死者のうち、これまでに身元が確認されたのは15人。1日は新たに神奈川県小田原市の会社員、佐野秋乃さん(36)ら3人の身元が確認された。
長野県警によると9月30日までに死亡が確認された12人を検視した結果、いずれも損傷死と判明。多くは噴石が頭や首、体を直撃したことによる外傷性ショックなどが原因とみられ、火山ガス中毒や、火山灰による窒息で死亡した人はいなかった。重軽傷は69人。
東京大地震研究所は、今回の噴火で飛散した噴石は火口から少なくとも1キロ離れた地点まで飛んだとの分析結果を発表した。頂上の御嶽神社周辺では、10センチ以上の噴石が時速300キロ弱で降り注いだとみられる。分析を行った同研究所の金子隆之助教(火山地質学)は「直撃すれば相当の衝撃だっただろう」と話している。
長野県警や消防、陸上自衛隊は1日、心肺停止状態で山頂付近に取り残されている登山者らの救助・捜索活動を再開。同日夕までにヘリコプターなどで心肺停止状態の35人を麓に搬送、全員の死亡を確認した。これまでに発見されていた登山者らは、この日の捜索で全員が麓に搬送された。
1日は捜索隊の輸送に陸自のCH47大型ヘリコプターを初めて投入。現場は火山活動の活発さを評価する指標の火山性微動が続いているが、1日の捜索実施を決めた長野県などは「振れ幅は比較的高いままだが、安定し突然大きくなる様子はない」と判断した。
気象庁によると9月29日以降、火山性微動の振動幅が噴火当日の同27日夜と同じ水準に拡大。二酸化硫黄の放出量も増え、突発的な水蒸気噴出などの振動で空気が揺れる空振の発生も確認され、同庁は二次災害の危険性を指摘している。
【このカテゴリーの最新記事】