目からウロコ

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ビーチ・リゾート~サイパン編

03/4/4~9の日記

「ビーチリゾート~サイパン編」より


ビーチ

渚のハイカラ人魚(古!!!)



サイパンの話

サイパンへ行った。かれこれ7-8年くらい前になる。
(こら、そこ!年令の計算しないようにッ)

専門に勉強していたのがドイツ語だったということもあり、
海外といえばヨーロッパという感覚だった。
ハワイやらグアムなど、日本人がたくさんいて、
お手軽に行けるようなところは、
はっきり言って興味なかったモリユ・なんて横柄な学生。
ところが、バイト先の先輩のお誘いで、
南国ビーチリゾート・サイパンに行くことになった。
何よりその先輩は非常に陽気で楽しい人だったので
一度旅行にご一緒はしてみたかったということもあり、
ついていくことにした。

メンバーはモリユ、先輩、先輩のお姉さんとその友達の4人だった。
妙な組み合わせだけど、事前に飲みに行ったりして親ぼくを深めておいたので、
関西空港からすでに賑やかだった。
パスポートチェックも済み、
免税店での買い物もさっさと済ませ(出国前なのに買い物・・・)、
免税店前のバーで乾杯した(出国前なのにすでに酒盛り・・・)。

飛行機に乗ったら乗ったで、もちろん酒盛りなんだけど、
機内ではさらに我々のテンションを上げてしまうような出来事が待ち受けていた。

修学旅行の団体と同じ飛行機だったため、他のエコノミーの一般客は
なんと全員ビジネスクラスに格上げしてくれたのだ。
空いていたってのもあるだろうけど、
モリユ、とにかく生まれて初めてエコノミー席以外のシートに座る・・・
ありがとう、どこかの女子高生の団体さん。
オイラ、超カンドー。(女子高生風に)

ビジネスシートはやはり座り心地がヨカッタ。
クッションが効いていたし、
何より座席間のスペースがゆったりしているのが良い。
それに、座席スペースの余裕が心の余裕に繋がるのか、
何故だか知らないけど「水割り」を注文してしまった。
「水割り」と「心の余裕」の因果関係については、
モリユの独断と偏見なので詳しく問わないでちょうだい。

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さて、気分よく機内をすごし、適度に酔っぱらい、
無事にサイパンに降り立った。

空港からホテルまでは、送迎バスで連れてってくれるのだが、
何とも湿っぽいトコロだなというのが第一印象だった。
むわわぁ~んとした熱さだった。

そうした空気もさることながら、
空港内なのに緊張感のない伸び切った雰囲気やら、
肌の色が浅黒くでっぷり太ったバスの運ちゃん(アロハ風シャツを着用)やら、
空港前のソテツだかヤシだかの植物やら、
目に入る光景がすべて「ここ、亜熱帯です。」と物語っていた。

何だか妙にテンションが上がってしまい、
太陽に向かって「ハファ・ダイ!!」と叫びそうな4人組だった。
「ハファ・ダイ!」ってのは、こんにちは!の現地語である。(酔っ払いかよ)

ちなみに、このあたりのミクロネシアの島々に住む現地人は
「チャモロ人」というらしい。
肌の色が浅黒く、子供や若者はみんな華奢な体型なのに、
中年を越すと別の人種かと思われるくらい
でっぷりと太っていらっしゃる方が多かった。
って他人種(ひと)のことは言えないジャパニーズ。
ワタシも水着を着るということで、
旅費の確保以上に重きを置いてダイエットに励んでいた。

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ホテルは、その名も「ハファ・ダイ・ホテル」という。

日本語に訳したら「こんにちはホテル」である。(訳すな)

ロビーは広々として、乳白色の石造りの素敵な風情である。
立派な南国風の花々が活けられたでっかい装飾台まである。
その台のへりに腰掛けてグルリと見渡してみた。
ギリシャの神殿を思わせるような高い天井と太い柱で、
だけどモリユはギリシャなんて行ったことがない。
・・・もとい、ロビーからホテル専用のプールやら
プライベートビーチやらが見える。

もうその清潔感及びゴージャス感溢れるロビーに、
ワタシらはホント、心底、超カンドー!!←女子高生風に。
ロビーの真ん中で両手を広げながら
「ハファ・ダイ!!」と叫びたくなるほどだった。(ヤメロ)

お部屋は、4人なのでツイン2つ。
シングル4つではない。←無意味に寂しい部屋割り。
どちらもベージュ地にピンクやオレンジの花柄があしらわれており、
スプリングの効いた大きなベッドだった。
太った日本人でも、もっと太ったチャモロ人でも余裕ヨユウ。
ベランダからは青い海、白い砂浜が見える。
夕方にはオレンジとも紫ともつかない夕焼け空が眺められ、
さらにお部屋の白い壁紙にもその反射が映って、
部屋全体が突然ロマンチックになる。

あぁ、でもそこにいるのはウルサイ女4人。

キレイー、ステキー、ロマンチックー、酒持ってこーい!と
ヤイノヤイノと騒ぎながら隣のスーパーに買い出しに出掛けた。
そして夜の酒盛り用にビールをたくさん購入し、
部屋の冷蔵庫にしまって、夕飯を取るために町に出ることにした。

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ホテルから歩いて数分のところが、サイパンで一番の繁華街だったようだ。
とはいえ、まだまだこれからという感じの町で、
舗装されていない道路や、建設中の免税店・ブランドショップなどが見られた。

ブランド好きの姉さんが、エルメスだかシャネルだかヴィトンだかの、
工事中の店の窓に顔をくっつけんばかりにして中を覗きこみ、
「あと1-2ヶ月後に来てりゃなぁ・・・」
とつぶやいてらっしゃったのが印象的だった。
いやいや、あと1-2ヶ月後に来たってどうせ見るだけやろー
というツッコミが右からも左からも入っていた。
(そっとしといてあげることを知らない関西人)

スーパーに入った。

ひと目見渡して、何かがチガウ。

なんだか天井に届くかという勢いでモノがうずたかく積まれている。
やはり外人は背が高いから、それでもオッケーなんだろうか。
(そうじゃないやろ)
その様子はワタシの感覚の意味する「ディスプレイ」とは、
おおよそかけ離れていた。
というのも、例えばトマトの缶詰のコーナーには
ひたすらトマトの缶詰がどどどどっと並べられており、
コーンフレークのコーナーにはひたすらコーンフレーク、
洗剤のコーナーには壁一面洗剤といった感じ。
密度の高い並べ方で、遠めに見ると
ほのかにグラデーションになっていて何だか美しい。
恐らく、取りやすいとか選びやすいとか、そういうことではないのだろうな。
遠い島国にあって、アメリカのダイナミックな感覚を思わずにはいられなかった。

スーパー
そして何だかしらないけど店内で写真を取った。
(どこでもカメラ小僧なジャパニーズ)

さて夕食は、サイパン初日ってことで、
豪勢な食事にしようということになった。
肉料理のレストランに入り、ウシもブタもトリも全部食った。
たらふく食って、もちろんビールも飲んで、
日本円にして一人わずか1500円~2000円くらいだった。
やっぱり亜米利加(なぜに漢字表記)は肉が安いのーなどと
大喜び及び満腹で町に繰り出した。

レストランの近くには観光客相手の小さなショップがたくさんあって、
まだまだ来たばかりだとういうのに、父に、母に、弟たちに、
友達にとお土産を物色してしまった。(落ち着けって)

翌日はオプショナルツアーで近海の島まで泳ぎに行く。

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サイパン島から船に乗ってオプショナルツアー「マニャガハ島コース」に参加した。

この何とも美しい島で、モリユは恐怖の体験をすることになる。

船では飲み物が飲み放題で、
モリユとお姉さんたちはもちろんビールを頂いた。
ビール片手に甲板から海を見下ろせば、
美しい透明の青い水面が見える。
なんて美しい海だッ、
なんて素敵なんだッ、
あぁハファ・ダイッ!!!

注1:「ハファ・ダイ」というのはチャモロ語で「こんにちは」という意味である。
注2:すっかり意味不明な感動を呈しているが、半分はビールのせいである。

爽やかな海風やコバルトブルーの遠景に
すっかり気分を良くしてマニャガハ島に降り立った。

そう、悪夢への第一歩であることはこの時には思ってもいない。

島に駐在しているスタッフにシュノーケルセットを借りて、
ツアー客はあたりのビーチで好きな場所を陣取って
マリンスポーツに興じていた。
モリユたちもフィンを付け、シュノーケルも装着して、
これまたとびきり美しい白い砂浜をバックにして写真を撮った。
不馴れなモノを付けての撮影だったということもあるが、
その姿はまるで
「宇宙人のカッコをしてみた中途半端なコスプレマニア」
といった感じ。
なぜシュノーケルセットを装着する前に写真を撮らなかったのだろうかと、
今でも悔やまれる。
テンションが高いというのは、その時は楽しいが
後から思い返すと往々にしてこっぱずかしいものなのさ。
甘酸っぱい青春のひとこま。

さて、海の中は、これまた美しい様相だった。
あぁ忘れもしないトロピカルなお魚さんたち。(うっとり)
魚屋さんで見かけるような美味しそうな魚なんて1匹たりともいなかった。
どれもこれも小さくてカラフルで、とにかく素晴らしかった。
モリユは我を忘れてお魚さんたちと戯れた、戯れた、戯れた・・・

そして背中をヤケドした。

そう、あまりに長時間海に浮いていたために、首筋、背中、ふくらはぎが
重度の日焼けを負ってしまったのだった。
魚に見とれて、うっかり焼き魚状態。

その日は何とか乗り越えたものの、
翌日は極度の脱水症状に見舞われ、
まる一日テレビを見ながら意識朦朧とベッドに寝そべっていた。
上向きだと痛いので、うつぶせに。
まさに前日海に浮いていたのと同じ状態で、ベッドに寝ていたのだった。
なんというカタストロフィ・・・(いやオチって感じ)
ワタシはあの苦痛を一生忘れないだろう。

ワタシが痛さで苦しんでいた間、お姉さんたちは買い物に出掛けていた。
そしてホテルのビーチバーでバーテンに
カクテルをおごってもらったらしい。(ちくしょー!)
そんな気の毒なワタシの為にひとりのお姉さんが
「ローヤルゼリー入り栄養ドリンク」を買ってきてくれた。
おかげで夜には酒が飲めるくらいに復活できた。

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さて、このサイパン話もそろそろ終わらせたいところ。
しかし初めてのリゾート旅行ということで、
あらゆることが初・体・験(はぁと)
↑↑文字と文字の間に「・」が入るだけで微妙に色っぽくなるのはナゼだろう。

もうひとつ「初・体・験」を書いておこう。

焼き魚風の日焼けにより、
体力気力ともに消耗気味だったモリユのために、
4日目はショッピングをしてすごした。(いったい何日遊んでるのさ)

当時、島に新しくできたというショッピングモールにて、
我々は素敵な幸運に恵まれた。

くじに当ってしまったのである。

今なら日本のどの宝くじ売場でも見かけるようになった
「スピードくじ」と呼ばれるものが、
このショッピングモールのくじ売場で売られていて、
オモシロ半分にお金を出し合って10枚購入してみた。
くじ
↑↑こんなの。

すると、な、な、なな、なんと、

およそ1万円ほど当ってしまった!

マニャガハ島の悪夢から、目が覚めた瞬間であった。

ワタシらは元気が戻ったどころか、
今までよりもさらにテンションをあげての大騒ぎだった。
記念に、その宝くじ売場で働いていた
現地のチャモロ人のお姉ちゃんと一緒に写真を撮った。
何だか知らないけど、
そのへんにいたチャモロ人のオッサンまでつかまえて
一緒に写真を撮った。(まったく意味不明)

今思うと、
わずか1万円というお金が当たったにしては大騒ぎしすぎたように思われる。
まるで天下を取ったかのような、勝ち誇った気分でレストランに入った。

そのショッピングモール内にあったイタリアンレストランだったが、
なかなか美味しかったな。
現金を手に入れて、すっかり気分も良かったしな。
腹いっぱい食って、ワインを2-3本空けたが、
宝くじで当てたお金でおつりがきた。
なんてラッキー。これでワタシの痛々しい背中も慰められるってもんだよ。

適度に酔っ払って、さてホテルに帰りましょうという時に、
ステージが見えたので見物することにした。
すると舞台の上で歌っていた現地人らしきお姉ちゃんがワタシらを手招きした。
そしてワタシらはその招きに素直に応じて舞台に上がらせてもらった。
バンドのお兄ちゃんがタンバリンをくれたので、
それをシャカシャカならしながらワタシらは舞台の上で踊った。
(何をやってるのだ)
頼まれもしないのに、お姉ちゃんの歌とバンドに合わせて踊る日本人と、
それを見て笑うチャモロ人。

・・・そうやって常夏の島のとある1日は暮れていったのだった。

おしまい


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