ジャズのアメリカ人ヴィブラフォン奏者カル・ジェイダーが晩年に残したアルバム「La Onda Va Bien」に収録のマンボ曲。マンボはキューバの音楽形態であるので、そういう意味では異種音楽への挑戦であった訳だけど、見事に消化したうえで完全にカル・ジェイダー独自のクールなマンボ・ワールドを実現したという感じですね。フィリピンの島名であるミンドロ島のマンボと名付けられたこの曲で、彼がミンドロ島にどんなイメージを感じて作ったのかいまいちよく分からないけど、曲の印象として第一に感じられるのは情熱と冷静さが混在する大人の知的で洗練されたラテン音楽という感じ。まるで良質なSF小説でも読んで異世界に放り込まれたよう。