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■大前研一:「アジアで最も豊かな国」から転落した日本



そうなってしまった原因はどこにあるのか?
今の日本が「第2の鎖国」状態にあること 、にあるのではないだろうか?

外資と聞けば、「ハゲタカ」として、すべて排除しようという日本と、積極的に外資を取り込み、利用している他諸国との違いが、この結果を招いた。

世界に逆行する日本の「鎖国経済」が、この状態を作り、結果としてそのツケが国民にまわってくる悪循環を招いているのだと思う。

これは日本国民自体にも責任があり、認識を改めるべきなのではないだろうか?

僕は、このコラムを書いた大前研一氏に大賛成だ。


そのコラムで、大前氏はこう言っている。

『それは日本が、すべての問題を自分で解決しようとすることに原因がある。解決策を世界に求めるシンガポール(と中国、そして多くの途上国)、国民に求める日本。国民が反対すれば、今度は子孫に求める。少子化で子孫に負担能力があるのかどうか検証もしないで30年(いや道路公団の借金などは50年)先送りしてしまうのである。

国民より先に海外の援助を受ける。これが今の世界の常識なのである。つまり税金ではなく、他人の力で解決するのだ。

『世界には今、余剰資金があふれている。 企業も金も魅力のある所に集まってくる というのがグローバル化した経済の本質なのである。

対して日本はどうなのか? まったく逆さまである。開放経済ではなく閉鎖経済である。世界から金、人、モノが来ない。だから足りない金を国民から借りる。それでも足りないから子ども、孫から借りてくる。



■大前研一:「アジアで最も豊かな国」から転落した日本

IMF(国際通貨基金)がまとめた調査によると、2007年のシンガポールの一人あたりのGDP(国内総生産)が日本を抜くことが明らかになった。シンガポールは3万5000ドルを超えたのに対して、日本は3万4300ドルにとどまっている。これまで半世紀にわたってアジアで1位をキープしていた我が日本だが、ついに2位に転落してしまったわけだ。

世界で見れば1994年には一人あたりGDPで日本は世界一であったが、一昨年に17位に、そしてついに昨年の実績で22位に転落してしまった。もちろん為替の影響もあるが、日本の国民所得、すなわち国民のつくる付加価値の総和がこのところほとんど増加していないのだから、この数字は実態を表しているモノと見なくてはいけない。

日本では、このことはほとんどニュースにもなっていないし、危機感がまるでない。政府の方も都合が悪いのであえて危機感をあおることはしたくないのだろう。しかしシンガポールに抜かれたということはやはり画期的なことなのだ。

日本人の中には、アジアでも小さな国、例えば天然ガスを産出するブルネイにはとっくの昔に抜かれていたよ、と言う人もいるし、まだまだ日本はGDP の総額では米国に次いで世界第2位の経済大国だと胸を張る人もいるだろう。しかし、今のペースでいけば日本がGDP総額で中国に抜かれるのは3年後(2010年の数値)である。人民元がどこまで強くなるかによっては2年後、ということもある。総額でもアジア・チャンピオンの座を明け渡すのである。危機感がなさ過ぎると思わないだろうか?



税率で見ても、法人税、所得税などすべてにわたって高い日本と低く抑えてきたシンガポールでは大きな違いがある。税率を抑えることで外国からお金と人が集まってくる。まさにシンガポールは「貸席経済」を地で行っている国なのである。世界のお金、世界の企業、世界の情報、世界の人を集めて繁栄してきた。わたしがしばしば使う言葉に「ボーダーレス経済」があるが、シンガポールはまさにその申し子のような国なのだ。


<国民と子孫に負担を求める日本>

 わたしが皆さんに理解してほしいと思うのは、「このシンガポールの繁栄の源は、シンガポール自身にはない」ということだ。地下資源や原油が出るわけではなし、農産物が自国で出来るわけでもない。すべて世界で最も良くて安いモノを輸入して、生活の質を上げてもコストを抑えている。名目の一人あたり GDPが日本並みということは、実質の生活実感は日本よりはるかに高いということである。繁栄はほとんどすべてを海外から呼び込んできたものである。要するに開放経済なのだ。世界中から金、人、モノに来てもらう「貸席経済」なのである。そのために邪魔になる規制を撤廃して、世界中の力を借りられるようにしている。だからこそシンガポールの今の繁栄があるのだ。

 世界には今、余剰資金があふれている。企業も金も魅力のある所に集まってくるというのがグローバル化した経済の本質なのである。

 対して日本はどうなのか? まったく逆さまである。開放経済ではなく閉鎖経済である。世界から金、人、モノが来ない。だから足りない金を国民から借りる。それでも足りないから子ども、孫から借りてくる。



 シンガポールではテマセックやGICという政府系金融機関が年金などの運用をしており、この30年近くにわたって年率10%近くで増えてきている。現役世代は安心して引退できるのである。このあたりもシンガポールの「集団IQ」の高さを示している。

 こうしたすべての点において、日本はシンガポールから学ぶべき点が多い。今の日本は自ら墓穴を掘っていると言うしか表現の仕様がない。






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Last updated  2008.07.22 19:14:09
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