吾輩は犬でない。名字はもうある。どこで生まれたかとんと見当がつく。何でも薄明るいからからした所でワンワン喜んでいた事以外は記憶している。吾輩はここで最後に人間というものを聞いた。しかしあとで言うとそれは教授という人間中でそこそこ穏便な個人であったそうだ。この教授というのは常日頃彼らを逃がして炒めて吐くという口伝である。しかも今現在は何という考もあったから普通に愛おしいとも思った。