倫理の進化

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若樹

若樹

2008.04.05
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カテゴリ: 思想
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後書き


この終章第二部は、本当に試行錯誤の、書き直しを繰り返した。

私の手を重くしていたものは、殺処分は、人間が住みやすい社会を維持する為に、

実は愛犬家によってすら、求められている制度だと、正面切って指摘する事だった。

これが、何度も私の手を鈍くした。

余りにも重いテーマだった。

結局はその人たちに対して、この上ない厳しい真実を、突きつけなくてはならなかったから。

私はこの指摘によって、大勢の友人を失う事になるのだ。






誰でも、自分が間違ってると、指摘を受けるのは辛いものだ。

特にその価値観が、根本からおかしいのではないかと言われる事は。

犬に洋服を着せて戸外に連れ出す事が、犬を大切にしている事だと疑いもなく信じていた。

それらの人々にとって、犬の視点が、全く欠けていた事を、指摘する事は、彼らの価値体系

全体を、否定してしまうのに等しかった。




これは私にとって、途方もなく重たい仕事だった。

他の人間に頼めるならば、何としてもそうして欲しいほどだった。

誰が社会全体を、怒らせ、絶望させると分かって、その間違いを喜んで指摘するだろうか。

しかし、犬や猫の為になら、私はその、膿出しの役目を、果たさざるを得なかった。




この二部を書上げるのは、一本の樹から、仏像を掘り起こすのに似ていた。

人の世界の浄化を願いながら、同時に(その為に)膿を出していかなくてはならないと言う







この章を仕上げるという事は、仏師が世界の浄化を祈って、仏像を彫る事と等しかったのだ。

仏像とは、偶像ではなく、創作者の祈りなのだ。

人間の、最も重い原罪に踏み込んで行かなくてはならないという事は、正に人の罪を受けて

の祈願であり、平和な世界を願っての、命を賭しての世界への祈りだ。

人の罪悪をこの身に受けて、それをどこまで今後昇華させられるのか。







最も重要な所に差し掛かる度、言葉と言う彫刻刀は、何度も樹木の中に眠る、未だ掘り出さ

れていない、仏像を掘り出すのをしくじった。

何度か、書く事を諦めてしまおうと思った事があった。

ここまで書いて思う事は、多分に荒削りな出来栄えだが、それでも仏の片鱗は見えている。

今後も私は、最もこの恐ろしいテーマー、人間が、ただ快適さと過度の安全の為にー、犬猫

を殺す事への、良心の呵責を欠損し、その、恐ろしいシステムに依存し、社会生活を営んで

いると言う事について、もっと詳しく、正確に、掘り出して行く事だろう。





命を天に預けられれば、完全な仏が彫れるだろうか。

私の命と引き換えに出来たなら。

言葉と言う叡智と、創造の力を用いて。

美しい、仏と言う芸術的な、諸悪を浄化する祈りの存在を。

もう間もなく、全ての執着が、私から去ろうとしている時に。





私は言葉で魂を伝え

私は言葉で生命を現し

私は言葉で絵を描き

私は言葉で仏を彫る



言葉  それ即ち光透波(*)なり





倫理の進化  了




(*)大本教 出口ナオより


*1 ブラック・ウルフ・ジョーンズ 「ネイティブ・アメリカン聖なる言葉」

 大和書房(ジーナ・ジョーンズ著 )オジブウェイ族の血を引くネイティブ・アメリカン


*2 リンダ・ホーガン 「大地に抱かれて」青山出版社

  チカソー族出身の、ネイティブ・アメリカン


*3 フランク・ウォーターズ 「ホピ宇宙からの聖書」徳間書店

 アメリカ大陸先住民研究の、世界的権威


*4 バリー・H・ロペス 「オオカミと人間」草思社

 アメリカのジャーナリスト


*5 スーザン・チェルナーク・マケルロイ 「アニマル・ヒーリング 動物が病を癒す」

 学研  ガンを患い、以前失った、愛犬やオオカミの守護を得てそれを癒した。

 自身の経験を元に、多くの、アニマと深い交流を持った人々の体験談を集めて出版


*6 リック・バス 「帰ってきたオオカミ」晶文社

 作家 ナチュラリスト


*7 ナンシー・ウッド 「今日は死ぬのにもってこいの日」めるくまーる

 詩人、作家 タオス・プエブロネイティブ・アメリカン達と、30年以上の交流を持つ。

 彼らの言葉を詩篇として出版した同書は、無数の名詩選に選ばれている。


*8 スタン・バディラ 「自然の教科書」MARBLEBOOKS

 ネイティブ・アメリカン *8は、様々なネイティブ・アメリカンの言葉を集めた本


*9 ミッシェル・ピクマル編 「インディアンの言葉」知慧の手帖

 著者歴不明 西洋人 ネイティブ・アメリカンの詩集


*10 コーマック・マッカーシー 「越境」 早川書房

 作家 本書は 「すべての美しい馬」 「越境」 「国境の町」の、国境三部作の第二部


*11 スティーブ・ウィール、ハービー・アーデン 「ネイティブ・アメリカン 叡智の

守りびと」

 築地書館 「ウィズダム・キーパー」と評される、ネイティブ・アメリカンの古老達の言葉

を編集


*12 ルドルフ・カイザー 「ホピ 宇宙からの予言」徳間書店

 アメリカ先住民の研究者






*FC2ブログ「殺処分問題会議」 本日より始めます。



http://mitsumine.blog74.fc2.com/










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Last updated  2011.07.06 04:10:50


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