倫理の進化

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若樹

若樹

2013.01.13
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カテゴリ: 思想
先に語った通り、私はこの話を、「ある人から伝え聞いた」訳ではない。

どうしてその様な書き方をしたかと言うと、「何故それをあなたが知っているのか、あなたはそれが真実だと証明出来るのか。」と言う様な、厄介な質問が湧き出て来るのを避けたからだ。

今にしてそれを明かすのは、その様な質問に答えるつもりはないが、何と言われてもこれが事実なのだとした上で、「だからこそ」あなた方は、こうして生きて行かなくてはならないのだ、と言う、踏み込んだ議題に入って行く段階が来たからである。

私が2006年に、子供たちと運命を共にしようとして失敗してから、ブログを始めたのは、自分の意思に反して運命か、それが神か、いずれかであろうと、私の意思でないものに、「生かされた」事に対して、再び自分の人生に、自分の意思で、生きる「意味」を吹き込みたかったのである。
私は薬物中毒者ではない。
「思考」と言う人間の、能力を使わず、捨て去って、生きる事は出来ない。

そうして、このブログは2006年の7月から始まった。

今、私は再び、自分の意思によって死を迎えようとしたが、(その理由の説明の為に、当初、このブログは本格的に再開された)運命の手によって、それが心外にも引き伸ばされている。


ただ、今生きる事が私の望んだ道でないならば、そこに再び、私は「意味」を見出したい。
他人の「生きろ」と言う意思の、操り人形となって生きるのではなくて、生きると言う判断は、自分の精神の下に留めて置きたいのだ。


今や私は、刀を持った侍。
その使い方を知っている。
武士であるならば、どう生きるべきかを知っている。

人は斬らぬが、人が犯している、悪は斬る。


宗教と言う悪から、私は立ち向かって行く事にする。

ある意味でジョン・レノンを殺した問い掛けだ。
「イマジン」と言う歌の歌詞によって。


その前に、まず、我々が成さねばならないのは、「自省」である。
最近、私は非常に面白い本を一気に読み終えた。


その本とは、「平気でうそをつく人たち 虚偽と邪悪の心理学」M・スコット・ペック著、草志社刊の本である。

ゲイリーの本とは別の理由で、長く手に取るのを避けていた本だった。
大体からに、本の題名が好感的なものではない。
副題名が、「虚偽と邪悪の心理学」である。

余り好んで読みたいと思う題名ではない。

その本の中で、どういう理屈と向き合うのか、寒気を感じて私は長らく、この本に手を出さなかった。

にも関わらず、私が遂にこの本を買って読んだのは、そうした傾向のある、ある友人の心理に、深く迫りたいと思ったからである。

結果は、全く創造を超えたもので、読み始めたら、その切っ掛けとなった友人の事は頭からなくなり、私は、私が知っていた人間の、客観的事実の講義を、基本から受けると言う幸運に浴した。

この本は、人間の邪悪性と、原因となる「怠惰」について、極めて凝縮して、学問している。
そして、その「怠惰」こそが、人間の邪悪性の基盤となっていると解明した。
著者は気づいていないが、これは、人間の世界での在り方の縮図なのだ。
この「怠惰」また、後に説明する「自己愛」によって、正に人間は「邪悪な種族」となって、この地上を破壊し尽くさんとしている。

人間が、この「怠惰」と「自己愛」が、自らを支配していると気がつかない限りは、彼らは本来あるべき姿に昇華する事は出来ないだろう。

著者が繰り返し本の中で述べている様に、
「邪悪な人間は自分の欠陥を認める事を病的に拒否し、その邪悪性を、他の対象に投影する事で、自己肯定を図るものである。」からである。

これこそ、自然を破壊して、多くの種族を絶滅に追いやりながら、いざそのツケが自分に来ると、政府を批判したり、企業を批判する事によって、その恩恵を喜んで受けていた事を陰に隠す人間の姿そのものである。


それは、あらゆる人間の問題の実態であり、現状であり、その暗部に、恐らくは、図らずも、光を差し込んでくれた博士の功績であると、私は思う。

それは、私に、より自信を持って、人間の罪と、犯している犯罪の指摘を行う力になってくれた。
この社会を良いものにする為なら、私は惜しまずその力を発奮させたい。

私たちの世界から、戦争がなくならない事や、「資源」の為なら、資源たる対象はおろか、その略取の邪魔になる人間さえ、殺し、取り除く事に躊躇しない人々が、多く存在する事から見ても、そしてそんな社会の縮図ー、私が、「終章」の中で指摘した、「人間の都合を優先する為ならば、我々は殺処分制度を維持する事自体、愛護団体さえ厭わない」と言う事実を見ても、人間の邪悪性をはっきりと見える場所に、引き出す事が出来る。

先に書いたが、ペック博士が言う通り、邪悪な人間は、「自分の欠陥を認める事を拒否し、自分自身の邪悪生を他人に投影しようとするもの」なのだ。

邪悪な人間は、自らの欠陥を断固拒否する。
私のブログの古いコメント欄を全て開ければ、如何に読んだ人間が、私によって指摘された自らの欠陥を、私の妄想や、私の精神異常のせいにして、回避しようとしたか、分かるだろう。

彼らは、私の指摘によって、自身の欠陥、或いは社会の欠陥に、光を当てられる事を恐れ、怒りさえしたのだ。

近代文明に浴している人々は、非常に怠惰と言う性質を持っている。
博士は、これを心理学的見地から、「そうであろうと言う少数の人間の心理の解明」に用いたが、実はこの「怠惰」は、文明人全てを汚染して、ほぼ、回復の見込みのない状態にまでしてしまった。

博士はこう説明している。
「邪悪なものは、長期にわたってその影響下に置かれている人間を汚染し、または破滅させるものである。」と。

人間は常に、善と悪との精神的戦いの中に生きている。
ここで、人間が邪悪性に汚染されたのは、人間の中でも特に、邪悪性の強いもの程、社会の中で、強固な力を得やすい、と言う負の理論がある。

ガンディー・ジーも、嘆いていた事だが、善なる人間と言うものに比べて、悪なる人間は、何者も恐れず、寝る間も惜しんで、傷つく事も厭わず、自身の願望達成の為に働くと言う、邪悪と言う欠点に不似合いな、強い長所を持っている。

反対に善人と言うものは、殆どが何かあっても声を上げず、戦う事を恐れ、祈りの力だけに頼って、行動しないと言う欠点を持っている。
なので悪人にとって、善人ほど、駆逐し易い者はいないのである。

彼らは傷つくくらいなら、悪の横行を黙って見守り、自分は無力なのだと言い訳するか、ただ、悪を正す事は、神が必ずやると信じて動こうとしない。

ここで言う善人とは、人間の中でも、生まれつき道徳的な精神を持っていて、教育と言う手を借りずとも、自分の頭で善悪の判断をつけられる者を指す。

こういう人間は、社会にして、凡そ1割くらいはいるものだ。

反対に、意図的に悪を行う者も、その程度の割合で存在する。
善と悪の比率は、ほぼ拮抗していて、残り8割の人間は、良い人間になる為には、後天的な教育を必要とする。

もちろん、邪悪に汚染されて行くのも、8割を占める、そうした精神の正否を見極められない人間たちである。
邪悪な人間が主導権を握れば、そうした思想にその、8割の人間(と、声を挙げない1割未満の善人)が、無抵抗に追従して行くものである。

善人と言うものは、正否の判断が可能な為に、悪が勝利して万民の意思を支配した時、個人の精神としては抵抗するが、その社会の中で、悪と同じくらいの決死の行動を持って、万民にそうした支配への抵抗を訴えたり、悪と自ら刀を交えたりはしない。

善人は常に暴力や争いを恐れる。
それを嫌う、と言った方が正しいのかも知れない。
故に彼らは、この世界の良心であるにも関わらず、ほぼ、無力に等しい。
彼らが座して行動せず、毎日神仏に平和を祈願する姿は善への冒涜行為とさえ言える。

善人の中から、悪人に真っ向と立ち向かえる勇気ある人物が出るのは、歴史上絶える事はないものの・・常に稀である(善人のうち、行動を起こすのは、1割の中の100人に1人程だ)。


民衆は善人を臆病者と呼んで一向に差し支えない。
正にそれは、善人の、善人であるが故の、欠点なのであり、彼らにそれを克服する勇気がないから、彼らは民衆や、世界が破滅へ向かっているのを認識しながら、それを個人の心の中で、憂いているだけである。

私は邪悪を嫌う。
人が邪悪に生きる事に憤りを感じるし、そうした人間に嫌悪を感じる。

私は、善が何かを、自分一人の胸に仕舞わずに、社会に、民衆にそれを最後の一滴まで送り込む。
それは私の魂であり、私の命である。
その全てを、人間に捧げる。

悪が二度と力を持って、人間を、社会を汚染する事のない様に。


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また、FC2のブログの背景である、高いネットとバラ線で囲われた空間は、犬猫問わず、人間もかつては偏見や暴力によって閉じ込められた、自由を奪われた虚無の場所です。
今もそこで暮らすものが、その囲いの中から、どんな風に外が見えるのか、見ているのかー

囲いの中から、当ブログを通して外の世界と空を眺め、改めて、そこから出る事を許されないのがどんな思いなのかを、考え、感じて下さい。

FC2版 「倫理の進化」

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Last updated  2013.03.02 00:27:59


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