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Dec 12, 2007
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カテゴリ: DVD

装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端1
装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端2 最終巻

アストラギウス暦・7247年

キリコとフィアナが
コールドカプセルで
眠りについて32年が
経過していた。

ひとときの停戦は破れ
ギルガメスとバララントの
両陣営は、再び激しく
抗争していた。

兵員の消耗率の上昇は
負傷兵の保管、運搬技術を
急速に進歩させた。

それがコールドカプセルだ。

つまり負傷兵をそのまま
冷凍し、後方へ送った後、
処置しようというものである。

だがそれは
治療よりも埋葬を効率化した
と言っていい。

事実、兵士たちは
皮肉を込めて、それを呼んだ。

……寒い棺桶と………


「ペールゼン・ファイルズ」 が制作されるまで「装甲騎兵ボトムズ」の最新OVAだった「赫奕たる異端」(1994年)、DVDで買い直しました。在庫状態が「取寄」で到着までしばらくかかるのでLDの方観返してました。
全5話でLDだとCAVディスク5枚。
旧約聖書の『ヨブ記』がベースになっているのでは?との議論があったのですがその点を踏まえて観返してみました。

聖書 丸ごと買わなくても『ヨブ記』だけバラで文庫で出てます
ヨブ記

「赫奕たる異端」、キリコとフィアナのコールドスリープから32年後の世界を描いており、偶然にも二人のカプセルが民間の蘇生業者に回収され(大海で一粒の砂を捜すに等しい奇跡=やはりキリコは「異能者」なのか)、それが宗教結社マーティアルの聖地アレギウムの知る処となり、回収ポイントの教区の責任に於いてキリコを信仰に導くか、さもなくば殺せと長老会議の結論が伝えられます。
TVシリーズでは単に「なんか謎の宗教団体」だった「マーティアル」の教義等が詳しく描かれていて興味深いです。

一方『ヨブ記』ですが、これは旧約聖書の中でユダヤ教(旧約)的要素の強い、一般に「序」「破」「急」「終」の4部(全42編)に分けて捉えられる、惨い苦難と試練の中、神への信仰を試される物語(詩)です。
財産に恵まれ、神を畏れる心を持つヨブはサタンによって悪腫を体に付けられ苦悶します。
1 1 「ウツの地にヨブという人がいた。無垢な正しい人で、神を畏れ、悪を避けて生きていた。」
苦難の中ヨブは「神は善人を苦しめるはずはない」「罰せられるのは悪人だけである」と云うユダヤの古典的な教えに一縷の疑問を持ちます。
2 9 「彼の妻は、『どこまでも無垢でいるのですか。神を呪って、死ぬ方がましでしょう』と言ったが、2 10 ヨブは答えた。『お前まで愚かなことを言うのか。わたしたちは、神から幸福をいただいたのだから、不幸もいただこうではないか。』このようになっても、彼は唇をもって罪を犯すことをしなかった。」
ヨブの三人の友人(エリファズ、ビルダド、ツォファル)との会話で「完全に潔白である人間などいるはずはない、従って善人でも苦難に遭うことはある」との応酬があります。
しかし悪行を働いたことのないヨブは納得することができず、神(全能者)に申し立てをしたい、裁きの場に出たいと思うようになりますが全能者であるはずの神は沈黙したままです。
ところが四人目の登場人物であるエリフが現れ、ついにヨブは神の声を聞きます。
38 2 「これは何者か。知識もないのに、言葉を重ねて神の経綸を暗くするとは。男らしく腰に帯をせよ。わたしはお前に尋ねる。わたしに答えてみよ。」
40 2 「全能者と言い争う者よ。引き下がるのか。神を責め立てる者よ、答えるが良い。」
40 4 「わたしは軽々しくものを申しました。どうしてあなたに反論などできましょう。わたしはこの口に手を置きます。ひと言語りましたが、もう主張いたしません。ふた言申しましたが、もう繰り返しません。」


そして神の臨在に圧倒されたヨブの
42「私はあなたのことを耳で聞いていましたが、今や私の眼があなたを見たのです。それゆえ私は自分を否定し、塵芥の中で悔い改めます。」
で終局、ヨブは健康を取り戻し140歳まで生きます。
(引用は新共同訳です)

とまあ、『ヨブ記』の説明に大分文字を費やしましたが、まず神(=全能者=ワイズマン)を殺した(TVシリーズ最終話)キリコ・キュービィは「異能者」です。
あらゆる力に服さないキリコの存在はマーティアルの信仰と矛盾し、彼等の「ソノバ議定書」はキリコを「触れ得ざる者」と定義しています。ただし議定書はキリコが永遠に眠り続けることを前提とした物で、故意か偶然か、目覚めてしまえば事情は変化します。
突入前のギルガメス軍兵士が唱えていた、マーティアルの祈りの言葉の一つである 「ドゥ・オステ・オワグーラ・クレ・ヤシディーロ・グラッツィ・ミト・モメンダーリ(神聖なる闘争の極まるところ武なる光照たらん)」 も新約のキリスト教ではなくユダヤ教的です。
聖地アレギウムとマーティアル根本聖堂が不可侵宙域の惑星ジアゴノにあり、戦闘状態にあるギルガメスとバララント両方の陣営に多数の信者を持っている点も、イスラエルの同地域にイスラム教・ユダヤ教・キリスト教の聖地が混在している点と重なります。

「愛」を説くキリスト教とは対照的に、共同体内における死の制裁等の過激な世界でもありました。

テイタニアの父・モンテウェルズ枢機卿が次期法皇になるための策略も醜い宗教界の内実に通じるものがありますね。
重装備のATM-09-DDバーグラリードッグでアレギウムに乗り込んできたキリコ、
「我が娘テイタニアはテオ八世直々に栄えある秩序の盾を賜りました。そのテイタニアに命令できるのは法皇の権限をおいて他にありません。猊下…お願いがございます。このアレギウムを混乱から救う為、一刻も早く私めを次期法皇にご指名下さい」
「遂にここまで来たな…だがここに信仰などないぞ」
「ですが権力があります。奇跡よりは頼りに」
ここで挿入される回想シーンの台詞が興味深いですね。
「異能者などと…!! アレギウム以外に奇跡は存在してはならないのです!」
マーティアルの第13階位「秩序の盾」を授かったテイタニアは「宗教」の名の下に闘争、力の追求を強要された犠牲者とも言うことができると思います。

武による秩序、と云う考えが旧約的でもあります。
またテイタニアも補助脳を破壊され、それから解放される処は悪腫が治るヨブとも重なりますね。
ただ私はなんとなく
「空白の32年、それは俺に何も与えてくれなかったようだ。俺は再び目覚めた。闘いの中に。硝煙と爆音、そして祈りの言葉が、俺の神経をゆっくりと、しかし、確実に覚醒させようとしていた」
と云うキリコの背負った宿命をヨブと重ねているような気もします。
蘇生不良のフィアナに
「お願いがあるの…お願いが」
「テイタニア…貴女のことね。貴女がキリコを倒すというなら仕方がない。でも…そうだとしても…彼を愛して。私の…代わりに…」

と言われるテイタニア(ロッチナには「あの女に嫉妬している」と言われていた)。
フィアナも失いますが(PSの寿命で死んでしまう。ヂヂリウムの設定はTV版からあったけどPSの寿命2年ってのは後付設定ぽい)、テイタニアに愛されるようになり終わります。
対してヨブは息子7人、娘3人、4代に渡る孫に愛されますがキリコと云うキャラクターは決して「幸せ」になることはできない人物なんですね。
「キリコの後を追いかけて私は旅をしている。たとえ、一言の会話さえなくとも生きている限り…私は彼を愛するだろう。これだけは、確かだ。何故ならば、私はその為に生まれてきたと感じずにはいられないのだ」
キリコの侵入を許しガタガタになってしまったマーティアル
「ぞうぞお聞き下さい。アレギウムは再生したのです。かつての対立は解消され、新しい秩序が打ち立てられたのです。モンテウェルズ猊下は貴方様との和解を心から望まれています」
「和解?」
「改めてお願いです。マーティアルに加わられ、貴方様のその能力をお役立て下さい」
「力は、信仰と共にあるべきです!」
「俺は…道を急いでいる」
「…!! 我々としてはできるかぎりの…
二度と俺に近付くな!

ロッチナの
「愛する者を失って尚乾ききったこの世を流離わねばならないキリコの宿命(さだめ)とは…」
と云う追想が印象的です。

やはり面白い。別にDVDになったからって画質が向上するわけでもないけど(まあかなり作画綺麗ですが)到着楽しみです。



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最終更新日  Dec 12, 2007 08:56:09 PM
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