製品の定義
【製品の3層モデル】
● 製品の核:中核的なベネフィット:顧客が求めるニーズに対応するもの:〔美しい写真を取る〕
● 製品の形態:5つの特性(品質水準、特徴、デザイン、ブランド名、パッケージング):〔カメラ〕
● 不随機能:付随的に提供される物やサービス:アフターサービスや製品の保証、配送:〔アフターサービスや保証〕
【製品の分類】
・ 有形財:物理的な製品:消費財(個人的な消費の為に最終消費者によって購入)と産業財(生産財)(企業などが他の製品の生産や事業活動に使用するために購入)
・ 無形財:サービス
消費財の種類は4つに分類
● 最寄品:習慣的に購入するような製品:購買頻度が高く、低価格:時間や労力をかけずに購買: 日常的反応行動
・食料品や日用雑貨、スーパーの様な立地、生産者によるプロモーション(メーカーがTVCMなど)
● 買回品:消費者が比較し、探し回るような製品:最寄品に比べ、購買頻度が低く、値段は高い:時間と労力をかけて複数のブランドを比較: 限定的問題解決
・洋服やテレビ、少数の店舗で選択的、生産者と小売業者による広告と人的販売
● 専門品:専門的:価格が高く、購買頻度が低い製品:あまり知らないので、時間をかけて製品を調査: 拡大的問題解決
・自動車や宝飾品、商圏ごとに少数の店舗で独占的、生産者と小売業者によってターゲットを絞って広告
● 非探索品:消費者の関心が低く、あえて自ら求めない製品:
・生命保険など、何もしないと売れないので、積極的な広告と、人的販売が必要
プロダクト・ミックス
(製品ミックス)製品の組み合わせのこと。品揃え・ 製品ライン:類似している製品のグループ
・ 製品アイテム:製品ラインの中の個別の製品
● 製品ラインの幅:(乗用車、軽、トラックなど):広げると売上は上がるが競争とコストも増える
・フルライン戦略:市場全体をカバー
● 製品アイテムの深さ:(同じ車種の中でのカラーや排気量、装備):
専門店ではラインを狭く、アイテムを深く
100円ショップはラインを広く、アイテムを浅く
製品ライフサイクル
【導入期】
・特徴:売上・低い、利益・マイナス、顧客・ イノベーター 、競合・ほとんど無い
・マーケティング目的: 知名度の向上
・マーケティング戦略
製品:標準製品
価格: コストプラス法
チャネル:選択的
プロモーション:知名度の向上
【成長期】
・特徴:売上・急上昇、利益・上昇、顧客・ 初期採用者 、競合・増加
・マーケティング目的: シェアの最大化
・マーケティング戦略
製品:製品拡張、サービス、保証
価格: 市場浸透価格
チャネル:開放的
プロモーション:大衆への知名度向上と関心の喚起
【成熟期】
・特徴:売上・ピーク、利益・高い、顧客・ 一般的な大衆 、競合・安定
・マーケティング目的: 利益最大化とシェアの維持
・マーケティング戦略
製品:多様なモデル、ブランド
価格: 競争対応価格
チャネル:より開放的
プロモーション:ブランド差別化
【衰退期】
・特徴:売上・低下、利益・低下、顧客・ 採用遅滞者 、競合・減少
・マーケティング目的: 支出削減と円滑な市場撤退
・マーケティング戦略
製品:弱小アイテムをカット
価格: 価格切り下げ
チャネル:不採算チャネルのカット
プロモーション:最小限に削減
● 計画的陳腐化政策:計画的に製品の寿命を短縮する戦略
・製品のモデルチェンジを頻繁に行い、顧客の買い替えを促進する政策
ブランド
【ブランドの定義】:製品やサービスの生産者や販売者の商品を識別する、 名称、記号、シンボル、デザイン またはそれらの組み合わせ
【ブランドの機能】
● 出所表示機能:提供者を明らかにする機能
● 品質保証機能
● 広告宣伝機能
● ブランド・エクイティ :確立されたブランドが持つ高い資産価値
・ブランドを確立するとプレミアム価格を付けれる
・ ブランド・ロイヤルティ (ブランドへの執着)、 知名度 、 知覚品質 (品質のイメージ)の高さ、 ブランド連想の強さ 、 特許、商標 などから構成
〈ブランド価値〉
● 基本価値:製品の物理的機能が提供する価値
● 便宜価値:製品の購買・消費時に利便性を提供する価値
● 感覚価値:五感を通して楽しい消費経験を提供する価値
● 観念価値:ブランドなどから顧客が抱くストーリー、ヒストリー、文脈などが提供する価値
〈 ブランド要素(ブランド・エレメント)〉:ブランドの具体的な構成要素のこと
● ブランド・ネーム(名称)
● ブランド・マーク(記号、シンボル):ロゴマーク、ロゴタイプ、シンボル
● デザイン、パッケージ:商品を包装するパッケージ(入れ物)
● トレード・マーク(商標):商品商標、役務商標、立体商標等がある。
● スローガン:ブランドが伝えたいメッセージを簡潔に表したもの。
● キャラクター
● ジングル:音によるブランドのメッセージ。
● 色:ブランドのイメージを表す色。
【ブランドの種類】
● ブランド所有者による区分
・ ナショナルブランド(NB):生産者ブランド:メーカーがつけるブランド
・ プライベートブランド(PB):ストアブランド:販売業者がつけるブランド
ライセンシング:ブランドの提供元に料金を払ってそのブランドの製品を提供する
● ブランド採用戦略:複数の製品にどのようにブランドをつけるか: 製品ライン間の類似性 と、 標的市場の類似性 の 2 軸によるマトリクスで整理される
・ ファミリーブランド:製品ラインが同質であり、標的市場も同質: すべての製品に同じブランド が付けられる。
・ 個別ブランド:製品ラインが異質であり、標的市場も異質: 個々の製品に対してブランド が付けられる。
・ ダブルブランド:製品ラインが異質であり、標的市場が同質: ファミリーブランドと、個別ブランドを組み合わせ る。
・ ブランド・プラス・グレード:製品ラインが同質であり、標的市場が異質:共通の製品を表すブランドに、ターゲットの違いを表す グレードをつける 。
・ 分割ファミリーブランド:製品ラインや標的市場が、同質でも異質でもない、中間的な場合:似たような製品ラインをグループ化して、 複数のファミリーブランド をつける。
● ブランド基本戦略:4 つのブランド基本戦略
・ ライン拡張戦略: 既に確立したブランドを、 既存の製品をマイナーチェンジした製品などにつける戦略
・ ブランド拡張戦略: 新しいカテゴリーの製品に 既存のブランドをつける戦略
・ マルチブランド戦略: 同じカテゴリーの製品に、 違うブランドをつける戦略
・ 新ブランド戦略:新しいカテゴリーの製品に、新しいブランドをつける戦略
〈ダブルチョップ、ストアブランド〉
● ダブルチョップ:メーカーと流通業者が共同してつくる共同開発ブランド(小売の名前+メーカーの名前)
● ストアブランド:小売業者が独自に作ったブランド(小売の名前だけ)
〈ブランドカテゴライゼーション〉:ある製品カテゴリーに含まれるブランドを類型化する枠組み
● 想起集合(考慮集合):処理集合のうち 購入したいと思う ブランドの集合
● 拒否集合:処理集合のうち 購入したいとは思わない ブランドの集合
● 保留集合:何らかの理由で 購入を思いとどまっている ブランドの集合
パッケージング
【パッケージの機能】
・製品を運搬したり保護する機能
・製品の説明や内容物の表示など、情報を提供する機能
・デザインや表示により、販売を促進する機能
【パッケージングの分類】:3 つの分類がある。
● 個装:製品の保護や、製品の魅力を高めるための包装
● 内装:包装貨物の内部の包装:衝撃や湿気などから製品を保護する
● 外装:包装貨物の外部の包装:運搬したり保管をするため
新製品開発
【製品コンセプトの検討】
・顧客のニーズや、自社の強みであるシーズに着目し、製品化のアイデアを数多く挙げていきく→アイデアを絞り込むスクリーニング→製品のコンセプトを明確にしターゲット顧客やポジショニングを明確化する
【マーケティング戦略の検討】
・製品、価格、チャネル、プロモーションなどのマーケティング戦略の仮説を作成→事業の予想売上高、原価、利益などをシミュレーションし、経済性を評価→事業として採算が見込める場合には、次の段階
【製品化】
・製品コンセプトに基づいて製品の設計を行い、試作品を作成→顧客を限定して実験的に販売するテストマーケティングを行う→市場の反応を確認し、製品の設計やマーケティング戦略を最終調整
【市場導入】
・最終的に決定した製品の設計を元に製品を生産し、市場導入
タグ: 企業経営理論
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