技術経営(MOT)
【イノベーション】
・定義:製品自体の革新だけでなく、生産工程の革新も含まれます。
・ プロダクト・イノベーション :製品自体の革新
・ プロセス・イノベーション :生産工程の革新
・イノベーションのライフサイクル: 技術革新のS字カーブ :
試行錯誤(ゆっくり)⇒技術が確立(一気に進む)⇒成熟(ゆっくり)
→次の技術、、前の技術とは不連続
【生産のジレンマ】
・製品革新と工程革新の観点から生産単位の進化過程
?@流動化段階:ドミナントデザインの確立まで
?A成長段階:製品革新の頻度が減少しつつ工程革新が進む段階
?B特定化段階:製品革新は末端技術に限られ、工程革新も成熟した段階
【イノベーションのマネージメント】
●持続的イノベーション (インクリメンタルイノベーション)
・S字のイノベーション
・既存の主流顧客の要望に応えて進化
●破壊的イノベーション (ラディカルイノベーション)
・後発技術に切り替わる時
・新しい価値を持った顧客層
●イノベーションのジレンマ :前の世代のリーダー企業は、次の世代の破壊的イノベーションに対応出来ないという現象が良く起きる事。
【製品アーキテクチャ】
・製品の設計思想
●製品アーキテクチャの種類
・インテグラル型 (すり合わせ):個々の部品を細かく調整して1つの製品を作る。
メリット:全体として最適・模倣困難
デメリット:進化に時間がかかる。調整コストがかかる。
・モジュール型 :部品をモジュール単位で作り、インターフェースでで連結し製品を作る。
メリット:モジュールを自由に組み合わせる事で様々な製品が作れる。調整コストが低い。
デメリット:製品に無駄が多い。 インターフェースの進化に時間がかかる 。
・オープンアーキテクチャ戦略
製品アーキテクチャやインターフェースを公開しモジュールを提供する企業とネットワークを作る戦略
製品が迅速に進化、少ない投資
【デファクトスタンダード】
・ 事実上
・ デジュリスタンダード : 公的に定められた標準
・ネットワーク外部性 :利用者が増えれば増えるほど効用が高まる(電話、ビデオ、ネット市場など)
【ベンチャー企業のマネジメント】
・一般的に、新技術などでイノベーションを起こして急成長を志向する若い企業
・シード期:準備段階
・スタートアップ期:起業後、事業が軌道に乗るまで:先行投資、通常赤字:スイートマネー、エンジェル、ベンチャーキャピタル
・急成長期:陳知度が高まり急速に成長:黒字に転換:ベンチャーキャピタル、政府系金融機関
・安定成長期:認知度が確立:収益性が最も高い、成長は鈍化:民間の金融機関、IPO(株式公開)
【補足】
・投資事業有限責任組合:業務を執行する組合員は無限責任。投資をするだけの組合員は有限責任
・エフェクチュエーション:手段からスタート
?@手中の島の原則:目的ではなく手段から始める事
?A許容可能な損失の原則:あらかじめ許容できる損失を決めてから始める
?Bクレイジーキルトの原則:様々な関係者と協力しながらパートナーシップを作り上げていく事
?Cレモネードの原則:予期せぬ事態を回避するのではなく、偶然の出来事を活用する事
?D飛行機の中のパイロットの原則:予測では無くコントロール可能な活動に集中し望ましい成果を得る事
【ベンチャー企業の直面する課題】
・ 魔の川(デビルリバー) :基礎研究を製品化
・死の谷(デスバレー) :製品開発段階を事業段階(量産化、採算)
・ダーウィンの海 :競合企業との競争
Jカーブ曲線 ;ベンチャーのキャッシュフロー
【社内ベンチャー】
・目的:?@新規事業への進出?Aチャレンジ精神を持つ人材の育成?B社内の既存資産の有効な活用
メリット:経営資源の有効活用(人材、設備、資金、販路、ブランド、信用):リスクがベンチャーよりは少ない
デメリット:組織的な承認が必要で時間がかかる、既存事業を脅かすビジネスは認められない。
【イノベーションの種類】
●オープンイノベーション :企業の枠組みを超えて外部の知識・技術・開発力なども活用:異業種企業との提携・産学官連携・大企業とベンチャーの共同研究
●クローズドイノベーション :社内だけ
●リバースイノベーション :新興国で開発し先進国にも事業展開
提携戦略
●ネットワーク組織 :複数の企業が集まって仮想的な企業(バーチャル企業)として競争していく組織
●戦略的提携 :2つ以上の企業が連携し事業を推進
・合弁会社の設立(ジョイントベンチャー):複数の企業が共同で新規事業を推進したい時:M&Aに比べて投資資金が少ない
・共同研究と産学官連携:共同での研究開発:大学の研究を企業が商品化
TLO(技術移転機関):大学の研究成果を特許化し企業に技術移転するための法人
●クロスライセンシング:特許権などをお互いに使用:ライセンス料のコストを抑える
【プラットフォームビジネス】
・取引の場を提供(ネット市場やネットオークション、人材マッチング、不動産仲介、中古車の仲介)
【産業クラスター】
関連する企業や研究機関がネットワークを築いて集積している地域(シリコンバレーなど)
競争と協力をベースにしている。
国際化戦略
【国際化の段階】
●輸出入
●海外生産:現地法人、現地法人への生産委託、現地企業との提携、合弁会社の設立
●市場立地型投資:海外市場を開発する目的。生産・販売:海外ニーズに対応しやすい。海外の営業先や提携先が見つけやすい。
●グローバル化:世界中に生産拠点や販売拠点:世界を1つの市場としてグローバル化した大企業
・事業をグローバル統合
規模の経済・製品の固定費が大きい・各国の許認可などが必要無い・現地の習慣や文化への配慮の必要性が低い
・市場に個別に適応
グローバル統合の条件と逆
【国際化リスク】
●出資形態
・単独出資:100%出資:本社のコントロールが容易:投資額、経営資源が大
・合弁企業:海外のパートナー企業と出資:投資額減、パートナー企業の情報・仕入先・販路・経営資源を活用:本社のコントロールが弱い、技術・ノウハウの流出・模倣:守秘義務や模倣禁止などの規定
●立地
・価値連鎖活動(購買・生産・販売・研究開発など)が最も効率的に遂行でき連携が効率的な配置をする。
・カントリーリスク:政治や経済、社会環境、その国特有のリスク(法律・為替政策の急変、内乱など)
CSR
●企業の社会的な責任:ステークホルダーへの責任
【ディスクロージャー】
・ステークホルダーに情報を開示する。
・制度的なディスクロージャー:財務諸表、有価証券報告書
・自発的なディスクロージャー:IR活動(インベスターリレーションズ):企業の業績、将来に向けた取り組み:投資家からの資金調達
【コンプライアンス】(法令遵守)
・法令、社会的なルール、倫理
【コーポレート・ガバナンス】 (企業統治)
・米国:企業は株主の物:経営者の独断を防ぐ
メリット:取締役は経営者を監視、株主が形成を支配
デメリット:短期的な利益を求める経営
・日本:企業は経営者や従業員の物と言う意識
デメリット:外部からのチェック機能が働きにくい⇒社外取締役導入、内部統制の仕組み整備(2008年上場企業は内部統制報告書を提出)、指名委員会設置会社
メリット:株主の圧力少な目、長期的視点の経営が可能
【SDGs】
・持続可能な開発目標:誰一人取り残されない、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のため、2030年を期限とする国際目標
17のゴール、169のターゲット
タグ: 企業経営理論