニアと違い、オレゴンでは品種名を書いてある場合はそれ100%であることが多いです。価格は、写真のお店で2041円。色は薄めですが、麦わら程度の黄色さはあります。香りは、新樽比率は低いものの樽っぽさが出ており、カラメルやバターといった要素を感じました。加えて、甘いニュアンスがよく感じられ、砂糖菓子っぽさやメロン、グレープフルーツ、夏みかん、パイナップルといったフルーツ、それに、白い花や花の蜜といったものが出ていました。味わいは、香りの印象とは違った辛口なもので、メインの要素としては旨みが来ているでしょうか。そこに、しっとり系の酸や軽い苦みが加わってきます。一方、果実味は、繊細で量自体も少な目。ミネラル感があり、しなやかでやや硬質さすら感じる質感のミディアムライトなボディと相まって、落ち着いた印象です。食事には合わせやすいタイプです。スモークサーモンとアボカド、トマトを堀内油屋のドレッシングで和えたものをつまんでみますと、サーモンの塩気にワインの旨みや仄かな果実味がいいですし、野菜+ドレッシングの甘みやコクに、ワインの香りや旨みがこれまた中々。ドレッシングの玉ねぎの甘みがワインと食材の間を上手く繋いでくれたように感じます。また、寿司との相性も結構いけ、中でも、エビの甘み、アナゴの脂感+ツメの甘み、マグロといったものとの相性は良かったです。やはり、カラメルなどのニュアンスがある分、白身系より味がはっきり強いの方がよさそうです。価格的には、オレゴンワインの中では手頃な方ですが、悪くありません。実は、ここのワインはピノ・ノワールを以前飲んだことがあるのですが、その際はあまり好感触ではなかったので、シャルドネもどうかなと思っていたのですが、実にまっとうなシャルドネでした。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年09月13日
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今回はワシントンのお手頃メルローです。スティムソン・エステート・セラーズ メルロー2011。生産者は先日インディアン・ウェールズ・カベルネを記事にしましたシャトー・サン・ミッシェル。スティムソン・エステート・セラーズは、同社のエントリーレンジのブランドになります。ワシントン州といいますと、アメリカ北部ということで日照量などどうなのかなと思いますが、同社の畑の多いコロンビアバレーでは、なんと年300日以上晴れ、降雨量は年100ミリ程度という見事な晴天ぶりです。加えて、昼夜の寒暖差は20度以上、フィロキセラも生きられない環境と、まさにワイン作りには最適な地域となっています。セパージュは、メルロー95%、カベルネ・ソーヴィニヨン5%。価格は、写真のお店で1490円。色は意外と透明度が高く、赤さの強いルビーといった感じ。黒さは感じません。香りも色合いに似合った赤い果実のそれが中心で、チェリーやストロベリー、クランベリー、それに少々のラズベリーや、それらのドライフルーツといったものが感じられました。また、バニラビーンズや生クリーム的なニュアンスも加わり、全体的に甘い要素が前に出ているのは確か。その他、土やキノコといった要素も。味わいは、果実味しっかりで、メインの要素となっています。そこに、穏やかな酸がじわっとしみこんでいるような印象のバランスです。渋みも大人しく、タンニンは優しいです。ボディも柔らかで、ふわっとした印象すら受けるミディアムライト。食事との相性では、ラムのばら肉をキノコと、茸塩、胡椒で炒めた物をつまんでみましたが、キノコ感同士の相性もいいですし、塩気+ラムの旨みにワインの果実味が中々でした。一方、デミソースのハンバーグと合わせますと、デミソースの濃さ、ハンバーグの肉の味にやや負け気味でした。ソースっぽい相性を期待したんですが、ちょっとイメージとは違う結果でした。で、意外とよかったのがカツオのたたき。野菜と一緒にサラダ的に頂きましたが、パプリカやオリーブと一緒にカツオを合わせますと、野菜の甘み、魚の旨みやコクに、ワインの旨みや果実味がなかなかになじんでくれました。果実味と酸のバランスは、ワシントンよりもう少し南な感じを受けなくもないですが、柔らかな印象も相まって親しみやすいワインでした。北米っぽく、脂ののったサーモンのバターソテーなど合わせてみてもいいかもしれませんね。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年08月08日
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毎日暑い日が続きますが、今回はアメリカ・コロンビア州のカベルネ・ソーヴィニヨンになります^^;インディアン・ウェールズ・カベルネ・ソーヴィニヨン2012。生産者はシャトー・サン・ミッシェル。その源流は1912年まで遡る、ワシントンでも屈指の古参です。ファーストリリースは1967年だそうで、以来、規模の大きさもありますがワシントンのリーダー的存在として認知されています。非常に大きな生産者ですが、農法は勿論、醸造や、瓶の回収などでも自然や環境に配慮しており、サスティナブル農法実践する作り手としての認可も得ています。また、イタリアのアンティノリ、ドイツのドクター・ローゼンなど、様々な外国の生産者とのコラボにも積極的です。セパージュは、「カベルネ・ソーヴィニヨン」というワイン名ですが、アメリカらしくカベルネ100%ではありません。ヴィンテージにより違いますが、その他シラー、マルベック、カベルネ・フランといったブドウが混ぜられます。価格は、写真のお店で2471円。色はしっかりガーネットです。黒さの中に少し赤さ、茶色さが感じられる印象。香りは、プラムやカシス、それに黒ベリーといったカベルネ系のフルーツ感がしっかり。また、アメリカンチェリーのようなニュアンスも。加えて、黒蜜っぽさやココア、コーヒーといった黒い要素もありますね。その他、仄かななめし革っぽさや黒い土、シナモンなど茶色いスパイスといったものも感じられたでしょうか。味わいは、渋みのインパクトがしっかりです。舌触りにも、タンニンの質感が感じられます。果実味も、ワシントンらしいごつ過ぎないものではありますが、結構メインの要素にはなっています。酸は乳酸系。果実味に溶け込んだ印象です。ボディはフルボディですが、なめらかさ、硬質感を感じさせる質感。食事との相性では、これはもう肉です。牛肉をゴボウなどと一緒に、砂糖や醤油を用いて炊いてみましたが、牛肉の旨みや脂にワインの渋味や質感が合いますし、それらの奥底にある旨みを、肉の旨みが引っ張り出してくれる感じもありました。また、ゴボウの香りに、ワインの黒い要素が中々マッチします。また、焼き豚もつまんでみましたが、豚の脂に対しワインの渋味や黒い要素が、脂っこさを抑えつつうまみを引き出す感じです。ソースは今回ありませんでしたが、バルサミコ+根菜等面白いかもしれません。果実味のインパクトはありますが、それがそこまで開けっ広げでもなく、渋みなどの要素も加わってくるところは、アメリカでも北の産地であるワシントンらしいなという印象です。ニューワールドのカベルネ系として、価格以上の存在感はあるのかなと思います。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年07月27日
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いよいよ気温が30度越えはじめ、夏という感じになってきましたね。そんな暑い時期に、あえてのカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンです^^;アローミ・カベルネ・ソーヴィニヨン2011。ヘス・コレクションは、スイス人のドナルド・ヘスが1986年に始めたワイナリーです。ナパ・ヴァレーの西部、冷涼からやや温暖な地域というマウント・ヴィーターにあります。ただ、本ワインのブドウが作られているのはナパの東側、ハウエル・マウンテンにあるアローミという自社畑になります。ハウエル・マウンテンは、日照量は多いものの西部よりもより冷涼で、落ち着いた味わいのワインを産みます。セパージュは、カベルネ・ソーヴィニヨンという名前ですが、カリフォルニアらしく100%ではありません。91%のカベルネ・ソーヴィニヨンに9%のプティ・シラーが加えられています。価格は、写真のお店で3672円。色はガーネット系ですがやはり黒さはあります。香りは黒ベリーたっぷり。そこに、シナモンやクローヴなど茶色いスパイスや、黒コショウといったニュアンスが感じられます。そこに、黒い土や木ないし軽いクリームの雰囲気、さらにキノコっぽさといったものも加わります。その他、完熟赤ベリーやそのジャム、ダークチェリー、少々のオレンジっぽさといったものも感じたでしょうか。味わいは、カリフォルニアらしくイチゴや赤ベリー系のフルーツのジャムを思わせる果実味がメイン。一方、酸は決して前に出るものではありませんが、果実味の中に明るい乳酸系のそれがピッと入っており、味わいに焦点を与えてくれます。タンニンはしっかり。渋み十分で、舌触りにも感じられます。ボディは柔らかさ軽やかさを感じ、ミディアムフルくらいな印象。単独でも飲めますが、食事と合わせた方が飲み飽きせずに楽しめそうです。合わせるならやはり肉。しっかり赤身のローストビーフに合わせますと、ソース的な相性で肉の旨み、ソースの塩味(ブラウンソースでした)と、ワインの果実味や膨らみがグラデーションを見せてくれました。ただ、より深い相性の良さを見せたのは、さしの入った和牛のたたき。肉の旨みはもちろん、脂の甘みやまろやかさに、ワインの果実味や質感がよくマッチし、旨みを引き出しあっていました。ソースはポン酢系でしたが、付ける量を控えめにしたところ塩味と酸を足すくらいの感じになって悪くありませんでした。他にも、キノコのソースやベリー系ソースなどのステーキなんかにも良さそうです。その場合も、赤みの噛みしめて美味い肉より、霜降りの柔らかな肉、或は、熟成してナッツなどのニュアンスを感じられるようになった肉などと合わせてみたいところです。流石にこの価格帯という事で、果実味しっかりのカリフォルニアらしさはありつつも、柔らかさやアクセント的酸のおかげでバランスは失しないワインでした。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年07月09日
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先日の中国料理とシラーの会で飲んだワイン、2本目のシラーはこちら。シラー2009。生産者はレコールNo. 41。アメリカ、ワシントン州の、オレゴンとの州境になるワラワラ・ヴァレーで、1983年に創業したワイナリーです。ワイン&スピリッツの2004年秋号世界の偉大なブドウ畑ベスト10に選ばれたという広大な畑にメルローなどのボルドー品種やシラー、それにシュナン・ブランやセミヨンといった品種を栽培しています。非常に風が強い土地だそうで、その影響か虫などがつきにくく農薬の使用を抑えることができるそうです。セパージュは、シラー95%、グルナッシュ5%。価格は、写真のお店では3240円。色は黒いです。透明度は低く、エッジにかけても見えるのは赤ではなく紫。香りはチョコやココア、それにブラックオリーブのニュアンスがよく出ています。また、軽いココナッツぽさも。フルーツ感はたっぷりで、黒ベリーやプラム、ザクロ、ダークチェリー、それに赤ベリーのジャムといった甘いニュアンスを感じました。その他、黒蜜っぽさや皮革系、黒い土、加えて茶色いスパイスや黒コショウといったスパイスももちろん。ただ、これも甘草っぽさはあまり感じませんでした。味わいはジューシー。アメリカらしい果実味中心のものです。果実味自体はトーンの低いものですが、他の要素よりインパクト面では前に出ています。酸はしっとり乳酸系の酸で、旨みや渋みと共に果実味を追いかけてきます。ボディはもちろんフルボディ。ただ、そこはやはり冷涼なワシントン、なめらかさや硬質な舌触り、それに膨張感よりも密度を感じる質感です。会では、アラン・グライヨ サン・ジョセフと同時に抜栓、アナゴの黒酢炒めのタイミングから飲み始めました。アナゴの黒酢炒めとの相性では、サン・ジョセフがトータルバランスでの相性を見せたのに対し、このワインは黒酢との相性がぶっちぎる感じでした。黒酢の甘みやコクとワインの果実味、黒い要素のある香りがバッチリはまります。それによって深まった味わいが、アナゴのソースとなる、といった感じでしょうか。アナゴ単体との相性は悪くありませんが、サン・ジョセフほどではありませんね。一方、鴨肉のクレープ包みとの相性は、トータル的にこちらが勝ったように感じました。何よりもまず、味付けの味噌ソースとの相性が抜群で、味噌の甘みやコクにこれまたワインの果実味などがバッチリ。香りの面でもいいです。さらに、鴨に対してもその旨みを引き出しますし、味噌ソースと合わさったコクや香りが鴨肉の旨みや香りと共に立体感を見せます。また、クレープの香りにも結構良かったです。麻婆豆腐とは、麻婆豆腐の肉の部分をより引き出す感じ。肉の旨み、脂とワインの各要素が嵌りましたね。麺に関しては、玉ねぎスライスが使われていたのですが、これがサン・ジョセフとイマイチだったところ、このワインは果実味や香りの要素が結構よく合い、肉みそとも合わせて中々いい相性でした。ワシントンはもう少し酸味が前に出るようなタイプのワインもあるのですが、このワインは果実味のインパクトしっかりでした。ただ、カリフォルニアと比べると、そこはやはりトーンの低さだったり酸味の追い上げの早さなど冷涼さを感じるところはあります。料理との相性は、これはもう分かり易く色の黒い甘辛いもの、あるいは赤い肉ですね。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年06月05日
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さて、今回から先日行いましたリースリング飲み比べ会のワインです。1本目はアメリカ・オレゴン州のワインになります。リースリング2010。生産者ブルックスは1998年設立。ワインづくりに携わっていたジミー・ブルックスは早くからオレゴンでビオディナミを実践した先駆者です。2004年に彼は急逝してしまいますが、周囲のワイナリーの仲間に支えられ、アシスタントだったクリス・ウィリアムスとジミーの息子によってそのワインづくりは引き継がれています。価格は、写真のお店で2730円。色は青みがかった薄い黄色です。典型的ですね。香りは、ライム、レモン、少々のグレープフルーツといった柑橘や、リンゴ、白桃、洋ナシ、軽いパッションフルーツといったフルーツ感もありますが、ミネラルや軽い土っぽさやハーブっぽさといった要素も出ています。甘いニュアンスはあまり強くはないですね。味わいは酸主体。しっとり系も太さのある明るい酸が前面に出ており、果実味は非常に繊細。ミネラル感もあって、結構ドライな印象です。ボディは柔らかなライト。思ったほど硬質感はありません。会では、サラダ、ムール貝、ポテト&ソーセージと合わせましたが、一番相性が良かったのはサラダでした。野菜のフレッシュさ、甘さとワインの仄かな果実味と酸がみずみずしい相性を見せてくれました。個人的には、この酸とドライさは貝との相性がいいのではと思ったのですが、ムール貝の味の濃さに押し負ける感じでした。今回は白ワイン蒸しで、火が入ることで味がより濃くなっている部分もあるでしょうから、生牡蠣などならまた違った感じになるかもしれません。ポテトやソーセージにも、やはり味の部分で印象を消される感じ。もう少し残糖を感じるくらいの果実味をイメージしていたのですが、酸主体の辛口で結構驚きました^^;今回飲んだ5種類の中では最も繊細な印象で、合わせる食事は和食系など味わいの優しいものがよさそうです。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年01月29日
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今回もアメリカの赤で。ただ、カリフォルニアではなくワシントン州になります。コロンビアヴァレー・カベルネ・ソーヴィニヨン2010。生産者シャトー・サン・ミッシェルは、その前身を1934年創業の会社に持つ、ワシントン最古参のワイナリーの一つです。トータルで1420haもの広大な畑を所有していますが、殺虫剤の使用は極力控え、使う場合も植物成分によるものを用いる、農場を持ち、その堆肥を肥料にするといったサスティナブル農法を実践しています。「カベルネ・ソーヴィニヨン」表記ですが、カベルネは85%。残りは、シラー6%、メルロー3%、プティヴェルド、マルベック、グルナッシュがあわせて6%というセパージュになります。価格は、写真のお店で1732円。色はガーネット。典型的なこの手の品種の色合いですが、透明感は意外とあります。香りも非常にわかりやすく、プラム、赤ベリー、青ベリーといったフルーツ感を中心に(ただ、赤感が結構しっかりでそこまで濃くない感じではありますが)、なめし革っぽさやクローヴ、シナモンといった茶色いスパイス、それに少々のバニラといったような典型的な要素がよく感じられます。味わいは、果実味が軸ですが、べったりしたものではなく柔らかさ、軽さのあるもの。さらに、乳酸系の酸や渋味もバランスよく出てくるため、全体的に落ち着いた印象になっているようです。ただ、果実味は後口にかけても存在感はありました。ボディはミディアムフル程度。丸さがあります。食事との相性では、きのこしおを使って味付けした牛フィレのステーキをあわせてみたところなかなか。赤身の旨み、キノコの旨み、それとあいまっている塩気にワインの果実味が対比的にあわせられますし、コショウやキノコの香りにワインの香りの中の何らかの要素が噛み合う感じもありました。また、デミグラスソースのハンバーグ(肉は合挽き)もつまんでみましたが、デミソースの甘みやコク、肉の柔らかな質感や脂が、ワインの果実味やボディの質感に嵌りました。こういった、「洋食」との相性はよさそうなので、もうちょっと試してみたかったところです。比較的手頃な価格で、ワシントンのカベルネ・ソーヴィニヨンを感じられる1本だったと思います。ボルドーより親しみやすく、カリフォルニアより冷涼、というバランス感は、結構面白いポジションだなと感じています。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年01月21日
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今回はアメリカ、カリフォルニアの赤です。カリフォルニアの独自品種であるジンファンデル種のワインになります。ジンファンデル・ルースヴィンヤード・オールドヴァインズリザーヴ2010。生産者アイアンストーンはカリフォルニア、シエラフットヒルズに1948年に設立されたジョン・カウツ・ファームを前身とします。オールドヴァインというだけあって、ルースヴィンヤードのジンファンデルは樹齢100年を越えるという古木。ワイヤーを使わず、幹から伸びる短梢を利用した独特の仕立て方法で栽培されているそうです。樽熟は10ヶ月ですがフレンチオークの古樽のみ。セパージュは、ジンファンデル100%。価格は、写真のお店で2814円。色は結構赤さを感じます。勿論、黒さ・濃さはありますがルビー的といっていいかも。香りは、ジンファンデルによく感じられるナッツやクリーム、それに土っぽさといったニュアンスも出ていますが、結構優しい出方です。フルーツっぽさもしっかりですが、プラムやアメリカンチェリー、それにラズベリーやクランベリーといった赤ベリーやそのドライフルーツといった優しいものが感じられ、フルーツ爆弾系でもありません。味わいは、そこは流石にやはり果実味中心。重心低めですが、そこまでべったりしているとかゴツいものではありません。また、旨みもよく出ています。後口にかけては、乳酸系ながらも明るさのある酸がスッと出てきて爽やかにまとめてくれます。ボディはミディアムフルといったところで、冷涼さを感じるクリアーさがありました。食事とは、ビーフシチューを合わせてみましたがいい相性でした。デミグラスソースのコクや牛肉の旨みに、ワインの旨みや果実味、ボディの量感がマッチする印象です。どちらかが引き立て役というよりは、個性同士の共演といった感じです。また、このワインでも煮豚をつまんでみましたが、豚の旨みや穏やかな脂に、これまたワインの旨みや果実味が合いました。ソース的な相性が基本ですが、果実味と旨み・塩気の相まった奥に旨みの引き合いがあったのはよかったです。ジンファンデルといいますと、度数高めで濃厚、というイメージがありましたが、このワインは随分と優しいスタイルでした。最近は穏やかな造りが世界的潮流な様ですし、こういったジンが評価されるのでしょうね。にほんブログ村「ワインモア」でこの記事をチェック!
2014年01月19日
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