このページは「k.t1579の雑記帳」です

35.たがいに叩き合う社会(18.7.28)



そもそもムラ社会では罪人を出すこと自体が「恥」であったし連帯責任すらも負わされた。そうした縛りから解かれることが個人の尊厳を守る「自由」概念として社会というものの有り様を変えてきた。そのことは誰も否定できない。

それでも、である。いま再び社会は全体主義の揺り戻しに直面している。巷に教養を装ったものが溢れて感情的な議論を強要し始める。そこには権威主義と崇拝感情みたいなものすら入り混じったコンプレックスがベースをなすのだ。

とかく「保守」回帰的な言説は自論としての論理を展開しやすい。だから人々は感情的に昂ぶると容易に振りかざしてしまう。そのことから生じる他者への排斥などは意識せずに。そこに「防衛」という観念を持ち込むとどうなるか。

やはり直截に云い難いけど、昨今の「凶悪な」犯罪に対する「重罰化」論には「たがいに叩き合う社会」そのものを感じる。その自ら振りかざす論理の暴力性に目をつぶり、目前の相手を徹底的になぶる態度に寒々したものを感じる。


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