目からウロコ

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着物パスポート2

★★ 着物で西陣散策、その2 ★★

02年10月16日(水)

西陣deゴッホ

温故知新の精神


昼食後、西陣織工芸美術館・松翠閣を訪れた。
ここは着物を着用していると、入館料500円が無料になる。
ヨシヨシ、やっと着物特典だ。

こちらの工芸館では、西陣織で帯以外の工芸品を展示していた。
帯を端切れにして、パッチワークを作ったり、
織りの技術そのものを使って
手のひらサイズの百人一首(ふすまや屏風の補修・修復に使ったり)
四季折々の絵柄を織った短冊(ちょっとしたインテリアに)
タペストリー(有名な書画を織りで再現、かなり精密)
などなどを見ることができる。西陣織の新しい方向性を模索しているように感じた。
見学に付き合ってくださった係のおばさんも、着物で伺ったことを喜んでくださった。
ホント恐縮だった。お願いだから、誉めないで。(だんだん恥ずかしさも倍増)
そのおばさんも去年着付けを習われたらしく、
土日など、事務作業のない日は着物で案内するようにしてらっしゃるとのこと。
熱心に説明してくださったので、すごく参考になった。
こちらは元はやはり帯屋さんで、一見事務のおばさんなんだけど、
帯のウンチクを語れるお人だった。
とある1本の丸帯(表も裏も柄が出るような帯。1枚の布を折って
縫い合わせて作るので、大きい織機で織る)の柄を説明してくださったんだけど、
よくよく見ると、右半分は色が派手で大柄な花が織られており、地は金だった。
その同じ一枚の布地の左半分は小さくて色も柔らかい花が織られており、地は銀。
元は同じ1本の帯なんだけど、締め方によって随分雰囲気が変わるらしい。
ってことで、様々な年代の方が使えるような織りになっている、とのことだった。
あまりに自然で調和の取れた1枚布なので、一見だと、
たくさんお花が織られててきれいだな、くらいにしか思わなかっただろう。
(それも不注意な話)

↑上に載せた写真は、この美術館の入り口にあったモノ。
西陣織で織られた「ゴッホのひまわり」だ。
他にも「モネ」「ルノアール」「セザンヌ」「クリムト」などといった
西洋画を西陣織でおこしていた。こんなこともできるのね、伝統工芸。
まったく目からウロコな美術館だった。

「着物を着ているので」ということで、
帰りにお茶をごちそうになった。お庭を見ながら「ほっこりさん」だぁ。
...あぁ、秋ねぇ。...また腹減ってきた。
(着物なのでね、体力使うのさ)

最後にもう1軒...という友に付いていって、とある工房に入った。
ガイドによると、そこにはショップやらギャラリーがあるらしい。

ところが、入ってみるとそこも一般人向けではない帯の会社だった。
しかしやはり「着物を着てらっしゃるんやねぇ!」ということで、
特別に入れてくださった。こちらも先ほどと同じく、業者相手に商談中だった。
き、恐縮でござる...
帯を置いてらっしゃるお部屋に案内くださったのは、恰幅の良いおばさんだった。
一目で着物素人と分かるのだろうか、ほとんど商品を勧められることはなかった。
欲しいのがあったら言ってね、と一言声をかけてくださったくらいで、
(ホントはこういう所で一般人が買ってはいけないのだろうけど)
後は親切に最近の流行りだとかを教えてくださった。
先ほどの帯屋さんとはまた違ったテイストだった。不思議だ。
同じ伝統柄を使った帯なのに、お店によってカラーが違うのだろうか。
それともワタシが暗示にかかり易いから、そう見えるのだろうか。

ここでも親切にしていただいた上に、お土産までいただいた。
今度はポストカードだった。こちらの会社が出してらっしゃる帯を締めた
女性の後ろ姿である。紫の番傘をさして、何とも色っぽい。
ワタシもこういう艶っぽい大和撫子を目指そうと思う。


町家にて



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