昨日、実力テスト作成に基づいた国語のテストについて私の考えを書きました。
今日はその内容を踏まえて「全国学力・学習状況調査」、いわゆる全国学力テストについて個人的な意見を書きたいと思います。
文部科学省によれば、全国学力テストは大きく2つの目標を持っています。
1つは国の教育政策に生かすという側面です。
全国の児童生徒の学習状況を調査して教育政策に生かすための基礎資料とするというものです。こうした「政策のためのテスト」が必要だということは、多くの人が納得すると思います。
もう1つは、個々の学校の指導に役立てるという側面です。
そこには、せっかく数十億円もの予算をかけて学力テストをするのだから、その成果を調査に参加した一人一人の子どもに還元できる「指導のためのテスト」として役立ててほしいという思いがあるようです。
この2つの目標を同時に達成するために選択された調査法が、毎年度、すべての小学6年生と中学3年生を対象に、学力テストを実施するという方法です。
こうした一人一人の子どもの点数を学校(あるいは自治体)ごとに平均すれば、その学校(自治体)の課題がわかるに違いないという考え方があります。
確かに各自治体(学校)がわずかでも平均点を上げようと必死になって努力しているのも、自治体(学校)の平均点が、その自治体(学校)の学校・教員の質を示しているに違いないと思われているからです。
ところが、学校の教員の質によってテストの結果が変わることはあまりありません。もちろん、教員の質の違いはあると思いますが、多くの場合、地域の違いがあるだけだと思います。ときどき成績が良い学校やその学校の教員を褒めている人を見かけますが、それがもともと恵まれている地域にある学校を褒めているだけになっている傾向が強いように感じます。
実際、私は教員生活の中で4校を経験していますが、学力トップ校と底辺校を指導しました。わかったことは、授業ではなく、その学校の地域の状況や保護者の力が大きいということと、学力の高い生徒は勝手にどんどん賢くなるということです。そして、保護者の生徒に期待するレベルが、家庭環境に応じて変化することもよくわかります。
つまり、学力の差はそもそも自分たちの住んでいる地域の状況、家庭環境の差が、正答率の高低差を生み出しているのではないかという視点を持つ必要があるということです。
また、全国学力テストは、「指導のためのテスト」であるため、どの子どもも同一のテストを受けることを正当化しています。しかし、時間の制約から出題できる設問の数はどうしても限られます。そのため、さまざまな領域を持つ国語・算数(数学)のごく一部しか測定することができません。結局、日本の子どもの国語・算数(数学)の全体像はよくわからないという状況になっています。これは「政策のためのテスト」という視点から見て問題があると言わざるをえません。十億円の使い道として間違っていると思いませんか?
ちなみにこの問題を回避するために、PISAなどの大規模な学力調査では重複分冊法という手法が利用されています。これは、用意した数百問の問題を複数の冊子に分割し、個々の子どもには、それぞれ異なる一冊の冊子の設問を解かせるという方法です。一人一人の子どもは異なる冊子に回答していますので、単純にその成績を比べることはできません。その一方で、国全体で見れば、幅広い領域を調査でき、全体の学力実態を適切に把握できます。
今、多くのことを当たり前として受け止めている日常が私たちにはあります。しかし、それに対して「なぜ」と思って、真剣に考えることによって、多くの疑問が沸き起こります。私は教員のため学校教育に関して疑問を抱きます。皆さんの社会における不思議な当たり前について今一度見直してみてはいかがでしょうか。
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