こんにちは!いおりです。
大学の数学には長らく苦労していましたが図書館でいい本を見つけたので今回はその紹介です。
数学に対する苦手意識
大学の数学の教科書(高校以前の数学の教科書もかもしれない)では、最初に一般的な解説、たとえば
行列式 |1 2|
|3 4|
ではなく
|a11 a12|
|a21 a22|
みたいな表記での解説がされその後に例題を解くといったものが多いです。
これが僕にとっては大変曲者で、まず記号を大量に使った最初の解説の理解に苦労します。
苦労して理解できればいいのですがだいたいこんがらがってわけが分からなくなります。
当然その後の例題もとけるはずなく、肝心な例題の解説も一般表記で解説したからなのかだいたい端折ってて途中で前後の式のつながりが分からなくなると。
もうほんといやになります。当然試験結果も芳しくなく。
たぶん、これは同じように数学が苦手な人にしか理解されないと思います(笑)。
それから僕は数学科ではないので数学は道具でしかないのですが、大学の教科書や講義ではどうにも数学以外の学問への応用の道が見えづらくモチベーションにつながらない感覚がありました。
なんかよくわからないから数学よりプログラム書こうかなみたいな。
はじめての微分積分 はじめての線形代数
ちょいと微分積分と線形代数を復習する必要があってしばらくは大学の講義で使った教科書で復習していたのですが忘れかけで途中から全く理解不能に陥ることが多く、図書館で他の参考書を探していくつか読み漁った結果この二冊にたどり着きました。
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本書は、高校まで「数学が得意でなかった人」にもわかるように、丁寧に説明することを心がけた。
微分積分の計算自体はそれほど難しくないものの、その意味を理解していなければ諸科学にどうやって適用すればよいのかわからないことになってしまうので、基本概念の説明に力を入れたかったためである。
基本概念がわかるように角度を変えて詳しく説明してある。「微分ってこういうことだったのか」と、深い理解ができるだろう。
「はじめての微分積分」の「まえがき」より
この二冊がとっても分かりやすかったです。
「はじめての微分積分」では数の概念からかなり丁寧に説明されています。
微分の基本概念でも「一般的な教科書」では
関数 f(x) で変数 x を a から h だけ変化させると、関数の値 f(x) は f(a+h) - f(a) だけ変化する。関数の変化の量 f(a+h) - f(a) を変数の変化の量で割った
(f(a+h) - f(a)) / h
を平均変化率という
ってな感じですが
「はじめての微分積分」では
電車が 70km/h で走っているとき、走る時間 xhと、距離 ykm の間には次の関係が成り立っている。
y(km) = 70(km/h) × x(h)
…
かなり具体的な事例からはじめて「一般的な微分積分の教科書」が 1 ページ目で出してくる微分の基本定義の式をB4サイズの本の 4 ページ目でやっと出しています。
このように
かなり具体的な事例→ちょっと一般化して数学に→さらに一般化して定義、定理に
ってなかんじの書き方が多いです。
今となっては「一般的な微分積分の教科書」の説明はコンパクトにまとまって書かれていると理解できますが、はじめて読んだときは全く訳が分からないです。ほんとに。何回か読んでもわからなかったです。
数学が得意な学生にとってはかなりまわりくどく感じるかもしれませんが僕にはちょうどよかったです。
すでに理解している部分についてもより鮮明な理解ができました。
全体的にこのような書き方になっていて問題の解き方も身に着けやすいですね。
具体例は上であげた電車の速度と距離と時間のほかにもGDPと為替と牛肉の輸入量の関係や、
線形代数では
10/1 テレビ ステレオ ラジオ
埼玉支店 5 3 2
横浜支店 7 6 4
京都支店 2 8 1
10/2 テレビ ステレオ ラジオ
埼玉支店 4 2 5
横浜支店 3 9 6
京都支店 1 7 3
から行列の計算を使って各支店の販売台数を求める、人口移動の問題、
など様々な具体例が使われています。
また、図もふんだんに使われています。
特に三次元空間での図形の変換などは図があると大変理解しやすいです。
ユニークだと感じたのは交差法を使用した立体視の図も使われていることでした。
立体視について詳しくはググってください。簡単に言えば図を立体的に見ることができます。
こんなかんじで二冊ともそれぞれ微分積分、線形代数の基礎的な内容を一通り扱っています。
数学が苦手でも一周するだけで十分に理解ができると思います。
「はじめての微分積分」の前書きにもありましたが文科系の学生や、理工系でも授業が難しく感じる人には大変おすすめです。
短所としては、
定理の証明などは省略されていることが多いです。数学科などの学生はこの本では不十分かもしれません。
定理の証明とかいいからとにかく問題を解けるようになりたい、数学を使えるようになりたいという人には逆にこの点は長所でしょう。僕にとっては長所でした。
あと、誤字が結構あります。 y が x になってたり、π が抜けてたり。けっこう分かりやすい誤字なので集中して読んでいればすぐ気づくと思います。
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