気象庁によりますと、台風の進路の予報は台風を取り巻く雲の風向きや風速の観測を基に行われていて、海上にある場合には衛星による観測が重要な情報となっています。
この20年で精度は大幅に向上しましたが、依然として誤差の範囲は大きく、24時間後の予報ではおよそ90キロ、48時間後ではおよそ150キロ、72時間後では200キロ以上となっています。
気象庁が3年前の9月に「ひまわり6号」で試験的に台風を5分ごとに撮影した画像では、台風の雲の動きがより詳しく捉えられています。
気象庁は、「ひまわり8号」によって台風の進路の予報の精度が向上し、誤差の範囲は24時間後の予報ではこれまでよりおよそ10キロ、72時間後では20キロ程度改善できると期待しています。
.
黄砂や火山ガスの観測も可能に
「ひまわり8号」は、これまで白黒だった衛星画像をカラーで表示できるようになるため、雲と区別ができなかった黄砂や火山ガスなどを観測できるようになるということです。
現在運用されている「ひまわり7号」では衛星画像を白黒でしか表示できないため、黄砂は雲と同じように白く写り区別が難しいほか、火山ガスは画像では捉えられないのが現状です。
これに対して「ひまわり8号」は、搭載するセンサーの能力が大幅に向上し、赤と青それに緑の光を認識でき、画像をカラーで表示できるようになります。
このため黄砂は雲などと区別して茶色っぽく表示できるようになり、観測や予報に役立てられるということです。
また大規模な噴火の際には、拡散する火山ガスも観測できるということで、影響の出る範囲を予測し早めに注意を呼びかけるのに役立つと期待されています。
【このカテゴリーの最新記事】