お気楽日記

お気楽日記

2025.07.24
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先日、話題の佐藤青南さんの新作ミステリー『一億円の犬』を読み終えました。
ペットと暮らす主婦で、
小学1年生の娘と中学2年生の息子がいる私にとって、
この作品はリアルな日常と重なる部分が多く、とても興味深い読書体験でした。
作者の佐藤さんは前作『犬を盗む』でも注目を集めた作家で、
本作も「疾走感満点の傑作長編ミステリー」として紹介されています。
物語はSNSを舞台に展開し、現代のSNS社会への風刺も込められています。
まさに「SNS社会の風刺小説」と言えるでしょう。
​あらすじと読みどころ​
物語の主人公・梨沙(りさ)は、
六本木の高級マンションに住むセレブ妻という設定で、
SNSに保護犬を主人公にしたマンガを連載しています。
出版社から書籍化のオファーが来て
「動画サイトで人気になれば億単位の収入も夢ではない」という誘惑に駆られ、
年収一億円を目指して大胆な行動に出ます。
しかし、評論によれば梨沙は実際には埼玉在住の派遣社員で、
犬を飼っている設定も真っ赤な嘘だと指摘されています。
嘘を重ねてSNS上の理想像を演じる梨沙は、
次第に自分の嘘に振り回されることになり、思わぬ事件にも巻き込まれていきます。
この設定だけでもワクワクしますが、
読み進めていくと現実のペットや家族との生活とリンクするシーンが多く心に残りました。
子どもにスマホやSNSのトレンドを教えたり、
私自身も「ちょっとステキに見える写真」を撮ってしまうことがあるので、
梨沙の身勝手な虚飾生活にもどこか身につまされる思いがしました。
​ペットとの暮らしを重ねて感じたこと​
読みながら、我が家の愛猫アメリカンショートヘアを抱きしめる場面が何度も浮かびました。
アメちゃんは私の膝の上でくつろぐだけで満足していて、
「この犬さえいれば人生勝ち組」という梨沙とは対照的です。
出版社紹介にあるように“人間の欲望と犬の純真が交差したとき、
嘘・罪・謎が加速する”という言葉が印象的ですが、ペットは嘘をつきません。
読んでいて思わず「うちの猫は嘘をつかないなあ」と安心しました。
写真を何度も撮り直すことはあっても、猫に偽りのエピソードを作ることはありません。
もし私がキラキラしたペット生活を演出しようとしても、
愛猫はマイペースに寝たり遊んだり…。
家族も「ママ、本当はうちのお部屋だってあまりキレイじゃないでしょ」と笑っていました。
梨沙のように嘘を重ねなくても、
ペットの存在は私にとって「ありのままの私」を受け入れてくれる大切な相手です。
子どもや家族の反応
娘と息子にも感想を聞いてみました。
娘(小1)はかわいい動物マンガの話だとばかり思っていたので、
突然のミステリー展開に目を丸くしていました。
「犬が登場するSNS動画でお金がもらえるなら、私も見てみたい!」と夢中になっていた娘は、
後半は「ママ、このお姉さん、嘘ついちゃダメでしょ」と主人公にアドバイスしてくる始末。
息子(中2)は「最近YouTuberとかインフルエンサーがペット動画で稼いでるけど、
こんな危ないこともあるんだな」と、私以上に客観的に話を楽しんでいたようです。
家族の誰もが、もはやSNSが身近なテーマになったことを実感しました。
たとえば最近話題の「汚部屋インスタ」のように、
どんな日常もコンテンツに変えてしまう時代です。
ママ友にも部屋の掃除ビフォーアフターを公開している人がいて、
「本当はきれいな部屋を撮影用汚くしてるの」と笑っていましたが
それが今やSNSで人気を集める一つのコンテンツになっている。
この小説では、梨沙もまた自分を「港区女子」と称して虚飾した生活をSNSで売り込もうとしています。
SNS上の人気や承認欲求は、
時に私たちの日常を歪めてしまうと感じるからこそ、
『一億円の犬』は「SNS社会の皮肉」が効いた作品に思えます。
​読後のもやもやと深い納得​
読み終えた後、ややモヤモヤした気持ちになりました。
主人公は大きな罰を受けるわけではなく、
最後には自分を見つめ直すチャンスを得たという落としどころです。
個人的には「もっとバッサリ罰があっても」と思った部分もありますが、
一方で現実はそれほど分かりやすくはありません。
実際、読者レビューでも
「SNSアカウントが炎上したのも彼女にとってのいい落としどころ(罰)だった」
という意見がありました。
確かに、最後に主人公は自分の嘘が明るみに出てネットで叩かれることで、
間接的に自業自得を味わうことになります。
総じて、『一億円の犬』は単なる娯楽ミステリーにとどまらず、
現代社会への示唆に富んだ作品でした。「手に入れたかったもの」と「本当に大切だったもの」を
読者に問いかけてくるようです。
家族やペットとの何気ない日常、そしてSNSでの虚像──普段の生活を振り返りながら読むと、
作品の深みが一層胸に染みました。
これからもペットと家族との時間を大切にしつつ、
SNSの魔力に惑わされないよう心がけたいと思います。

インスタグラム  野望の果ての真実 [ サラ・フライヤー ]
​感じたポイント:​
  • 虚像と真実: 主人公はSNSで“理想の私”を演じていたけれど、現実はごく普通の主婦。私たちもSNSでは良いところばかり見せてしまいがちなので反省。
  • ペットの純粋さ: 動物は嘘をつかない。うちの猫を見ていると、本当の自分を受け入れてくれる存在の大切さに気づかされる。
  • 承認欲求への警鐘: 「いいね」や収入を夢見て必死になるほど、日常の幸せを見失いやすい。現代の「承認欲求社会」を考えさせられた。
  • ミステリーとしての面白さ: 犯人は誰か、主人公はどう変わるのか、最後までハラハラしてページをめくる手が止まらない展開。

以上のように、私は『一億円の犬』を読み終えて深い納得と少しのモヤモヤを感じました。
ペットと暮らす主婦の目線でも楽しめる内容なので、
SNS時代に生きるすべての人におすすめしたい1冊です。





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最終更新日  2025.07.24 00:00:11
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