ゆうちゃんの家族に隠れての付き合い。
確かに虚しく思える時も多々あった。
“何も悪いことしてないのに・・・”と情けなくも思えた。
けれどそれ以上にゆうちゃんといられることの喜びの方が大きかった。
こっそり2人でデートしてた。
前回のようにお泊りこそ出来ないけれどそれで良かった。
少ししか逢えない時間を2人で大切にした。
ほとんど毎日のように私はゆうちゃんにお弁当を作るようになっていた。
仕事を始めた私。
出勤前にゆうちゃんの会社へ届けた。
【もうすぐ着きまぁ~す】
【はぁ~い】
前日の夜仕込みをして朝作る。
朝が弱い私だけど早起きして一生懸命作っていた。
鶏肉大好きなゆうちゃんの為に毎日必ず何かしら鶏肉料理を入れていた。
【今日も美味しいお弁当ありがとう】
嬉しくて腕をふるう。
買い溜めをしない私の家の冷蔵庫はお弁当の材料で常にいっぱいになった。
そして仕事を終えたゆうちゃんがお弁当箱を持って私の家へ来る。
時間がある時は私の部屋でちょっと話して、遅い時は玄関先でメダカ達を眺めて。
“ちょっとだけの日・時間”を2人で楽しんでいた。
魚を飼おうとゆうちゃんが水槽を持ってきた。
松山からほんの少し離れた川へ捕りに行った。
湧き水を汲みに行った。
さわやかなデートだなぁって思いながらとても楽しい時間を過ごしていた。
初めてゆうちゃんのお宅訪問。
一度離れる前にゆうちゃんの家まで行った事があった。
ゆうちゃんの家族は留守だった。
ゆうちゃんが忘れ物を取りに家に入っている間、私は車の中で待っていた。
「俺の部屋入るか?」って聞かれたけれど
まだ一度も両親に挨拶もしたことが無かった私は
留守中に初めて家に入るのは失礼だと思い「車で待ってる。」と断った。
でももう今回はゆうちゃんの家族に隠れてのお付き合い。
失礼は承知で両親の旅行中ゆうちゃんの家に泊まった。
ゆうちゃんの部屋初訪問。
昔のアルバムや写真をたくさん見せてもらった。
テトリス大会を開いた。
私の家には数え切れないぐらい泊まっていたゆうちゃんだけど
私がゆうちゃんの家に泊まるなんて思いもしなかった。
一緒に朝まで寝れること自体久しぶりで嬉しかった。
次の日が休みでのお泊りはこの時が初めてだった。
いつもお泊りしても翌日はお互いかゆうちゃんが仕事だったから。
こそこそじゃなくてこっそりがいいって思ってた。

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