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イス川
若きペテン師と謳われた国宝級のスーパーピュアボーイ。汚れを知らぬ
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最新日記 - きまぐれダイアリー
夏虫
07.07.22
「夏になるとさ、腹のあたりが疼くんだ。なにかが震えるんだ」と僕は言った。それからこめかみを右手の親指と中指で押さえて(偏頭痛持ちの僕の癖だった)、浜の砂を蹴とばした。その隣にはトカゲがいた。彼は常用の真っ赤なキャップのつばを頭の後ろにずらして反対向きにかぶりなおすと、シャツの半袖を肩まで引っ張りあげた。地球は青い。それを事実として証明できるだけの要素が今の僕らの視界にはあった。海と空と砂だけだ。波に沿って歩いている僕らの前方には、かすかに赤く光るビーチパラソルが点々と光っていた。
「それはお前にいったいどんな症状をもたらすんだい?」とトカゲは言った。僕は腹のあたりをシャツの上からギュっと握り、確認すると答えた。「そうだなあ、なんて言えばいいんだろう。強いて言えばそれはまるでアルバムみたいなものなんだよ。ある種のね」
「まるで映画の名シーンを集めたようにね、見覚えのある光景と音が頭の裏側をゆっくりと走って行くんだ。カサついた音を背景に、僕の無意識にめり込んでくるんだよ」
トカゲはほお、と言うと煙草を取り出した。僕は100円ライターで彼の煙草に火を点けた。「そりゃ、夏虫だな」彼は煙を吐くとニヤリとしながらそう言った。「夏虫っていったいなんだい?」ビーチサンダルの中に熱い砂が流れ込んでくる。僕はそれを受け入れた。サンダルで揺れる砂もまた、時の流れる早さを教えてくれる粒子状のアルバムのようだった。 「夏虫ってのはな」とトカゲは言った。「名の通り、夏になるとやってくんだよ。花火を見たり、波の音を聞いたりすると、そいつはお前の頭の中に現れる。ソースはないんだ。いきなりポッ、と現れる。足の親指ぐらいな大きさだ」僕は右足の親指を見た。砂が絡んで、それは時の歪みに巻き込まれていた。時間は感情や思考なんかよりもずっと速く足を進める。
「そして蝕むんだ。無意識の中に入り込んで、現在にいるお前の現在的な存在感を濁す。それからメロディーを流す。懐かしくてコーヒーの匂いのするメロディーを、だ。そのメロディーを発するとき、夏虫はほかの虫がそうするように体を震わす。それがまあ、お前の言ったいわゆる疼きだな。それはあまり愉快なものじゃない、そうだろう?」
「うん、それは愉快なものじゃない。生まれる前の音楽をボロボロのLPで聴くようなもんだよ」と僕は言った。僕は煙草を咥えて、火を点けようとして、やめた。
「オレも昔はあったよ」とトカゲは懐かしむように目を細めて、煙草の灰をぽんぽんと落とした。「あれは愉快なものじゃねえ、結構長い間にわたって苦しむことになるぜ。それでもオレからは、いつしかいなくなったな。今だって夏虫のもたらすあの虚しい空腹感はちっとも感じねえ。煙がうめえ。満腹だぜ」僕はトカゲの腹の中でぐるぐる回る煙を想像した。僕は我慢しきれず、咥えていた煙草に火を点けた。
「ねえ、どうしたら夏虫を追い出せると思う?」と僕は煙草を咥えたまま尋ねた。
「なんだって?」
「どうしたら夏虫を追い出せると思うかい?」と、僕は右手で煙草を口から離して、もう一度尋ねなおした。
「どうだろうねえ」トカゲはそう考えるふりをしているかのような表情を浮かべ、随分短くなった煙草を砂浜に落して、サンダルの裏でぐりぐりともみ消した。微かなヤニの匂いが潮風と一緒に前髪を流した。
「きっと気持ちを整理することが大事なんだな。過去を忘れることは絶対にできない」彼はあくびをした。それから大きくくしゃみをした。「それにしても暑いな」
「どういうことだい?もっと細かく知りたいな。しかしそれにしても暑いね」僕はあくびをした。あくびは移るんだね。実に愉快だよ。汗が気持ち悪い。トカゲは僕のあくびを見て、声を立てずに楽しそうに笑った。
「どういうことかというとね、きっとお前の中ではなんとなく過去と、それから今も続いている現在の世界が混ざっちまってるんだ。そうすると、現在の時間にいたとしても、たまに過去の時間にいたお前が入り込んでくる。それが夏虫さ、これはあまりにもつまらないメタファーだけどな」そういうと彼は水平線の方を見た。やんわりとオレンジに染まりかけている空と、それを朗らかに跳ね返す海がそれぞれを気遣いあって、どんな糸よりも細くて繊細な線が、空と海とのはざまに薄っすらと横たわっている。僕は煙草を足もとに落して、火を消した。夕日の下をくぐりぬけてきた少し早めの夜の風が、皮膚の上にしがみついた汗の膜を少しずつ癒やすように剥がしていく。ふいに煙草と音楽が欲しくなった。でも、今日は煙草はもうやめだ。家に帰ったら音楽を聴こう。チャーリー・パーカーあたりなんか、こんな夕方には最適かも知れない。
「いいか?」とトカゲは思い出したように言った。「しっかりと気持ちを整理するんだ。1年前のお前は1年前の箱に詰める。2年前のお前は2年前の箱に詰めて、そのむこうに置くんだ。しっかりガムテープで封をして、1年前でも1年後でもない時間を、お前だけがしっかり過ごす。侵入者を認めちゃいかんぞ。お前にお前はひとりだけだ」
僕はこくり、と、足の親指ぐらいの大きさで頷いた。「わかったよ」
僕は家に帰って、チャーリー・パーカーを聴きながら、脳みその中をしっかりと洗浄した。過去を忘れることは絶対にできない、とトカゲは言った。そのとおりだ、と僕は思う。しかし忘れられないからと言って、それに惑わされたまま今を生きてはいけない。僕はそれぞれの時の僕をそれぞれの箱に詰めて、封をして隅っこに置いておくんだ。
***
「夏になるとね、お腹のあたりが疼くのよ。なにかが震えるの」と彼女は言った。それから眉間を右手の親指と人差し指で押さえて(目の疲れやすい彼女の癖だった)、浜の砂を小さく蹴とばした。その隣には僕がいた。
「それはきっと、夏虫だぜ」と僕は言った。それから水平線を眺めた。僕でしかない僕が、しっかりと今の砂浜を踏んでいる。彼女は首を傾げた。
「それにしても暑いね」と、僕は煙草に火をつけた。
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