金浦(キンポ)は米どころ

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・私の脊椎編



『麻酔医の○×□(←聞き取ることすらできず)です。今から、麻酔の処置だけしておきますね。』

あぁ、とうとう来た。
今まで、誰にも触らせたことのない私の脊椎。
そこに、針がっ!!

先生の指示で、横向きに寝転んだ体勢のまま体をできる限りまる~くする。

先生は私の脊椎をひとつひとつ確かめるように触りながら、『ちょっと痛いですよ~。でも動かないでね。』の声と共に、針を突き刺した。
(直接脊椎に麻酔を打つとかなり痛いので、その前に背中に麻酔を打つと本で読んだけど、私はそっちの痛みは全く感じなかった。もしかしたら、打ってくれなかった・・?)

射された瞬間は全くと言っていいほど痛みは無かったけど、しばらくしたら、右の太ももが急に痛くなってきた。『チクッ』とか『ピリピリッ』とかいう痛みじゃなくて、『ずーん』とか『ずどーん』という感じの鈍い痛みが段々激しさを増してきた。
多分、今この瞬間、針の先端が脊椎の内部に到達したんだろうと思ったら、急に怖くなって、それと同時に体がピクッと動いてしまった。

背後から『あ・・。』という声が聞こえた。

やり直し・・(ノω<。)うっうっうっ


点滴と言い、麻酔と言い、なんでこうもやり直しが多いのか・・。
(まぁ、今回は私が動いたから悪いんだけどさ。)

2度目は耐えた。
太ももの痛みは膝までその範囲を広げて来たけど、耐えた。
もう、こんなの耐えれるぐらいなら、無痛分娩なんてしなくてよかったんじゃない?と思いながらも耐えた。

先生の『はい、もう普通に寝ていいですよ~』という言葉に、『え、でも背中の針は・・』と言うと、『全部入ってます。』とのこと。ヒィーッ。
もう、想像しないことにしよう。

恐る恐る横になった。
麻酔したところが少しだけ痛かったけど、このぐらいはガマンできる。
そして、先生が去ったあと、麻酔科の看護婦さんが後処理をしてくれた。

脊椎に打ったのはあくまでも針だけ。
そこからチューブをつないで、私の肩の辺りまで持ってきてテープで固定した。チューブの先っぽにはフタのようなものが付いていて、陣痛が50%進行したら、そこから麻酔液を注入するのです。


麻酔の準備を終えてしばらくすると、右足の太ももがしびれてきた。
『あれ?おかしいぞ』
そのときは、すぐに治るだろうと思っていたら、痺れる範囲が段々広くなってきて、しまいには右足全体がジンジン痺れて、動かすこともままならなくなってきた。

慌ててナースコール。

看護婦さんの話では、脊椎に針を打ったから、一時的に痺れているんだそうだ。『すぐ治りますよ。』と言ってくれた。
看護婦さんの言う通り、10分、15分と時間が経つにつれて、足の痺れは無くなっていったε-(*´ω`*) ホッ


そうこうしているうちに、今度はお腹の痛みが強くなってきた。
お腹に巻いた装置(陣痛監視装置?)の数字がドンドン上がって行く。
最初は最高でも70ぐらいだったのに、そのときは100を超えるぐらいになっていた。
痛みの度合いとしては、『眉間にシワを寄せる程度』。

そして、とうとう、何度目かの内診の末、私の陣痛が認められ、晴れてカムソン分娩室に移動することになった。

ただ今の時刻は午後6時30分。


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