yuuの一人芝居

立石孫一郎についての考察　2

私は執拗に大店ではなく、庄屋に拘るのか、武士には武士道がありその家に伝えられた家訓があった。少し平たく書けば、
「嫁を貰う場合には、お尻の大きい、薙刀、小太刀を習得した娘を娶る事」と言う
いい伝えが私の家には残されていました。なぜか、家と言うものを存続させる事を第一義としての事でした。つまり夫婦となり子をな
す事が自分の血を残し家の血を伝えると言う事だったのです。それが生きる、死しても生きると言う概念であった。
庄屋道にもそれに近いものがあったと思われます。小作を束ねるために何が必要かを習得していた事でしょう。
それらの事を考察すると敬之助の短慮に納得がいかなかった。
男は妻に子種を与えると役目が終わる。それが動物としてのあり方です。
そこで敬之助は何を考えたのか、人間の幸せは何か、生きるとは何か、男と女の違いは、それらは教えられ納めていたはずです。また、正義感とはどのような行為なのか・・・。
敬之助を臆病者と言うのではありません。倉敷の旦那衆との違いは営々と続いた庄屋としての務めを行う家に生まれたという事なのです。
大谷家、立石家、大橋家の血が混ざりあったとしても先祖の血は変える事はできません。
家を第一義として考える。それがその人たちの哲学であったと言えます。
西行法師にしても良寛禅師にしてもある時期に総てを捨てました。その時期に一瞬世の中の事が見えなくなったと思います。家を、妻子を捨て得度して僧侶への道を歩みます。つまり家を、血地捨てています。西行には子供がおりました。良寛も一人も娘がいたといいます。血は残しているのです。後は、男はその役割を終えているのです。
そう考えると敬之助も妻子を捨て戦いの場に急いでいます。
だが、巷で言われる節を納得がいきません。それは彼が庄屋道を納めていたはずであるという点です。
倉敷のように新興の地の庄屋ではなかった、大谷家、立石家の血が彼には注がれているのです。
私は立石を理解する上で、また、その後の維新の日本国を熟知しなくては判断が出来ないと言うのは、立石の行動によって維新を成し遂げた者たちは何を得たのか、竜馬のありのままの鋳型を知っていて許していた薩長が維新後に竜馬をたたえたということも何かった、と言うのは、竜馬亡き後妻のお竜に対しての処遇が引っかかるのです。お竜は後に横浜の豪商の妾に入っています。なぜ、竜馬の功績を重んじるのならお竜に対しての接し方をおろそかにしたのかが分からないのです。
また、竜馬と中岡慎太郎が京の質屋の二階で殺されます。これは日本の刀で殺されたとは思えない、と言うのは天井が低く日本刀は使
えなかったという事です。一瞬、ではなく顔見知りの仕業としか思えないのです。
竜馬の功績、裏の貌を表に出さないための策略です。竜馬を維新後の政治の場に出せなかった理由があったと考える方が賢明です。

敬之助が、下津井屋事件が起きた時になぜ身を隠したのか、身の危険を感じたとすればそれはどういう事だったのか。彼は四十瀬に出て高瀬舟に乗り通生の通生院に逃れている。倉敷からはわずか半日の距離である。水島灘に突き出た宮の鼻で何を思い考えたのか、波の音だけの真暗の灘を見つめてこれからの事を思ったのだろうか。神主の三輪とは旧知の間であった。倉敷の噂はここまで流れてきていた。敬之助はここから小舟を雇い備前藩の下津井港へ入っいる。この下津井港は後に倉敷代官所、浅尾陣屋、松山城を攻撃するときにその策略の会談が開かれたところである。彼はそこから大坂にわたる。そこで何を見たのか、幕藩体制の凋落か、人心の貧困と崩壊の精神か、ならば彼が見なくてはならなかったのは身分の格差ではなく富の格差でなくてはならなかった。だが果たしてそれを見たであろうか、彼も富を手にする一人である、この飢饉はあくまで一時的なもの、文久の飢饉がもたらしたものである。全国の各藩は全力で救済に当たっていた。長岡の河井継之助、松山の山田方月らは財政危機に瀕する藩をたてなおすのに辣腕をふるっている。諸国の藩も手をこまねいて見ているという事は出来なかたはずである。その動きは敬之助にも届いていたであろう。庶民の貧困の身を見て時勢を批判してはいないと思いたい。
彼は難波新地で新撰組に遭遇している。彼らは無頼の徒では決してなかった。戒律は厳しく単独の行動は許されていなかった。天誅組とはわけが違う、彼らは殺人強奪の組織であった。
それらの判断を敬之助は持っていたか…。ここで彼は何か大きな疑問を持ったとしたら一体何であったのか、
分からない・・・。
彼は憑かれたように作州の立石家に急いだ。そこで毛利家からの褒章の賞状と拝受した名誉の短刀を小脇に抱え長州は第二奇兵隊への入隊を懇願している。
私はここで高杉晋作にあっていると思っている。

立石が高杉に逢っていたら何を話したと言うのか、尊王攘夷なの国民の幸せな生活なのか。高杉が組織した奇兵隊とは何を目的に創られたのか。討幕の為だったのか、または坂本竜馬の意見なのか。とならばグラバーの指図なのか。
立石が隊長になったのは早すぎはしないか、いくら毛利の頑丈があったにしても立石は作州の゜立石家のものではない。彼の母が立石家の娘であったという事で立石は上月村の庄屋大谷の血筋ではないか。
立石は南奇兵隊で何をしようとしていたのか、幕軍が長州を攻撃した時にその要塞となる周防の岩城山に陣し迎え撃つためだけの奇兵隊であったのか、年端もいかない子供たちを集めていた奇兵隊、それらに何が出来たと言うのか。神主の倅、百姓の子供たち。流れてきた痩せ浪人の集団に何が出来たと言うのか。
周防、光市は戦国時代に毛利に敗れた大内家の残党がたむろしていた場所である。俗に言う田布施である。毛利と言うより大内家の残党たちの住んでいた田布施、竜馬は長宗我部の残党の郷士、薩摩にもある地名田布施との共通点はないのか。
立石は何を見て思ったのか、うつけ者であったのか、

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