橋の上から「帰らずの沼」こと血洗いの池の静寂を堪能した( 写真左
)あと、池をめぐる小道をぐるぐる、あちこち歩き回ってみました。舗装されてはいませんが、あるていど整備されていて、木の枝や藪に邪魔されることなく歩けます。けれど季節がら、手の届くところに伸び放題の葛(クズ)のつるや、咲きなだれるアジサイ、斜面をうめつくすドクダミなどがあり、野性味あふれていました。
・・・やがて沼の南がわをくらくつつんでいる木立ちの影にはいりました。( 写真右
)
それから、池を離れてさらに深い木立ちの中へと続く南の道は、物語では先生の研究室があったとされるあたりです(写真右)。カゲロウに変身した時、カワセミになった時、そしてイタチになった時も先生がたどった森の道です。
そのかわり、毒を食べたイタチの先生があえぎながら横たわった野球グラウンドは見えました( 写真左
)。
このあと私は中央の建物群の方へ進み、古めかしくも立派な学舎をいくつもめぐって、中庭にぽつんと安置されたとがったオブジェのような物を発見。説明板を読みますと、これこそ、物語の地図で「ピラミッド教室」としるされた大きな中央教室の名残りだそうです。学習院のシンボル的なユニークな建物でしたが、2008年に取り壊され、とがったてっぺん部分だけがこうして展示されているのです( 写真右
)。
さらにイタチの先生が女学生をやり過ごした、旧図書館も趣がありました。ロシア民話のいわば総集編『せむしの小馬』 June 4, 2025
豊かな知識が土台の『ニルスのふしぎな旅』 April 2, 2025
冬ごもりの季節に――『鏡の国のアリス』 December 25, 2024